円満退社へ【退職の文面】相手別・状況別メール・挨拶の例文と書き方マナー

退職の意向を会社に伝え、次のステップへ進む際、多くの人が悩むのが「どのような文面で伝えるべきか」ということです。特に、これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを伝えつつ、失礼なくスムーズに手続きを進めるためには、適切な文面を作成することが非常に重要になります。

このガイドでは、退職時に必要となる様々な文面について、具体的な例文を交えながら詳しく解説します。社内外への挨拶メールから、上司への報告、さらには状況別の例文や作成時の基本的なルール、注意点まで、退職に関わる文面の全てを網羅します。円満退社を目指すためにも、ぜひ参考にしてください。

目次

退職時の文面、どんな種類が必要?

退職時には、様々な相手に対して状況に応じた文面が必要になります。主なものとしては、以下の種類が挙げられます。

  • 上司への報告: まずは直属の上司に退職の意向を伝えるための文面(口頭が基本だが、事前の意向確認や書面提出の場合)。
  • 社内への挨拶メール: 全社向け、部署・チーム向け、親しい同僚向けなど、関係性に応じて内容を変えて送るメール。
  • 社外(取引先)への挨拶メール: 自分が担当していた取引先や関係企業へ、退職の報告と後任者の紹介を行うメール。
  • 退職報告書・願: 会社規定に基づき提出を求められる正式な書面。
  • 引継ぎに関する文面: 引継ぎリストやマニュアルなど、後任者が困らないように作成する文書。
  • 最終出社日の挨拶: 会社の慣習によっては、朝礼や終業時などに簡単に行う口頭での挨拶。
  • 送別会での挨拶: 送別会を開いてもらった場合に、感謝の気持ちを伝えるスピーチ。

これらの文面は、それぞれ目的や伝える相手、タイミングが異なります。それぞれの役割を理解し、適切な内容で作成することが、円滑な退職プロセスには不可欠です。特に、社内外への挨拶メールは、これまでの人間関係を損なうことなく、今後のキャリアにも影響を与えうる重要なコミュニケーションツールとなります。

退職挨拶メールの書き方と例文

退職挨拶メールは、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝え、円満に会社を去るための大切なステップです。社内向けと社外向けでは、内容や書き方が異なります。それぞれのポイントを押さえて、失礼のないメールを作成しましょう。

社内への退職挨拶メール

社内への挨拶メールは、お世話になった同僚や上司、関係部署の方々へ、退職の報告と感謝を伝えるためのものです。送る範囲や関係性によって、内容の丁寧さや formality を調整しましょう。

件名の書き方

件名は、メールの内容が一目でわかるように簡潔に記載します。「退職のご挨拶」や「〇月〇日付けでの退職のご報告」といった件名に、自分の名前を添えるのが一般的です。

  • 退職のご挨拶 (氏名)
  • 〇月〇日付けでの退職のご報告 (氏名)
  • 【ご挨拶】退職のご連絡 (氏名)

受け取る側が「誰からの、どのような内容のメールか」をすぐに理解できるよう、明確な件名を心がけましょう。

全社向け例文

全社向けに送る場合は、多くの方に一斉に送るため、ある程度 formality を保ちつつ、簡潔にまとめるのが基本です。個人的な内容は控えめにし、退職日と簡単な感謝の言葉を伝えることに重点を置きます。

件名:退職のご挨拶 (氏名)

皆様

この度、〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました、[あなたの氏名]です。

在籍中は、公私にわたり温かいご指導ご鞭撻を賜り、心より感謝申し上げます。皆様のおかげで、多くの貴重な経験を積むことができ、人間としても大きく成長させていただきました。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご挨拶となりますことをお許しください。

末筆ではございますが、皆様の今後のご健勝と会社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

本当にありがとうございました。

————————————————
[あなたの氏名]
[所属部署名]
————————————————

ポイント:

  • 退職日を明確に記載する。
  • 在籍中の感謝を伝える。
  • 直接挨拶できないことへの配慮を示す。
  • 今後の発展を願う言葉で締めくくる。
  • 署名を忘れずに入れる。

部署・チーム向け例文

普段一緒に仕事をしている部署やチームのメンバーには、全社向けよりも少し丁寧に、具体的なエピソードや感謝の気持ちを込めても良いでしょう。引継ぎについて触れる場合もあります。

件名:[部署名] 退職のご挨拶 (氏名)

[部署名]の皆様

この度、〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました、[あなたの氏名]です。

皆様には、私が[部署名]に配属されて以来、大変お世話になりました。特に[具体的な業務や出来事]においては、皆様のサポートのおかげで[達成できたこと]があり、心から感謝しております。

至らない点も多々あったかと存じますが、いつも温かく見守り、ご指導いただき、本当にありがとうございました。皆様と共に過ごした日々は、私にとってかけがえのない宝物です。

退職にあたり、現在担当している業務は[後任者の氏名]さんに引き継ぎをお願いしております。不明な点などございましたら、[後任者の氏名]さんにご確認いただけますようお願い申し上げます。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご挨拶となりますことをお許しください。

皆様の今後のご活躍と、[部署名]の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

本当にありがとうございました。

————————————————
[あなたの氏名]
[所属部署名]
————————————————

ポイント:

  • 部署名を入れることで、よりパーソナルな印象に。
  • 具体的なエピソードや感謝を盛り込むと、気持ちが伝わりやすい。
  • 引継ぎ状況や後任者について触れると、相手が安心できる。
  • 署名は必須。

親しい同僚向け例文

特に親しい同僚や、同期などには、もう少しカジュアルなトーンで送っても良いでしょう。ただし、ビジネスメールであることには変わりないので、砕けすぎず、丁寧さは保ちつつ、個人的な近況や今後のことにも少し触れることができます。

件名:退職のご挨拶 (氏名)

[相手の名前]さん

お疲れ様です、[あなたの氏名]です。

突然のご連絡になってしまいましたが、この度、〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました。

[相手の名前]さんには、[具体的なエピソードや助けてもらったこと]の際に大変お世話になりました。いつも優しく声をかけてくれたり、[具体的な行動]をしてくれたりして、どれほど心強かったか分かりません。本当にありがとうございました。

一緒に[共通の業務や趣味など]に取り組めた時間は、私にとって本当に楽しく、かけがえのない思い出です。

今後は[簡単な今後の予定や目標など、差し支えない範囲で]。もしよかったら、今後も連絡を取り合えたら嬉しいです!

本来であれば直接お話しすべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ありません。

[相手の名前]さんの今後の活躍を心から応援しています!

改めて、本当にありがとうございました。

————————————————
[あなたの氏名]
[所属部署名]
[もしよければ個人の連絡先:メールアドレスやSNSアカウントなど]
————————————————

ポイント:

  • 相手との関係性に応じた親しみを込めたトーンで。
  • 具体的な感謝のエピソードを入れると、気持ちが伝わりやすい。
  • 今後の近況や連絡先交換について触れることも可能(相手との関係性による)。
  • プライベートな連絡先を記載する場合は、載せたい相手にのみ送るメールに含めるか、別途連絡するなど配慮が必要。

送信タイミングの目安

社内への退職挨拶メールは、最終出社日の1~数日前に送信するのが一般的です。あまり早すぎると、その後の業務に支障が出たり、まだ退職を伝えていない人に情報が漏れてしまう可能性もあります。一方、当日では迷惑がかかる可能性もあります。最終出社日の前日や前々日など、多くの人に見てもらえる時間帯(業務時間中)に送ると良いでしょう。

社外(取引先)への退職挨拶メール

社外の取引先へは、自分が担当者としてお世話になったことへの感謝を伝えるとともに、後任者の紹介を行うことが主な目的です。会社の代表として送る側面もあるため、丁寧かつ正確な情報を記載することが重要です。

件名の書き方

件名は、誰からのメールか、そして退職の連絡であることが明確にわかるように記載します。「退職のご挨拶」に加えて、会社名と自分の氏名を記載するのが一般的です。

  • 退職のご挨拶 (〇〇株式会社 [氏名])
  • 【〇〇株式会社 [氏名]】退職のご連絡
  • 担当交代のご挨拶 (〇〇株式会社 [氏名])

取引先が多数のメールを受け取っていることを考慮し、件名を見ただけで内容と送り主が特定できる件名にしましょう。

例文(シンプル)

後任者が決まっていない場合や、後任者からの連絡が別途ある場合は、シンプルに退職の報告と感謝を伝えるメールになります。

件名:退職のご挨拶 (〇〇株式会社 [氏名])

[会社名]
[部署名]
[役職]
[相手の名前]様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の[あなたの氏名]です。

この度、私事で大変恐縮ではございますが、
〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました。

[相手の名前]様には、私が担当させていただいて以来、
[具体的な業務やプロジェクトなど]において、
一方ならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、
メールでのご挨拶となりますこと、何卒ご容赦ください。

末筆ではございますが、[会社名]様の益々のご発展と、
[相手の名前]様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

今後とも弊社へ変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

————————————————
[あなたの氏名]
〇〇株式会社
[所属部署名]
[電話番号]
[メールアドレス]
————————————————

ポイント:

  • 退職日を明確に伝える。
  • これまでの感謝の気持ちを丁寧に表現する。
  • 今後も会社へのご愛顧をお願いする。
  • 署名には会社の正式名称、部署名、連絡先を記載する。

例文(後任紹介あり)

後任者が決まっている場合は、後任者の氏名と連絡先を明記し、スムーズな引継ぎを依頼する内容を加えます。

件名:担当交代のご挨拶 (〇〇株式会社 [氏名])

[会社名]
[部署名]
[役職]
[相手の名前]様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の[あなたの氏名]です。

この度、私事で大変恐縮ではございますが、
〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました。

[相手の名前]様には、私が担当させていただいて以来、
[具体的な業務やプロジェクトなど]において、
一方ならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。

つきましては、[私の最終出社日]以降の業務につきましては、
後任の[後任者の氏名]が担当させていただきます。

[後任者の氏名]は、[後任者の簡単な紹介や経歴、強みなど、差し支えない範囲で]。
[後任者の氏名]の連絡先は以下の通りです。
[後任者の氏名]
[後任者の部署名]
電話:[後任者の電話番号]
メール:[後任者のメールアドレス]

近日中に改めて[後任者の氏名]よりご挨拶させていただきます。
何卒変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、
メールでのご挨拶となりますこと、何卒ご容赦ください。

末筆ではございますが、[会社名]様の益々のご発展と、
[相手の名前]様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

今後とも弊社へ変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

————————————————
[あなたの氏名]
〇〇株式会社
[所属部署名]
[電話番号]
[メールアドレス]
————————————————

ポイント:

  • 退職日と最終出社日を明確にする。
  • 後任者の氏名、連絡先、簡単な紹介を入れる。
  • 後日、後任者から改めて挨拶があることを伝える。
  • 後任者への協力を丁寧にお願いする。
  • 署名は必須。

送信タイミングの目安

社外への退職挨拶メールは、最終出社日の1週間前~数日前に送信するのが一般的です。あまり直前すぎると、取引先が新しい担当者との連携準備に困る可能性があります。余裕を持って、後任者の紹介と合わせて送信しましょう。ただし、情報解禁のタイミングについては、必ず上司や会社と確認を取りましょう。

退職報告の文面

退職の意向を初めて会社に伝える際や、正式な手続きとして提出する文面、そして社内全体へ周知するための文面が必要です。

上司への退職報告(口頭・書面)

退職の意向を伝える際は、まず直属の上司に口頭で伝えるのがマナーです。しかし、口頭で伝える前に、意向を固めたことを示唆するメールを送る場合や、会社の規定で「退職願」や「退職届」といった書面を提出する必要がある場合があります。

口頭での報告の際のポイント:

  • 事前にアポイントメントを取り、「お話ししたいことがあります」と伝える。
  • 多忙な時間帯を避け、静かな場所で話す。
  • 退職を決意したこと、退職希望日、簡単な理由を伝える(詳細な理由は求められない限り簡潔に)。
  • 在職中の感謝を伝え、円満退社したい意向を示す。
  • 後任への引継ぎや退職までのスケジュールについて、相談する姿勢を見せる。

書面(退職願/退職届)の文面例:

退職願は「お願い」であり、撤回が可能な場合があります。退職届は「届け出」であり、基本的に撤回できません。会社指定のフォーマットがある場合はそれに従い、ない場合は便箋やコピー用紙に縦書きで手書きするのが一般的です。

退職願

私儀
この度一身上の都合により、
来たる令和〇年〇月〇日をもって
退職させて頂きたく、ここにお願い申し上げます。

令和〇年〇月〇日

〇〇株式会社
[所属部署名]
[あなたの氏名]㊑

〇〇株式会社
代表取締役社長
[社長の氏名] 様

ポイント:

  • 縦書きで記載するのが一般的。
  • 「私儀(わたくしぎ)」はへりくだった表現。
  • 退職希望日を明確に記載する。
  • 理由は「一身上の都合」とするのが一般的。
  • 提出日と氏名、捺印(認印で可)。
  • 宛名は会社の最高責任者(代表取締役社長など)の氏名+様とする。
  • 封筒に入れ、糊付けし、〆を書いて提出する。

部署・関係者への社内連絡(報告)

上司に退職の意向を伝え、正式な退職日が決まったら、必要に応じて関係部署や社内全体に情報が共有されます。これは、多くの場合、直属の上司や人事部から行われますが、自分で伝える場合もあります。この報告は、業務の引継ぎや今後の連携のために必要な情報を伝えることが目的です。

報告事項例:

  • 退職日
  • 最終出社日
  • 退職理由(「一身上の都合」など、詳細である必要はない)
  • 後任者の氏名、連絡先(決まっている場合)
  • 引継ぎ状況
  • 挨拶の機会(最終出社日の挨拶など)

メールでの報告例(上司や人事部が関係部署に共有する場合のベースとなる文面):

件名:[氏名] 退職に関するご報告

関係者の皆様

お疲れ様です。[部署名]の[上司または人事担当者の氏名]です。

[あなたの氏名]さんが、この度、一身上の都合により、
来る〇月〇日付けで弊社を退職することになりましたのでご報告いたします。

[あなたの氏名]さんには、在籍期間中、[担当業務や貢献など]において、
多大なる貢献をしていただきました。
皆様には大変お世話になりましたこと、この場をお借りして御礼申し上げます。

なお、後任については、[後任者の氏名]が担当いたします。
引継ぎについては、[あなたの氏名]と[後任者の氏名]の間で順次進めております。
業務に関するご不明点等ございましたら、[後任者の氏名]にご確認ください。

最終出社日は〇月〇日を予定しております。
[最終出社日の挨拶の有無などに触れる場合]

今後とも変わらぬご協力をお願いいたします。

————————————————
[上司または人事担当者の氏名]
〇〇株式会社
[所属部署名]
[電話番号]
[メールアドレス]
————————————————

ポイント:

  • 誰が退職するか、いつ退職するかを明確にする。
  • これまでの貢献への感謝を述べる。
  • 後任者や引継ぎについて具体的に伝える。
  • 今後の協力をお願いする。

退職時の口頭挨拶・スピーチ

最終出社日や送別会など、直接顔を合わせて感謝や別れの挨拶をする機会もあるでしょう。場に合わせた適切な挨拶で、良い締めくくりをしましょう。

最終出社日の挨拶(短く軽く)

最終出社日には、朝礼や終業前、あるいはデスク周りなどで、同僚や関係者に短い挨拶をする機会があるかもしれません。これは形式的なものなので、長くならないように簡潔に、感謝の気持ちと今後の健闘を祈る言葉を伝えましょう。

例文:

「皆様、おはようございます(または、お疲れ様です)。本日が私の最終出社日となります。[期間]年間、大変お世話になりました。至らない点の多い私を、いつも温かくサポートしていただき、本当に感謝しております。ここで得られた経験を活かし、今後も頑張ってまいります。皆様の今後のご健勝と会社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。」

ポイント:

  • 最終出社日であること、在籍期間を伝える。
  • お世話になったことへの感謝を伝える。
  • 今後の抱負や、相手へのエールを述べる。
  • 短く、簡潔にまとめる。

送別会での挨拶

送別会を開いてもらった場合は、改めて感謝の気持ちを丁寧に伝える機会です。集まってくれたことへの感謝、会社での思い出、今後の抱負などを話しましょう。長すぎず、聞き取りやすい声で話すことが大切です。

例文:

「皆様、本日は私のためにこのような素晴らしい送別会を開いていただき、誠にありがとうございます。皆様にお集まりいただき、心より嬉しく思っております。

[会社名]に入社して以来、[期間]年間、皆様には本当に大変お世話になりました。特に、[具体的な部署名やチーム名]では、[具体的な業務やプロジェクト、楽しかった思い出など]を通して、多くのことを学ばせていただきました。[具体的な個人の名前]さんには、[具体的なエピソード]で大変助けていただきました。皆様との一つ一つの思い出が、私にとってかけがえのない財産です。

思えば、[入社時の状況や初めての経験など、簡単な思い出話]。[苦労したことや乗り越えたこと]もありましたが、いつも皆様の温かいサポートや励ましのおかげで乗り越えることができました。

この会社で培った経験と知識を活かし、今後は[簡単な今後の目標やチャレンジしたいこと]に挑戦してまいります。

寂しい気持ちもありますが、皆様と出会えたことに感謝し、前向きに次のステップに進みたいと思っております。

本来であれば、お一人おひとりに直接お礼を申し上げるべきところ、この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

最後に、[会社名]の益々のご発展と、本日ご列席いただきました皆様の今後のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。

本日は誠にありがとうございました!」

ポイント:

  • 送別会を開いてもらったことへの感謝を丁寧に伝える。
  • 在籍中の具体的な思い出や、お世話になった人への感謝を述べる。
  • 今後の抱負を伝える。
  • 今後の発展や健康を祈る言葉で締めくくる。
  • 感情を込めて、誠実に話す。

状況別 退職文面の例文

退職の理由は人それぞれです。円満退社の場合、ネガティブな理由の場合、短期離職の場合、定年退職の場合など、状況に応じた配慮が必要です。

円満退社の場合

自己成長やキャリアアップなど、ポジティブな理由での退職で、会社との関係性も良好な場合は、感謝の気持ちを前面に出した文面で問題ありません。

社内メール例文(感謝強調バージョン):

前述の「全社向け例文」や「部署・チーム向け例文」のように、在籍中の感謝や学び、得られた経験への言及を丁寧に盛り込みます。

自己都合・ネガティブな理由の場合

病気、家庭の事情、あるいは職場への不満など、ネガティブな理由で退職する場合でも、退職理由を詳細に説明する必要はありません。社内外への挨拶文では、「一身上の都合により」と簡潔に述べるのが一般的です。会社への不満があったとしても、挨拶文でそれに触れるのはマナー違反です。あくまで感謝と今後の発展を願う姿勢を貫きましょう。

社内メール例文(理由に触れないシンプルバージョン):

前述の「全社向け例文」のように、「私事で大変恐縮ではございますが」「一身上の都合により」といった言葉で退職理由への言及を避け、感謝と今後の挨拶に徹します。

短期離職の場合

入社して間もない短期での離職の場合も、基本的な挨拶のルールは変わりません。在籍期間が短かったとしても、お世話になったことへの感謝を丁寧に伝えましょう。ただし、長々と個人的な思い出話をするのは場違いな印象を与える可能性があるので、簡潔にまとめるのが無難です。

社内メール例文(短期離職バージョン):

件名:退職のご挨拶 (氏名)

皆様

この度、私事で大変恐縮ではございますが、
〇月〇日付けで株式会社〇〇を退職することになりました、[あなたの氏名]です。

短い間ではございましたが、在籍中は皆様に温かく迎えていただき、
また多くのご指導を賜り、心より感謝申し上げます。

至らない点が多々あったかと存じますが、
皆様のおかげで多くのことを学ぶことができました。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、
メールでのご挨拶となりますことをお許しください。

末筆ではございますが、皆様の今後のご健勝と会社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

本当にありがとうございました。

————————————————
[あなたの氏名]
[所属部署名]
————————————————

ポイント:

  • 「短い間ではございましたが」といった言葉で、在籍期間に触れる。
  • 期間の長短に関わらず、お世話になったことへの感謝を伝える。
  • 多くを学べたことに言及するなど、ポジティブな要素を入れる。

定年退職の場合

長年勤め上げた定年退職の場合は、これまでの功績を振り返りつつ、会社や同僚への深い感謝を伝える機会となります。今後のセカンドライフについても触れることがあります。

社内メール例文(定年退職バージョン):

件名:定年退職のご挨拶 (氏名)

皆様

この度、〇月〇日をもちまして、定年により退職いたします[あなたの氏名]です。

思えば、[入社年]に入社して以来、[期間]年の長きにわたり、
皆様には大変お世話になりました。

在籍中は、[部署名]にて[具体的な業務内容やプロジェクト]に携わり、
[具体的な成果や思い出に残る出来事]など、
多くの貴重な経験をさせていただきました。

これもひとえに、共に働く皆様の温かいご支援とご協力の賜物と、
心より感謝いたしております。

特に、[具体的なエピソードや感謝を伝えたい相手の名前]さんには、
[具体的なサポート内容]で大変助けていただきました。
皆様と共に苦楽を分かち合った日々は、私の大切な財産です。

退職後は、[今後の簡単な予定や目標など、差し支えない範囲で]。

本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、
メールでのご挨拶となりますことをお許しください。

末筆ではございますが、皆様の今後のご健勝と、
〇〇株式会社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

長い間、本当にありがとうございました。

————————————————
[あなたの氏名]
[最終所属部署名]
————————————————

ポイント:

  • 定年退職であること、勤続年数を伝える。
  • これまでの業務や経験を振り返り、具体的なエピソードを交える。
  • 長年の感謝を丁寧に伝える。
  • 今後の予定について触れることで、区切りを示す。

退職文面作成の基本ルール・注意点

どのような状況であっても、退職文面を作成する際には守るべき基本的なルールや注意点があります。これらを意識することで、失礼なく、円滑な退職につなげることができます。

文面に含めるべき必須項目

退職の文面、特に挨拶メールには、相手が情報を正しく理解し、その後の対応ができるように、いくつかの必須項目を含める必要があります。

項目 内容 備考
件名 誰からの、どのような内容のメールか明確にする(氏名+件名) 社外向けは会社名も加える
宛名 相手の会社名、部署名、役職、氏名を正確に記載する 社内向けは「皆様」「[部署名]の皆様」なども可
自分の情報 所属会社名、部署名、氏名 署名として記載
退職日 正式な退職日(会社を去る日付) 〇月〇日付けで、など
感謝の言葉 在職中お世話になったことへの感謝 具体的なエピソードを添えるとより良い
今後の挨拶 会社の発展や相手の健勝・活躍を祈る言葉 円満退社のために重要
(社外向け)後任者情報 後任者の氏名、部署名、連絡先 引継ぎが必要な場合に必須
(社外向け)引継ぎ依頼 後任者への協力のお願い スムーズな業務継続のために必須

これらの項目を漏れなく記載することで、受け取った側が退職の事実を正確に把握し、必要に応じて後任者との連携や今後の対応を進めることができます。

失礼にならない表現、忌み言葉

退職の文面では、感謝の気持ちを伝え、良好な関係性を維持することが重要です。そのため、失礼にあたる表現や、縁起が悪いとされる忌み言葉は避けるべきです。

避けるべき表現・忌み言葉の例:

  • ネガティブな理由の詳細: 会社への不満、特定の人物への批判など、退職の直接的な理由を詳細に書くことは避ける。「一身上の都合」で十分です。
  • 将来の過度な自慢やアピール: 「次の会社ではもっと成功します」「今の会社ではできないことに挑戦します」など、現職を見下すような表現は控える。
  • 引き抜きを示唆する表現: 退職後の転職先について、現在の取引先や競合を示唆するような表現は避ける。
  • 忌み言葉: 「終わる」「切る」「離れる」「失う」「倒れる」「閉じる」など、別れや不吉な出来事を連想させる言葉は、挨拶文としては不適切です。感謝と未来に向けた言葉を選びましょう。
  • 句読点の「、」「。」: 正式な退職願・届などの書面では、区切りの意味合いから句読点を使わない慣習があります。改行や空白で対応します。挨拶メールでは使用して問題ありません。

良い表現の例:

  • 「在籍中は、公私にわたり温かいご指導ご鞭撻を賜り、心より感謝申し上げます。」
  • 「皆様のおかげで、多くの貴重な経験を積むことができました。」
  • 「この会社で培った経験を活かし、次のステップで頑張ってまいります。」
  • 「皆様の今後のご健勝と会社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。」

ポジティブな言葉を選び、感謝と前向きな姿勢を示すことが大切です。

誰に送る? 伝える手段(メール、書面、口頭)

退職の報告や挨拶は、相手や状況によって伝える手段を使い分ける必要があります。

相手 主な伝える手段 備考
直属の上司 口頭(最初) 退職願/届は書面で提出(会社規定による)
関係部署・同僚 メール(全社/部署宛) 親しい同僚には個別にメールや口頭も可
取引先 メール(担当者宛) 必要に応じて後任者と共に直接挨拶に伺う場合もある
会社(人事部など) 書面(退職願/届、各種手続き書類)
社内全体 口頭(最終出社日挨拶) 任意の場合が多い、朝礼や終業時などに短く
送別会参加者 口頭(スピーチ) 送別会を開いてもらった場合

メールで送る相手の範囲:

  • 社内全般: 全社員に一斉送信する場合。形式的で簡潔な内容。
  • 部署・チーム内: 普段一緒に仕事をするメンバー。少しパーソナルな内容も可。
  • 特に親しい同僚: 個別に送る場合。より個人的なメッセージや連絡先交換も可。
  • お世話になった上司: 個別に送る場合。より丁寧な感謝の気持ちを伝える。
  • 自分が担当した社外取引先: 関係性が深かった相手や、今後も関わる可能性のある相手。

メールを送る際は、BCCを適切に使用し、個人情報(メールアドレス)が流出しないように注意が必要です。特に社外へ一斉送信する場合は、必ずBCCを使用しましょう。

また、退職の報告は、上司から会社全体や関係部署への周知が完了してから行うのが基本的なマナーです。会社からの正式な発表前に個人的な挨拶メールを送ってしまうと、混乱を招く可能性があります。送信タイミングについては、必ず上司と相談して決めましょう。

【まとめ】退職文面で感謝を伝え、円満な一歩を踏み出そう

退職は、これまでのキャリアに区切りをつけ、新たな一歩を踏み出す大切な節目です。お世話になった会社や同僚、そして取引先の方々へ、感謝の気持ちを丁寧に伝えることは、円満退社のために非常に重要です。

この記事では、退職時に必要となる様々な文面の種類、社内外への挨拶メールや報告書の具体的な例文、そして文面を作成する上での基本ルールや注意点を詳しく解説しました。これらの情報を参考に、あなたの状況に合わせた最適な退職文面を作成してください。

適切な文面での報告や挨拶は、これまでの人間関係を良好な形で締めくくり、あなたの今後のキャリアにも良い影響を与えるはずです。新しい門出を気持ちよく迎えられるよう、丁寧に準備を進めましょう。

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