2017年5月30日 10:30
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (12) 殺陣の常識を覆した! 木村拓哉VS海老蔵の死闘 (5人目:殺陣 辻井啓伺氏)
木村のストイックさは、どのような形で表れたのか。
○"死なない"が目立つと卑怯
――木村さんとは初仕事ですか?
仕事は何回かしたことありましたが、ここまでガチッと立ち回りをしたのは初めてです。昔から真面目な方で現場の人間にも優しい。『南極大陸』(11年・TBS系)でもご一緒しましたけど、厳しい環境の中でも本当に真面目な人だなぁと感じました。
それから、常に裏表がない人。普通に会話している時も、全然変わらない。現場に入って万次になっても変わらないし、どんな時も「木村拓哉」なんだなぁと。常に真面目、それが彼の普通であり、日常なんでしょうね。
つい、そこまでストイックにならなくても……なんて思ってしまいます。でも、それが彼なんでしょうね。それをずっとやって、生きてこられた。すごい人だからそういうふうに見えるのか、続けてきたからすごい人に見えるのか。万次は、ずっと一生懸命でした。
――万次が物語の主人公として特徴的なのは、斬られることが多いこと。
そう。今回の映画では、実は全然強くないんですよね。
やられまくっている。でも、そこが目立ちすぎると、逆に卑怯になっちゃうので気をつけました。