くらし情報『寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独』

2022年12月30日 06:00

寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独

高松への講演旅行までさかのぼる。

その後、最初の不倫相手である涼太も絡んでの三角関係となり、さらには、井上の妻も寂聴さんとの関係を知ることに。

その複雑な人間関係から逃れるように精力的に書き続ける傍ら、草創期のワイドショーのご意見番までやるようになっていた。

「とにかく小学生のような好奇心の持ち主で、新しいものは全部知りたい、やってみたいという人。人気アイドルのコンサートも、とにかく行ってみる(笑)。

でも、文壇から、テレビに出ること自体が作家の価値を下げているとの批判もありました。

書くジャンルも広範すぎると、4つも年下だった井上さんから、お説教もされていたそうです」

文壇デビュー後に冠されていた「子宮作家」のレッテルを剝がせず、憤りを長尾さんにぶつけることもあった。「文芸評論家が、あたしのことを『女の業を書き続けてきた』なんて言うのは腹が立つ。
あたしは女の業なんか書きません。人間を書いているのよ、人間を。でも、そう言われるということは、まだ書けてないんだなあ」

そう言って、身を削るようにして執筆し、マスコミに登場し続ける寂聴さんを、長尾さん母子は陰で支え続けた。執筆や取材の経費などが、長尾家の持ち出しのこともあった。

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