くらし情報『卵を産む哺乳類カモノハシとハリモグラの苦味感覚を解明』

2022年6月10日 11:00

卵を産む哺乳類カモノハシとハリモグラの苦味感覚を解明

■ 研究成果
本研究の著者らを含む国際単孔類ゲノムプロジェクト(*2)において、単孔類は他の哺乳類と比べて苦味受容体遺伝子の個数が非常に少なく、ヒトは26種類持つのに対して、カモノハシは7種類、ハリモグラは3種類しか持っていないことが明らかにされていました。しかし、苦味受容体の中には単体で多様な苦味物質を受容できる「万能型受容体」が存在することも知られており、カモノハシやハリモグラが万能型受容体を持っているかどうかは不明でした。そこで研究グループはまず、この数少ない苦味受容体遺伝子が、非単孔類哺乳類(胎生哺乳類)のどの苦味受容体遺伝子と相同な関係にあるのかを調べました。
その結果、単孔類の苦味受容体遺伝子のほとんどが、有胎盤類の苦味受容体TAS2R16(*3)を含む遺伝子グループと同じグループに含まれており、染色体上でも相同な位置にあることが分かりました(図2)。TAS2R16は植物などに含まれる防御物質の一つであるβグルコシド(*4)と呼ばれる配糖体を検知する苦味受容体です。βグルコシドの中には分解されると有毒な青酸(シアン化水素)を発生させる青酸配糖体と呼ばれるものもあります(例:タピオカの原料であるキャッサバ芋のリナマリン、ユーカリの葉のプルナシン)。

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