くらし情報『金子鮎子さんが開いた“精神障害者雇用への扉”天皇陛下にご報告も』

2022年6月12日 06:00

金子鮎子さんが開いた“精神障害者雇用への扉”天皇陛下にご報告も

ただそれだけでした」

1988年、金子さんはおよそ34年勤めたNHKを55歳で定年退職。翌1989年、志を同じくする仲間と共に、精神障害者が働く清掃会社、株式会社ストロークを起業する。

障害者は数百円の工賃しかもらえない時代、社会福祉法人などではなく、株式会社にこだわったのは「障害があっても仕事に見合う賃金が支払われるようにしたかったから」と金子さん。社名のストロークには、なでる、さするなどの意味がある。

「赤ちゃんでも、スキンシップや周囲からの声かけが多いほどすくすく育つでしょう。そんなプラスのストロークを、もらうだけじゃなく、障害があってもこちらから発信して社会の役に立ちたい。社名にはそんな思いを込めたんです」

金子さんの熱意を目の当たりにし、応援団は増えていく。

「NHK時代の仲間や地域医療に関わってきた医師、たくさんの支援仲間、そして他界する直前だった父も株主になってくれて。
起業を後押ししてくれました」

一方、美智子さまは、1989年に昭和天皇が崩御し現在の上皇陛下が天皇に即位されたことで、初の民間出身の皇后になられる。新しい時代の扉は開きつつあった。

■村木厚子さんらと実現した障害者雇用の道

金子さんは、清掃会社でアルバイトをしながらノウハウを学んだ。

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