2022年7月29日 12:00
「発明したものを、実用化したい」上田誠が語る『あんなに優しかったゴーレム』再演
と言い始めた頃は、毎回「新発明」みたいな感じでやっていました。そのせっかく発明してきたものをもうちょっと実用化したい、みたいな気持ちです。そうやって『九十九龍城』をつくったら、やっぱり自分の中では良かった。だから『あんなに優しかったゴーレム』も、「これを今やったらすごくおもしろいんじゃないかな」という思いです。
初演時からいかに密度をあげられるか
――どんなふうにリメイクされる予定でしょうか?
これね、言い方が難しいんですけど、例えば『サマータイムマシン・ブルース』を再演したときは、『サマータイムマシン・ワンスモア』という新作も一緒につくったし(’18年の劇団20周年に2作品を交互上演した)、ボリュームがあったんです。そういう意味では今回はこの一作でいくので、ある意味キュッとしている。でも「キュッとしてる」とか言うと、お客さんが楽しみにできないかなと思って……。
――いや、素直に楽しみですよ(笑)。
キュッとさせたままつくるということですね。
この作品は、当時の自分たちのスケール感最大でつくったものですが、あれから14年経って、劇団に力がついてきているから、作品にいろんなことを加えて、もっと大作に仕上げていくこともできなくはないです。