2023年3月10日 15:50
得する「年金みなし繰下げ」活用法を荻原博子が解説! 年下妻は気をつけて
結果、71歳の請求時には本来の年金額100万円の5年(66~71歳)分の500万円を一括で受け取り、71歳以降は本来の受給額(年100万円)を受け取ります。65歳から66歳になるまでの100万円分は損する仕組みになっているのです。
そこで’23年4月に導入されるのがみなし繰下げです。
みなし繰下げは70歳以降で年金を請求し、さかのぼって一括受給を選択する場合「請求の5年前に繰り下げていた」とみなされるものです。
先のAさんの例で、4月の改正後どうなるかを見ていきましょう。
【3】繰り下げる場合
改正前と変わりません。71歳から、6年間繰り下げて50.4%増額された年150万4000円を受け取ります。
【4】さかのぼって一括受給する場合
みなし繰下げが適用されます。
71歳で年金請求するAさんは、5年前(66歳)に繰り下げていたとみなされます。繰下げ期間は65歳から66歳になるまでの1年間。年金額は0.7%×12カ月=8.4%増額され、年108万4000円に。請求したときに、それまで受け取っていなかった108万4000円×5年=542万円を一括で受け取り、71歳以降は年108万4000円を受け取ることになります。