2022年7月29日 12:00
「発明したものを、実用化したい」上田誠が語る『あんなに優しかったゴーレム』再演
上田誠個人は、記号的だったり本質的だったりするものが好きだから。でもヨーロッパ企画はそれをエンタテインメント化する集団なので、いつも盛ったりデコッたりしてつくってきました。それは非常に楽しいですし、捨てるつもりはないです。でも今作は、シンプルに信頼のおける役者たちの掛け合いが……話していて「そういうものをつくるんだな」という感じがしてきましたが(笑)、それで十分面白いんですよね。
――その「シンプルにやる」という考えのもとでのリメイクってどんなやり方になるのですか?
僕は「いかに密度を上げられるか」が大事だと思っています。初演から十数年も経つと、「当時はこういうお弁当の詰め方をしていたけど、このおかずは斜めに入れられるし、そしたらもっと入るな」とかそういうことがわかってくる。今の僕なら上演時間を40分くらい短くできるかもしれないので、じゃあその40分ぶん何を足そうかな、みたいな感じです。自分の書いたものに大鉈を振るうのは、そんなに嫌じゃないほうですし。
「京都で培ってきたもの」を流通させる
――初演から続投の皆さんの配役は同じになるのですか?
新しい役もつくるので、何人かは入れ替えます。