「テレビっ子なので、『名探偵コナン』はずっと観てました」という塩野は、出演が決まり、まず気になったのは「コナン役は誰がやるのか」だったとか。予想に反して、本作でのコナンは生身の役者ではなく、“ある形”での参加となるのだが……。
「それを知って、逆に納得できたんですよ。原作やアニメでも、コナン君は毎回異なる人々に出会って、事件を解決していくパターン。だからこの作品でも、僕たちがその世界観に落とし込んだ芝居さえしていれば、自然とコナン君が僕らの謎を解決してくれるように見えるんだろうなって」と、塩野は早くもコナンワールドを楽しみにしている様子だ。
演出は、同じく客席参加型の舞台『私のホストちゃん』をスマッシュヒットに導いた村上大樹。塩野も「本読みの時から、笑いも遊び心もつまった作品だなと感じてます。本番はきっと面白いことになるんじゃないかな」と信頼を寄せる。
2013年の俳優デビュー以来、ようやく4年。多くの映像作品や舞台で着実に経験を重ねている塩野だが、「演技に関しては、全然。まだまだだなって痛感してばかりです」と謙虚に語る。
「特に今回のような現代劇の大学生役で、ト書きの少ない台本では、セリフの余白を読みとって、言い回しや芝居を自分でしっかり考えないといけない。