2021年8月19日 15:40
映画『スウィート・シング』アレクサンダー・ロックウェル最新作、姉弟2人の悲しいけれど幸福な旅
子育てができない親たちという現代社会の問題を描きながらも、『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる子どもたちの幸福感あふれる冒険を映し出す。16ミリフィルムで撮影されたモノクロとパートカラーの映像も、詩的で美しい。
監督の“実の子ども”が主役の姉弟役に
主役を演じるのは、アレクサンダー・ロックウェル監督の“実の子ども”たち。姉ビリー役を娘のラナ・ロックウェル、弟ビリー役を息子のニコ・ロックウェルが務める。また、実際のパートナーであるカリン・パーソンズが母親イヴを、『イン・ザ・スープ』からの盟友で、近年は『ミナリ』への出演でも注目を集めたウィル・パットンが父親アダムを担当した。
全編を彩る音楽にも注目
全編を彩る音楽も、映画『スウィート・シング』の魅力。タイトルにもなっているヴァン・モリソン『Sweet Thing』や、ビリー・ホリデイ、テレンス・マリック『地獄の逃避行』のサウンドトラックの引用など、ロックウェルの音楽センスが光る。なお、映画『スウィート・シング』は2020年2月のベルリン国際映画祭ジェネレーション部門にてワールドプレミア上映され、最優秀作品賞を受賞。
2020年東京国際映画祭でも『愛しい存在』というタイトルで上映された。