2022年3月1日 12:00
【楽市楽座は信長オリジナルではなかった?!】「本当は、そうだったのね」知的好奇心をくすぐる日本史の授業
に発布された楽市令が原文で紹介されています。
しかし研究者の柴裕之氏は、「長らく『革命児』信長のイメージのもと、信長による画期的な事業として位置づけられてきた。しかし『楽市楽座』は各地の戦国大名のもとでもおこなわれていたこと、また、その背景には、それぞれの地域の固有の地理的条件や歴史的状況があったことが明らかとなって」おり、「安土山下町の場合、織田権力の拠点と化したことで急ぎ開設された新興都市であったという地域事情から、この都市の振興のための措置が必要とされた」のだとし、座によって「市場流通が支障なく運営されるようであれば、座を保護する姿勢を示した」(『織田信長戦国時代の「正義」を貫く』平凡社)と述べています。
つまり、教科書の記述にあるような、伝統的な既得権益集団である座を容赦なく解体し、各地の市場の税を撤廃して自由な商活動を認めたのが信長の功績だとする見方は、もう古くなりつつあるのです。
いかがでしたでしょうか?
今回は本書に収録されている、信長のお話のほんの一部を紹介させていただきましたが、本書にはその他にも秀吉、家康、龍馬などの超人気の歴史上の人物や、奈良の大仏造立や蒙古襲来、関ケ原の戦いなど、誰もが知る歴史上の出来事について、「実はそうだったね」