2023年3月10日 15:50
得する「年金みなし繰下げ」活用法を荻原博子が解説! 年下妻は気をつけて
Aさんが【3】繰り下げる場合と【4】さかのぼって一括受給する場合を比べると、84歳より長生きすると【3】繰り下げのほうが受給総額は多くなります。ですが、元気なうちにまとまった年金額をもらったほうがいいと思う人もいるでしょう。
■加給年金の有無がポイント。注意しよう
たとえば、自営業のBさん(73)は長く働き国民年金を最大限繰り下げようと考えていましたが、入院することに。そこで、【4】のさかのぼって一括受給する方法で年金を請求。5年分を一括で受け取れたので、医療保険がなくても安心して治療できました。
また、自営業のCさん(72)は事業を後継者にゆずったタイミングで年金を請求。【4】のさかのぼって一括受給する方法を選択し、まとまった金額を自分の退職金代わりにしました。
ただし、みなし繰下げは’23年3月末で71歳未満の方が対象です。ご注意ください。
いっぽう、年金の繰り下げで注意が必要なのは年下の妻がいる会社員の方です。厚生年金の加入期間が20年以上ある夫が65歳になったとき、65歳未満の妻がいれば、夫の厚生年金に「加給年金」がつくからです。加給年金の額は年齢によりますが年約40万円。