くらし情報『【観劇レポート】歌舞伎町に歌舞伎がやってきた!中村屋がおくる“極上の初物”「歌舞伎町大歌舞伎」』

2024年5月10日 19:00

【観劇レポート】歌舞伎町に歌舞伎がやってきた!中村屋がおくる“極上の初物”「歌舞伎町大歌舞伎」

勇壮な曽我五郎から一転、言い訳ばかりなのにどこか憎めないダメ男を、愛嬌たっぷり、水を得た魚のように演じている。大きな目で上目遣いに借金をねだるさまは可愛らしく、まわりの人々がついほだされてしまうのも無理はないと思わせる説得力。落語では男である貧乏神は、本作では女性となり七之助が演じる。ボサボサの髪を嘆きながらも派手な着物を着けるユニークな貧乏神は七之助の華やかさが相まって可笑しみがあるし、年下の男に振り回されながらせっせと世話を焼く姉さん女房のような一面も可愛らしい。何より七之助と虎之介の相性がピッタリだ。途中、歌舞伎町ならではのお遊びも挟みつつ、気付けば大団円。辰五郎がどう心を入れ替えるのかは舞台を観ていただくとして、世話物らしい人情と、笑いと、幸せな余韻が揃った名作が誕生したことは断言しよう。

【観劇レポート】歌舞伎町に歌舞伎がやってきた!中村屋がおくる“極上の初物”「歌舞伎町大歌舞伎」

『福叶神恋噺』より、左から)中村鶴松、(中村かなめ)、中村虎之介、中村七之助
歌舞伎が初進出する新たな劇場での第一回公演にふさわしく、賑々しい門出となった「歌舞伎町大歌舞伎」。
歌舞伎本来の華麗さ、勇壮さ、楽しさの詰まった舞踊2作と、テンポよく楽しめる新作歌舞伎は、ご通家が観ても納得で、歌舞伎を見慣れない人が観ても楽しめるものになっている。

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