2022年1月17日 06:00
瀬戸内寂聴さん 歌手に秘書、知人らが明かす「私の人生を変えた言葉」
それから10年、’21年11月30日に私はデビュー35周年記念コンサートを行ったのです。8月の初めに先生に激励コメントをいただけないかお願いしました。すると次のようなコメントが。
《歌手としてだけでなく、盲導犬の世話をしたり、人柄がとても温かいのでずっと仲良しです。100年の人生の中で35年はまだまだ若々しい。これからも円熟の歌を唄い続けてください。寂聴》
コメントはコンサート会場でも紹介させていただきました。先生のお言葉がすごくうれしくて、会場では思わず、『あと35年はやろうと思っています!』と宣言してしまったほどです。
そのころには先生のお年も超えています。まだ大口を開けて歌っている私を見て、先生は笑ってくださるでしょうか」
■「愛することは、許すこと。それが究極の愛です」ーー秘書・瀬尾まなほさん(33)
「『京都に住んでいるのがつらい』、先生が亡くなって半月後ごろから、そう思うことが多くなりました。
先日、先生が通っていた病院の近くに所用で行ったとき、『ああ、この病院に何度も一緒に来て、帰りに2人でお茶したこともあったな』と、なつかしい風景が蘇りました。その喫茶店に1人で入って、先生と向かい合って座った席で、フレンチトーストを『おいしいね』と、2人で半分こしたことを思い出しました。