近年、海外の指導者が来日し、日本の子どもを指導する場が増えてきました。そのときに、海外の指導者が口をそろえて言うのが「日本の子どもたちは、コーチの言うことをよく聞く」という言葉です。その反面「日本の子はシャイで、自分を表現しようとしない」という言葉も聞かれます。自己表現が苦手なのは子どもだけに限らず、大人にも通じることで、日本人の特性なのかもしれません。日本の中だけで生活するのであれば、とくに不自由はしませんが、ことサッカーというグローバルなスポーツにおいて、「自己表現が苦手」というのは、マイナスに働くこともあります。そこで今回は日本の育成年代で長く指導し、サッカー王国ブラジルの名門育成クラブ「クルゼイロ」のジャパンスクールで指導をする小林弘典コーチに、「子どもたちの感情を解き放つためにしている、ブラジル人コーチの仕掛け」について話を聞きました。ブラジル人コーチは「自ら考えて動く」「自己主張する」といった部分に、どのようなアプローチをしているのでしょうか?(取材・文鈴木智之)写真提供:クルゼイロキャンプ■日本の子どもは失敗するとベンチを見る"クルゼイロジャポン"は東京のスクールの他に、今春三重に開校予定。春休みや夏休み等に、ブラジルからコーチを呼び、短期キャンプを実施しています。小林コーチは、ブラジルから来たアドリアーノコーチに「日本の子どもたちの話を聞く姿勢は素晴らしい」と感心されたそうです。「日本の子たちは、なんて良い教育を受けているんだ! と驚いていました。ですが、いざサッカーの練習が始まると、ミスを恐れ、失敗するとベンチやコーチを見る子がたくさんいました。極めつけは、ゴールを決めたのに誰も喜ばないこと。これにはびっくりしていました」■集団の一員として振舞えるが、個になると弱い日本の子どもアドリアーノコーチは、「日本の子は点を取っても嬉しくないの? あの子たちはサッカーを本当に好きでやってるの?」と質問をしてきたそうです。そこで小林コーチが「彼らは、枠からはみ出すことがあまり得意ではないのではないか」と答えると「子どもはもっと自由でいいし、何よりサッカーというスポーツは自分の感情を出さなければ絶対に勝てないし、上達もできない」と言われました。両者は「子どもたちに感情を発露させることに対して、私達はもっと取り組まなければいけない」という結論に至ったそうです。また、日本の子どもたちは、集団の一員として振る舞うことはできますが、選手個々に目を向けたときに「きみは何ができるの?」「何がしたいの?」という状態になっていたのだと言います。■もじもじしていた子たちが積極的に!「楽しい」環境を作ることが大事そんな日本の子どもたちを見たアドリアーノコーチは、驚きの行動に出ます。トレーニング中、サッカーボールやテニスボールなど、ありったけのボールをコートに投げ入れたのです。「たぶん、50球ぐらいあったと思います(笑)。それを次々にコートに入れて、どんどんシュートを打っていいよ、ドリブルで仕掛けようと言いました」子どもたちはコーチの言葉通り、たくさんあるボールを手当たり次第、ゴールに向かって蹴っていきます。「そうしたら、もじもじしていた子たちが、シュートが打てる、うれしい! と積極的にプレーし始めたんです。ドリブルやパスが成功したときの喜びもあるかもしれませんが、何よりも、ゴールを決めることが最高に楽しいわけです。その環境を作ってあげることが大事なのだと、改めて学びました」ブラジル名門育成クラブの指導を体験できる「クルゼイロキャンプ」参加者募集中>>■「こんなに楽しそうにサッカーをする姿は久しぶり」と保護者も感激当時のクルゼイロキャンプでは、子どもたちが感情を表すための仕掛けとして「得点を決めた後に、ゴールパフォーマンスをしないとゴールは認められない」などのルールを設けていったそうです。「そうすると飛行機ポーズだったり、クリスティアーノ・ロナウドの真似だったり、いろいろやり始めるんですよね。そのルールがなくなって、普通に試合をした後にもやったりと、感情を表に出して、積極的にプレーし始めるようになりました」小林コーチは「子どもたちに口で言ってもすぐにはできないので、こちらが仕掛けをして、気持ちをくすぐってあげる。ブラジル人のコーチはそういうところが上手だと思います」と話します。その様子を見た保護者も「いつもは苦しそうにサッカーをしているけど、ここに来るとすごく楽しそうにプレーしている」「こんなに楽しそうにサッカーする姿は久しぶりに見た」と感激するそうです。「ただ、日本の子たちはそれを引きずってしまうというか、真剣にプレーする場面でも、雰囲気に流されて、遊び気分になってしまうことがあります。そこはコーチが気にかけながら、やるときはやるというオンとオフをはっきりするようにしています」■サッカーする上で感情を出すのが必要な理由でも日本の子たちはミスを怖がる傾向にあるので、ミドルサードでもアタッキングサードでもプレーが変わらないんです」さらに、こう続けます。「せっかくフェイントやドリブルのトレーニングをしているのに、試合になると出てこない。それもミスを恐れているからです。だから我々コーチは『サッカーにミスはつきものだ』『失敗を恐れずにチャレンジしよう』ということを、繰り返し、伝えています」「ミス=失敗、怒られる」という考えから「上手くなるためにはチャレンジが必要で、チャレンジにミスはつきもの」という考えにチェンジしていくことで、子どもたちは積極的に挑戦するマインドになります。その状況に導くためにも、トレーニングの設定やルールなどで、よりチャレンジしやすい環境を作ることが大切なのだと教えてくれました。「ブラジル人コーチは、練習のルールやメニューを工夫することで、子どもたちが積極的にチャレンジする環境を作るのが上手」と話す小林コーチ。ブラジルからはネイマールやヴィニシウス、リシャルリソンなど、あっと驚くプレーをする選手が次々に育ってきますが、その背景には彼らの思想や文化、それに基づいたトレーニングがあることは間違いないでしょう。サッカーは国民性を映すスポーツと言われますが、日本が外国から学ぶことは、まだまだたくさんありそうです。ブラジル名門育成クラブの指導を体験できる「クルゼイロキャンプ2023春」は、現在参加者募集中です。詳細はこちら>>「個の力」にフォーカス!試合で活躍するヒントを一人一人に伝えるクルゼイロサッカーキャンプ>>
2023年03月02日同僚コーチの提案で、1~3年生の学年ミックスチームに分けることになった。技術や熱量でグループ分けをしたが、学年ミックスの練習をする際に気を付けることは?とのご相談をいただきました。上の学年の子も下の学年の子も成長するというメリットは知られていますが、チームの底上げをするためには、どんな点に気を配ればいいのでしょうか。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ご自身が現在指導している現場の例を踏まえてアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<「そうじゃない」「○○へ出せ」指示命令ばかりのベテラン指導者のやりかたを改善する方法はある?<お父さんコーチからの質問>地元サッカーチームでU-8コーチを指導しています。U-10コーチの提案により、1~3年生の中でグループ分け(A~C)を行い、各カテゴリーでそれぞれに見合った練習を行うという試みを実施しようとしています。技術力やサッカーへの熱量でグループを分けましたが、実際のところ私自身はグループ分けに納得がいっておりません。理由は様々ありますが、私自身1年生の子に対し良い環境になるのではと踏み切った以上、取り組んでいこうと思っています。そこで、学年ミックスの練習で注意すべき点などがございましたら、ご教示お願い致します。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。学校などでも横割りで活動することが多い子どもたちを縦割りでグループ分けすることは、基本的に悪いことではないと私は思います。■学年ミックスの課題、指導者が気を付けないといけないところただし、技術の優劣でレベル分けしてしまうと、技術が伸びるのがゆっくりな子どもたちが良いプレーをみる機会が減ってしまいます。そこをどう考えるのかは、ひとつの課題でしょう。もうひとつの課題は、指導の対象が1年生から3年生という最も難しい年代ということ。私自身いろいろ経験してきましたが、この三つの学年は一番扱いにくいと感じています。縦割りの場合、上のほうの学年に下の学年の子をお世話してもらう流れをつくるとうまくいくのですが、3年生に1年生の面倒をみましょうと言っても無理です。私が運営しているスクールで縦割りのゲームをやろうとすると、1年生は「1年生だけでやりたい」と言ってきます。なぜならば、上の学年である3年生が下級生にパスしないからです。したがって1年生だけで試合をやると、パスできます。それぞれの性格や成長の進み具合などをみて正確にグループ分けしたとしても、非常に難しいようです。要するに、3年生にはそういった特徴があるのです。サッカーを始めてそれなりの年月が経って、できることが増えてきた。ゴールする面白さがわかってきた。そうすると、指導者の練習のやり方次第で変わってはくるものの、日本の場合は多くの3年生がボールを持つと自分でドリブルで行きたがります。レベル別に分けるのは悪くないのですが、子どもたちの状況で違ってくることは予想できます。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■縦割りのメリット、チームの底上げにつながるために大事なポイント縦割りにするのであれば、まずはコーチたちがそのメリットを理解しなくてはいけません。下の学年の子は上手なお兄さんとサッカーをするのはプラスです。これに対し、上の子も下の子に丁寧なパスを出してあげるなど、彼らを使うことを覚えればプラスになります。そのあたりを深めずに、上手い子は上手い子だけ、技術がまだついていかない子はそこに固めるという発想ではチームの底上げにならないかもしれません。私の練習では、選手同士でコミュニケーションを図るよう伝えます。例えば「先に名前を言ってからパスしよう」と呼びかけます。そのほうが自分にパスが来ることを予想できてわかりやすいはずです。ほかにも「外に開いて」とか「裏に走って」といったコーチングをするよう指導します。そうすると実際にうまくいくので、子どもたちはみんな納得してくれます。とはいえ、すぐにできるわけではありません。6年生の子どもがパスミスをした際に「約束おぼえてる?名前、呼んだ?」と尋ねると「呼んでいない」と言います。「〇〇君、いくよ」って言ってパス出せば?と話しても、そこを覚えておいてプレーできません。ずっと考え続けられないようです。であっても、時間をかければ、名前を呼んで相手に合わせたパスが出せるようになります。上級生にとっても、異年齢でやる意味は大きいのです。■時には上の学年に挑戦させたり、学年対抗戦などの調整をしようとはいえ、前述したように3学年でサッカーをするのは難しいものです。3年生が勝手にやってしまう、ということはきっと起こるでしょう。その場合、3年生を6年生と一緒にやる時間も設けてください。3年生が6年生からパスをもらってゴールするといった体験をしてもらうのです。例えば、3~6年生の縦割りでゲームをする際「3年生がゴールしたら3点ね」といった工夫をすると、子どもたちは勝ちたくて3年生にボールを集めるようになります。加えて、私は「君たち3年生は、1年生にどうしてあげたらいいかな?」と子どもたちに問いかけます。そのように働きかけたとしても、子どもは毎日気持ちが変わります。3年生がうまくできない日もあります。そんなときは3年対1年、3年対2年というような学年対抗戦を行ったりします。そうすると、1年生は懸命に守ろうとしますが、体格差やスピード、技術の差はあるので1年生は歯が立ちません。点差がついてきたら、「じゃあコーチが1年生のほうに入ろうかな」と私が入ったりして調整します。■その人数でないと獲得できない技術、成長がある(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)最後に二つほど付け加えさせてください。日本は低学年でも8人制で試合をさせる地域があります。ですが、3対3のフニーニョや、4対4のクワトロなど、もっと少ない人数で試合をさせましょう。その人数でないと獲得できない技術や成長があります。もうひとつ。グループ分けの基準にする要素は、ドリブルが上手いとかいった足が速い、体が大きいといったものになりがちです。そこに長けた子たちをピックアップしてしまうと、そういった要素でしか勝負できなくなります。それを踏まえて、練習は見て考え判断するトレーニングを軸にしていただければと思います。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年02月26日年末年始は忘年会や食事会も少しずつ増え始め、カロリー摂取が多めになる時期ですね。美味しく食べるためには“痩せ体質”を手に入れて、罪悪感なしに楽しみましょう!今回はヨガインストラクターの筆者が、1日1分でできる簡単習慣をご紹介します。姿勢を整えて「消化力」をアップ!美味しいものを食べる機会が増える年末年始。お腹いっぱい食べた後は、お腹が苦しくて、つい“体を丸めた姿勢”になりがちではないでしょうか。でも、体を丸めた姿勢はお腹が潰れてしまうため、胃腸の働きを妨げやすくなってしまうのです。胃腸の消化力をフルに引き出して“食べ過ぎた分をリセット”するには、日頃から姿勢を整えて、胃腸の働きをアップさせておくことが大切でしょう。消化力アップを目指す簡単エクササイズをご紹介しますので、ぜひスキマ時間に取り入れてみてください。しゃがんで伸ばす! 痩せ体質を目指す年末年始エクササイズ1.“しゃがむ”想定をして、両脚を適度に開きます。※無理が無ければ、足先とかかとはまっすぐに並べましょう。2.足の裏でしっかり床を踏みしめ、脚の“すね側”で支えます。3.かかとを持ち上げて足の指の付け根で支え、両腕は鎖骨の位置で前方へ伸ばします。4.一呼吸したら両膝を下ろし、左手を左かかとにおきます。5.お尻を持ち上げながら胴体を左方向へねじりつつ、左腕を斜め後ろ方向へ伸ばします。※お尻が持ち上げづらい場合は、左手を左お尻にあてて行いましょう。6.お尻をかかとに下ろしながら胴体を戻します。7.再び膝を浮かせて両腕を前方に伸ばしたポーズへ戻ります。8.続いて両膝を下ろし、右手を右のかかとへ下ろし、反対側も同様にお尻を持ち上げて体側を伸ばしていきます。9.お尻をかかとに下ろしながら胴体を戻します。10.再び膝を浮かせて両腕を前方に伸ばしたポーズへ戻ります。左右で1セットとし、1~3回行いましょう。スキマ時間にサクッと気軽に取り入れて座りっぱなしが続く日などは、下半身がむくんだり冷えたりしがちです。お腹も丸まってしまい、内臓を圧迫する癖がつきやすいので、「気がついた時にサクッとやる」くらいの気持ちで気軽に取り入れてみてください。体が気持ちよく伸びて、立ち姿勢が楽になったり、歩く時に下半身が軽くなるはず。ぜひ続けてみてくださいね。©demaerre/gettyimages文 / 上村由夏
2022年12月31日お腹痩せを目指しても、ハードな運動やエクササイズはなかなか続かないですよね。ちょっとしたスキマ時間にできる簡単な動きで、お腹まわりをすっきりさせてみませんか?ヨガインストラクターの筆者が「お腹ぺたんこエクササイズ」をご紹介します。股関節を動かしてお腹すっきりを目指すスキマ時間にサクッとエクササイズをしたいけど、ハードなものは億劫…。そんな人におすすめの座りながらできる「お腹すっきりエクササイズ」をご紹介します。股関節にアプローチして、「腸腰筋」を意識的に動かしていきましょう。腸腰筋はお腹まわりにある筋肉の総称で、インナーマッスルとして姿勢を支えているものです。今回は座りながら脚を倒すだけの簡単なエクササイズ。けれども意識して行えば、お腹のあたりが徐々に熱くなってきますよ。お腹痩せを目指す! 脚パタパタエクササイズ1.床に座ります。2.両手をお尻の後ろ側の床に置きます。胴体が軽く斜め後ろに倒れる程度の場所に置きましょう。3.腰を丸めないように、肋骨とお腹、骨盤のラインをまっすぐに保ちます。4.両脚は肩幅より広めに開き、両膝の幅も同じにします。5.お腹を丸めないように意識して、両脚を付け根から左方向へ倒します。6.お腹の奥を意識しながら、左右に交互に脚を倒していきましょう。7.この動作をまずは10回行います。8.続いて、両脚を左に倒しながら左腕を頭上に引き上げましょう。9.右に脚を倒す時は、左腕を頭上に引き上げます。10.この動きも交互に10回行います。スキマ時間でポカポカにスキマ時間にテレビを見ながらなど、座ったついでにできる簡単エクササイズです。ポイントは腰をねじるのではなく“股関節から倒す”こと。腰からねじってしまうと、股関節やお腹の奥の筋肉が働きづらくなってしまいます。“股関節から倒す”ことを意識して動かしながら、お腹が刺激されている感覚を覚えましょう。お腹がしっかり使えていれば、体もポカポカになって温まってくるはず。ぜひ試してみてくださいね。©PeopleImages/gettyimages文 / 上村由夏
2022年12月27日以前は上の学年の試合に出ていたが、部員が増えたら呼ばれなくなった。コーチには「頭が悪い」と言われたけど、悔しがっている様子もない息子に親の自分がイライラ。チームが強くなるには他の子たちも上手くなる必要があるのは分かっているけど、息子が追い越されると悔しくてしょうがない。これからもこんな気持ちが続くのに、子どもをどう見守ればいい?とのご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、男女のサッカー選手を育てた先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<クラブで理不尽に扱われた長男をやめさせる際に次男も一緒に退団。後悔してます問題<サッカーママからのご相談>はじめまして、こんにちは。息子は4歳からサッカークラブに所属し、今年で4年目の小2(8歳)です。最初は同い年がいなくて1人上級生に混じって練習し、試合に出ていましたが、1年生の頃同い年の部員が4、5名増えました。そのうちの一人が頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子で、息子はコーチから頭がわるいと言われてしまいました。今、上級生の練習や試合にはその子を指定し、息子は呼んでくれない雰囲気があります。息子の技術的には全然劣っていません。息子はあまり悔しがってる様子ではないですが私はかなり悔しく、この気持ちを自宅での自主練習に励むよう息子にぶつけてしまいました......。私のイライラの気持ちをどう納めたらいいのか、他の親御さんはどうしているのか気になります。チームが強くなるためには、息子だけでなく他の子どもたちも上手くならないといけない事を願う反面、息子が追い越されると悔しくてしょうがないです。こんな気持ちはこれからどんどん増えていくと思います。どんな風に息子を見守ればいいか教えてください。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。「悔しい」「イライラする」と、ご自分の気持ちを率直に語ってくださり有難いです。お母さんは、辛い目に遭っているわが子を前に傷ついているのです。辛いですね。そんなお母さんと似た気持ちで試合に出られないわが子を見守っている親御さんは、この日本にたくさんいるかと思います。■子どもがレギュラーか補欠か、など競争に一喜一憂する親が多いサッカーだけでなく、ミニバスケットボール、バレーボール、少年野球。本来は「スポーツって楽しい!」とスポーツの楽しさを味わうだけで良いジュニア期に、日本のスポーツは勝利や強くなること、他者との競争に負けないことを強いています。そんなことを踏まえて、お母さんには、まずはこの連載の42回目にあたる『土日も連休も丸つぶれなのに...わが子が試合に出られないと親が報われないぜ問題』を読んでいただければと思います。そこに、私の体験が描かれています。息子が小学1年生のころ、2年生の試合に連れて行かれた際、何試合もあるのにまったく出られなかったことがありました。一緒に参加した1年生の子は試合に出ていたため、息子が不憫なのと、ベンチにいる姿を見ているのが私自身非常に辛かった。そのときは気づかなかったけれど、私のこころは傷ついていました。そして、試合に出ていた同じ1年生のお母さんと一緒に観ていたのですが、最後の試合の前半で私は先に帰ってしまいました。帰り道に泣きながら休日出勤の夫に電話しました。すると夫から「それだと、○○(息子の名前)が、終わった後、ママは僕が出られないから先に帰っちゃったんだ、ってがっかりするんじゃない?」と言われました。親として、こころから反省しました。自分の感情ではなく、子どもの気持ちを優先して考えるべきでした。欧米は一部の競技で早期教育が問題になってはいますが、日本のようにほとんどの子どもが巻き込まれる状況にありません。対する日本は、小学生の子どもにスポーツをさせている多くの親御さんが、子どもがレギュラーか補欠かといった競争にさらされる姿に一喜一憂しています。かつての私もそうでした。そしてお母さんも同じ状況ではないでしょうか。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス①「今のあなたでは満足してない」と子どもを否定する言動をとらないでは、どうすればいいのか。かつて毒親だった私から、三つアドバイスさせてください。自分がなぜイライラするのか?そこを分析して自分を見つめ直しましょう。それがひとつめです。例えば、子どもが試合に出られず腹が立つ。頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子のほうが試合に呼ばれて悔しい。その怒りを息子さんにぶつけてしまうのは正解でしょうか? 心のなかにあるこんな毒を息子さんに吐き出すお母さんは正しいでしょうか?私は「いいお母さん」の物差しは人それぞれ違っていいと思いますが、正しいか否かの正解はあると考えます。試合に出られないからと言って子どもに自主練習を押し付けたりするのは、正解ではありません。イライラして怒るのもいけません。それらすべての行動が、息子さんに向かって「今のあなたではお母さんは満足しない」と否定することになります。私自身がそうだったから余計わかるのです。試合に出られない子どもに「残念だったね」「悔しいね」と共感しても、(試合に出られないのはあなたが頑張ってないからだよ。お母さんは悔しいんだよ)と胸の中で言ってしまえば、それは子どもの気持ちと同化しているのと同じ。共感しても、同化してはいけません。■アドバイス②ジュニア期は楽しむことが大事、自己肯定感を高めることそしてふたつめ。もし自分が正しいと言えないなと感じたのであれば、違う自分を探しましょう。まずは自分を整えるのです。自分を整えるときのキーワードは「今の私は子どもを成長させられる親か?」という問いかけです。息子さんはあまり悔しがっている様子はない、と書かれています。それならば、ほうっておけばいいのです。冒頭でお伝えしたように、ジュニア期で最も重要なのはそのスポーツを楽しんで好きになるかどうか。その一点に尽きます。「サッカー、好きなんだね」「今日は楽しかった?」そんな声掛けだけで十分です。あとは早寝早起きをさせて、朝ごはんを食べさせ、遠征や試合の日はお弁当を作ってあげて「楽しんでおいで」と送り出せばいいのです。それだけで十分、子どもは成長します。なぜなら「僕はお母さんから心配されていない。信頼されている」と安心する。自己肯定感が高まるからです。■アドバイス③自分が育てられた教育や子育てを踏襲していいのか、新たな学びが必要(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)三つめ。子育て受難の時代です。私たちが受けた教育や子育てが、子どもを成長させるものかどうかを検証する必要があります。今までは、レギュラーか補欠かといった競争に子どもをさらし勝ち抜かせていく。子どもを圧迫して発奮させる。それがひとつの教育とされていました。しかし、自分もそういうふうに育てられたからと、同じ子育てを踏襲してはいけません。新たな学びを入れる必要があります。以下に三冊の本を紹介します。参考にしてみてください。①『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(庄子寛之著/青春出版社)公立小学校の現役教師が書いた本。「子どもを伸ばす親には、待ち上手という共通項があった」と話しています。副題の「イライラしない親は子どものどこを見ているのか」でもわかるように、イライラせずに子どもを見守るコツが書かれています。お母さんの疑問に答えてくれる本だと思います。②『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(島沢優子著/文藝春秋)拙書です。子どもにスポーツをさせている親の実態と、毒親にならないためにどうすればよいのかを書いています。③『高学歴親という病』(成田奈緒子著/講談社+α新書) ※2023年1月20日発売私に、子どもに共感してもいいけれど、同化してはいけないと教えてくれた小児脳科学者の本です。高学歴親と標榜されていますが、日本の学歴偏重社会で歪みがちな子育てを考え直せる本です。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年12月21日「美味しいものを食べて罪悪感なく過ごしたい」「今の体重や体型をキープしたい」という人は、痩せ体質を目指すエクササイズを習慣にしてみませんか?リバウンドが気になるときや、体が重いなと感じる人にもおすすめな「しゃがみエクササイズ」をご紹介します。後背部を整えて“痩せ体質”を目指す美味しいものを食べた翌日に罪悪感があったり、最近体型が戻りにくくなってきたと感じたりする人は、体の後背部の筋力を鍛えるのがおすすめ。姿勢を維持する体幹や後背部の筋力が弱まっていると姿勢が悪くなり、関節周りにお肉がつきやすくなったり、痩せにくくなってしまう恐れがあるのです。背中を使えていますか?今回のエクササイズで背筋を目覚めさせつつ、大きな筋肉のあるお尻や太ももを使うことで“痩せ体質”を目指していきましょう。エクササイズをやってみて、しんどいと感じる場合は要注意!肩こりの慢性化や、背筋が衰えている可能性があります。まずは10回を目指してチャレンジしてみてください。1日1分で痩せ体質をつくる「しゃがみエクササイズ」1.両脚を適度に開いて立ちます。しゃがむ想定で幅を決めると良いでしょう。2.呼吸を整えて、上半身の余分な力を抜きます。3.肩周りや鎖骨をリラックスさせ、鎖骨から腕がぶら下がっている感覚を意識すると力が抜けやすいはず。4.息を吸いながら、両腕を鎖骨の位置で前方へ伸ばします。※肩の位置にあげると首がすくむので注意!5.息を吐きながらゆっくりとしゃがんでいきます。6.息を吸いながら前方を見て、両腕を肩甲骨、肋骨から伸ばすようにして斜め上方向へ持ち上げます。7.重心をスネ側に置きながら、背骨を上に引き上げます。8.その姿勢を維持しながら1呼吸キープします。9.次の吸う息のタイミングで、太ももの後ろや、股関節後ろ側の力を意識して勢いよく立ち上がりましょう。10.これを1セットとし、まずは10回繰り返します。慣れてきたら、15回を目指しましょう。腕を引き上げるときの感覚をチェック!いかがでしたか?腕を引き上げるときに顔を正面に向けるのがツラい、腕をあげるのがしんどいという場合は、肩や背中が凝っていたり、背筋力が弱っている可能性があります。背骨を上に引き上げることを毎回意識して、呼吸を止めないようにチャレンジしましょう。まずはできる回数からでOK。少しずつやってみてくださいね!©bymuratdeniz/gettyimages文 / 上村由夏
2022年12月11日“くびれ番長”扇田純さん伝授の上半身トレで美乳際立つメリハリボディに。横から見たバストラインを美しく見せる“二の腕トレ”をご紹介します。二の腕トレ引き締まった二の腕を手に入れると、横から見たバストラインが際立つもの。二の腕ぽっちゃりとバスト脇のハミ肉を同時に解消できるトレーニングを紹介。【WARM‐UP】L字でつまんで老廃物流し右手の親指と人差し指でL字を作り、左肘上をつまむ。少し圧をかけながら、腋まで1分かけてほぐす。右腕も同様に。クリームを使ってもいい。両腕1分ずつ。アームリフト二の腕の裏側を効果的に刺激するトレーニング。肩が上がると肩の筋肉を刺激してしまうので、下げて行うこと。強度を上げたいなら、腰幅程度に足を広げ、立ち前傾姿勢で行って。(1)背中と腰が丸まらないよう注意してあぐらをかく。両腕を少し広げ、手のひらを後ろ向きにしてお尻の後ろあたりに置く。顔が前に行かないよう首筋を伸ばす。(2)息を吐きながら斜め後ろに両手をゆっくり引き上げる。お尻の後ろから水をかき分けるイメージで。肩が上がらないように注意。吸いながら1に戻り繰り返す。30回。アームムーブ腕で上体を支えながら肘を曲げ伸ばしする“逆腕立て伏せ”は、腕の筋肉の多くを占める、上腕三頭筋にアプローチできる。普段使うことの少ない筋肉なので、鍛えれば即効く可能性大。(1)両膝を立て、足を腰幅に広げて座る。足の位置はできるだけお尻に近づけ、両手を背後について上体を支える。手の指先はお尻に向け、肘をピンと張りすぎないこと。(2)視線は斜め前方に向けたまま、首や背中を曲げずに、息を吐きながら体重を後ろにかけ、肘を曲げる。息を吐ききったら、吸いながら1に戻る。1~2を繰り返す。15回。扇田 純さんボディメイクトレーナー。「J’s Beauty Studio」代表。ヨガ、筋トレ、マッサージを組み合わせた、しなやかで引き締まったカラダになるオリジナルメソッドを提案。「くびれ番長」としても人気でYouTubeも行う。Instagramは@jun_oogidaブラトップ¥9,680レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)※『anan』2022年12月7日号より。写真・中島慶子スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・浜田あゆみモデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン)取材、文・板倉ミキコ(by anan編集部)
2022年12月03日大きさや形など、バストの見た目は人それぞれ。でも、背中・お腹・二の腕の筋肉を的確に鍛えることで、どんな胸も美しく引き立つボディラインが作れるんです。ここでは、ウエストを締めて、バストを際立たせるお腹トレーニングを“くびれ番長”扇田純さんに教えていただきました。お腹トレお腹まわりがスッキリすれば、バストのふくらみがより強調される。お腹を引き締め、くびれのあるメリハリボディを目指そう。【WARM‐UP】お腹全体を伸ばし筋トレ効果もUP。両足を肩幅に開いて立ち、両手のひらを内側に向け肩幅より広げて万歳。骨盤を正面に向けたまま、息を吐きながらカラダを真横に倒す。体側を伸ばせるところまで伸ばし、息を吸いながら元の位置に戻す。左右交互に。3往復。クランチお腹の前面、肋骨下から恥骨にかけてある腹直筋を鍛えれば、アンダーバストが引き締まり、バストとお腹の境が際立ってくる。下腹ポッコリを卒業して、本来のバストの美しさを目立たせよう。(1)仰向けになって膝を立て、足の位置はできるだけお尻に近づける。両手は頭の後ろで組む。背中が浮かないよう、床にぺったりつけて。呼吸を整え全身リラックス。(2)膝が90度になるよう両脚を上げる。この時、お腹の筋肉をしっかり使う。以降、脚を下げずに膝の角度をずっとキープする。(3)息を吐きながら、おへそをのぞき込むようにして上体を起こす。お腹をしっかり丸める。その状態で息を吐ききったら、息を吸いながら2に戻り、2~3を繰り返す。12回。ウエストツイストくびれ作りに効果的な、お腹の横、いわゆる脇腹部分にある腹斜筋。カラダをひねる動作に関わっているので、このトレーニングでも左右にひねる時に腹斜筋をしっかり意識して行うと効果が上がる。(1)仰向けになって両手を真横に伸ばし、腋の角度を90度にする。クランチ同様に膝が90度になるまで両脚を上げる。肩や背中が浮かないように注意して。(2)息を吐きながら両脚を左側に倒し、腹斜筋を使って床スレスレまで下ろす。腰が浮かないよう注意。吸いながら1に戻り、吐きながら右側に倒す。左右往復。5往復。扇田 純さんボディメイクトレーナー。「J’s Beauty Studio」代表。ヨガ、筋トレ、マッサージを組み合わせた、しなやかで引き締まったカラダになるオリジナルメソッドを提案。「くびれ番長」としても人気でYouTubeも行う。Instagramは@jun_oogidaブラトップ¥9,680レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)※『anan』2022年12月7日号より。写真・中島慶子スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・浜田あゆみモデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン)取材、文・板倉ミキコ(by anan編集部)
2022年12月03日“くびれ番長”扇田純さん伝授の上半身トレで、美乳際立つメリハリボディに。ここでは、姿勢改善&肩甲骨まわりのぜい肉を撃退する背中トレーニングを教えていただきました。背中の筋肉を鍛えるのが、バストアップへの近道。美胸はラインが作る、とボディメイクトレーナーの扇田純さん。「上向きの綺麗なバストラインには、正しい姿勢が必須。姿勢の維持には、背中側の僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋といった筋肉が関わっています。でも、ほとんどの人はこれらの筋肉をきちんと使えていません」さらに、日中パソコンやスマホの使用で前かがみの時間が長く、肩が内巻きになり、背中の筋肉も硬直するという悪循環を生んでいる。「背中の筋肉にしなやかさが戻れば、姿勢が整うので肩甲骨を寄せて胸を開けるようになり、バストを本来あるべき位置にキープできます」背中トレターゲットは、姿勢を保つ脊柱起立筋、頭や首を支える僧帽筋、肩の動きと深く関わる広背筋。普段意識して使っていない筋肉を目覚めさせて。【WARM‐UP】タオルで背中のこわばりをリセット(1)骨盤を立てた状態であぐらをかき、丸めたタオルを肩幅より少し広めに持つ。肘を曲げ、手は胸の高さに。(2)息を吐きながら、手の高さを変えず両手を前に突き出す。背中を少し丸め視線はおへそに。息を吸いながら1に戻る。バックスクイーズ背中で一番大きな筋肉・広背筋を効率よく刺激できるトレーニング。背中全体を意識しながら、反動をつけずに動作を行うのがポイント。肩甲骨まわりの血液循環も良くなり、胸が開きやすくなるはず。(1)両足を腰幅程度に広げ、つま先は立てて床にうつ伏せになる。顔は少し浮かせた状態で、両手をまっすぐ前に伸ばし、床から10cmほど浮かせる。手のひらは下に向けて、お尻の筋肉を使うことを意識しよう。(2)息を吸い、吐きながら両肘を曲げて上体を起こし、肩甲骨同士を引き寄せる。この時、無理に上体を起こそうとすると腰まわりを痛めるので、お尻の筋肉を使うこと。息を吸いながら1に戻り、1~2を繰り返す。10回。ラットプルダウン首の後ろから肩、背中に広がる筋肉・僧帽筋にアプローチ。背中側の筋肉の中で、最もカラダの表面に近い層にある筋肉。僧帽筋のこわばりを取りながら鍛える動きで、肩や首のコリも解消。(1)足を腰幅程度に開き、足先は正面に向けて立つ。上体を約45度前に倒す。手のひらを下に向け、腕を頭上にまっすぐ伸ばす。手からお尻までが直線。腰を反らさず、お尻を後ろに引いて。(2)息を吐きながら両手のひらは外に向けて腋を広げるように肘を引きながら腕を後ろに下ろし、肩甲骨を寄せ合う。息を吸いながら1に戻り1~2を繰り返す。動作中、お腹の力は抜かない。12回。アーム&レッグクロスレイズ脊柱(背骨)に沿うように存在する脊柱起立筋は姿勢維持の要。このトレーニングでは、脊柱起立筋を中心に体幹も鍛えられるので、正しい姿勢が維持しやすくなりバストラインが整っていく。(1)ヨガマットなどの上で四つん這いに。膝は腰幅に開き、両手は肩の下に。腰が落ちないようにお腹に力を入れて。頭からお尻までを一直線でキープ。(2)右腕を前に伸ばすと同時に、対角線にある左脚を伸ばしてつま先を床につける。ここでも頭から左脚までが一直線になるよう、背中の筋肉とお腹の筋肉をしっかり使う。(3)息を吐きながら、右手と左脚を同時にゆっくり持ち上げる。左のつま先は下向きで。顔も少し上げ、視線は斜め前方に。息を吸いながら2に戻り、2~3を繰り返す。反対側も同様に。12回。扇田 純さんボディメイクトレーナー。「J’s Beauty Studio」代表。ヨガ、筋トレ、マッサージを組み合わせた、しなやかで引き締まったカラダになるオリジナルメソッドを提案。「くびれ番長」としても人気でYouTubeも行う。Instagramは@jun_oogidaブラトップ¥9,680レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)※『anan』2022年12月7日号より。写真・中島慶子スタイリスト・仮屋薗寛子ヘア&メイク・浜田あゆみモデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン)取材、文・板倉ミキコ(by anan編集部)
2022年12月03日大胸筋をほぐして鍛えることでバストアップ!ヘルシーでメリハリのあるボディを持つ、ピラティスインストラクターの関清香さんがバスト特化メニューを考案。今回紹介する3種のトレーニングは、下へいくほど難易度が上がっていく仕組み。筋トレは負荷に慣れてしまうと効果が落ちるので、物足りなさを感じたら回数を増やしていこう。寝転びトレーニング(20回)難易度ストレッチと筋トレが合わさった動き。腕を開くときはゆっくりと大胸筋を伸ばし、閉じるときはスピーディに動かして筋肉をギュッと収縮させると、トレーニング効果が出る。1、ストレッチポールに背中を預け、ヨガブロックに頭を乗せる。両膝を立て、手にはペットボトルを1本ずつ持ち、肘を少し曲げたまま腕を開く。手は床につけない。2、息を吐きながら腕を上げ、体の前で手を合わせる。肘は少し曲げたまま大胸筋の収縮を意識して。ゆっくり息を吸いながら1に戻る。2の動きはテンポよく行い、1~2を繰り返す。【NG】肘が伸びきっている肘が伸びきってしまうと大胸筋にアプローチしにくくなるし、肘を痛めやすいので注意。直立トレーニング(10回×2セット)難易度仕事場やキッチンなど、手を置ける高さのものがあれば、どこでもできる“ながら”トレーニング向きの動き。体の前面がまっすぐになればいいので、壁を使って行ってもいい。はじめの姿勢両手を肩幅より広めに開いてテーブルに置く。体を支えられるよう、縁に親指をかける。1、体の前面が一直線になるよう、足の位置を後ろに移動する。両足をつけてかかとは床につけず、肘をしっかり伸ばす。背中や腰を曲げないよう全身を両手でしっかり支える。2、息を吐きながら両手の間にデコルテをはめるイメージで肘を曲げる。体は直線をキープ。できるだけ深く上体を沈め息を吐ききったら、息を吸いながら1に戻り1~2を繰り返す。【NG】腰が反る腰が反った状態で行うと、腰を痛める可能性大。体のラインを直線に保って。【NG】お尻が引けるお尻が引けたまま行っても大胸筋に負荷がかからず、トレーニングの意味がなくなる。【NG】頭が下に落ちる腕の力がない人がやりがち。頭を下げて行うと実際は肘をちゃんと曲げていないのに、できた気になる。腕立てトレーニング(5回×2セット)難易度大胸筋は強くて大きい筋肉。今回紹介するトレーニングを続けて鍛えられてきたら、両脚を伸ばし膝を浮かせて行う、リアルな腕立て伏せにトライしよう。はじめの姿勢四つん這いになり、両手は肩幅より少し広め、ややハの字になるようにつく。指は大きく開く。1、背中が丸まらないよう注意しながら膝の位置を15cm程度下げる。膝の位置が遠くなるほど負荷が上がるので、自分の状態に合わせて。息を吸って次の動きの準備。2、息を吐きながら、ゆっくり5秒かけてダウン。両手の間にデコルテをはめるイメージで肘を後ろに引くようにしていけるところまで下げる。吐ききるまでその状態をキープ。息を吸って1に戻り繰り返し。【NG】骨盤が落ちる骨盤が落ちると、両腕の力だけで体を支えることになり、適切な負荷がかからなくなる。【NG】肘を曲げるときに腰が引ける腰が引けてしまうと大胸筋に大した負荷がかからず、腕立ての効果が得られなくなる。【NG】頭が落ち、腰が反る頭が落ちると、結果的に腰が反りやすく、効果が得られない。腰を痛める可能性も。関 清香さんピラティスインストラクター、「STUDIO es」代表。体が硬い人や運動が苦手な人でも続けられるプログラムの考案に定評あり。オンラインレッスンも行い、YouTubeでも配信中。Instagramは@studioes731※『anan』2022年12月7日号より。写真・安田光優ヘア・松橋亜紀取材、文・板倉ミキコ(by anan編集部)
2022年12月03日秋はスポーツに最適な季節。サッカーW杯も盛り上がりを見せていますが、お子さんがクラブ活動や部活に励んでいる家族も多いのではないでしょうか。運動能力を上げるめには、効果的なトレーニングを行うことが必須。そこで本記事では、11月19日にオンラインイベント「桐生選手、村田選手 オンラインスポーツ教室」の模様をご紹介します。そこで本記事では、11月19日に開催されたオンラインイベント「桐生選手、村田選手 オンラインスポーツ教室」の模様をご紹介します。スペシャルゲストとして登場したのは、日本を代表する陸上短距離走者・桐生祥秀選手、ボクシングの世界チャンピオン・村田諒太選手。効果的なトレーニングを直伝してくれたほか、子どもやその家族に向けて、夢を叶える方法や本番で力を出す方法などもアドバイスしてくれました。■100m9秒台の桐生選手から、足が速くなるトレーニングを伝授まずは準備体操として、体を使った脳のトレーニングからスタート。ランニングインストラクター「きゃっするひとみー」さんが登場し、出された手にあえて負けるジャンケンなど3つの体操を紹介してくれました。このような頭を使ったトレーニングは普段使わない脳の部分が刺激され、脳の引き出しが増える効果があるそうです。続いて桐生祥秀選手と村田諒太選手が登場し、まずは桐生選手が足が速くなるトレーニングをレクチャーしてくれました。村田選手も普段から走るトレーニングは取り入れているそうで、「走ることは、運動としても、生き物としても基本中の基本」「100m走のチャンピオンこそ、キングオブアスリートだと思っている」との談。競技によって鍛える部位は異なるそうで、速く走るためのポイントはズバリ「お尻の筋肉を強化すること」。短距離走選手はお尻から太ももにかけて筋肉がしっかり付いており、ふくらはぎから足首にかけてはキュッと細い選手が多い……とのことでした。ただしこの部位は日常ではあまり動かさないため、意識的に動かすトレーニングを習慣づけることが大切なのだそう。そこで伝授してくれたのが「片足立ち」「ペットボトル置き」「リズムもも上げ」のトレーニングです。走っているときは両足が地面に付いていることはないので、「片足で立ち、もう片方のももを90度にあげて止まる」だけでも有効性があるのだとか。毎日左右2〜3セットほどやっていると、速く走るために不可欠な「足が上がる動作」が身に付いてくるそうです。また人は視覚からかなりの情報を得ているため、目を閉じての片足立ちもおすすめとのこと。目を閉じて立つと、体の感覚でコントロールする感覚が身に付き、使うべき筋肉を意識しやすい、とのことでした。「自分で意味があると思えるトレーニングをやることが大事。最初は無理をせず、少しずつ秒数を長くしていくなどして達成感を得ながらやってみてください」と桐生選手。「ペットボトル置き」「リズムもも上げ」の方法は、伊藤園の特設サイト 「スポーツに、むぎ茶」 でも動画が見られます。村田選手も「科学に基づいた、洗練されたトレーニング方法。使いたい筋肉をアクティベートしておいてから競技に臨むのだな、と改めて勉強になった」と感心した様子。特に「ペットボトル置きは、子供の脳の発達にも良いトレーニングだと思う」と大推薦。「ペットボトルを置きたい気持ちがはやるとうまくできないので、冷静さも必要」「なぜこれができないのか、できるのかを考えながら、体の使い方を覚えていこう」と指南してくれました。大人向けにも「体を動かそう!ラクラク運動」「はじめてのウォーキング&ランニング講座」等の動画コンテンツが充実しているサイトなので、ご家族でチェックしてみてくださいね。■スタイルアップにも効果的!村田選手直伝のボクシング&体幹トレーニング続いては、村田選手がトレーナーに。ボクシングの基本の構え方から、基本のパンチであるジャブとストレートの打ち方を伝授してくれました。「肩幅に足を開き、両手を顎のあたりに構え、利き手のほうの足を後ろに1歩引く」のがボクシングの基本的な構え方。前にあるほうの手をまっすぐに出すのが「ジャブ」、後ろにある手で反動をつけて強いパンチを出すのが「ストレート」、この2つのパンチをつなげたのが「ワンツー」と呼ばれる動作になります。半身の姿勢でパンチを出すため、パンチを打つと自然と腰のあたりがツイストされます。「格闘技のトレーニングは、綺麗な体をつくるのにも効果的。家の中で遊びとしてやっていても、お腹周りのエクササイズになります」とのこと!さらに、安全で効果の高い筋トレ方法も教えてくれました。ひとつは「シットダウン(腹筋)」。起き上がるタイプの腹筋トレーニングは腰を痛めやすいわりに、筋肉への負荷が少ないそう。それよりも、5カウントくらいでゆっくり後ろに倒れていく「シットダウン」のほうが、怪我のリスクが低く、腹筋や背筋を鍛えられるそうです。「プッシュアップ(腕立て伏せ)」も、ひと味違う方法を教えてくれました。腕を立てた状態からガクッと一気に伏せる(体を下に落とす)ことで、肩甲骨周りにグッと負荷がかかり、筋トレとしての効果が高くなるそうです。まずは5〜10回で十分とのこと。最後に「スクワット」。お尻や太ももにかけては大きな筋肉があるので、この部位を鍛えることは代謝をあげることにも非常に有効だそうです。スクワットのコツは、まっすぐに重心を下に下ろすこと。「膝を内側に入れない」「腰が反りすぎても曲がりすぎてもNG」で、お尻と股関節周りが痛くなれば上手にできている証だそうです。「スクワットをすることで糖尿の値が下がった知人もいて、健康にも効果があるトレーニングだと思います」と村田選手。ただし、体幹トレーニングには腰を痛めるなどの怪我のリスクがあるため、いずれの筋トレも「無理な負担がかかっていないか」を確かめながらやってほしいとのことでした。■スポーツ選手が夢を叶えた道のりに迫る!トークセッション続いて、桐生選手、村田選手の幼少期や夢を叶える方法に迫るトークセッションが行われました。お二人から語られたスポーツ教育のポイントをまとめると、以下5点です。小学生くらいは同じ学年でも発育の差が大きい。結果を気にしすぎず、成長に合わせた練習をしよう子どものうちは筋力をガンガン鍛えるより、うまく筋肉が使える体になるよう「巧緻性(こうちせい)」を鍛えよう得意なスポーツがあると、その子の大きなアイデンティティになる本人が「やる」と決めない限り、強制的にやらせても大成しない子供は本気になったら一直線。うまく休ませてあげることも親の大切な役割特に印象に残ったのは、(3)(4)の内容です。村田選手は中学生でボクシングを始めたものの、しんどくて一度逃げ出した経緯があるそうです。しかし中学3年生になり、自分でもう一度やろうと決めてからは、様子が一変。それまでやんちゃな子どもだったそうですが、「才能があるからがんばれ」と認めてもらえることが嬉しく、アイデンティティを与えられた感覚があったのだとか。ジムに行くのが楽しくなり、実力がついてくるのがただ面白くて、「根性で努力をした」というよりは「常にその瞬間瞬間を一生懸命にやってきた」だけだとと感じているそうです。「結果を出せたとき初めて、それまでの過程が肯定されるが、意図的にその結果を作るのは難しい」「こういう方法をやったら叶う、という夢の法則はない。計画どおりにやってうまくいくなら、万人が成功するはず」「夢は見たり消えたりするもの。現実で曇って見えなくなることもあるが、目の前のことを一生懸命やっていれば道はひらけていく」……といった持論を紹介してくれました。桐生選手も村田選手と同様、日本代表やオリンピックを目指したことは一度もないのだとか。学校では一番足が速かったものの、区や市の大会で勝てるほどではなかったそうです。小学校の頃はサッカーに打ち込んでおり、兄が陸上を始めたことで、自分も中学生から陸上を始めてみたものの、遊びの延長の感覚で、面倒だと思う練習はサボることもあった、とのこと。しかし「この人に勝ちたい、と思う相手が出てきてから、しっかりと練習するようになった」そうです。同級生に勝ちたい、高校生に勝ちたい、と目の前の目標が積み上がっていった結果、日本代表になっていたそうです。「スランプや試練はあって当然。ドラマの主人公も、ずっと良い思いをしていることはない。沈んでいる時に宝物を見つけることもある」「選手人生のスタートからゴールまでは、一直線ではない旅のようなもの。今もその途中」……とスポーツを通じて得た人生観を語ってくれました。さらにイベントの視聴者からも、さまざまな質問が飛び出しました。本番で力を出す方法については、「自分は本番に弱い、と思い込むことは気力を下げてしまうだけで良いことなし」「今日のベストのパフォーマンス出したらどれくらいいけるかな?と、楽しんで自分のパフォーマンスを見つけてみよう」「今日はベストを出せた!といった喜びを目指してやれば、楽しく競技に臨めるのでは?」と桐生選手からアドバイス。怪我の克服については、「怪我を経験しないアスリートはほとんどいない、という事実に目を向けて。自分だけが不幸だと思わないことも大切(村田選手)」「スポーツでは、時に休む努力も必要。次の目標を見つけつつ、体を休ませよう(桐生選手)」といったアドバイスが贈られました。■糖分を気にせずミネラル補給ができる「健康ミネラルむぎ茶」を二人も愛飲中!イベントの合間には、今回のイベントを主催した伊藤園から「スポーツ中に汗をかくと、水分だけでなく、ミネラルが一緒に失われること」「ミネラルは体の機能を維持するために重要な5大栄養素の一つであり、体内では作れないので、食事や飲み物で補う必要があること」が紹介されました。毎日の手軽なミネラル補給をサポートしてくれる、伊藤園の『健康ミネラルむぎ茶』。村田選手も「ボクシングは体重競技。スポーツドリンクばかりだと糖分を摂りすぎてしまうので、麦茶でミネラルを補充できるのはとても助かります」と大推薦。桐生選手も「子どもの頃から慣れ親しんだ飲みやすい味で、口の中がスッキリする感覚もスポーツの後に最適。うちの子どもたちも0歳から飲んでいて、幼稚園にも持って行っています」と語っていました。甘こうばしい味わいの麦茶で、スポーツ選手も愛飲している伊藤園の『健康ミネラルむぎ茶』。夏のイメージが強い麦茶ですが、汗で失われる大切なミネラルを効果的に補える無糖・無添加のスポーツドリンクとして、秋もごくごく飲んでいきましょう!(取材・文/外山ゆひら)
2022年11月25日個人技、ドリブルを伸ばすチーム方針。闇雲にドリブル突破させるのではなく、パスのタイミングなども学ばせているけど、保護者から「パスや戦術理解を高める練習をしてほしい」と要望が。ドリブルを磨くのはそんなにダメなこと?ドリブルスキルを高めながらパスや仲間との連携を高めるトレーニングがあったら教えて。とのご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、イニエスタ選手を例に「ドリブルの意義」を理解し効果的に使うためのアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。子どもが所属しているチームで教えています。指導対象はU-12です。私自身もサッカー経験者ですが、技術だけでなく接し方など、自分の頃とは色々変わっていることを学びながら指導にかかわっています。今回お伺いしたいのは、個人技、要はドリブルについてです。うちのチームでは、個人技を伸ばすことを大事にしています。ドリブルも、ただ闇雲に突破を仕掛けるのではなく、ボールを運ぶときに大事なスキルだと教えており、緩急をつけたり、どんな時にパスを選択すればいいのかも学ばせています。ですが、最近はTVやネットで情報を得る保護者も多く、ドリブル=悪(※連携せずに独りよがりで突っ込む)のように思っている方も多く、チームの代表あてに「パスや戦術理解を高める指導をしてほしい」という要求が来ることもあるようです。パスや戦術もないがしろにしているわけでないのですが、個人技、ドリブルスキルを高める指導はそんなにダメでしょうか。パスのタイミングを理解したり、仲間と連携するためのおすすめのトレーニングがあれば教えてください。よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。パスや戦術理解を高める指導をしてほしいことは、私も以前から訴えていることです。仲間と「連携せずに独りよがりで突っ込む」小学生が多いのも事実です。保護者の方がそのような要望を口にされるのは悪いことではないと思います。■単なる技術ではなく、ドリブルの意義への理解を高めようそれはさておき、コーチングはどんなツールで勉強されているのでしょうか。トレーニングメニューにこだわっている人は、YouTubeが多いようです。が、映像でドリブルを見せるものは、やはり足元のテクニックのほうに偏りがちです。ビジュアルとして見せやすいからかもしれません。しかし、そのような足技と呼ばれる技術を高めるのではなく「ドリブルの意義への理解」を高めるトレーニングをしてほしいと思います。なぜなら、サッカーは「対戦相手をみんなでどう攻略するか?」を追求するチームスポーツです。目の前にいる相手をひとりでドリブルで攻略するのは、チームスポーツではありません。味方の誰を使って、ゴールに進むのか。そのアイデアや動きをまずは教えてください。その後に「今ここにドリブルしたらどうなったかな?」「数的優位にするには、どの方向にボールを運ぶ?」といった問いかけを入れて理解してもらいます。そこを経て、子どもが「ここでこんなフェイントができたらもっと攻められたのに」「ここでドリブルで切り返せたらよかったのに」といったことを理解したうえでスキルを磨く。そんな順番で育ててほしいのです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス①イニエスタ選手を参考にしてみようでは、具体的にどうするか。三つのポイントで考えてみましょう。ひとつめ。ドリブルの技術習得については、最低限ターンができれば問題はないと私は考えます。ひとつの例として、イニエスタ選手(ヴィッセル神戸/元スペイン代表)のプレーに注目してみましょう。彼はたくさんフェイントをして、目の前の相手をガンガン抜いているわけではありません。囲まれて抜け出すとき、とてもいいコースにボールを運びます。ボールを相手に取られないよう、くるっとターンしたり、相手をドリブルで引き付けておいて方向転換します。そしてそのあとは、間違いなく効果的なパスを出しています。■アドバイス②カギはボールを離すタイミング!ドリブルの「使い方」を教えようイニエスタ選手のように、いい選手はドリブルをうまく使っています。したがって、子どもにもドリブルの「使い方」を教えてほしい。これが二つめです。試合の際ベンチから「ボールを運べ」という声は聞こえてきます。ところが、実際に子どもたちはボールを離すタイミングが非常に遅いようです。これはプロも同じで、日本のプレーヤーは全般的にボールを離すのが遅いのです。日本の選手は相手に近寄り過ぎます。逆に言えば、相手に近寄られてからパスを出すため、もらった側がリターンパスをできなくなります。もう2、3メートルほど、相手が近寄ってこない間にパスを出せば、その次にダイレクトでリターンパスをもらいやすくなります。つまり、早く判断するので、そのぶん相手を翻弄できるためパスコースが増えます。それなのに、近寄り過ぎるため、たくさんあったパスコースは次の瞬間消えています。攻撃に効果的なワンツーパスができません。■アドバイス③思考の順番を変える抜けないからパスではなく、効果的なパスを出すためのドリブルを三つめ。子どもに思考の順番を変えてもらいましょう。まずボールを持った瞬間に考えることは、誰にパスを出すといいかを考えるのです。その次に前にスペースがあればドリブルで前進する。ドリブルをしながら次のことを考えるのですが、ここでも誰にパスを出すかを考えながら進むことです。前に相手選手が来たら、誰を使ってその相手をかわすかを考えるのです。このような順番で思考することを教えてあげてください。日本の子どもたちが相手に近づいてからパスを出すのは、まずは相手を抜こうとして、結局抜けないから出す、というパターンが多いです。それは思考の順番が違います。効果的なパスを出すために、相手をどうかわすか?そのあと、誰と誰に出す選択がある。そのように、あらかじめいくつかの選択肢をもちながらドリブルするのです。そんな順番で考えられれば、攻撃の形をつくることができるでしょう。それなのに、練習で1対1ばかりやってないでしょうか。試合でドリブルが上手い選手に「勝負!勝負!」とドリブル突破するよう声掛けをしていないでしょうか。突破するためにドリブルの技術を磨くわけではありません。チームで相手をどう攻略するか。そこを指導者がまず理解することが大切です。■パスのタイミングや仲間との連携を高めるためにおすすのトレーニング(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)パスのタイミングを理解したり、仲間と連携するためのおすすめのトレーニングは数的優位が起きやすいメニューです。2対1、3対2などです。オシムさんも「日本人はなるべく早いうちに数的優位のトレーニングをやったほうがいい」と指摘していました。20年近く前の話です。日本のサッカーが何をなすべきかという未来を見越していたのでしょう。私もメニューを解説した書籍を複数出していますが、ドイツ在住の中野吉之助さん、オランダに渡った倉本和昌さんなど、育成の本質をつけるコーチングデベロッパーたちが出てきています。彼らの著書やブログなどで学ぶこともできます。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年11月25日寒い季節になると、モコモコしたアウターやニットで着膨れしがち。しかし、その着膨れは服装だけでなく、首元のすくみ姿勢に原因があるかもしれません。そこで今回は、着痩せを目指して「お腹と背中の同時痩せ」を叶えるトレーニングをご紹介します。肩のすくみ癖に要注意寒さで体が縮こまり、首や肩をすくめる癖がついていませんか?その癖が定着すると、首が短く見えてニットが似合わなくなる可能性大!さらにすくんだ肩の位置で固定してしまうと、背中の動きが悪くなり、背中や腕の付け根周りにお肉がつきやすくなります。ゆったりニットや大きめアウターを着こなすためには、着膨れしやすい姿勢を改善するのが近道。首まわりから肩の位置をスッキリさせると、自然とデコルテや背中のラインが整ってくるはずですよ。背中とお腹を同時に刺激! 着痩せを目指すトレーニング1.両脚を腰幅程度に開いて立ちます。2.一度大きく深呼吸しながら、お腹を縦に伸ばしていきましょう。3.背骨が上に引っ張られていくような意識で行うと良いでしょう。4.鎖骨から肩甲骨、腕の力を抜いて、鎖骨の先端から腕をぶら下げている意識で行います。5.息を吸います。6.息を吐きながら、股関節の後ろから上体を折るようにして、90度のラインを作ります。7.このとき、腰を反らさないように注意します。8.お腹を少しだけ丸めるようにして、脚の付け根から上体を折るようにポジションを確認しましょう。9.息を吸い、両腕を肩甲骨から前方へ伸ばし、耳の近くに二の腕が来るようにします。10.背中、お腹で体を支えている感覚を感じながら、5秒間キープします。11.両腕を脚の付け根にセットします。12.息を吸いながら立ち姿勢に戻ります。13.これを1セットとし、10回繰り返します。背中の筋肉を感じながら行いましょう腕を前方へ伸ばすときは、肩甲骨から腕を伸ばす意識で行いましょう。すると肩がすくまず、背中の力をしっかり使える感覚があるはず。数回行うだけで次第に身体が温まり、お腹や背中まわりがポカポカしてくると思います。息を止めないように気をつけながら、まずは5回からチャレンジしてみてくださいね!©Frederic Cirou/gettyimages文 / 上村由夏
2022年11月23日そもそも「体幹」とは?「体幹」という言葉は知っていても、「それがどこを指しているのかわからない」という方が多いのではないでしょうか。体幹とは文字通り、「体の幹」のことで、四肢(2本の腕と2本の脚)を除いた胴体の部分を指します。体幹を構成している筋肉体幹の筋肉は、表層部にあるアウターマッスルと、深層部にあるインナーマッスルの2つのグループに大別されます。前者には「腹直筋」「外腹斜筋」「脊柱起立筋」などがあり、体幹及び骨盤の動きに関与します。それに対して後者には「腹横筋」「内腹斜筋」「多裂筋」「横隔膜」などが存在し、体幹及び骨盤の安定性に関与しています。体幹トレーニングによって得られる“3つのメリット”こうした体幹の筋肉を鍛えることで得られるメリットとして、「正しい姿勢」を維持することができる「肩こり」「腰痛」を予防することができる「お腹痩せ効果」につなげることができるという3つが挙げられます。1.「正しい姿勢」を維持することができる体幹トレーニングによって体幹部が強化されると、脊柱(背骨)が安定し、正しい姿勢を維持することができるようになります。「正しい姿勢」というのは、カラダを横から見て、耳、肩、股関節、膝の関節軸のわずか前方、そして外くるぶしのやや前方を結ぶ「重心線」が一直線となっている状態です。重心線が一直線になっていると、脊柱は緩やかなS字状の弯曲を描いた、ニュートラルな状態となります。出典:byBirth2.「肩こり」「腰痛」を予防することができる正しい姿勢を維持することができるようになり、脊柱が緩やかなS字状の弯曲を描くようになると、脊柱にかかる負担を分散させることができるようになります。その結果、肩や腰への負担を軽減させることができるので、肩こりや腰痛を予防することができると言えます。3.「お腹痩せ効果」につなげることができる体幹を鍛えることは、お腹痩せ効果も期待できると言えます。なぜならば、正しい姿勢を維持することができるようになるからです。「ぽっこりお腹」の原因として、「姿勢の歪み」が考えられます。姿勢が悪くなると、お腹まわりの筋力が低下し緩んだ状態になります。すると骨盤が開きっぱなしになったり、お腹まわりに脂肪がつきやすくなってしまったりすることから、ぽっこりお腹につながると言われています。体幹を鍛えることで姿勢を正しく維持することができるので、お腹痩せ効果にもつながると言えるのです。出典:byBirthお腹痩せ効果の高い「体幹トレーニング」を、より効果的に行うコツそれでは、お腹痩せするために行っておきたい体幹トレーニングと、それによるお腹痩せ効果を更に高めるコツをお伝えしましょう。先程お伝えしたように、体幹を鍛えることで姿勢を正しく維持することができるようになることから、お腹痩せ効果につなげることができます。お腹痩せ目的で体幹部を鍛える場合、行っておきたい種目は次の3つです。ドローインプランクハイプランクツイストこれらを行うことで、骨盤の開きを改善に導く腹横筋を鍛えることができるからです。(1)ドローイン出典:byBirth左右のかかとを合わせて、つま先をできるだけ外側に大きく開いて立ちます。肩甲骨を内側に寄せて胸を張り、お腹を凹ませます。お腹を凹ませた状態を30~60秒間静止します。その際、呼吸が止まらないように注意しましょう。30~60秒間を1分程度の休憩を挟みながら、3セット行います。お腹痩せ効果を高めるコツお腹痩せ効果を高めるには、腹横筋にしっかり効かせる必要があります。そのためには、おへそ辺りを凹ませるようにします。(2)プランク出典:byBirth肩の真下に肘が位置するようにし、肘を付いた「腕立て」の体勢をとります。頭から足までを結ぶラインが一直線の状態をキープします。ちなみに「プランク」とは、「板」という意味があります。そのため、カラダで一枚の板を作るようにイメージして行ってみるとよいでしょう。やはり30~60秒間を1分程度の休憩を挟みながら、3セット行います。お腹痩せ効果を高めるコツお腹を軽く凹ませるようにしてみましょう。そうすることで腹横筋に効かせることができ、お腹痩せ効果を高めることができます。(3)ハイプランクツイスト出典:byBirth両手と両足先が床に付いた「腕立て」の体勢を作り、頭から足までが一直線となるようにします(写真上)。その体勢から息を吐きながら骨盤を捻り、膝を反対側のわきの下に引き付ける動作を左右交互に繰り返します(写真下)。20~30回を1分程度の休憩を挟みながら、2~3セット行います。お腹痩せ効果を高めるコツ胸が床を向いた状態をキープした上で骨盤を捻るようにします。そうすることで腹横筋に加えて、内・外腹斜筋下部を引き締めることができます。体幹トレーニングで効率よくお腹痩せ効果につなげていきましょう!出典:byBirth今回は、体幹トレーニングによるお腹痩せ効果を高めるコツについてお伝えしました。体幹部を鍛えることで正しい姿勢を維持することができるようになるので、お腹痩せ効果につなげることができると言えます。前回ご紹介した【「ぽっこりお腹」に悩む人にお勧め!「お腹痩せ」が実現できるトレーニングプログラム】と合わせて行うと、より効果的です!今回お伝えしたコツをヒントに、効率よくお腹痩せ効果につなげていってくださいね!
2022年11月12日考えてプレーするために「離れて見守る指導」をしたいけど、さじ加減が難しい。学校や塾の手厚いサポートに慣れている親たちは「もっと子どもに構ってあげてほしい」と言うし、子ども達は思考するのが面倒なのか「早く正解を教えて」と言う。離れて見守る指導について保護者に理解していただくためにはどうしたらいいの?と言うご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、離れて見守る指導を提唱してきた池上正さんが、具体的なアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<人数が少なく全学年一緒に練習技術にもサッカー理解にも差がある子どもたちにどんなトレーニングをすればいいか教えて<お父さんコーチからの質問>はじめてお便りします。地域の少年団で指導をしています。指導年齢はU-10です。保有しているライセンスはD級で、指導についてはJFAのセミナーなども受けて情報をアップデートしているつもりです。チームはどちらかと言えば弱い方です。県大会に出場するようなレベルではなく、市の大会でも上位進出は稀です。強さに関して保護者から何か言われることはありません。最近池上さんの指導を知りました。考えてプレーするために、手をかけすぎず離れるという指導に共感し、普段のトレーニングで実践しようとしているのですが、「さじ加減」が難しいなと感じています。上手に子どもたちから離れるために、気を付けることはどんなことでしょうか。最近は学校が「手厚いサポート」「面倒見の良さ」を売りにしているところも増えているためか、保護者も我が子にたくさん構ってほしいと言いますし、子どもたちも思考するのが面倒なのか「早く正解を教えて」と言います。保護者に理解していただくために、どんな風にすればいいのか。どんなトレーニングなら保護者に「離れる」ことの大事さを気づいていただけるのか、教えていただけませんでしょうか。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。上手に子どもたちから離れるコツは、拙書『伸ばしたいなら離れなさい』(小学館)に書いてあります。もしまだ読まれていないのであれば、こちらをお勧めします。■「黙っているだけで何もしない」コーチだと思われないよう、最初に保護者に伝えることが大事最初に親への対応を説明します。例えば子どもに自分で考える機会を持たせるため、コーチが余計なことはなるべく言わないようにしようと試みるとします。そうすると、保護者の反応は「コーチは、子どもに何もしてくれない」になりがちです。外から見ていると、コーチ側は子どもの表情や、次にどうするかを見守っているのに、それを「黙っているだけで何もしない」と誤解されるのです。これは、保護者の方々が子育てに「見守る」という行動が重要であることをご存知でないこと、保護者が描くサッカーコーチ像が「手取り足取り技術を教えてくれる人」であることが影響していると思われます。したがって、離れて見守ることの価値を、トレーニングを見せることで親たちに理解させるのは難しいでしょう。そこをクリアしていくためには、コーチ側が親とコミュニケーションをとることが不可欠だと考えます。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■保護者に理解していただくための具体的な方法その2次に、ゲームで子どもたちに何か伝えるとしたら、親御さんたちの目の前でこんな声をかけます。「コーチね、見ていて気になっているんだけど、みんな少し片寄ってないかな?どう思う?」子どもたちに「片寄るな!」と注意するのではなく、「どうだった?コーチにはこう見えるけど、どうしたらいいかな?」とヒントになる問いかけをするのです。より具体的に言えば、最初に状況を説明します。例えば、子どもたちが、ボールにばかり集まっていること。全体のバランスが悪いことなどです。「みんな、練習のとき、コーチは何て言ってる?」指導者が尋ねると、子どもたちは「広がれって言ってる」などと答えます。「オッケー。みんな、わかってるんだよね。じゃあ、それをコーチが言わないとできないのかな?気づいてたなら、気づいてた人が言ってあげればいいよね。でないと、いつもコーチが言わなきゃいけなくなるよね」そんなふうに伝えてください。■試合も「離れて伸ばす指導」を伝える良い機会試合の時も、保護者に「離れて伸ばす指導」の内容を伝える機会になります。練習よりも試合のほうが親御さんはたくさん来るからです。例えば、ハーフタイムで子どもたちに話をする際「子どもたちの後ろにきてくださーい」と、保護者に声をかけます。その際、上述したようなコーチの問いかけや、子どもたちとのやり取りがあるかと思います。どれも子どもに自分で考えさせる仕掛けが隠されているはずです。そこを聞いてもらえばいいのです。さらにいえば、冒頭でふれたように、親たちは少なからず「どうして何も言わないのか?」と感じています。それらは焦りや憤りに近いものです。親たちはわが子に上手くなって欲しいし、チームに強くなって欲しいと願ってこそなので、そこを察して説明することが重要です。■保護者の気持ちにも寄り添いながら、理解を深めていこう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)私のチームでは試合後、子どもたち全員に「今日の試合はどう思いましたか?」と尋ねます。見に来た親に向かってしゃべってもらいます。すると、子どもたちはどんどん発言します。例えば4試合とも負けたとしても「ワンツーが結構使えた」とか「ボールがとれるようになった」と前向きな話が多いです。そこで私は「いやに前向きですね。全部負けてるのにねえ?外から見てるとちょっと違いますよね」などと笑いながら親に向かって言います。親御さんの気持ちをほぐすためです。個人差はあるかもしれませんが、保護者は負けたことにショックを受けています。悔しいし、悲しい。情けない気持ちももしかしたらあるかもしれません。その気持ちを、指導者は知っておかなくてはいけません。保護者の気持ちに寄り添うのです。よって、子どもたちには「確かにできたことも多かったね。だったら、もっと使えばいいよね。そうすれば試合の中身も違ってくるよね」と次の課題があることを示します。ただし「自らやろうとすることが大事なんですよね」と保護者に伝えてください。そうやって理解を深めながら、親子で成長できるチームを目指してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年11月11日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「細かいボールタッチできない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、思い通りにドリブルで運んだり、相手を交わすことがあります。方向を変えたり、相手を交わす動きの時には細かいボールタッチをして奪われないようキープすることが大事です。しかし、初心者のうちはボールコントロールが大きくなったり、思ったところにコントロールできなくてあっちに行ったりこっちに行ったりしてしまうもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、ドリブル細かいボールタッチができるようになるトレーニングを紹介します。親は手でボールを持っていてOKです。サッカーの技術は無くてもできるので、親子で楽しんでください。【やり方】1.親が自由に歩き、子どもはその後ろをドリブルでついていく2.親は時折方向を変え、子どもは細かいタッチでボールをコントロールしながらドリブルする3.親は移動しながらどこかのタイミングでボールを地面に置く。子どもは置かれたボールに、自分のボールを当てる慣れたら、ボールを置いてから当てるまでの時間に制限を付けてみる【トレーニングのポイント】・親はとにかく細かく方向を変えることを意識して動く・親の動きをよく見て、方向転換の際に細かいボールタッチをする・子どもは親と離れすぎない距離感でドリブル・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月25日子どもの人数が少なくて、全学年を見ているんだけど全員一緒にできる練習はある?とのご相談をいただきました。人数が少ないチームでは同じような悩みを持つ指導者の方もいるのでは。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、低学年からサッカーIQを高め、技術も習得する練習法をご紹介しますので、参考にしてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカーの各ポジションの役割、動く範囲やポジショニングを効率的に教える方法はある?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。小学校のチームでサッカーを教えています。分類としてはスポ少です。子どもの数が少ない地域なので、年によって人数は違いますが各学年3~4人程度で、指導者も私しかいないため、全学年一緒に練習しています。安全のための見守り役として保護者の方が来て下さることはありますが、サッカーの指導はしません。そんな状況なので、小学1年~6年の全員一緒に出来る練習、特に技術トレーニングを教えてほしいです。やっぱり年齢差があると技術的にもサッカーの理解にも差があるので、どんなやり方、さじ加減が良いのか悩んでおりまして。どうぞよろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。1年生から6年生までの異年齢の子どもたちを一度に教えているとのこと。それは私が地元の大阪で提供させてもらっているプレーパークやクラブとまさに同じ環境です。■ルールを設けて低学年も1か月で団子サッカーを脱却する方法例えば、ミニゲームなどで、2年生以上は1年生からボールを取っていけないというルールにすることがあります。そうすると、子どもたちは1年生にパスを集めます。1年生は誰も寄ってこないのでひとりでドリブルします。しかし、1年生同士なら奪ってよいので、相手の1年生からとられたりします。そこで2年生以上の子どもたちは、ゴール前で1年生を使う方法を考え始めました。同時に、1年生たちも、同じ学年の1年生が奪いに来るので、1年生がいないところに動くようになりました。そうすると、1年生が1か月で団子にならなくなりました。「池上さん、あの子たち、何年生?え、1年生なの?」と、皆さん驚かれていました。多くの指導者は、低学年が団子になってしまうのをどうしたらいいかと頭を悩ませているからです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■対戦型のメニューの中で技術のトレーニングをする、ととらえてサッカーを認知して判断し行動してもらうには、指導者の皆さんに、ミニゲームや3対2などの対戦型のメニューのなかで「技術のトレーニング」をする、ととらえてほしいのです。その中で磨けるように指導者も工夫をしてください。例えば6年生だけ2タッチでやるよう制限をかけます。そうすると判断力を磨けます。また「ゴール前はダイレクト」もあります。「ハーフラインを越えたらフリー」でもよいでしょう。他の学年も同じようにルールを設けて制限すると、技術は上がってきます。「インサイドキックだけでやって」でもいいし「アウトサイドも混ぜよう」となってもよいでしょう。インサイドとアウトサイドのみでやるなど、さまざま工夫してください。そうすると頭が鍛えられます。■自分たちで考えるような声掛けで、低学年からサッカーの理解度を高める1年生から6年生まで、みんながボールに集まらず広がってプレーする。つまり、サッカーらしくなるには、前述したルール設定に加え、声掛けも大切です。サッカーの理解度が高い6年生に「1年生をどう使う?どうやったら使えるかな?」と、自分たちで考えるような声掛けをします。私のクラブはそんなやり方をしているので、低学年や中学年からサッカーの理解度の高い選手が出てきました。そういう子が出てくると、他の子がその子のプレーを真似し始めます。そうやって集団は伸びる。異年齢の集団は多くのメリットが隠れています。そこをぜひ見つけ出して活かしてください。■未就学児でも認知、判断して行動できるさて、ご相談者様の方がおっしゃる「技術」は、ボールを止める蹴るといった足元のスキルだと想像します。そうとらえて、そこだけ切り出して練習させてしまうとリアリティが無くなります。つまり、対面パスやコーンドリブルなど、試合では見られない状態のものがどうしても多くなるからです。そういった技術練習をやっても良いのですが、なるべくサッカーをさせながら技術が上がる方法を考えてください。小学生の段階では、サッカーがどんなスポーツかという理解をしたうえで認知や判断が重要だと考えます。プレーの判断は幼稚園の子どもでもできます。例えば、ひとりの子がボールをもっているとします。もうひとりはその子からパスもらいたいと思っています。でも、間に相手がいます。私が「そのままでもらえるかな?」と尋ねると、幼児たちは首を振って「もらえない」と答えます。「どうしたらいのかな?」と問いかけると、もらえそうな場所に動きます。「そうだね。そこに動けば、ボールが来るね」と答えると、嬉しそうにしています。そのように認知して行動することは、幼児でもできるのです。■試合中に止まったボールを蹴る場面は限られる。仲間との連動が必要な練習を増やそう(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)技術を身につけていくプロセスとして、日本ではまずひとりで行うトレーニングが多いようです。それらの練習はクローズドスキルと呼ばれています。もちろんそれらは基本技術を身につけるためには重要ですが、もっと相手がいて変化する状況に対応するミニゲームや2対1、3対2といったオープンスキルの練習を増やしてほしいと思います。なぜなら、試合中に止まったボールをキックする場面はコーナーキック、フリーキック、ゴールキックくらいです。ほとんどが相手をかわすことを考えながら、動くボールをコントロールして蹴ります。そう考えると、止まっているボールを蹴ることは、本来の技術練習ではないということです。例えば「ボールは足のここに当てよう」などと教えるのは一回でいい。あとはプレーしながら身に付けます。技術は、指導者が子どもたちへ口で説明したからといってできるものではないと考えてください。それなのに、指導者は足元の技術練習を切り出してやらせようとします。また、試合などでの声掛けも「よく見ていましたか?」では足りません。子どもたちが何を見て、何を判断すればいいかを、そこまでのプロセスで理解しておくことが重要です。ぜひ子どもたちのサッカーIQを向上させてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年10月21日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回はサッカー初心者の悩み「ドリブル突破ができない」を克服するトレーニングをご紹介します。試合中は、相手の動きを見てドリブル突破を仕掛けることがあります。ただし、どんな場面でもドリブル突破を目指すのではなく、突破が無理そうならやり直すという判断も大事です。しかし、初心者のうちはドリブル突破をすることだけでなく、やり直しの判断をすることも難しいもの。今回は、広いスペースがなくても親子で遊びながら、ドリブル突破のしかたと、突破できないときのやり直しが身につくトレーニングを紹介します。親は手でボールを転がしてもOKです。サッカーの技術は無くてもできるので、親子で楽しんでください。【やり方】1.3つの目印を置き、親子で対面して立つ。子どもがパスを送り親からリターンパスをもらったらスタート2.親はDF役として子どもの進路をふさぎ、子どもは前方の目印いずれかにドリブル突破する3.ドリブル突破が難しそうならやり直して再度組み立てなおす慣れたらスピードアップするなど難易度を上げる【トレーニングのポイント】・ドリブルの動きはゆっくりでOK・相手の動きをよく見て、ドリブル突破が無理そうなら逆の目印を目指して方向を変える・思い通りにプレーできなかった場合は、スタート地点にドリブルで戻る・力まずリラックスして行う・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2022年10月18日サッカーにおける各ポジションや、そのポジショニングを理解させる効果的な方法はある?とのご相談をいただきました。サッカーを始めるのはのは3年生からの子が多く、技術もだけどルールもわかっていない子が多い少年団とのこと。同じようなチームの皆さんはどんなふうにしていますか。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ポジショニングを理解させるアプローチをお伝えしますので、参考にしてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを持てるのは数人、他はパスも上手くできない。レベル差のあるメンバーが楽しく基礎技術を身につけられるメニューを教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。スポ少でサッカーの指導をしています。(指導年齢はU-10)地方(かなり田舎)なので近隣にはほかのチームやスクールなど幼少期からサッカーをする環境はなく、3年生から入団しています。なので、技術だけでなくサッカーのルールなどもわかってない子が多いです。ほかのスポーツをする場所(クラブ、チーム、施設)もないので、昔からあるこのチームに入ってくる感じです。さっそくですが、サッカーにおける各ポジションやそのポジショニングを理解させる効果的な方法を教えていただけませんでしょうか。各ポジションでどう動いていいか、動く範囲や役割も含めて分かってない子が多くて困ってます。どんなふうに指導したらよいのか、アドバイスお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。先日、石川県で「サカイク×池上カップ」を開催しました。その時のやり取りを挙げながら説明させていただきます。■映像を使ったレクチャーで子どもたちのポジショニングが良くなった当日は午前中があいにくの雨模様だったので、本来は午前中に私がクリニックをしてから子どもたちの試合を進める予定でしたが、午前中は室内でU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジのアーカイブ動画(バルセロナ対ヴィッセル神戸)※大会公式ページに飛びますを一緒に観てから、レクチャーをしました。子どもたちは4年生が数人で5年生が中心です。事前に「2つのチームの何が違うか、意識して見てね」と話してからみせた後、子どもたちからこんな意見が出ました。「バルサの選手はいいポジションにいた」「バルサのほうが、攻撃するためのパスが前に入る」その後に私が「バルサの子たちは、相手が3メートルくらい近寄ったら、すぐにパスを出していた。日本の子は1メートルくらいまで相手が近づいてからしかパスを出していない」と解説しました。加えて、私が「サッカーはトライアングルが大事です。どうしてかな?」と尋ねると、「パスコースが2本できるから」と答えます。私がトライアングルと言ったので、3人を想定した答えです。そこで「では4人だと、トライアングルはいくつ?」と聞くと、最初は「2つ」の声があがりましたが、そのうち何人かが「4つ」と答えました。試合のときに自分がかかわっているところは、横に広がっているトライアングルと、縦にできるもので三つのトライアングルができます。そこで「じゃあ、5人になったら、いくつできる?」と聞くと、「めちゃくちゃたくさん!」と言ってくれました。「そうだね。どんどん増えるよね?プロの選手は11人でやっているから、めちゃくちゃたくさんのトライアングルを理解できているんだよ」子どもたちは目を輝かせて聞いてくれました。そこで「じゃあ、そういうことを考えて、午後はサッカーをやってみようね」と話しました。すると、午後の試合は「普段と変わった」とコーチが言うのです。皆さん「子どもたちが周りを見るようになった」「ポジショニングが良くなった」と言ってくれました。レクチャーしたことで、子どもたちの意識に変化が現れたのです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■「広がること」が大事。幅と深さが浸透するように理解させること入り口のところで、このようなレクチャーをして子どもたちに理解をさせてください。多くのコーチが、子どもが左に偏っていると「右は?右は誰もいないよ」と言うだけです。欧州では、トライアングルのことを「カイト」と呼び、この原理を丁寧に教えます。それを知ったうえで、わざと左に偏らせておいてから、右にサイドチェンジして展開する。それがサッカーの醍醐味であり、ひとつの攻め方だと伝えてください。ポジショニングにしても、広がることが大事です。よく言われる「幅と深さ」が子どもたちに浸透するよう指導しましょう。例えば、単に「広がれ」ではなく「幅をとれ」で伝わるよう、事前にレクチャーをして原理原則を教えてください。そのうえで、チームのなかで「幅とれ」と言ったり「深さは?」と言えば何をしたらいいのかわかるようにしておく。つまり、共通理解が必要です。この連載や講習会でよく使うように「認知・判断・行動(プレー)」の順番で、選手たちの頭の中でサッカーのイメージを育ててください。まずはサッカーの原理原則を理解して、次にどう判断するかが重要です。■「いま、どこが見えてた?」と子どもたちの頭の中を確認しようそもそも、選手の頭のなかまでコーチは見ることができません。したがって、皆さん最後の「行動」つまりプレーについてのみ言及してしまいます。例えば、左サイドがフリーだったのに、パスせずにシュートを打ってしまった子に「どうして?左が空いてたよね」と声掛けします。プレーは目に見えるので言いやすいから、目に見えていることしか言わなくなる。そんな傾向はないでしょうか。そうではなく「いま、どこが見えてた?」と、そこの認知・判断のところに注目して問いかけてください。目に見えるプレー(行動)は誰でも見えます。仮にミスすれば、当事者である本人が一番わかっています。誰もがわかっていることを、コーチが「なんでミスするの?」と言っても意味がないのです。シュートを外した場合「どうして外したの?」ではなく、「右に味方がいたよね?見えていた?」と問いかけます。子どもが見ていなかったなら、「右にいたフリーの味方と、君のシュートではどちらが入る確率が高いかな?」と再び問いかけます。判断材料を補足してあげます。そうではなく、子どもが「フリーの味方がいるのは見えてたけど、僕はシュートしました」なら、それでOK。子ども自身の判断を否定しません。■育成年代の選手がミスするのは「認知・判断」の部分が8割(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)オランダ在住の倉本和昌さんによると、認知・判断・行動のうちで育成年代の選手がどこで最もミスをするかといえば、認知と判断のところが8割だそうです。行動、つまり止める、蹴るといったスキルのミスは2割だけです。日本の選手は、足元の技術ばかりを切り出して練習し、認知・判断のところを早くから学ばせていないようです。日ごろの練習で雨が降ったら、ぜひビデオレクチャなどの座学を取り入れてください。そのためにはコーチ自身が理解しなくてはいけません。育成年代に伝えたい原理原則は、私が監修したメニューを扱った何冊かの書籍に詳しいです。この連載のアーカイブにもたくさん載っています。▼池上正さんの著書(一部)池上正の子どもが伸びるサッカーの練習(池田書店)「蹴る・運ぶ・繋がる」を体系的に学ぶ ジュニアサッカートレーニング(カンゼン)池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年10月14日「運動をしているのになかなか痩せない」「食事に気をつけているのに脂肪が落ちない」などのお悩みはありませんか?もしかすると痩せにくい原因は“骨盤の歪み”からきているかもしれません。骨盤は上半身と下半身を繋ぐ重要な場所。骨盤の歪みが大きいと、ダイエットしても痩せづらかったり、様々な体の不調を引き起こしたりする可能性があります。そこで今回は、現役ヨガインストラクターの筆者が、歪みの原因やチェック法、歪みを整える方法をご紹介しましょう。まずは歪みをチェック!では早速、自分の骨盤が歪んでいるかチェックしてみましょう!まずは目を閉じて、その場で50回足踏みを行います。50回終わったら、最初に立っていた場所から移動しているか確認してください。右に移動している場合は右の骨盤が下がっており、左に移動している場合は左の骨盤が下がっている可能性が大きいです。また前に移動している場合は、重心が前へ下がり骨盤が前傾している状態。後ろに移動している場合は、重心が後ろへ下がり後傾している状態と考えられます。歪みの原因は日常の姿勢から骨盤が歪む原因は様々ありますが、日常生活の姿勢の癖で起こることがほとんどです。・座る時いつも足を組む・カバンを持つときはいつも同じ方の手・左右どちらかに重心をかけて立つ・日常的にハイヒールを履く・うつ伏せで寝る・運動不足他にも妊娠・出産や加齢、外反母趾、偏平足などが原因の可能性も。基本的に日常生活で起こることがほとんどなので、まずは姿勢を意識することから始めてみましょう。骨盤を整える簡単習慣それではここからは歪みの軽減を目指す、簡単ストレッチとトレーニングを紹介していきます。ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。凝り固まった筋肉を緩める「お尻ストレッチ」やり方をチェック!1.坐骨をまっすぐ立てるようにイスに座り、片方の足首をもう片方の膝の上にのせ、膝を外に開きます。2.息を吐きながら上半身を前に倒して、10秒間キープします。※お尻から頭頂まで背中を真っ直ぐに保ちながら前に倒しましょう。筋肉で姿勢をサポート「お尻トレーニング」\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.肩下に肘をつき、横向きになりましょう。2.足を直角に曲げお腹を締めて体を真っ直ぐに保ちます。3.上に来る足を、吐く息とともに持ち上げます。4.5~10回程度、お尻の筋肉を意識して行いましょう。※吐く呼吸とともにゆっくり動作を行います。骨盤が整うと自然に痩せ体質に近づく!今回はお尻周りのストレッチやトレーニングをご紹介しましたが、体幹トレーニングやウォーキングなど、様々な角度からアプローチすることもできます。まずは日常の立ち姿勢や座り姿勢を見直し、骨盤周りの筋肉のコリを解消すること、骨盤を支える筋力をつけることを意識して生活してみましょう。続けることで、体にも心にも少しずつ変化が表れてくるはず。ご自身の体調に合わせて、負荷を加えながら続けてみてくださいね。©MarsBars/gettyimagesNATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文 / NATTY
2022年09月25日部分痩せを目指すなかでも、特に「太もも痩せしたい」という方は多いのではないでしょうか。そんなときに意識してあげたいのが「内もも(内転筋)」です。たとえば電車に乗っているときや、椅子に座っているとき、自然と膝が開いてしまう方は要注意!今回はヨガインストラクターの筆者が、一日たった30秒でできる「内ももトレーニング」をご紹介します。内転筋とは?太ももの内側にある筋肉をまとめて「内転筋群」といいます。大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋と5つの筋肉から構成されていますが、日常生活では使われる機会が少ないので脂肪がつきやすく、筋肉も落ちやすい傾向が。普段から意識的に使い、鍛えてあげることが大切です。太ももが太くなる原因むくみ・冷え私たちは普段重力に逆らいながら生活をしています。代謝や筋力の低下によってむくみや冷えが起きやすくなり、余分な水分や老廃物が溜まってしまいます。またデスクワークなど長時間座りっぱなしのことが多い場合は特に、むくみや冷えにお悩みの方が多いのではないでしょうか。運動不足摂取したエネルギーに対して、消費したエネルギー量が少ないと、体に脂肪がつきやすくなるでしょう。さらに内ももの筋肉が使えていないと、運動不足に加えて脂肪がつきやすくなる原因にも。骨盤の歪み骨盤が正しい位置にないと血液とリンパの流れが悪くなり、脂肪が付きやすくなる傾向が。出産や加齢による骨盤周りの筋力の低下に加えて、足を組んだり片足重心になったりと姿勢に癖がある方も要注意です。30秒で出来るワイドスクワットで簡単脚痩せ!ではここからは早速、簡単に取り組めるトレーニングを紹介していきます。使いたい筋肉に意識して行うことが大事なポイント!内ももの筋肉を使う意識でチャレンジしてみましょう。\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.足を肩幅の2倍程度に開き、足先を45度外側に向ける2.両手を前に伸ばしお腹を締め、吐く息で腰を落とす3.膝はつま先の方向へ曲げていき、体は前傾しないように注意する4.余裕があれば、腰を落とす時肘を後ろへ引き、肩甲骨を寄せ上半身も一緒にアプローチ!起き上がるときは「内もも」の筋肉を引き上げる意識で、10回〜20回チャレンジしてみましょう。憧れのスッキリ内ももを目指そういかがでしたか?座っているとき膝が外に開かないよう意識したり、骨盤の歪みが起きないように姿勢を意識したりすることも重要です。続けることで、体にも心にも少しずつ変化が表れてくるはず。ご自身の体調に合わせて毎日続けてみてくださいね。©Anon Krudsumlit/EyeEm/gettyimagesNATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文 / NATTY
2022年09月15日子どもがサッカーを始めたら自分もハマってしまった。今では子どもと同じぐらい上達し、練習前の自主練では子どもの友達が「○○君のお母さん、1対1やろう」と声をかけてくれる。自分の上達にも活かしたくて練習を見学しているが、見に来た夫に「顔が本気すぎて声をかけられなかった」と言われた。私ってコーチ目線で見て子どもを監視する迷惑な親? とのご相談です。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとに、アドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<息子を試合に出さない理由を、親がコーチに聞いてもよろしいか問題<サッカーママからのご相談>はじめてお便りいたします。8歳男児の母です。相談は端的に言うと「練習をずっと見学している親はあやしいですか?」です。息子は保育園の卒園間際から地元のクラブに入会してサッカーを続けているのですが、子どもがサッカーを始めるまで、私自身はあまりサッカーに興味を持っていませんでした。ですが、子どもの練習を見学するにつれ「こんな面白いスポーツがあったのか!」と目からウロコが落ちまくりの日々をいただいています。あまりにも楽しいので、割と早い時期から自分用のボールとトレーニングシューズを揃え、クラブの練習前の自己トレタイムや週末などに子どもと一緒に練習をするようになりました。そのおかげかどうか、まったくの初心者であった母は、今や子どもと同等なくらいのボールタッチができるようになり、ますますサッカーが大好きになっています。見学をしたい理由は1.子どもの怪我や体調不良への対処をしたい2.子どものサッカー練習を応援したい3.自分も上手になりたいです。1.については、職業が看護師だからということもあるかもしれません。また、超高齢出産での一人っ子ということもあり、子離れのできない過保護な母ともいえるのかもしれません練習前の自己トレタイムでは、子どものお友だちから「○○くんのお母さん!僕と1対1やろう!」と誘ってもらったり、子どもとパス練をしていたら「まーぜーて!」と仲間に入りに来てくれたりしており、私の存在はまずまず自然に受け止めてもらえているのかなと思っています。ちなみに、ほかの親御さんは練習開始5分ほどでお帰りになられるので、見学者はほぼ毎回私一人です。練習が始まったら、体調不良者やトイレに行きたいお子さんがない限りは後ろに下がって静かに見学しています。ところが、先日練習をこっそり見に来たらしい配偶者が、私が見学している姿を見て、「顔が本気過ぎて、ガードマンみたいで恥ずかしくて声をかけられなかった」と言うのです。コーチ目線からも、もしや監視しているように見えなくもないのではと思ったり。もしも「迷惑なお母さん」になっていたとしたら行動を考えなくてはいけないのかなと思って相談メールを申し上げてみました。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。最初に、私からお礼を言わせてください。サッカーを大好きになってくださって、ありがとうございます。サッカーの魅力にとりつかれたことが、お母さんが書かれた文章から伝わってきます。■親も楽しんで関われることは良いこと何も落ち込むことはないサッカーママのなかには、サッカーには興味がないので当番などが苦痛だとおっしゃる方もいます。せっかく子どもが打ち込んでいるスポーツなら、親御さんも楽しんで観られるといいですよね。その点、お母さんは息子さんと一緒に楽しめますね。ところが、見学をしている様子を見た夫から少しばかり否定的なことを言われたため、自分は迷惑なお母さんになっているのでは気にされているようです。何も落ち込むことはありません。これからも観に行って良いと思います。とはいえ、3つほど気をつけてほしいことがあります。良かったら参考にしてください。サカイク公式LINEアカウントでイベントや最新情報などをお届け!■見学したい理由をコーチに伝えておこう1つめ。メールを読む限り、お母さんはとてもピュアにお子さんのサッカーに向き合っているようです。であれば、その気持ちをまずは担当コーチの方へ伝えておきましょう。その際に、自主トレのときは一緒に子どもとボールを蹴らせてほしいこと、練習に入る前には引き揚げて静かに見守るつもりであること、自分の息子だけでなくチーム全員を応援したいと思っていることなどを話してください。そして、それについてコーチに意見を求めてください。多くの場合、まったく構わないと答えると思います。もし何か問題があるのならば、すでにお母さんに話しているはずです。ただし、この一言を忘れないようにしましょう。「子どもたちの様子を見て、ちょっと邪魔かなと思ったらお声がけください」そのくらい謙虚に伝えておけば大丈夫でしょう。練習前にお父さんが子どもとパス回しなどしてボールを蹴っている姿をよく見かけます。お父さんはOKでお母さんはNGというのはおかしいですよね。コーチのコンセンサスがとれていればまったく構わないと思います。しかも上手くなっているなんて素晴らしいじゃないですか。■「過干渉になっていないか」については見直してみよう2つめ。ご自分が過干渉になっていないか、見直してみましょう。上記のようにコーチと話をしたことを伝え、自分は純粋にサッカーが好きになったのだと伝えてください。それよりも、夫が「顔が本気過ぎて、ガードマンみたい」と表現したことが気になります。果たして、子どものサッカーにのめり込み過ぎてはいないでしょうか。今はまだ息子さんも低学年ですが、徐々に勝ち負けが気になったり、プレーの出来栄えが気になり始めるかもしれません。今現在のピュアな気持ちから結果主義になってしまうと、息子さんが苦しくなります。お母さんも自覚があるようで「超高齢出産での一人っ子ということもあり、子離れのできない過保護な母といえるかも」と書かれています。過保護だと感じるのであれば、接し方を変えましょう。そこを改めず、見たいから見に行く、世話を焼きたいから焼くという態度では子どもを尊重していないことになります。ケガをしないか、体調不良にならないかと不安になる気持ちはわかります。が、その不安はそこにいるコーチやお子さんを信頼できない証とも考えられます。不安を少しずつでも信頼に変える努力をしましょう。夫に再度、自分がどんなふうだったのかを確かめ、お母さん自身が息子さんのサッカーに多くを求めていないか。依存していないか、息子さんは心からサッカーを楽しめているのかどうかを点検してみましょう。■子どもが親の見学をどう思っているか、を聞いて行動を変えることも大事3つめ。見学するのは構わないのですが、お母さんが挙げた「見学したい理由」については少し考え直す必要がありそうです。1.子どもの怪我や体調不良への対処をしたい。この対処をするのは、子どもを預かっているクラブ側の責任です。練習が始まると親御さんたちは帰宅するようで練習当番など親のサポートは必要なさそうです。ということは、民間のクラブでしょうか。もし少年団だったとしても、練習や試合をしている時間や空間は基本的に選手とコーチのものです。もちろん、偶然居合わせ必要そうであれば手助けするのは構いませんが、基本的にチームに任せる姿勢を保ちましょう。2.子どものサッカー練習を応援したい。練習を見学するのは構いませんが、その都度息子さんの気持ちを聞いてあげてください。中学年、高学年になって思春期に近づくと、子どもによっては親と距離を置きたいと感じるケースもあります。3.自分も上手になりたい本気で上手くなりたいのなら、ママさんサッカーのチームに所属して汗を流してはいかがでしょうか。すでにお伝えしましたが、少年サッカーはあくまでも子どもの場所です。そこは認識しておきましょう。■親子ともに、楽しくサッカーの入り口に立っている。今後必要なことは......(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)以上、私の指摘はもしかしたら考え過ぎな部分もあるかもしれません。メールだけでは、お母さんがどんな態度で練習や試合を観ているのかはわからないので、少しばかりシビアな見方をしてみました。お母さんと息子さんはともにサッカーを始めたばかり。とても楽しそうにサッカーの入り口に立っているように見えます。今の気持ちを忘れずに、楽しくプレーできる環境を考えながら一緒に歩んでいってください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年09月14日根っからのズボラ人間な私は、コロナ禍で家族以外の人にほとんど会わなくなったことをきっかけに、どんどん身なりを気にしなくなりました。しかしある日、同世代のママたちと久々に会ったとき、彼女たちがとてもきれいに見えて……。それに比べて私の身なりはかなりヤバかったんです! ズボラすぎて老け込んでいく私が、プチ自分磨きに奮起した体験をお話しします。★関連記事:「下着も着けずにヨレヨレの服で…」ファッションに無頓着で恥じらいすらもなくなり…自分だけが靴下に毛玉だらけ!私はかなりズボラな性格で、気にならないことはとことん気にしません。そんな私が最近気にならなくなったのは“自分の身なり”です。コロナ禍で人と会う機会がなくなったことにより、化粧をしなくなり、服に興味がなくなって、髪の手入れもどうでもよくなりました。こうして白髪混じりのダサダサ姿ができあがってしまいました。「どうせ誰にも会わないし」と、周囲の目を気にしなくなった私はどんどん老けていったのです。新型コロナウイルスの感染者数が少し落ち着いたある日のこと。私は久しぶりに同世代のママたちとの座談会に参加しました。座談会は和室で開催されるため靴を脱ぐのですが、そこであることに気が付きました。私だけが靴下に毛玉だらけだったのです……!他のママたちはきれいな靴下をはいて、きちんとお化粧をして、オシャレなピアスを身に着けて、本当にキラキラして見えました。そういえば私、座談会だというのに化粧するのを忘れていた! しかも髪は白髪混じり! 同世代だというのに、他のママたちと自分の姿があまりにも違う……。このときは穴があったら入りたいほど本当に恥ずかしく、自分の身なりを整えようと決意したのでした。簡単ヘアアレンジでプチ自分磨きとはいえ元々ズボラな私には、急に身なりを完璧にするのはハードルが高い! そこでまずは簡単にできることから、少しずつ自分磨きを実践することにしました。最初に興味を持ったのが“1分ヘアアレンジ”です。たまたまインスタグラムで見つけて、軽い気持ちでヘアアレンジに挑戦したところ、これが思いの外簡単! 手軽にかわいいアップスタイルができてうれしくなりました。ヘアアレンジに夢中になると、今度は白髪が気になるように。そこでこまめに美容室へ通うようになりました。その結果、白髪で老けた姿を防げるという相乗効果が生まれました。ズボラな性格が宅トレで改善次に私が実践したのは“宅トレ”です。宅トレとは自宅でできるトレーニングのことで、YouTubeなどの動画をお手本にして手軽に運動できるところが魅力だと私は思っています。私が実践しているのは、とあるトレーナーさんの“3分ダンス”や“3分ストレッチ”。3分という短い時間が「自分にもできるかも」とやる気を起こさせてくれて、動画内では「一緒に頑張ろう!」と笑顔で励ましてくれるので、つらいと感じることなく続けられています。宅トレをおこなってみたら、気分がスッキリして楽しい! いつもダラダラと過ごしていましたが、その癖が減り、少しずつズボラな性格が改善された気がします。まとめズボラな性格とコロナ禍を理由にして、老け込んでいく自分の姿をかえりみなかった私でしたが、同世代のママたちのきれいな姿を見て「これはマズい!」と心底焦りました。私のズボラさはまだまだ健在ですが(笑)、1分ヘアアレンジと宅トレが私を少しずつ変えてくれています。これからも無理なく、長く自分磨きを続けていきたいです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。イラスト/おみき著者/中川 あかし出産後、訪問ヘルパーとして働いていたが、子どもの病気のため退職。趣味はお菓子作りとパン作り。
2022年09月13日「下半身がなかなか痩せない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか?下半身の分厚さが気になる時は、ヒップから脚までの体の後背部を意識したエクササイズがおすすめ。そこで今回は、ヨガインストラクターの筆者が「1日10回で下半身痩せを目指す簡単習慣」をご紹介します。下半身痩せのつもりが“ゴツ脚作り”になってない?下半身痩せのトレーニングやエクササイズをしても、脂肪が落ちた実感がしづらかったり、頑張りすぎて逆に筋肉質になったりと、失敗した経験がある人も多いと思います。下半身痩せに大切なのは“姿勢癖”。骨盤や肋骨のポジションが安定せず、姿勢が崩れてしまうと、上半身の重みがそのまま下半身の負担となってしまいます。その状態で下半身痩せトレーニングをすると、期待する効果が得られない可能性も。下半身痩せに必要なのは、“骨盤の安定”だと言えるでしょう。今回ご紹介する簡単習慣で、姿勢を安定させる筋肉を刺激しながら、ヒップや太もものラインを引き締めていきましょう!寝ながら10回! 体の隅々まで意識しながらトレーニング1.仰向けに寝る背中と腰の間に隙間が深く空いてしまい違和感がある人は、背中が床にペタッとくっつくようにポジションを整えてください。2.背中と腰を丸めるようにしながら脚を持ち上げ、両膝を抱える背中と腰を床にペッタリと下ろし、背骨の尾てい骨部分が軽く浮いているような姿勢をとりましょう。3.両膝を曲げて足を床に降ろし、両腕がリラックスできるように左右へ伸ばす4.両足と膝の幅は腰幅にセットし、膝より足首が少し前に出る程度の位置に足を置く(後で調整可能)5.両肘を曲げて、肘はついたまま腕を持ち上げる6.腕をリラックスさせたまま肩甲骨から持ち上げて、大きなボールを抱きかかえるようなポジションを作る7.呼吸を整える。8.息を吸い、吐くタイミングで足の裏で床を押しながらお尻を持ち上げる9.ここで1呼吸キープ横から見たときに、肋骨、腰骨、太もものラインがまっすぐになる位置まで持ち上げましょう。10.息を吸うタイミングで、背中、腰、お尻の順番に背骨を床に下ろすこれを1セットとし、10セット行います。常に体全体を意識する体を動かす時は、自分の体を支える骨格と、その骨で動いているイメージを持つと、全体を意識しやすくなります。自分が骨そのものになったつもりで動いてみましょう。お尻を持ち上げた時は、お尻と太もも裏の境目や、内腿に力が入っているはず。上体を下ろすときに腰より先にお尻が下りてしまう人は、腰を丸めるように意識してみてください。一つ一つの動作を丁寧に行うことで、引き締めを目指しながら、下半身痩せしやすい姿勢を整えることができます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。©Bob Thomas/gettyimages文 / 上村由夏
2022年09月06日休み明けに「太った…」と感じたことがある人もいるでしょう。長い休暇は飲んだり食べたりする機会も増えますよね。そこで今回は、これから来る食欲の秋を存分に楽しむために、今のうちからやっておきたい「ウエストを絞る簡単トレーニング」を、現役ヨガインストラクターの筆者がご紹介します。ぜひお試しください!気にするべきは「筋肉量と代謝量」肥満になる要因の1つとして考えられるのは、筋肉量の減少です。筋肉は姿勢や内臓を支えるといった役割はもちろん、体温をつくりだす役割があるとされています。筋肉の量が減って体温が維持しにくくなった場合、体内の熱を逃がさないように、筋肉が減った分を脂肪で埋めようとする働きがあるそう。余分な脂肪をつけないためにも、まずは筋肉、そしてエネルギー消費量を増やすことが大切だといえるでしょう。また体重を測るときには、筋肉量や基礎代謝量などを測れる「体組成計」を使うのがおすすめ。痩せ体質を目指している人は、今日から筋肉量や体脂肪、基礎代謝量などを意識しながら生活してみてくださいね。道具は不要! お腹痩せが期待できる簡単トレーニング筋肉を大きくしたいという目的でなければ、スポーツジムなどで器具を使って行うトレーニングではなく、自重を使った体幹トレーニングでも十分に効果が期待できるはずです。今回ご紹介する動きは、全身をしっかりと使うことができるだけでなく、綺麗な姿勢を保つために必要な「体幹」を強くするのにもおすすめです。動画を見ながら実践し、痩せやすく太りにくい体質を目指しましょう!\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.肩下に両手をついて四つん這いになる2.両脚を後ろに伸ばす3.お腹を引き上げ背中を伸ばすこのとき体は真っ直ぐに保つようにしてください。4.お尻を斜め上へと引き上げる5.右脚を持ち上げる6.吐く息とともに重心を前に移動させながら、右膝を右肘の外側へ寄せる7.息を吸いながら再びお尻を斜め後ろへ持ち上げ、右脚を上げる8.次の吐く息で、右膝を両手の間に寄せる9.4から8の動きを5回~10回程度行う10.反対の脚も同様に行うトレーニングのポイント今回紹介した動きのポイントは4つです。トレーニングを効果的に行うためにも、ぜひ意識してみてくださいね。・体を真っ直ぐに保つ・肘の内側を向かい合わせにする・お腹の筋肉を意識する・深い呼吸を意識する・肩や首周りの余計な力を抜くまた、トレーニングをするからと言って、何を食べても大丈夫というわけではありません。栄養バランスの良い食事や、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意識して生活することが大切です。今回紹介したトレーニングを続けることで、体にも心にも少しずつ変化が表れてくるはず。ご自身の体調に合わせて、負荷や軽減を行いながら続けてみてくださいね。©RyanKing999/gettyimagesNATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文 / NATTY
2022年09月02日痩せ体質を手に入れるためには、普段何気なくしている「体の癖」に気をつけて姿勢を見直すことが大切です。普段の姿勢や歩き方が、知らずに痩せ体質から遠ざける原因となっている可能性も。そこで、ヨガインストラクターの筆者が「痩せ体質」から遠ざけるNG姿勢と改善策をご紹介します。日々の歩き方が「痩せ体質」から遠ざけている痩せ体質から遠ざかる習慣の中でも、無意識に脚を太くしてしまうのが「歩き方」です。歩くときに、脚に力が入っている人は要注意!例えば上半身は前のめりで太ももの前側や外側に負荷をかけて歩いている、つま先に力を入れて歩いている、下を向いて背中を丸めて歩いている人は歩く姿勢を改善した方が良いでしょう。歩くときは目線をまっすぐ、お腹を縦に伸ばすようにするのがポイント。お腹の上部と下部を上下に引っ張るイメージでお腹を伸ばし、胴体の真上に頭を乗せる意識で姿勢をチェック。上半身と下半身の筋力のバランスが整って、脚の負担が軽減されます。無意識だからこそついやってしまう歩き方の癖を見直すだけでも、脚の負担が減り、すっきりとした脚に変化していきます。胃腸を圧迫する姿勢も脂肪がつく原因に「歩く姿勢」以外にも気をつけたいのが、「上半身の姿勢」。姿勢が悪くなると背中が丸まりやすくなり、すると肋骨が下がり上半身の重みがお腹周りにのしかかり、腸の働きを妨げたり、脂肪がつきやすくなってしまいます。腸の働きは、心身を健やかに保つ自律神経の働きを整えてくれるからこそ、気をつけなければいけません。肋骨を本来の位置に整えることでお腹周りがすっきりとし、腸の働きを活発にしてくれますよ。お腹をすっきりさせる肋骨周りのストレッチそれでは、お腹をすっきりさせるストレッチを紹介します。1.両脚を腰幅程度に開いて立ちます全身はリラックスさせましょう。2.呼吸を整えたら、息を吸うタイミングで両腕を頭上に持ち上げますこのとき、肩と首がすくまないように、肩を引き上げすぎないように注意してください。3.腕を頭上に持ち上げながら、胸の横(左右の肋骨)を引っ張るように伸ばします4.息を吐きながら腕を下ろします5.お腹周りが伸びて胴体に安定感やすっきり感を感じるまで1~4の動作を続けます痩せ体質を目指すなら姿勢を整えることが大切痩せ体質にはインナーケアと同時に外側からの姿勢のアプローチが大切です。姿勢が崩れると、こりや疲労感の蓄積、脂肪の残りやすい体になりやすくなります。お腹を伸ばす習慣をつけると、姿勢の改善や自律神経のバランスを整える腸の働きも整えてくれます。今回紹介したストレッチは、どこでも1分あればできるので、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてくださいね。©biglike/gettyimages文 / 上村由夏
2022年08月30日ダイエットしたいパーツといえば「お腹」と答える人も多いと思いますが、「二の腕」が気になる方も多いのでは?そこで今回は、現役ヨガインストラクターの筆者がおすすめする「お腹と二の腕を同時にアプローチが出来る簡単トレーニング」を紹介します。テレビを見ながらでも出来るので、ぜひ日常の習慣に取り入れてみてくださいね。二の腕が太くなる理由年齢を重ねるにつれて「二の腕のたるみが取れない、太くなった」と悩むことが増えるかもしれません。そもそも二の腕だけの話ではありませんが、筋肉というのは加齢や運動不足によって自然と減っていくもの。そして筋力が減るのに伴って新陳代謝が悪くなり、どんどん脂肪がつきやすくなってしまいます。さらには、猫背や反り腰など姿勢が悪い方は、全身の筋肉がうまく使われず、二の腕やお腹にも脂肪がつきやすくなってしまうのです。ひいてはボディラインの崩れや、むくみ、冷え性を引き起こしてしまう原因となってしまうでしょう。テレビを見ながらでもできる! 簡単「お腹&二の腕痩せトレーニング」二の腕にアプローチする方法はたくさんありますが、せっかくやるならお腹痩せも期待できる動きがあれば嬉しいですよね。今回ご紹介するのは、テレビを見ながらでもできて、二の腕とお腹を一緒に鍛え、姿勢を整えることにも役立つトレーニングです。ぜひ動画を見ながら一緒にチャレンジしてみてくださいね!\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.膝を立てて座り両手を肩の下につく2.指先をお尻側に向けて、背中を伸ばし胸を張る3.吐く息とともに肘を後ろに曲げながら体を後ろに倒す4.ゆっくり10回繰り返すトレーニングのポイント今回紹介したトレーニングのポイントは5つです。トレーニングを効果的に行うためにも、ぜひ意識してみてくださいね。・胸を引き上げお腹を締める・背中が丸まらないようにする・肘が外側に開かないようにする・深い呼吸を意識する・肩や首周りの余計な力を抜く二の腕だけでなく、お腹の筋肉をしっかり使う意識を忘れずに行ってみましょう。続けることで、体にも心にも少しずつ変化が表れてくるはず。ご自身の体調に合わせて、ぜひ日常の生活に取り入れてみてください。©Kanpitcha Nonnittayanan/EyeEm/gettyimagesNATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文 / NATTY
2022年08月27日誰でも入団できる街クラブだから、レベル差が激しい。単純に学年で分けて練習すると上手い子、そうじゃない子、どちらかに合わせるか、中途半端になって「サッカーってつまんない」となりかねない。どっちの子も楽しく感じてほしいから、指導者で話し合って2学年ごとのレベル別でグループ分けをすることにしたけど、トレーニングで注意することはある?というご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、事前説明から実際のトレーニングまでどんな所に気を配ったらよいかアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<たくさん練習することを「頑張っている」と喜ぶ親や指導者がいるけど、正しいの?練習しすぎの影響を教えて<編集部からの質問>池上さんこんにちは。街クラブで指導している者なのですが、今回はレベル別グループ分けについて教えてください。現状ウチのチームではセレクションもなく、手続きさえ踏めば誰でも入団できます。なので、同じ学年でもレベル差がある状態です。これまでは各学年ごとにコーチがついていましたが、レベル差があることによって上手い子は物足りない、上手くない子はついて行けなくてしんどい・つまらない=サッカーが嫌になるという、どちらにとっても良くないと感じることが増えました。なので、チームで話し合い、低学年、中学年、高学年と2学年ずつでレベルごとのグループ分けをしようという事になりました。上手い子たちに刺激を与え、現状上手くないグループにいる子たちを切磋琢磨してみんながサッカーを嫌いにならないように伸ばしていきたいのですが、トレーニングで気を付けることはありますか?また、どの学年でも良いので、おすすめの練習メニューを1つ教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。<池上さんの回答>ご相談ありがとうございます。2学年ずつでレベルごとのグループ分けをすることについては、まったく問題ありません。■選手と保護者には、事前にグループ分けの意図を丁寧に説明しようただし、日本人の価値観や文化を考えると、上手いか下手かという表層でしかとらえてもらえないことでしょう。したがって、技術レベルで分けることは、子どもたちひとり一人がサッカーを学ぶために重要であることをまずは保護者に伝えてください。ボールの扱いが上手いとか、何かができるから上手い子という印をつけているのではない。それを理解してもらったうえで進めてください。当然ながら、この事前説明は選手たちにも丁寧にやったほうがいいでしょう。子どもたちの疑問にも誠意をもって答えてください。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■欧州では、習熟度が遅い子は下の学年のカリキュラムで練習させている欧州の指導書でも、指導カリキュラムは年齢に合わせています。カリキュラムに合わない、つまり少し追いついていない子をどうするかと考えたとき、欧州のコーチたちは下の学年のカリキュラムで練習させています。そうすれば簡単に理解できるし、マスターできます。例えば中学年でサッカーをやり始めたばかりの子どもを低学年と練習させたとします。彼らは、技術はおぼつかないけれど、体は大きくなっているし理解度も高いため、低学年の子より上達スピードは速いはずです。そのように、カリキュラムを一段下げて取り組むのが重要です。■習熟度や身体の成長スピード、モチベーションなどを見逃すと、成長に必要なピースがそろわない同時期にサッカーを始めたとしても、個人差はあります。理解度や習熟度が早い子、ゆっくりな子、肉体的な成熟度のスピードも違います。早く上手になったからといって、ずっとそのスピードで上達するわけではありません。そしてサッカーに対するモチベーションも違います。これは目に見えない部分なので、よく見てあげてください。そうしなければ、本来身に付けるものが置き去りにされ、そのあとの成長に必要なピースが揃わなくなります。例えば、ポジショニング。どこに動けばいいのか。どこを見ればいいのか。仲間をどう使うのか。そのようなサッカーを認知する力を、多くの指導者がうまく伝えられていません。ドリブルや、止める、蹴るといった個人のスキルが中心になりがちです。上述した「味方をどう使うか」のイメージは、中学年になったときは当たり前にできる子に育っていてほしいと私は考えます。■選手の評価項目に「考える」「インテリジェンス」を追加してそれなのに、中学年、高学年とドリブルが上手い子が評価されがちです。ドリブルのテクニックなど、下の学年であっても上の学年で通用するものだけに評価する項目が絞られがちです。評価項目に「考える」という視点が欠けているようです。自分でよく考えられる子。よくパスを出せる。そのあたりを視る指導者は決して多くありません。選手を選別するという点からみると、トレセンも同じです。トレセンの選手を選抜する際、コーチの皆さんが見る点は「大きい・速い・強い」になります。皆さんはどう考えるでしょうか?日本では、小学生年代のスカウティングの観点は、そこにサイズが入ってきます。ところが、海外のセレクションでは第一に「インテリジェンス」をみます。賢そうかどうか。次にテクニック、スピード。最後にフィジカルです。実は私のチームに、2年から入ってきて、すごくよく考えられる子がいます。キックもドリブルもままならないのですが、相手が来るとうまくかわしてパスを出したり、まわりを見られます。恐らく他のチームにいけば、目立たない選手で上手くないほうの部類に入れられてしまうでしょう。このような「自分で考えられるかどうか」という視点を持って、レベル分けしてほしいと思います。■低学年までは多少子どもたちの思い通りになるよう調整するのも、サッカーが楽しくなる方法(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)練習については、選手のレベルに応じて難易度をうまく調整してあげましょう。例えば、ドリブルが上手くない子に、ゴールに向かっていけと言ってもなかなかできません。2対1をしていて点が入らず楽しくなさそうであれば、ゴールを二つにしてあげましょう。ゴールを2つ設けるだけでもゴールの確率は上がります。点を取りやすくすることを考えると、幼児だからといってミニゴールにすることはありません。大人のゴールにするといっぱい入ってうれしくなります。幼児から低学年にかけては特に、楽しくするためにどうしたらいいかを考えましょう。多少子どもたちの思い通りになるようにすることです。3対3であれば外にフリーマンを設けるなど、人数を調整するのもひとつの方法です。練習を、子ども自身が「難しい」と感じているかどうか。そのあたりを指導者は感じ取れなくてはけません。今日はこれをやれ、と命じるのではなく、その日の選手たちとどうアジャストさせていくのか。簡単にするのか、難しくするのか。さじ加減をどうするかが、コーチの腕だと思います。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2022年08月26日夏はちょっとした疲れが抜けない、寝つきが悪い、食欲がないといった悩みを抱えやすい時期です。それは自律神経の乱れが原因かもしれません。そこで今回は、ヨガインストラクターの筆者が、毎日できて簡単に「自律神経の乱れを整える簡単習慣」をご紹介します。夏は自律神経が乱れやすい?夏は疲れやすく、食欲が減ることもありませんか?そんな悩みの数々は自律神経の乱れが原因となっているかもしれません。自律神経は、内臓器官や血管の働き、呼吸法、全身の体温調節や胃腸の働きをコントロールしている大切な神経。外気と室内の温度差が激しかったり、猛暑日が続いたりするこの季節は、特に自律神経が乱れやすいと言われています。自律神経を整えるためにやっておくべきこと自律神経を整えるには、腸の働きや呼吸を整えることが大切だと言われていて、呼吸は自らでコントロールもしやすいでしょう。ちなみに、呼吸が浅いと体内に新鮮な酸素が十分に行き渡らず、体がこったり、疲れやすくなったりといった悩みにつながる可能性も。そのため、普段から深い呼吸を意識することが大切ですが、体の硬さや背中、腰回りなどのコリが原因となって浅い呼吸となってしまうことも考えられます。深い呼吸を可能にするためにも、適度なストレッチを生活に取り入れることが必要です。寝る前たった3分でできる!【自律神経の乱れ】を整える「ふくらはぎほぐし」今回は、寝る前にベッドでできるふくらはぎほぐしを紹介します。第二の心臓とも言われるふくらはぎは、動かすことで下半身におりた血液を心臓に戻す役割があります。ふくらはぎの動きをよくするためには、足の裏や足首周りも同時にほぐしていくことが大切です。無理のない範囲で挑戦してみてくださいね。1.仰向けの姿勢で寝る2.両膝を曲げる3.右膝の上に左の足首をのせ、右脚の力を抜く4.右膝を軸に、左の足首からふくらはぎとの境目を前後に動かしながらほぐす5.4の動きを30秒~1分ほど行うふくらはぎの広範囲をほぐすために、少しずつ位置を変えながら動かしてください。6.ふくらはぎの真ん中あたりから、ひざ裏までにかけて右膝でしごくようにほぐす7.ふくらはぎの内側、外側、真ん中部分ど部位をわけて30秒~1分程度続ける8.反対側も同様に行うストレッチが終わったら…痛みがあるところや張っているところ、コリがあると思うところは丁寧に行ってください。また、このストレッチを終えたら、リラックスして体の変化に意識をむけてみましょう。ほぐれたふくらはぎに温かさを感じたり、血が流れているようなスッとした感覚、足先までポカポカした感覚があるかもしれません。その感覚を心地よく感じられるようになると、自然と体の緊張が緩み呼吸が深くなっていくはずです。心地よくなったら、そのままベッドで眠ってしまって構いません。質のいい睡眠も自律神経を整えるのには大切なこと。ぜひ毎晩の日課にしてみてくださいね。©Boy_Anupong/gettyimages文 / 上村由夏
2022年08月23日自分の後ろ姿や横から見た姿を、鏡でチェックする習慣はありますか?スキニーパンツやレギンス、最近流行りのバイカーショーツなど、ヒップラインがしっかり出るような洋服を着こなすには、キュッと引き上がったお尻を目指したいところ。そこで今回は、現役ヨガインストラクターの筆者が「1日10回やるだけ寝たまま簡単ヒップアップトレーニング」を紹介します。ぜひ試してみてくださいね。ヒップラインが崩れる理由とは「垂れ尻」や「ピーマン尻」「四角尻」などお尻の形に悩みを抱えている人もいるでしょう。加齢による体の変化や姿勢の悪さ、運動不足、骨盤の歪みなど、様々な事柄が原因となってヒップラインの崩れは起きると言われます。特にここ数年一気に増えたテレワークによって、座っている時間が長いとお尻の筋力が低下するきっかけになりかねません。だからこそ、お尻の筋力を上げて「美しいヒップラインを目指しましょう!寝たまま10回繰り返すだけ! ヒップアップを叶えるトレーニングそれでは、お尻にある大きな筋肉「大臀筋(だいでんきん)」をしっかり鍛えるトレーニングを紹介します。お尻の筋肉が使えているかを確認しながら行ってみましょう。\動画でトレーニングを確認!/やり方をチェック!1.仰向けになる2.膝を立て、脚を腰幅程度に開く3.吐く呼吸とともにお尻を持ち上げる4.お尻を持ち上げ、下げる動作を10回行い、最後は5秒キープする5.右脚を上げながら、お尻を持ち上げて下げる動作を10回行う6.左脚も同様に10回行うトレーニングのポイント今回のトレーニングのポイントは4つ!トレーニングを効果的に行うためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。・お尻の筋肉を使っていることを意識する・呼吸を止めない・肩や首に余計な力が入らないように注意する・片足を上げて行う際もお尻が下がらないようにする余裕がある日にはこれらのポイントを意識して、休憩を入れながら2~3セットほどチャレンジしてみてください。ヒップラインを整えるには、姿勢も大事骨盤が「前傾」や「後傾」になってしまっていると、せっかくお尻を鍛えても美しいラインにはならないことも。普段の生活から、正しい姿勢を意識して過ごしてみましょう。きっと続けることで、体にも心にも少しずつ変化があらわれてくるはずです。無理せず、自分の生活に取り入れやすいことから、始めてみてくださいね。©John Sommer/gettyimagesNATTY/池田夏子YES TOKYO STUDIO中目黒スタジオマネージャー兼インストラクター。 2014年ヨガインストラクターとして活動開始。翌年2015年インド・ケララ州にあるアシュラムにてヨガ哲学を深める。帰国後都内スタジオでグループレッスン、パーソナルレッスンを中心に、オフィスヨガや企業主導型のイベントなどでも活動中。2019年インドにてRYT500トレーニングを終了。ヨガインストラクターとしての実績はもちろん、雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルの活動も多く、数々のメディアに出演中。 近年はモデル単体の活動も増え、ご当地ビールのポスターやアウトドア雑誌の表紙などにも出演。文 / NATTY
2022年08月22日