くらし情報『「気道の確保だけ覚えてください」緊急時に役立ったプロの教え【体験談】』

2024年2月5日 10:10

「気道の確保だけ覚えてください」緊急時に役立ったプロの教え【体験談】

救急車を呼ぶにも、110番だっけ? 119番だっけ? とスマホを握りしめて迷ったのを覚えています。

ただ、パニックを起こしている私の頭の中に浮かんできた言葉がありました。それは「気道の確保をして!」です。起き上がろうともがく父に声を掛けながら横向きに寝かせ、呼吸しやすいように衣服を緩め、救急車を呼びました。

助けられなかった。父に対する複雑な思い

救急隊イメージ


ずっと苦しかったのでしょう。横向きに寝かせた瞬間、父は激しく肩を上下させて呼吸しました。衣服を緩めると、おなかを膨らませて、腹式呼吸を始めました。
また、救急車が到着するまでの間、父は何度か、嘔吐しました。それも、横向きに寝かせたおかげで、すべて口から吐き出すことができました。

救急車が到着したとき、大げさなようですが神様に見えました。救急隊の方はオロオロしている私と母を気づかってくれ、小雨の降る中、担架に乗せた父の顔が雨に濡れないようにと、救急車に乗り込むまでずっと傘をさし続けてくれました。温かい対応に感謝しかありませんでした。父は、病院に搬送されましたが、残念ながら助かりませんでした。

私がもっと早く父の体調の変化に気付けていたら助けられたかもしれないという強い自責の念と、倒れたときにたまたまそばにいて、ひとりで逝かせずに済んだことに対する感謝の思い。

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