くらし情報『ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート』

2024年4月19日 17:00

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

より、右から)千葉哲也、小島聖(撮影:宮川舞子)

団地の片隅から、主人公たちの生活を覗き見ているような気分

プログラムB『デカローグ2』は、「ある選択に関する物語」。バイオリニストのドロタ(前田亜季)は、同じ団地に住む医長(益岡徹)を訪ね、重い病を患い入院している夫アンジェイ(坂本慶介)の余命を知りたいという。ドロタは愛人の男の子供を妊娠していた──。常に苛立ちを隠せずにいる彼女の姿が痛々しい。

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

『デカローグ2』「ある選択に関する物語」より、右から)前田亜季、益岡徹(撮影:宮川舞子)
『デカローグ4』「ある父と娘に関する物語」は、近藤芳正演じる父ミハウと、夏子演じる娘のアンカの物語。母はアンカが生まれた時に亡くなっているが、快活で魅力的なアンカと優しい父は、まるで友達、ともすると恋人同士のように仲が良い。ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つけ──。十戒は「あなたの父母を敬え」と戒めるが、この父娘はどうだろう。
劇場を後にしても、登場人物たちのその後の人生が気にかかる。

ヴェールを脱いだ新国立劇場『デカローグ』、開幕レポート

『デカローグ4』「ある父と娘に関する物語」より、右から)近藤芳正、夏子(撮影:宮川舞子)
必要以上に畳み掛けるセリフの応酬も、仰々しい場面転換もない舞台。

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