2024年5月10日 19:00
【観劇レポート】歌舞伎町に歌舞伎がやってきた!中村屋がおくる“極上の初物”「歌舞伎町大歌舞伎」
上方落語「貧乏神」をもとにした世話狂言の新作歌舞伎で、「貧乏神」を作った落語作家・小佐田定雄がこの歌舞伎版の脚本も手掛ける。主要キャラ・貧乏神のびんちゃんは落語のみならず、TVドラマでフランキー堺が演じたほか、宝塚歌劇でも『くらわんか』『ANOTHER WORLD』と2作にわたり登場したことのある人気キャラクターだ。
『福叶神恋噺』より、左から)中村虎之介、中村七之助
物語は仕事嫌いの根っからの怠け者、大工の辰五郎が主人公。お金がないのに働かないため家はボロボロ、食べ物にも困るありさま。妹のおみつの婚約者にまで借金をして、おみつは怒って家を出ていってしまったが本人はどこ吹く風。そこへ忽然と現れた貧乏神のおびん。貧乏神は人間から養分を吸い取るものなのに、おまえには吸い取るものすらないから少しは働けと小言を言う。しかし「働かなくても貧乏、働いても貧乏神に吸い取られて貧乏になるのなら、働かない方がいい」と屁理屈を言う辰五郎。
しまいにはおびんにまで借金をねだる始末。みかねたおびんは内職をし、辰五郎の世話を焼き……。
『福叶神恋噺』より、左から)中村七之助、中村虎之介
辰五郎を演じるのは虎之介。