2022年1月21日 12:00
「80年代はLGBTQに対する理解も進んでいなかった」オリー・アレクサンダーが語る『IT'S A SIN 哀しみの天使たち』
だから、自分をさらけ出せないんだ。僕自身、もっと若い頃はそうだった。ゲイである自分が嫌で、自分ではない誰かになろうとしていたこともある。リッチーはたまに、ジョークを言って注目を集めようとするよね。本心を隠すために。以前の僕も、同じようなことをよくしていたな。
──でも、彼ほど自己中心的ではないのでは?(笑)
そうだね。僕自身はもっと思いやりのある人間だと思いたい(笑)。
リッチーは時々とても自己中心的で、そんな彼を仲間たちが諭してくれる。仲間を愛しているけど、たまに失礼なんだ。彼のそういった面には、正直なところちょっとうんざりした(笑)。とは言え、演じるうえで一番魅力的だったのはリッチーの複雑な人間性。まあ、人は誰でも複雑な内面を持っているものだけど、ドラマに登場するゲイのキャラクターから複雑さを感じられるのは珍しいことだと思う。
『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』(c) RED Production Company & all3media international
リッチーを演じたことで音楽活動の創作の幅が広がった
──ミュージシャンとしての表現手段も確立しているオリーさんが、役者としての表現で大切にしていることは?
音楽においては、曲を書くにしても、歌うにしても、ステージでパフォーマンスをするにしても生(なま)