2022年10月20日 06:00
コロナ後遺症の新事実 感染でアルツハイマー病発症リスクは94%増、脳卒中は50%増
(写真:PIXTA)
水際対策の大幅な緩和や、脱マスクに向け政府が議論を開始するなど、まるで“コロナは終わった”とばかりの日本国内。
確かに、オミクロン株ではこれまでの株に比べ重症化率や死亡率は低下した。しかし、コロナ回復後もさまざまな体調不良に悩む“後遺症”には依然注意が必要だ。
「オミクロン株の後遺症では、倦怠感や頭痛、睡眠障害、息苦しさなどを訴える方が増えています。さらに、認知症に似た記憶障害や、集中力の低下など、いわゆる“ブレイン・フォグ”と呼ばれる症状が増加しているのです」
そう警鐘を鳴らすのは、岡山大学病院の副病院長で、総合内科・総合診療科教授の大塚文男さん。
同病院では、昨年2月からコロナ・アフターケア外来を開設。今年9月30日までに受診した427人の患者データから、次のような後遺症の症状が見えてきたという。
「当院の統計では、デルタ株では全体の23%だったブレイン・フォグの症状が、オミクロン株に変わってからは全体の34%へと10ポイント以上も増加しています。
患者さんの中には、生活のなかで無意識にできていたことが、かなり意識しないとできない、と訴える方もいます。