くらし情報『岩下志麻が語る北条政子像 多くの女性を庇護した“哀しい母親”』

2022年5月8日 06:00

岩下志麻が語る北条政子像 多くの女性を庇護した“哀しい母親”

母親として、これほど哀しい人生はありません」

語るのは、43年たった今なお名作と呼ばれる大河ドラマ『草燃える』で、北条政子を演じた女優の岩下志麻さん(81)。

「『草燃える』でも、政子である私がどんなに長男を思っても、郷ひろみさん演じた頼家は、決して心を開いてはくれませんでした。当時、乳母は大きな存在で自分で育てることはできなかったけど、母親にとっては血のつながったわが子ですから、相当つらかったと思います。

政子を演じて思ったのは、まっすぐな人。激しい強い女と言われながら亀の前にあれだけ嫉妬するのも、一本気なかわいい一面でもあります。またほかの女性たちの面倒を見たりして、思いやりもある人ですよね」

岩下さんの言うとおり、政子が御台所、尼将軍として弱い立場の女性たちを庇護し続けた事実も、また見逃されがちだ。 「(御所の女房だった)大進局が頼朝との間にできた男の子を産んだとき、政子は局を追い出し、子供は出家させました。やがて、その子は高位の僧となります。
そして政子自身も尼となったときに、自分の仏教の師のように遇する。あれだけ憎んだ人の子なのに、生涯、心の交流を続けたんです」

と話すのは、女子美術大学付属高等学校・中学教諭で日本史研究家の野村育世さん(61)。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.