2021年7月1日 06:00
死者最多も“批判なし”吉村知事を支える大阪メディアの異常
(松本さん、以下同)
3月1日の緊急事態宣言の解除も、吉村知事が政府に働きかけて1週間前倒ししたものだ。それに伴い、すぐに対応できる重症病床の数も縮小したが、ふたたび感染が爆発し、“医療崩壊”を招いたと指摘されている。ところが、在阪メディア、特にテレビで、こうした知事の失政が正面から批判されることは少ない。
宣言解除前から変異株の危険性は指摘されていたにもかかわらず、吉村知事は“医療崩壊”に陥った理由を「変異株の感染力が予想以上だった」からと説明。テレビに出ても、無批判にその声は垂れ流されることが多かったという。
「知事が出演しているのは、主に情報番組。普通、政治を扱うのは報道局なんですが、情報番組はバラエティー番組をつくる制作局が作っています」
知事が頻繁に情報番組に出演する。そんな大阪特有の“伝統”を作ったのは橋下徹元大阪府知事(52)だと松本さんは指摘する。
「橋下さんは、知事になる以前からタレントとして頻繁に情報番組に出演していたので、当時から親しかった制作局が、府知事になってからも番組を作るようになったんです。制作局の人間からすれば“身内”の橋下さんが知事になったわけですから、権力者に対峙するというより、タレントに対し、〈がんばってや!〉みたいなノリになってしまうのでしょう。