2021年5月10日 20:00
浪曲師・玉川奈々福が語る! 『野田版 研辰の討たれ』の魅力
撮影:塚田史香
5月14日(金)から全国の映画館で上映が始まるシネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』。本作を浪曲化した演目を、6月25日(金)よりユーロライブで行われる「浪曲映画祭」にて上演予定の浪曲師・玉川奈々福への取材会が行われた。
2005年に歌舞伎座・中村勘三郎襲名披露公演『野田版 研辰の討たれ』をみて、浪曲化を決意したという玉川。当時の衝撃を「震えるほど面白かった」と語る玉川は、その理由について「歌舞伎というと『仮名手本忠臣蔵』など、忠義に身を捧げる人を描く作品が多いですが、この舞台の主人公・研辰はその精神を頭から否定します。建前ではなく本音で生きていると感じました。結局は当事者として仇討ちに巻き込まれ、翻弄されていくわけですが…こういう本音で生きる人を浪曲で描きたい!とすぐに思いました」と語る。自身が惚れ込んだ作品を浪曲化するにあたり苦労したようだが、「勘三郎丈の辰次はとにかく愛嬌が溢れていて、演じるというよりもその役を生きているという風に見えました。シネマ歌舞伎で観ると、勘三郎丈が大汗をかいてるのが分かるので、さらにそう感じます。
歌舞伎俳優は日本の宝ですし、勘三郎丈は演劇の神様のような方です。