養命酒製造はこのほど、「ビジネスウーマンの疲れの実態」に関する調査結果を明らかにした。同調査は6月30日~7月4日、全国の20歳~39歳の未婚のビジネスウーマン1,000名を対象にインターネットで実施したもの。リラックスしようとしてもできない(気が休まらない)ことにどの程度あてはまるか聞いたところ、合計で63.1%が「非常にあてはまる」「ややあてはまる」と回答した。心身が過剰に緊張し、ゆるめたくてもなかなか自分でゆるめられない状態を過緊張と言うが、約6割のビジネスウーマンがそのような状態であることがわかった。「疲れを感じている」にどの程度あてはまるか尋ねたところ、合わせて83.7%が「非常にあてはまる」または「ややあてはまる」と回答した。また、過緊張の状態にある人は「あてはまる」と回答した割合が95.9%で、ほとんどが疲労感を覚えていることがわかった。自分自身では、どのようなことが疲れの原因になっていると思うか聞くと、「仕事の人間関係」(50.2%)が最も多かった。次いで「仕事の内容」(44.5%)、「気温・湿度(じめじめした暑さなど)」(35.2%)、「仕事の量(労働時間・残業など)」(30.8%)で、上位には仕事に関連する事柄が多かった。過緊張の状態別にみると、過緊張の人はそうでない人よりも「仕事の人間関係」(過緊張である58.8%、過緊張でない35.5%、以下同順)が20ポイント以上高かった。「仕事の内容」(50.6%、34.1%)や「金銭事情・金銭的不安(収入や家計)」(32.5%、18.4%)も15ポイント前後高い。そのほか、「睡眠不足・睡眠障害」(25.5%、12.5%)」や「生活のメリハリ不足」(17.3%、7.9%)などでも、過緊張の人はそうでない人よりも割合が高かった。最近の生活で経験した出来事について、「やりたいことや予定があったのに、だらだらして休日を過ごす」ことがどのくらいあるか聞いた。その結果、「ある」と回答した割合は過緊張の人は82.1%で、過緊張でない人(53.2%)の1.5倍だった。また、「思考力や集中力が欠け、作業の質や量が低下する(ささいなミスをするなど)ことがある」は、過緊張の人は76.7%で、過緊張でない人(37.2%)の2.1倍とっている。疲れがたまったときに現れやすい自覚症状を聞いたところ、「疲れが肌に出る」(50.9%)や「疲れやすい体質になった(すぐに疲れる)」(49.8%)、「体力が衰えた(ちょっとした運動でへとへとになる)」(44.0%)が上位を占めた。「最近、暑さに参ってきた/夏バテだと感じる」にどの程度あてはまるか尋ねると、64.1%が「非常にあてはまる」もしくは「ややあてはまる」と回答した。特に過緊張の人は75.0%があてはまると回答しており、過緊張でない人(45.5%)の1.6倍となっている。
2017年08月14日昨年9月に破局し、離婚を申請したアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットだが、ビジネス上のパートナー関係は今後も続けていくことがわかった。ジョリー=ピット家の拠点の1つだった南フランスで、ロゼワイン「ミラヴァル・ロゼ」をプロデュースしていた2人は今回、新しくオリーブオイル「ミラヴァル・オリーブオイル」を発売した。オーガニックのエクストラバージンオイルで、500mlのボトル(29ユーロ)を1万本限定で3月から販売している。夫妻とワイン醸造業のペラン家とのジョイント・ベンチャーだった「シャトー・ミラヴァル」には、2人の離婚によってシャトー売却説も流れていたが、ペラン家はこれを否定。シャルル・ペラン氏はAFP通信に「ミラヴァルは、彼らの家族と子どもたちのための投資です。私たちには長期的な計画があり、私たちの名前『ピット、ジョリー、そしてペラン』を記した2016年のロゼも完成しました」と語った。オリーブオイルは現在、ヨーロッパのみの販売だが、日本では6月から限定数での販売が予定されている。(text:Yuki Tominaga)
2017年03月23日日々の生活にちょっと疲れてた、行き詰まった…と感じたとき。本や雑誌、インターネットなどの情報から、現状を打破するためのヒントを得ようと思う人も多いのではないでしょうか?ときには、そのヒントが意外なところで見つかることも。今回は、「ビジネス書」の中にそのヒントを探してみました。ママの生活とは無縁そうにも思える「ビジネス書」ですが、じつは日々の暮らしにも生かせるヒントがたくさんあるのです。■自分自身の「悩みの克服法」が見える!『道は開ける』(デール・カーネギー著、香山晶訳/創元社)『道は開ける』は、デール・カーネギー氏の著書『HOW TO STOP WORRYING AND START LIVING』を日本語に訳したもの。カーネギー氏は、いまでいうところの企業研修の講師などを行っていた人物で、現在もなお広く読まれる、自己啓発本の古典として知られています。本書のテーマはズバリ、「悩み」とその「克服法」。1章の「悩みに関する基本事項」から、最終章「疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法」まで、悩みとは何なのか? どうすれば克服できるのか? ということが、とても具体的に、そしてわかりやすく書かれています。また、この本にはたくさんの悩みに関する名言が登場します。さまざまな分野で活躍する人物が、「悩み」とその「克服法」についてどのように考え、どんな言葉を残したのか?それらをひとつひとつ読み進めていくうちに、自分自身の「悩みの克服法」が見えてくるかもしれません。■「人間関係がちょっとキツイな…」と感じているママに『伝え方が9割』の著者の佐々木圭一氏は、米国で広告賞を受賞するなど、世界を舞台に活躍するコピーライター。ヒットを生み出し続ける著者が、その経験と試行錯誤から得た「伝え方の技術」をわかりやすく記した一冊です。本書の大きな特徴は、「技術」や「コツ」が非常に具体的に、まるで数学の公式のように解説されていること。コピーを作るために…というよりも、むしろ日常で使いやすいように「伝え方の技術」を説明してくれています。だから「人間関係がちょっとキツイな…」と感じているママにはとくにおすすめです。この本を自分のバイブルとして、書かれている公式を普段の会話に当てはめてみると、もっと人間関係が楽になるかもしれません。■ママ友との関係に悩んでいる人に『私はどうして販売外交に成功したか』(フランク・ベドガー著、土屋健訳/ダイヤモンド社)続いて紹介するのは、『私はどうして販売外交に成功したか』という営業技術本です。「営業なんて私には関係ないわ」と思うかもしれませんが、本書はどちらかといえばテクニックよりも営業としての姿勢や心構えについて書かれた本。仕事はもちろん、プライベートでも役立つたくさんの言葉にであえます。また本書は、著者が営業マンとして成長していくプロセスを記した、ひとつの物語として読むこともできます。ときには著者の失敗談も盛り込まれ、そこからまた試行錯誤を繰り返し、トライし続ける著者の物語を読み進めていくうちに、こちらにも情熱・勇気が湧いてくる、そんな一冊です。ママ友との関係に悩んでいる人、緊張してうまく会話ができないと落ち込んでいるママが、一歩前に進むことができる本となっています。■モヤモヤの正体がわからないときに『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』は、コロンビア大学の心理学博士による世界的ベストセラーの日本語訳。行動を起こしたければ、どうすれば良いのか? どうすればモチベーションが上がるのか? そのための具体的な方法を教えてくれる一冊です。本書で語られるのは、仕事に行き詰っているとき、やる気をなくしているときはもちろん、プライベートで息苦しさを感じているとき、落ち込んでいるときなど、生活のあらゆる場面に生かせる「やってのけるための戦略」。具体的に解説されていますので、「まずは頭で理解して、納得しないと進めない」というタイプの人にはとくにおすすめです。何だかわからないモヤモヤの正体と、その解消法が見つかるかもしれません。たとえば専業主婦のママだって、育児・家事という「仕事」をして、そこにはさまざまな人間関係があって、問われるスキルもあって…と、ビジネスと共通する部分をたくさん持っているはずです。しんどいな、つらいな…と感じたら、ビジネス書に解決の糸口を求めてみるのもひとつの手ではないでしょうか? 今回紹介した書籍の中に、今のみなさんにあう一冊があれば幸いです。・『道は開ける 新装版』(デール・カーネギー著、香山晶訳/創元社) ・『伝え方が9割』(佐々木圭一著/ダイヤモンド社) ・『私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)』(フランク・ベドガー著、土屋健訳/ダイヤモンド社) ・『やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~』(ハイディ・グラント・ハルバーソン著、児島修訳/大和書房)
2017年01月20日カレとお泊りをするってなったら、みなさんならどこにしますか?旅行以外だったら、ラブホかどっちかの家っていうのが普通ですよね。でも、ビジネスホテルって実は意外にいいんですよ。「え~。ビジホって、エッチとかできなそうだし、あんまり考えたことないかも・・・・・・」みたいな人が多いんじゃないでしょうか?でも、今日でそのイメージを変えてみせます!そこで今回は、彼氏とのお泊りデートをビジネスホテルでしたことがある20代女子20人に「ビジネスホテルお泊りが意外にいい理由」について聞いてみました。■1.朝食がおいしい「ビジネスホテルのいいところって、朝食が無料で食べられたりするところだと思う。豪華ではないけど、しっかりとしたバイキングだったりするんだよ」(大学生/23歳)なんか、ホテルで食べる朝ごはんっていつも以上においしく感じません(笑)?朝早起きしてしっかりごはんも食べれば、その日を有効活用できていいですよね。■2.壁も意外と大丈夫「さすがにラブホほど壁は分厚くないけど、最近のビジネスホテルってそんなに馬鹿みたいに壁薄くないから、普通にエッチとかもできるよ(笑)」(化粧品メーカー/27歳)いくらビジネスホテルでも、普通にテレビを見たり人と電話をしたりするわけですから、そんなに壁が薄かったら誰も嫌で泊まってくれません。なので、思った以上にはしっかりと防音してくれるところが多いんでしょうね。夜のことも心配いりません!■3.安い「やっぱりビジネスホテルってすごく安くていい。朝食付きで3500円とか、普通にあるもんね」(営業/25歳)ラブホだと、夜10時から朝まででふたり合わせて7000円から10000円くらいですよね。でもビジネスホテルなら、昼間からチェックインして、そのまま翌朝までたっぷりいられて、しかも朝食付きで、ふたりで同じくらいの値段です。値段的にもお得です!■4.アクセスいい「ビジネスホテルって、駅近くにあることが多いから、アクセスがよくて便利だと思う」(公務員/26歳)あと、ラブホってそもそも、ラブホ街まで行かなくちゃいけないのが恥ずかしいし、大変ですよね。ラブホを探してるときに、他のカップルとすれ違うのが私は本当に恥ずかしくて嫌!ビジネスホテルなら駅直結とか、駅から徒歩1分とか多いので、便利だし、しかも堂々と入っていけますね(笑)。■5.予約できる「ラブホの難点って、予約ができないところね。週末とか、普通にどこも満室ばっかりで全然入れなかったりするし、その辺読めないから不便」(アパレル/24歳)うんうん、ビジネスホテルだったらネットで予約しておけますから、「ちゃんと泊まれるかなー?」って心配もいりませんね。ラブホって混んでるとき、本当にどこも入れなくなっちゃいますからね~。■おわりにどうでしたか?ビジホのよさがおわかりいただけましたか?これからのお泊りデートでは、ぜひビジネスホテルを選択肢に入れてみてくださいね。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年06月07日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第6回のテーマは「ランサムウェア」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上のさまざまな脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○ランサムウェアに屈しないために今回は、マルウェアの一種である「ランサムウェア」について解説します。ランサムウェアは、英語表記では「ransomware」となり、ransomは身代金という意味です。身代金は、誘拐事件で犯人が人質と引き替えに要求する金銭であったり、近現代以前の戦争捕虜釈放の代償として、敵方に対して要求する金銭だったりします。マルウェアの世界でもこのワードは同じような意味合いで使用されています。コンピュータにおいて、人質あるいは捕虜として攻撃者に取られるものは、ファイルやデータ、あるいはそれらへのアクセスです。本稿執筆時点(2016年3月)で、国内でもランサムウェアの被害が報告・報道されるようになってきているうえ、その種類も多岐にわたることが知られ始めていることから、注目度が増しているマルウェアであると言えます。ただ、ランサムウェアのアイデアは10年以上前からマルウェアに使用されています。その後、時折被害が報告されてきましたが、ここ1~2年、発生数ならびに被害報告数が急増しているマルウェアの種類です。増加要因の1つには、マルウェア開発側(攻撃者側)の進化が挙げられます。マルウェア自体が技術的に洗練・高度化していることに加え、マルウェア開発や配布を"サービス"として提供するビジネスも実際に確認されています。こうしたビジネスは、「Malware as a Service(MaaS)」と呼ばれ、その中でもランサムウェアに特化したサービスは「Ransomware as a Service(RaaS)」と呼ばれます。また近年、ランサムウェアが増加している背景には、周辺の変化も関係しています。その変化は大きく分けて2点あります。初めに、クラウドサービスの普及・一般化に伴って、安価で手軽に利用できるIaaSやPaaSが増加したことが挙げられます。攻撃者は多くの場合、管理が甘いWebサーバなどのホスティングサービスに不正侵入したり、場合によっては、サービス事業者の管理者権限を奪取したりすることで、正規に運用されているサーバをマルウェア配布サーバやC&Cサーバに仕立てます。2点目は、ビットコインに代表される、金銭授受手段の多様化・普及です。従来の決済方法に比べて、ビットコインのような仮想通貨による金銭の授受は、"カネの流れ"の追跡が困難で、資金洗浄(マネーロンダリング)や不正に入手した闇資金の送金に適していると言えます。また、攻撃者にとっては、ユーザーを喫緊・緊急の事態に追い込みつつ金銭を要求するため、回収の可能性が高い(金銭が支払われる可能性が高い)ことも増加の一因でしょう。ランサムウェアに感染すると、ファイルが暗号化されて開けなくなる、あるいはファイルへのアクセスをブロックされてる(その結果ファイルを開けなくなる)ということが起きてしまいます。攻撃者は、ファイルを復号化する、あるいは、アクセスブロックを解除するために、金銭を要求してくる場合がほとんどです。また、ファイルやデータを使用できなくするという意味では、サボタージュ攻撃と呼ばれる、攻撃対象の業務を妨害したり破壊工作を図ったりする攻撃も行われます。このように、感染してしまったユーザーにとっては突然、普段使用しているパソコン内のファイルやデータが使用できなくなってしまうことから、マルウェアの動作と被害が非常に明確であるという点がランサムウェアの特徴の1つです。昨今のマルウェア、特に情報窃取を目的とするものはユーザーに感染を知られないように動作することを特徴としていますから、その正反対の性格であると言えるでしょう。先述の通り、ファイルを元通りに復号・復元して使用できるようにするため、多くの場合、攻撃者は金銭を要求してきます。例えば、暗号化タイプのランサムウェアの場合は、金銭と引き替えに復号化の「鍵」を渡すことを通知してきます。要求に応じて金銭を支払うべきか否かについては、一部の専門家が「感染時は、素直に金銭を支払うべきである」という助言をしている例もあるようです。また、被害事案の中には、攻撃者に屈して実際に金銭を支払った事例も報告されています。一例としては、米国のHollywood Presbyterian Medical Centerの被害事例があり、被害組織から公式発表がなされています。それによると、攻撃者の要求は40bitcoin(当時のレートで1万7000ドル)で、彼らはそれを支払ったということです。ただ、筆者としては明確に反対します。理由は2つあります。第1に相手は"攻撃者"であり"犯罪者"だからです。違法・不法なことを平気で行う者たちですから、要求通り金銭を支払ったとしても、鍵や復元方法を送ってくる保証はどこにもありません。第2は、攻撃者へ支払った金銭は、次のマルウェアや攻撃手法開発などへの原資となる可能性がある点です。間接的とはいえ、被害者が加害者の発展に貢献する道理はないと考えます。しかしながら業務上、どうしてもファイルを復号・復元する必要が生じることもあるでしょう。セキュリティ事業者の中には、ランサムウェアを解析した結果、復号やアクセスブロック解除の手法を解明している場合もあります。万が一被害に遭ってしまった場合は、使用しているウイルス対策ソフトの製造元や普段付き合いがあるセキュリティ事業者に相談してみることを推奨します。また、警察に相談する方法もあります。オランダ検察庁やオランダ警察と共同で、いくつかのランサムウェアの復号ツールを無償提供するサイトの公開も行っています。ただし、仮に善なる事業者や機関が復号化や復元に成功していたとしても、そのことが既に広く知られているとは限りません。非常に古い(つまり攻撃者が既に使用していない)ランサムウェアであれば別ですが、流行の真っただ中にあるようなものであれば、なおさらその傾向は強いものとなります。なぜなら、復号化・復元ができることが攻撃者側に知られてしまった場合、攻撃者は新たな暗号鍵で暗号化するランサムウェアを作成したり、復元手法を変更したりしてしまうためです。このことからも、繰り返しになりますが、まずは身近な専門家に相談することが、事態打開への早道であると言えます。このように、ランサムウェアは、普段使用しているファイルやデータを使用できなくすることから、予防策として最も効果が見込めるものは、こまめなバックアップです。バックアップ先は、オンラインではないほうが安全でしょう。バックアップ先・媒体は、オフラインであって、なおかつバックアップあるいはリストア時にのみ使用できるよう、システムとその運用を工夫しておくのが良いでしょう。バックアップを取っていることを攻撃者に知られた場合、攻撃者はバックアップ側にも攻撃を仕掛けてくる可能性があるからです。また、バックアップを複数世代取っておけば、さらに安全性を高めることにつながるはずです。なお、オンラインとは、インターネット経由であるか否かは関係ありません。加えて、パソコンのOSやMicrosoft Office、AcrobatやJavaなどの脆弱性(セキュリティホール)は、ランサムウェアを含むマルウェア全般で、感染の糸口として悪用される傾向が強いので、これらのソフトウェアを常に最新の状態に保つことも、基本対策の1つです。ウイルス対策ソフトを最新の状態で使用することも、同様に基本対策となります。
2016年04月06日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「802.11ac Wave2」についてです。***現在、多くのスマートフォンがWi-Fi規格として「IEEE 802.11ac」をサポートしています。数あるWi-Fi規格のなかでも最新・最速という認識で問題ありませんが、チャネル幅やストリーム数など仕様の違いで伝送速度に差が出てきます。無線LANの業界団体「Wi-Fi Alliance」では、その違いに基づき「Wi-Fi CERTIFIED ac」という認定規格を設けています。IEEEが定めた規格とは異なるため、第1世代が「802.11ac Wave1」、第2世代が「802.11ac Wave2」と呼ばれます。つまり、大枠ではIEEE 802.11acに準じますが、チャネル幅やストリーム数が少ないものがWave1、それらを増やして高速化したものがWave2となります。周波数を複数束ねて一度に大容量データの転送を可能にする「チャネルボンディング」は、Wave1では最大80MHzですが、Wave2では最大160MHzにまで拡張されています。電波に指向性を持たせ、特定の端末との転送速度向上と電波干渉緩和を図る「ビームフォーミング」も、Wave2からサポートされます。操作感で大きな影響があると考えられるのが、MU-MIMO(Multi User-Multi input Multi Output)のサポートです。Wave1までは、端末とアクセスポイントの関係は1対1であり、混雑時には順番待ちの必要がありましたが、MU-MIMOでは同時に最大4基の端末(クライアント)を処理できるようになり、通信効率が改善されます。ただし、Wave2対応をうたうスマートフォンは2016年4月現在存在しません。MU-MIMOをサポートするスマートフォンは存在しますが、採用の本格化は2016年以降が見込まれます。Wave2対応を明記したルータなどのワイヤレス製品の普及もこれからのため、一般化するのはもう少し先となりそうです。
2016年04月03日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「LPDDR」についてです。***CPU/SoCが直接アクセスする主記憶装置(メインメモリー)には、高いデータ転送性能とともに省エネ性能が求められます。LPDDRは「Low Power DDR」の略称ということからもわかるとおり、DDR SDRAMの低電圧・低消費電力版という位置付けです。電力消費量にシビアなスマートフォンやタブレット、ノートパソコンにおいて主流のメモリー規格となっています。SDRAMを含むDRAM(ダイナミックRAM)は、回路規模を小さくして集積度を高めることで、チップあたり記憶容量を増やしてきました。シングル・データ・レート(SDR)SDRAMより低い動作電圧とすることでバス速度を向上させ、帯域幅を倍増させる(ダブル・データ・レート、DDR)ことで高速性を獲得しました。のちに集積度を高め、より低い電圧での動作を可能にした「DDR2 SDRAM」、その改良強化版としてデータ転送レートを2倍に高めた「DDR3 SDRAM」が登場しました。現在は、クロック周波数とデータ転送レートをより高めた「DDR4 SDRAM」が主流となりつつあります。DDR SDRAMの低電圧・低消費電力版であるLPDDR(SDRAM)には、データ保持に必要なリフレッシュ動作の間隔を自動調整する機能や、消えてもかまわないデータに対してはリフレッシュ動作を行わない機能、データは失われるが電力消費を極小化できる機能(ディープ・パワー・ダウン)など、消費電力を低減するしくみが盛り込まれています。どのLPDDRに対応するかは、CPU/SoCの仕様に依存します。スマートフォンの場合は、新世代CPU/SoCの導入にあわせて最新のLPDDRが採用されるというパターンが常です。2016年3月現在は、より低電圧で動作するLPDDR4の派生規格「LPDDR4X」が提唱されており、ハイエンドスマートフォン向けSoCの新製品「Helio P20」が対応を明らかにしています。
2016年03月21日TISは3月15日、AIを活用したビジネスを行うスタートアップ企業であるエルブズにシードマネー(ベンチャー・ビジネス創設のために当初投入される資本)を出資したと発表した。エルブズは2016年2月に設立し、高齢者にコミュニケーションサービスの提供を目指しているスタートアップ企業。同社は、Agents of Socialization(社会性エージェント)技術を用いたサービスの提供、広告配信、技術教育、システムコンサルティングサービスなどを事業としている。これまでTISではAI関連ビジネス推進のため機械学習や自然言語処理といったAIを構成する要素技術の検証・開発、関連技術を用いたソリューションの開発とPoC(Proof of Concept:概念実証)を進めており、大学との同技術領域に関する共同研究を実施するなど産学連携での活動も行ってきた。今回、AI活用ビジネスを展開するエルブズに出資することで、AIを活用した自然言語による対話およびコミュニケーションの技術を獲得し、対話プラットフォームを提供するとともに、広範な顧客に対するシステム・インテグレーション事業への活用も想定している。TISは今後もAI分野での社内ビジネス立上げやAI関連子会社の創設、関連ベンチャー企業への投資などを検討・推進し、AI関連ビジネスの拡大を目指す。TISがエルブズに対してシードマネーを出資し、リードインベスターを担い、ベンチャー企業の革新性やネットワークとシステム・インテグレータの総合力を融合することで、互いの利点を活かした迅速なビジネス立ち上げを行う考えだ。
2016年03月16日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第5回は「アドウェア」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上の様々な脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○マルウェアとアドウェア前回は、「マルウェア」を俯瞰的に、歴史的経緯も交えて解説しました。今回は、マルウェアの一種であり、特に扱いが難しい部類とされる「アドウェア」に焦点を絞って考察します。アドウェアは英語で表記すると「Adware」です。「Ad」はadvertisingあるいはadvertisementに由来しており、広告・宣伝を意味します。アドウェアが入ってしまったパソコン上ではその名前の通り、大抵の場合は何らかの広告が表示されるようになります。広告を表示することそのものは、それほど悪意があることとみなされないのが一般的です。ただこのことが、アドウェアの扱いを難しくする一因となっているという見方もできます。そもそもアドウェアではなくとも、Webサイト上で広告が表示されることは非常に多いですし、昨今では、多くの人がスマートフォンを使用するようになり、アプリ内でも広告表示されるものが多く見られます。特に無料アプリの場合、アプリ使用者からの支払いではなく、広告によって収益が支えられているということも重要です。人によっては、広告をそれほど迷惑と思わない人もいるでしょう。ある種、「慣れ」といえるのかもしれません。また、広告主と広告代理店、広告表示の場を提供する人、広告表示機能をソフトウェアとして開発する人、広告をデザインする人などが関わり合い、一大経済エコシステムを形成しています。このような背景もあり、"広告を見せるだけ"であれば、「快く思わない人が中にもいるだろう」という理由だけでは、アドウェアを悪意あるもの(=マルウェア)として一律に取り扱うことが難しい状況にあります。ただ、世の中に出回っているアドウェアについて注意深く観察してみると、このような曖昧な捉え方で済むことばかりではありません。これまで述べたように、単に広告を表示するだけであれば問題になることはそれほど多くありませんが、アドウェアの中には宣伝を目的として、パソコン内に保存されているブラウザのキャッシュ情報などを勝手にネット経由で収集したり、ブラウザのホームページ設定を勝手に変更したり、検索結果を広告サイトに誘導したりするものが存在します。また、ソフトウェアをインストールする際に、同時に別のソフトウェアもインストールさせる手法をご存じの方も多いと思いますが、これを利用したアドウェアのインストールも存在します。ソフトウェアのインストール時に、細かい文字の使用許諾を読み飛ばす人は多いですし、画面に表示されるダイアログや注意書きも、よく読まずに「次へ」「OK」ボタンを押し、進む人が多い実情を巧妙に突いてくる手法といえます。もともとは、広告主にとって効果的な広告・宣伝を目的として考え出された手法かもしれませんが、このように度が過ぎているものがあるのです。さらに、アドウェアの中にはユーザーの入力情報を記録・窃取する「キーロガー機能」を搭載するものや、パソコン内に保存された情報を窃取するスパイウェアのような機能を備えるものが存在します。こういったものはグレーな性格を残したアドウェアというよりも、マルウェアの範疇にあるといえるでしょう。また、トロイの木馬などのマルウェアを通じて勝手にインストールされるものがあります。諸悪の根源こそトロイの木馬ですが、それを通じてインストールされるプログラム自体は「完全に悪質なものではない」ことが散見されるため、"いやらしさ"と"難しさ"があると言えます。仮に、"悪性ではないもの"をマルウェアであると判定してしまうと、それは誤検知(疑陽性)であるということになりますので、結局のところ、それぞれのプログラムを逐一判定する必要があります。ただ、アドウェアの中にはアンインストールが難しいものもあります。広告主(とその周辺ビジネスに関わる人々)にとっては、「アンインストールされては元も子もない」という意識があるでしょうから、この類のものは定期的に出現しますが、やはり「度を超えている」ことは否めません。このように、ユーザーが制御できる範囲を逸脱したアドウェアも存在することから、ウイルス対策ソフトの中には、こうしたアドウェアを検知し、削除する機能があります。ただ、アドウェアの中にも「単に広告を表示するだけのもの」から「マルウェアまがいの動きをするもの」まで、幅広く存在します。各ウイルス対策ソフトがどのアドウェアを検知するかは、各社のポリシーに依存して製品ごとに差異が出ます。また、アドウェア検知機能が搭載されていても、初期設定で機能がオフになっているケースがあるため、「ユーザー自身でオンにしていただきたい」というのが私の考えです。もちろん、アドウェア検知の機能名が、「アドウェアの検知」や「アドウェアからの保護」といったわかりやすいものであるとは限らないため、お使いの製品の設定を注意深く確認してください。
2016年03月10日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「AMOLED」についてです。***AMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode)とは、駆動方式にアクティブマトリクスを採用した表示装置です。その名が示すとおり有機EL(OLED)パネルの一種であり、スマートフォンでは2010年発売の「GALAXY S」以来Galaxyシリーズに継続採用されているほか、ポータブルオーディオなど小型家電向けディスプレイでの採用が進んでいます。有機ELパネルは視野角が広く応答性に優れ、高いピーク輝度と黒の沈み込みによる高いコントラストが特徴です。バックライトが必要ない自発光型のため、液晶パネルに比べ軽くて薄く、消費電力の面でも有利です。AMOLEDは有機ELパネルとしての基本特性を持ちますから、これらの長所をすべて引き継ぎます。さらにAMOLEDでは、パネル上の各画素にアクティブ素子(スイッチング素子)を割り当て、それぞれに制御信号を伝送できます。画素ひとつひとつについてオン/オフや輝度調整が可能になるため、精細かつ鮮やかな画像表現が可能になります。一方、有機ELであるがゆえのデメリットも併せ持ちます。自発光デバイスであるために直射日光下では見えにくく、映り込みや反射が目立つことがあります。単純マトリクス方式など他方式と比較すると構造が複雑なため製造が難しく、コスト面での課題もあります。長期間使用すると焼き付きが発生しやすいことも、不利な点といえるでしょう。Galaxyシリーズを除くと、これまでAMOLEDを搭載するスマートフォンは少数派でしたが、範囲をスマートデバイス全体に広げるとApple Watchなどの製品にも採用されています。映り込みや焼き付きを改善すべく技術改良も進められているため、今後も採用事例は増えることでしょう。
2016年03月05日○みずほ証券の株価騰落予測システムみずほ証券の等々力昌彦氏は、コンピュータが株式を売買するアルゴ(Algorithmの略の業界用語)取引が、東証の取引の7割を占めると説明し、ディープラーニングを使うみずほ証券のシステムについて説明した。このシステムはターゲット時刻に株価が上がるか下がるかを予測する。この予測を行うために7800入力のDBN(Deep Belief Network:DBNは教師なし学習のやり方の1つ)を使っている。1つの万能な予測器を作ろうとすると良い結果は得られないとのことで、次の図のように予測時刻とどれだけ先を予測するか、変動の範囲ごとに専用のDBNを作っているという。入力としては、予測対象の個別株の直近の20個の4本値と出来高データ、直近の100個のクオートデータ、直近100tickの価格、約定数量など合計3900データ、日経225先物についても同様に3900データで、合計7800入力のネットワークとなっている。これは株価や日経225先物の時系列の価格や板情報を入力していることになる。次のグラフは、株価がレンジ内にある確率とディープラーニングによる予測正解率を示したもので、ディープラーニングを使うことにより平均で+2.48%正解率が改善したという。ただし、これがファンドの運用成績をどの程度改善するのかについては言及されなかった。このシステムは4台のサーバにそれぞれ8台のTesla M40 GPUを接続し、もう1台のサーバをストレージサーバやフロントエンドサーバとして使っている。そして、これらのサーバを56GbpsのInfiniBandで接続し、学習を並列化している。システムは、浮動小数点演算のピーク性能が224TFlopsとかなり強力なシステムであり、やはり、金融業界はスピードがお金に直結するという感じである。○店舗運営を改善するABEJAABEJAは、現在は第1弾として、ディープラーニングを応用したインストアアナリティクスのビジネスを行っているという。次の写真はデモの風景であるが、ABEJAのシステムはビデオに写っている人の性別と年齢をディープラーニングを使って識別する。写真の画像は、右の男性が0歳から数えて年齢が加算されていくように表示が変化しているところ、左の女性も同じく数えている最中で4歳になっており、最終結果までに時間がかかるように見えたが、実際には、リアルタイムで性別や年齢の判定を行っているものを、あえてデモということで、推定年齢や性別の表示に時間がかかるような表示方法を用いているとのことであった。従来は店舗内で収集できる顧客情報は限られていたが、ABEJAのディープラーニングを使えば、年齢層別の来店人数、滞在時間、動態などの情報が得られる。そして、この情報を使って売り場位置の最適化を行なったり、店員の配置を最適化したりして、売り上げの増加やコストダウンを行うことができる。また、これをPOSデータなどの従来の情報と組み合わせると新たな価値が生み出せるという。このABEJAの技術はインストアアナリティクスだけでなく、広い範囲に適用できる可能性を持っている。例えば、渋谷のスクランブル交差点を通っている人の年齢層などを識別して、そこに居る人に向けた広告をビッグスクリーンで流すなど、東急電鉄とタイアップして、どのように使えるかという可能性を探るという。ディープラーニングは学習をすれば、何でも識別できるという魔法の杖ではないが、いろいろな分野で、従来はできなかった識別ができるようになってきている。そうなると、当然であるが、ビジネスに応用しようという動きが活発になってきている。しかし、識別を絶対に間違わないという訳ではなく、ある程度のエラーを許容して、どのように使うかが重要になると考えられる。このレポートでも内外の事例を紹介したが、どのようなビジネスにどう使うかというアイデアがキーポイントになりそうである。
2016年02月10日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第4回は「マルウェア」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上の様々な脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○「マルウェア」という用語にまつわるあれこれ今回は、基本中の基本といえる「マルウェア」という用語について解説します。実は第3回まで、極力「マルウェア」という用語を使わず、代わりに「コンピューターウイルス」という言い方をしてきました。では、「マルウェア」と「コンピューターウイルス」は同義なのかというと、"完全に同じ意味とは言い切れない"ところが、ややこしくさせる一因だとも思っています。私がインターネットセキュリティに深く関わり始めたのは、今から約10年前(2000年代半ば)です。私の記憶では、すでに「マルウェア」という言葉が存在していました。では、さらに10年遡った1990年代は? と考えると、爆発的なネットの普及を下支えしたWindows 95の時代は、マルウェアよりもコンピューターウイルス(あるいは単にウイルス)という言い方が、より一般的だったように思います。「マルウェア」という用語はそもそも、英語の「malicious(悪意ある)」「software(ソフトウェア)」を略した言葉であり、造語です。一方のウイルスは、人間などの生命体に感染する「virus」になぞらえて、コンピューターに"感染"するソフトウェアを指しています。つまり、造語ではなく比喩表現としての用法であるわけです。双方の意味合いとしては、マルウェアの方が広く、ウイルスはマルウェアの一種別として捉えられることが一般的です。しかし、歴史を振り返ってみると、コンピューターに悪影響を与えるソフトウェアとしては、ほかのコンピューターへ次々に"感染"し、拡散していく機能を持つものが古くから知られています。このたぐいのソフトウェアが、「コンピューターウイルス」と呼ばれるようになりました。その後、コンピューターに悪影響を与えるソフトウェアとして、コンピューターウイルス以外にも様々な種類のものが出現するようになり、それらを総称する意味を込め、マルウェアという用語が誕生しました。つまり、マルウェアよりもコンピューターウイルスという言葉の方が先に誕生し、一般化したと言えます。また、"マルウェア"という用語が生まれる前からセキュリティ対策ソフトが存在していたため、現在でも「ウイルス対策ソフト」や「アンチウイルス」という呼び方が一般的です。これは、歴史的経緯によるものといえます。繰り返しになりますが、改めて言葉を精査してみると、コンピューターウイルスは狭義のウイルスです。マルウェアの種別の中でも、他者に感染する機能を備えたもの、あるいは感染の結果として出来上がったものが、"コンピューターウイルス"であり、正確な用語となります。ここまでの話を振り返れば、"マルウェア"には、非常に多くの種類が存在しているということになります。マルウェアの種別として使われる用語を、列挙してみましょう。コンピューターウイルス(Computer Virus)ファイルウイルス(File Virus)マクロウイルス(Macro Virus)ブートセクタウイルス(Bootsector Virus)ワーム(Worm)ネットワークワーム(Network Worm)メールワーム(Email Worm)トロイの木馬(Trojan)バンキング型トロイの木馬(Banking Trojan)ダウンローダー(Trojan Downloader)ドロッパー(Trojan Dropper)ボット(Bot)バックドア(Backdoor)ラット(RAT: Remote Access Trojan/Tool)スパイウェア(Spyware)ルートキット(Rootkit)クライムウェア(Crimeware)ランサムウェア(Ransomware)ワンクリックウェア(1-clickware)ポルノウェア(Pornware)ダイヤラー(Dialer)アドウェア(Adware)リスクウェア(Riskware)グレーウェア(Grayware)今回は時代の経過とともに、あまり使われなくなった用語(ダイヤラー)や、ほぼ同義として使われるもの(例:バックドアとラット)も含めて列挙しています。もちろん、これが全てではありません。更に厄介なことに、これまでに例を見ない攻撃手法・活動や技術を備えたものが出現すると、「○ウェア」とさまざまなベンダーが名付けるため、新しい用語がどんどんと生み出されています。しかし、たとえ新しい用語が出てこようと、コンピューターに悪影響を及ぼすもの、悪徳なソフトウェアは、すべて「マルウェア」と呼んで差し支えありません。こうしたマルウェアからコンピューターを保護するための最も基本的な対策は、ご存じだと思いますが「セキュリティ対策ソフトを導入すること」にほかなりません。では、上記のような新たな手法を擁する「○ウェア」が出現したとき、ユーザーの関心事は、「自身が使っている対策ソフトは新型○ウェアを検知できるのか」という点になるでしょう。これは、製品によって状況が異なる可能性があります。現状のライセンスの範囲内で対応・検知する製品もあれば、新バージョンで対応するケース、もしくは新モジュールの追加によって対応するケースなど、さまざまです。製品によっては、ベンダーを問わず、追加で費用が発生することもあるでしょう。そのため、どういう製品で対策を行うかという課題は、対応までの速度やマルウェア検知率だけでなく、そうした対応状況、コストも含めて多角的に検討する必要があることを、考えてみてください。次回は、今回紹介したマルウェアの中でも、「悪意あるもの」としての判定が難しい「アドウェア」について解説します。
2016年02月04日若い世代を中心に使われている「恋愛用語」をもとに、マーケティングライターの牛窪恵さんが現代の恋愛事情を解説!主な恋愛用語はこちら。【ソフレ】添い寝フレンド。害がなく気楽で、一緒に寝ることで癒しをくれる相手。【ヌクメン】身近な鑑賞系男子や芸能人など。見て妄想するだけで心温まり、満足できる。【ゲー彼/チャ友】オンラインゲームやチャット上の彼/友達。顔を合わせないから話しやすい。【カフェオレ様】外見は中性的ながら、仕事にも恋にも積極的で男らしい男性。女子の理想型。【熟メン】熟成された40代くらいの男性。多くが離婚やリストラなど挫折を経験。【ソロ男(だん)】「ソロ活動」を謳歌する独身男性。自分の時間を優先し結婚に不向き?さて、牛窪さんの分析は?* **最近の若い世代に顕著なのが「恋愛は面倒」と捉える人が多いこと。とはいえ、誰かとつながっていたい気持ちは男女ともに強く、気軽につながれて後腐れのない関係を求めがちな傾向があります。その最たるものが「ソフレ」の存在。人肌恋しいときにそばにいてくれる“友達”のいる女性が驚くほど増えているんです。今は男性側も癒しを求めるし、女性に対してできるだけ責任を負いたくないので「添い寝だけ」の関係が成立するんですね。「ゲー彼」などバーチャル世界の彼、そして「ヌクメン」のように見ているのみの相手を持って満足する人が多いのもその延長といえるでしょう。「カフェオレ様」は、外見はソフトでも、恋愛には積極的でグイグイきてくれる男性のこと。「いたらいいな」といわれていますが、実際にはほぼいない(笑)。やっぱり今どきの男性は自分からアプローチできないんです。そんな同年代の男性に業を煮やし、上下問わず年の離れた男性にいくのが「年の差恋愛」。経験豊富で頼りがいがあり、自分の女子力や気分も上げてくれる年上を求める女性は多くいますが、年上なら「ソロ男」よりも「熟メン」をおすすめしたいですね。熟メンの多くは挫折を経て人として熟成されていますから、相手に歩み寄れる人が多く、結婚にも向くんです。その他の現代恋愛用語もご紹介!【カモフレ】カモフラージュの彼。嫌な男を追い払ったり、付き合う前のイメトレ用に。【未恋男子】恋愛経験のない男性。ピュアだけにうまくリードすれば育てがいがある。【ソロ男】「ソロ活動」を謳歌する独身男性。自分の時間を優先し結婚に不向き?【熟メン】熟成された40代くらいの男性。多くが離婚やリストラなど挫折を経験。【連帯結婚】家事も育児も助け合える相手を選ぶ、恋愛にこだわらない多様な結婚の形。【同級生婚/地元婚】元同級生を選んだり、結婚後に自分の地元で暮らしてくれる人を選ぶ結婚。◇うしくぼ・めぐみマーケティングライター。TVのコメンテーターやトレンド分析などでも活躍。新著は『恋愛しない若者たちコンビニ化する性とコスパ化する結婚』(ディスカヴァー21)。※『anan』2016年2月3日号より。文・熊坂麻美(C) DragonImages
2016年01月28日本革ビジネスアイテム専門ブランド「ビジネスレザーファクトリー」は1月29日、大阪・なんばに常設第2号店をオープンする。○オープン記念のプレゼントも「ビジネスレザーファクトリー」は、バングラデシュの貧困層に雇用を創ることを目的に展開する事業。バングラデシュ産の牛革を使用し、同国の自社工場で製造した革製品を販売している。レザー(牛革)製品の中でも、ビジネスシーンで使えるアイテムに特化しているのが特徴だという。2015年6月にオープンした九州・福岡の常設1号店に続き、常設2号店となる大阪なんば店は、大阪府大阪市中央区のなんばウォークにオープン予定。取扱いアイテムは、ペンケース、手帳カバー、財布、バッグ、シューズなど。定番カラー6色と店頭限定カラー4色に加え、大阪なんば限定カラー「ロイヤルグリーン」の計11色を用意する。価格帯は299円~14,999円(税別)。また、オープニング記念として2つの特典も用意。1,500円(税込)以上購入した先着300名に、牛本革キーカバーまたはブックマークを、7,500円(税込)以上購入した先着50名には、次回使える名入れ無料券をプレゼントする。
2016年01月28日●人工知能が奪う業種「人工知能」という単語について、どう感じられるだろうか。多分にSFな響きを伴うIT分野のキーワードだが、実はすでに、ITとは直接関係のないビジネスシーンにおいても関係の深いものになりつつある。人工知能によってビジネスシーンはどのように変わっていくのだろうか。これからの人工知能とビジネスの関わり方について考えてみよう。○人工知能によって多くの業種が必要なくなる?人工知能は以前から研究が進められていたが、話題を集めるようになったのは2012年。国際的な画像認識コンテストである「ILSVRC」(ImageNet Large Scale Visual Recognition Contest)において、「ディープラーニング」と呼ばれる手法が従来型の機械学習を大幅に上回った。このディープラーニングが画像認識だけでなく、音声認識や自然言語処理といった分野においても有効であることがわかり、国際的な研究機関や大企業が開発に続々と参入し、まさに日進月歩の勢いで進化が進んでいる。すでに画像認識においては、人工知能が人間の認識率を上回るまでになっているのだ。技術が発展することにより、従来人間が処理していた作業を人工知能が肩代わりできる分野が増えている。人工知能は人間よりも処理速度が速く、数万件のデータを瞬く間に処理できるだけでなく、疲れ知らずだ。○英研究者の論文が話題に技術が進歩するにつれて、人間が仕事を奪われるという恐れもある。たとえば近年話題になっている自動運転車も一種の人工知能と呼べるものだが、人工知能は人間のようにアクセルとブレーキを踏み間違えたり、居眠り運転するということもない。お釣りをごまかすこともないのだから、タクシードライバーとしては最適だろう。人工知能の進化を前提に、英オックスフォード大学は702種類もの業種を詳細に検討し、約40種の職業が、10~20年の間に90%以上の確率でコンピュータにとってかわられるという衝撃的な論文を発表している。単純作業はともかく、事務や専門知識の必要そうな審査・調査なども含まれているのは驚かれたのではないだろうか。上記のリストには、現在の技術では実現が難しいものも含まれているが、人工知能の進化の速度を考えれば、数年内に置き換わられても不思議ではないというわけだ。●HUEの例から読み解く人工知能の力○人工知能を搭載した初のERP人工知能のビジネスシーンへの進出は、すでに始まっている。たとえば金融業界で株の売買に使われている売買プログラムも一種の人工知能だ。画像認識等の技術についても、実用化されて業務に利用しているケースも珍しくはなくなっている。そして、もっと身近なビジネスシーンでの人工知能利用の一例として、ワークスアプリケーションズの「HUE」が登場した。HUEは、企業内におけるヒト・モノ・カネの動きの管理を統合し、情報化によって経営を支援するためのシステム「ERP」(Enterprise Resource Planning)の一種だ。一般ユーザーから見ると、顧客管理や人材管理、文書管理システム、管理会計、プロジェクト管理など、さまざまな機能が統合された社内システムということになる。HUEのユニークな点は、機械学習型の人工知能を搭載していることと、ビッグデータの解析に対応している点だ。どちらも最近のIT業界では好んで使われるキーワードだが、これをERPに持ち込んだのはHUEが始めてだといえる。○人工知能で何ができるか具体的には何ができるのか。まず人工知能についていえば、書類作成の手間が大幅に省力化できるようになる。HUEでは、ユーザーが書類を作成する際に、項目や請求する相手を過去の入力データから検索し、相手や項目に応じて、たとえば単価や発送先、個数といったデータも推測して入力してくれる。これだけなら単に入力履歴から候補を出しているだけのようにも見えるが、HUEの長所は、入力欄や順番を問わない点にある。例えば入力欄の順番を問わずに「マイナビ 請求書 原稿料」と入力すれば、人工知能がどの単語がどの項目にふさわしいかを判断して、適切な部分に配置してくれるのだ。あとは必要に応じて、原稿の単価や担当部署、担当編集者といったデータを追加することで細部が修正されていく。ワークスアプリケーションズによれば「一般的な作表作業の90%近くを肩代わりできる」というが、デモを見る限り非常に素早く作表でき、また間違いも少ないことから、書類チェックや再提出といったエラー処理まで含めれば、確かに90%短縮というのも現実的な数値に思えてくる。ビジネスマンの1日の仕事を振り返ってみると、実際の取引や会議などの間に、書類作成の時間がかなり占めているのではないだろうか。1日に1~2時間程度は書類の作成に割かれているかもしれない。こうした時間を人工知能が代わりに作業してくれて、そのぶんをクリエイティブな活動に費やせるというのが、HUEの目指している作業環境だ。●人工知能はビジネスシーンの何を変えるかビッグデータ解析に関して言えば、企業の様々な業務ログを解析し、常に情報を更新してくれる。前述の人工知能もこうしたビッグデータ解析によって賢くなっていくし、システム中のメッセージやメールの発言を定期的に収集し、そこから人間関係を推測して人事に活用するといったことも可能だという。管理職から見れば人事査定の一助にもなるわけで、業務効率化という観点からは心強い。従来のエンタープライズ向けシステムは、何をするにもシステム側の都合にユーザーが合わせるといった感じで、ユーザビリティ(使い勝手)の面は顧みられていなかった。一方、GoogleやAmazonといったコンシューマ向けシステムでは、過去の行動からおすすめの製品を紹介したり、メールを解析して不要なメールは自動的にゴミ箱に捨てるといった快適性をもたらしてくれる。HUEでは人工知能を使ってエンタープライズ向けシステムを、コンシューマ向けサービスの水準にまで高めようとしている。○人工知能がビジネスシーンからなくすものさて、人工知能がビジネスシーンから何を省くか。HUEを事例として取り上げたが、そこからは、単純作業がなくなることがわかる。かつてワープロやパソコンが会社のデスクに登場したときのように、人工知能がビジネスの現場に入り込んでくることは、もはや避けられない。人工知能は、ビジネスを効率的なものとし、ビジネスパーソンが単純作業から開放される世界はすぐそこまで来ている。英オックスフォード大学の論文にもあるように、人工知能が特定の仕事を肩代わりするかもしれないが、どの業種においても、単純作業は減っていく。それによって生じた余裕は、よりクリエイティビティの高い作業に向けられていく。人工知能が本格的に職場で活用され始めたときに、我々はどうすべきか。次稿では、人工知能と共存する時代のビジネスパーソンのあり方について考えてみたい。
2016年01月25日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第3回のテーマは「アンチウイルスの第三者評価」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上のさまざまな脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○アンチウイルスの第三者評価、見たことありますか?今回は、アンチウイルスの性能を評価・比較するうえで参考となる「第三者評価」について解説します。現在、有償無償を問わずに、アンチウイルスを開発する会社や組織は無数に存在します。全世界にいくつ存在して、どれだけの製品がリリースされているのか、正確な数を把握している人は、おそらくいないでしょう。そこで1つ、参考になるのが無料で多くのアンチウイルスソフトの検査ツールを利用できる「Virus Total」です。ここに参加している会社・組織・製品数が、今年9月の時点で「54」でしたので、少なくとも、これと同数以上のものが存在していると言って良いでしょう。日本国内においては、リリースされているアンチウイルス製品すべてを入手できるとは限りませんが、それでも、店頭やオンライン販売、フリーのダウンロードソフトなどで入手できるアンチウイルスが、数十は存在しています。価格以外でこれらを比較検討する時、性能は1つの大きな判断材料となるはずです。アンチウイルスの性能とは何かを考える際、前回・前々回で述べたような機能面の話は、重要な要素です。しかし、本質的に考えれば、マルウェアを何らかの方法で検知することがアンチウイルスの主たる仕事ですから、その検出精度こそが、性能を語るうえで最も重要な要素になるでしょう。ここで参考になるのが、今回の主題である「第三者評価」です。実は、営利・非営利の差異はありますが、アンチウイルスをテストして評価する機関が欧米を中心に複数存在しています。残念ながら、筆者が知る限りでは、日本国内に存在していません。ただ、国内で販売されているアンチウイルス製品を見ていると、「○テストで1位獲得!」などといった表現をセールスポイントとしてアピールしているものを目にすることがあります。1位になることは、素晴らしいことです。ですが、そのテストはどのような基準で何の評価を行っているのかなどを考慮せずに、単に「1位だから素晴らしいに違いない」ととらえるのは早計です。以下に、いくつかの評価機関を紹介しましょう。AV Comparatives(読み方:エーブイ コンパラティブス)独立系の評価機関。評価テストで使用するマルウェア検体数が非常に多いことで有名。テスト評価項目が多彩で、典型的なファイル検知テストのほかにも、ヒューリスティック検知テスト・誤検知率テスト・マルウェア駆除テスト・ファイアウォール評価テスト・パフォーマンステスト・OS毎の検知テストなど十数種類を定期的に実施している。AV Test(読み方:エーブイ テスト)ドイツが本拠地の独立系評価機関。個人・法人・モバイル向けの製品ごとに、検知率テスト・パフォーマンステスト・駆除テストなどを実施。マルウェアとスパムメールの全世界規模の調査集計も行っている。Virus Bulletin(読み方:ウイルス ブリテン)マルウェア検知率テストである「VB100」と、スパム判定率テストである「VBSpam」を二本柱とする評価機関。VB100では、Virus Bulletinが用意したマルウェアサンプルすべてを検知し、かつ誤検知をしないことが認証の条件。また、認証以外にRAP (Reactive and Proactive)テスト結果も公表している。MRG Effitas (読み方:エムアールジー エフィタス)360アセスメント(ItWテスト)とオンラインバンキングテストを二本柱とするイギリスの評価機関。2009年に設立されたMRG(Malware Research Group)が母体となっており、2つのセキュリティ製品を機能ごとに比較するVSテストも実施する。上記の例以外にも、NSS LabsやMatousec、メディアの評価テスト、モバイル系に特化した評価テストなど、数十の機関が実に年間100以上の評価テストを行っています。評価テストの結果は、公表されるものもあれば有償で購入できるものもあり、さまざまです。また、評価テストにも一定のルールが必要ではないかという業界全体の課題意識から、AMTSO(Anti-Malware Testing Standard Organization)という組織が立ち上がり、評価テストに関する標準化を推進する動きもあります。これら評価テストの結果を参考にする際、留意していただきたいポイントをいくつか紹介します。まず、それぞれの評価テストには、すべてのベンダーや製品が参加しているわけではないということです。各ベンダーが自主的に参加するエントリー方式を採用しているテストもあれば、テスト実施側が独自に評価対象製品を選択する場合もあり、中には製品をテストに使用することを禁じているベンダーも存在します。前述の4機関の紹介でも触れたように、テストの手法にも機関ごとに個性があることを知っておきましょう。すべてのテストで最優秀、もしくは1位を常に獲得できる製品がこの世に存在すれば単純にそのソフトウェアを利用すれば良いのですが、現実はそうではありません。ある評価テストで好成績を修めた製品が、別の評価テストではあまり良い成績ではないこともしばしばです。したがって、製品の比較検討を行う際の材料として評価テストを参考にするのであれば、複数の評価機関の継続したテスト結果を参考にするべきです。検知性能にムラがあるようでは安心してセキュリティを任せるわけにはいかないでしょう。さらに、テスト手法や条件、環境などを把握したうえでテスト結果を比較すれば、各製品の強みやクセが見えてくるかもしれません。また、第三者機関と言いつつも、テストによっては、ベンダーがテストのスポンサーになっているケースもあるということを、頭の片隅にとどめておきましょう。そうすればベンダーが掲げる「No.1」というセールストークに惑わされずに済みます。最後に、評価機関が実施するテストは"棄権"こそできますが、現実の攻撃は"パス"できないことを忘れずに。
2015年12月21日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「ACアダプタ」についてです。***ほとんどのスマートフォンはUSBケーブル経由で給電を行いますが、多くの場合ACアダプタが同梱されています。パソコンなどのUSBポートを備える電化製品から給電することも可能ですが、外出時にもコンセントがあれば電力をまかなえるACアダプタは必需品です。現在普及しているACアダプタは、大きく「トランス方式」と「スイッチング方式」に分かれます。どちらもAC(交流)からDC(直流)に変換するという機能は同じですが、前者の構造はシンプルでノイズが少ない反面、鉄心にコイルを巻いたトランスが格納されているために重く大きくなりがちです。後者は制御回路(IC)や高耐圧部品を必要とするためややコストが嵩みますが、効率に優れるうえ小型軽量化が可能です。スマートフォンに関して言えば、付属品のACアダプタは大半がスイッチング方式です。この方式では、DC変換のあとスイッチ素子が高速にオン/オフを繰り返す(スイッチング)ことでパルス波の交流に変換、それを数100kHzの高周波に変換することで小型・軽量なトランスで足りるようになり、大幅な小型化が可能になりました。スイッチング方式をさらに効率化するには、スイッチ素子がオン/オフを繰り返す動作を速める必要がありますが、制御回路の性能や損失電流の問題があります。先日、富士通研究所が発表したACアダプタは、動作抵抗が小さい窒化ガリウムHEMT(GaN-HEMT、窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ)をスイッチ素子として採用、あわせてスイッチングを高精度に制御するICを搭載することで損失電流を抑制し、さらなる小型軽量化と電力効率改善を実現しています。充電速度も向上します。発表によれば、モバイル機器充電時のACアダプターの消費電力を5割削減でき、従来の3分の1の時間での急速充電が可能になるとのことです。実用化は2017年が予定されていますが、メリットが大きいだけに、充電だけでなく普及の速度にも期待できそうです。
2015年12月13日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くのワードは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。マイナビニュースでは、カスペルスキー エヴァンジェリスト前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"というセキュリティ用語を一から解説します。第2回は「エンドポイントセキュリティ」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上の様々な脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○エンドポイントセキュリティとは前回は、アンチウイルスソフトの仕組みについて解説しました。今回は、アンチウイルスをネットワーク、あるいはシステム上のどこに配置できるのかという点を考察します。これを語る上で重要な用語として、エンドポイント(endpoint)があります。エンドポイントは、文字通り「終端」「終点」という意味です。ネットワーク・システム上の終端は、一般的にはPC端末と捉えられがちですが、ウイルス対策におけるエンドポイントは「ウイルスが到達するところ」。つまり、攻撃者がウイルスに感染させる場所と考えるのが妥当です。したがって、PC端末のみがエンドポイントであるとは限りません。ただし、大半のウイルスは、PC端末上で動作するよう設計されています。マルウェア製作者=攻撃者の意図が、ここに表れていると言って良いでしょう。また、OSという切り口で見ると、その感染・攻撃対象の大半はWindowsですが、Mac OSやAndroidも対象です。さらに、ウイルスの種類は少ないですが、iOSやLinuxも例外ではありません。そして、端末というとデスクトップやノートPCを連想しがちですが、ここで説明する"エンドポイント"には、スマートフォンやタブレット、サーバーも含みます。ウイルスが、こうしたエンドポイントや端末へ到達する前に、それを検知する技術や製品があります。メールサーバー用のウイルス対策やWeb通信を中継するプロキシサーバーと連携するウイルス対策、あるいはサンドボックス機能を搭載するファイアウォールといった製品群です。サンドボックス機能搭載型ファイアウォールを称する製品群の多くは、エンドポイントとインターネットとの間に物理的、または論理的に配置されています。ウイルスがエンドポイントに到達する前に、製品内の仮想環境でプログラムを実行し、その動作を元にウイルスの判定を行います。万が一、エンドポイントが感染してしまった場合でも、ウイルスが行う攻撃者との通信を検出して、それを止めるという手法もあります。ここで発生する通信の多くは、攻撃者が感染端末の遠隔操作や攻撃ツールのインストール、窃取データの保管などに利用する攻撃指令サーバー(C&Cサーバー)との間で発生します。ここで注意したい点がいくつかあります。メールサーバー用のウイルス対策やプロキシサーバー連携型(製品によってはサーバーと一体型)のウイルス対策は、パターンマッチングやそれを基礎にしたヒューリスティック検知といった、比較的古典的なウイルス検知手法がメインです。サンドボックス機能搭載型ファイアウォールは、仮想環境を搭載するため、製品のリソースが大きくなり、配置に苦慮することもあります。また、仮想環境内での実行を検出するウイルス側の(悪い意味での)技術進歩に対抗し続ける必要もあります。例えば仮想環境であることをウイルス自身が検出するケースがあり、その場合、ウイルスとしての動作を行わないという"検知回避技術"を実装するウイルスも少なくありません。エンドポイント上での対策としては、アンチウイルスの導入が最も普及しています。アンチウイルス自身が持つ検知機構については、前回の解説を参照していただくとして、エンドポイントで動作するアンチウイルスの最大の利点は、ウイルスが動作する環境そのもので精査できるということでしょう。多重防御や多層防御という言い回しが、製品・ソリューション紹介などでよく使用されます。これは、エンドポイントのセキュリティ以外でも、セキュリティソリューションの導入を勧める場面で使われることが多いようです。しかし、アンチウイルス自体もウイルスを検知する手法として、多重・多層の機能を内部に備えていることを忘れてはなりません。防御に100パーセントはあり得ませんが、少なくとも、仮想環境での検知を備えていれば従来型の検知手法は不要ということにはなりません。また、エンドポイント到達前に検知できる製品を導入したからと言って、エンドポイントのセキュリティが不要ということにもなりません。それぞれの利点と不得意点を理解し、補完できるものとして捉えることが妥当でしょう。次回は、今回解説したエンドポイントセキュリティの第三者的評価について解説します。
2015年12月08日情報セキュリティにはさまざまな専門用語がありますが、その多くは「詳しくわからない」「他人に説明できるほどではない」という方が多いのではないでしょうか。そこで、マイナビニュースでは、カスペルスキーでエヴァンジェリストを務める前田氏に寄稿いただき、"ググってもわからない"セキュリティ用語を一から解説します。第1回のテーマは「アンチウイルス」です。著者プロフィール○前田 典彦(まえだ のりひこ)カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリストマルウェアを中心としたインターネット上の様々な脅威解析調査の結果をもとにし、講演や執筆活動を中心とした情報セキュリティ普及啓発活動に従事○そもそもアンチウイルスとは?アンチウイルス(ウイルス対策)ソフトウェアは、企業や団体で導入していないところを探すほうが難しいほど、セキュリティ対策としては浸透しているものです。それほどまでに一般化したこともあり「ウイルスの侵入を防ぐためのソフトウェア」という漠然としたイメージが定着していますが、実際にどのような仕組みになっているのか、調査・確認をする人は、それほど多くないと思います。そこで今回は、アンチウイルス・ソフトウェアの一般的な動作とマルウェアの検出ロジックを解説します。○どうやってマルウェアを検出するのか?アンチウイルス・ソフトウェアが悪性のプログラムコードやファイル(本稿では総称してマルウェアと言います)を検出する手法は、単一かつ画一ではありません。多くの製品の場合、複数の検知機能を組み合わせることでそれを実現しています。その代表格が、伝統的な手法であるパターンマッチングです。あるコードに対して、それと一致する定義ファイルを作成し、各クライアント端末に配布します。クライアント端末内に一致するコードがあれば、マルウェアと判定するのです。この手法は、攻撃者がマルウェアを作成することに対して常に"後追い"となるので、一致する定義ファイルを作成するまでは検知できません。そのせいか、この点だけを強調して「アンチウイルスでは検知できないマルウェアが増えている」「ウイルス対策は時代遅れ」などの発言を見聞きする機会が増えている印象があります。ですが、パターンマッチングのみでマルウェアを検知しようとする製品はほとんどなく、各社の製品はこれ以外にも複数の検知機能を実装しています。○ヒューリスティック検知とは?パターンマッチングに続き、その弱点を補完するものとして「ヒューリスティック検知」という手法が各社で開発され、実装されていますが、それも10年以上前のこととなっています。出始めの頃は、パターンマッチングに比べて誤検出(悪性ではないものをマルウェアとして検出すること)が発生しやすい問題もありましたが、各社の開発が進むにつれ、現在の検知精度は非常に高いものとなっています。ここで注意すべきことがあります。ヒューリスティックという用語は、開発各社によって微妙に意味合いが異なり、同じような名称の機能であっても、実はその手法が技術的に異なることもあるのです。パターンマッチングが「完全一致検索」だとします。これに対して「あいまい検索」のような手法もヒューリスティックの一種ですし、「ふるまい検出型(プログラムの動作あるいは動作の結果を判定してマルウェア検知を行う機能)」の手法をヒューリスティックと呼ぶ製品もあります。もともと、ヒューリスティック(heuristic)という用語自体が、コンピュータやプログラムの世界では「推測、あるいは経験則的に最適解を選択する」という意味合いですので、こうした状況もやむを得ないのかもしれません。ここで筆者が言いたいことは、ヒューリスティック検知という手法は、製品によって差異があるので、機能を比較する際に、同一視することは注意が必要だということです。○性能差はどこで生まれる?上記以外にも、アンチウイルス・ソフトウェアには、マルウェアを検知するためにさまざまな手法が採用されています。代表例としては、プログラムによる通信を判別するファイアウォール機能や、Web閲覧の内容を精査するWebアンチウイルス機能、メールに特化したメール・アンチウイルス機能、ルートキット検知に特化した機能などですが、ここでは説明しきれないほどの多くの検知機能が各社で開発されています。また、各社から製品として出荷される際には、これら多くの機能が組み合わさった形で1つの製品に内包されていることもあれば、機能ごとにある程度切り出された形で製品化されているものもあります。そのうえ、初期状態ですべての機能が有効化されているとは限りません。この辺りは、完全にメーカー各社に依存する世界です。さらに言えば、マルウェア検知の中心機構となる「エンジン」ですが、他社が開発したものを複数搭載する製品も存在します。ただ、機能の豊富さやエンジンを複数搭載することが、単純比例的にアンチウイルス・ソフトウェアの検知力を高めるとは限りません。それぞれの機能が本来の目的を果たしうる"質"を持ち、それらが一体となり、初めて「あらゆる脅威に対して多重防御を実現」できるのです。結論としては、マルウェアの侵入経路や攻撃手法に合わせて、あるいはそれを先取りする形で、各社は検知機能を開発し、実装しています。各社製品のマルウェア検知能力は、これら機能の組み合わせで成立しており、当然のことながら、メーカー各社は検知の能力と精度を高めるために、技術力・開発力でしのぎを削っています。加えて、検知能力の原動力となるマルウェアの収集力や解析能力、攻撃者の心理から脅威のトレンドまでを調査する研究力が、製品の性能を大きく左右することも忘れてはなりません。
2015年12月02日アイキューブドシステムズは11月26日、iOS 9 の主要なビジネス向け機能をまとめた解説書「iOS 9 ビジネス向け機能強化ポイント解説」の公開を開始した。解説書は、企業・教育機関・医療機関におけるiOS端末のビジネス利用を想定しており、同社が11月20日時点の情報をもとに、独自に調査・作成した。解説は5つのステップに分かれており、「1.iOS 9 のビジネス向け機能強化一覧」「2.iOS 9を徹底活用するための事前準備」「3.デバイス管理/運用機能の強化」「4. アプリ管理/運用機能の強化」「5.コンテンツ管理/運用機能の強化」と、iOS 9の導入からビジネス利用のポイントを詳しく解説している。解説書の形式はPDFファイルとなっており、同社のWebページから無料でダウンロードできる。閲覧には、Adobe ReaderなどのPDF閲覧ソフトが必要となる。なお、同社はiOS 9のビジネス向け機能強化を解説するセミナーを同社の社内、Apple Store銀座内で12月に5回に分けて実施する。参加費は無料で、参加を希望する場合は、同社のWebページから必要事項を記入して申し込む。
2015年11月27日今回は、"知らないと怖い"名義に関する用語のあれこれについて解説します。○保証人と連帯保証人 - 似ているけど大きな違いが!保証人…債務者が返済不能になったときに、債務者に代わって返済義務を負う人のことです。大切な点は債務者が返済できないときですので、保証人は債権者に、まずは債務者に請求するように言い渡すことができます(「催告の抗弁権」)。住宅ローンを借りる場合も保証人は必要です。ただしほとんどケースは保証人の代わりに保証会社を利用し保証料を支払う形で住宅ローンを利用しています。今まで扱った事例の中で、かなり昔ですが1例だけ父親が保証人になったケースがありました。(※住宅ローンの保証料 : 保証会社に所定の保証料を支払うことにより、保証人を立てる必要がなくなります。保証料の支払いは借り入れの際に一括し払うか、一部又は全部を返済額に組み入れる場合があります。保証料はかなり高額で、1,000万円を35年返済の場合一括支払いの場合は20万円から80万円程度です。当初の期間より短い期間で一括返済した場合は、その分の保証料が戻ってきます。注意が必要なのは、保証料の支払いによって返済が難しくなった場合に代わりに返済してくれるものではありません。債権者が保証会社に代わるだけです)(※証券化ローン(フラット35等)の場合は、債務者が支払い不能となり、貸付金の返済が滞るリスクは投資家が負うので、保証料は不要です)連帯保証人…保証人との違いは、債務者が返済できないときに限らず、債権者の請求があったときは返済の義務がある点です。返済能力はあってもなかなか支払わない債務者に対して、債権者は連帯保証人に請求することができ、債務者とほぼ同じ扱いです。「催告の抗弁権」は連帯保証人には無いのです。1日でも返済が遅れれば、請求される場合があります。(※住宅ローンの連帯保証人については下記の連帯債務者の項目を参照ください)○債務者と連帯債務者 - 連帯債務者は万一の場合のリスクについて充分な検討と対策が必要債務者…お金を借りた本人のことで、住宅ローンであれば、借り入れた人が債務者となります。貸した側は債権者です。連帯債務者…フラット35の例で言えば、「収入合算」の場合の合算者、「親子リレー返済」を利用する場合の後継者は連帯債務者になる必要があります。また、共有名義にする場合、共有者は連帯債務者になることができます。夫婦や親子などが共同でお金を借りた場合はそれぞれが「本人」となります。連帯債務者は、借入れた金額全額に対して返済の義務を負います。債務者が死亡した場合は、団体信用生命保険に加入していれば、保険金で残債が支払われますが、債務者が保険金の支払い対象とならない理由で返済不能になった場合は連帯債務者が返済しなければなりません。注意が必要な点は、連帯債務者を保護する保険等が万全でないことです。フラット35を例にすれば、夫婦の場合は一緒に団体信用生命保険に加入できますが、親子リレーの場合はどちらかのみとなります。○担保提供者 - ローンの債権者以外でも担保提供しなければならないケースがある住宅ローンを借りる場合は、その住宅に抵当権を設定して、その住宅を担保として提供しなければなりません。フラット35の場合、建物の敷地にも抵当権が設定されます。敷地の所有者が配偶者や直系親族の場合も同様です。つまり、親の土地に子供が住まいを建ててフラット35を借り入れた場合、親の土地に抵当権が設定されます。親は担保提供者となります。同様に夫婦・親子などで共有名義にした場合、共有名義者は自分の持分にも、抵当権設定と言う形で担保を提供する必要があります。○団体信用生命保険(団信) - 有利な団信。任意加入の場合でも是非加入を!団体信用生命保険…住宅ローン返済中に債務者に万一の場合、債務者に代わって残債が支払われる制度です。民間ローンは、原則強制加入です。特約料は毎年ローン残高に応じた額を支払う場合と毎月の返済=金利に組込まれている場合があり、その分金利は高くなります。また最近は「癌になったとき…」など特徴を持たせたタイプもありますので、金利は表面的な利率だけでなく、含まれている内容にも注意ください。デュエット…フラット35は、連帯債務者である夫婦二人で加入できる公庫団体信用生命保険制度があります。どちらか一方に万一の場合は、持分にかかわらず残りの住宅ローン全額が支払われます。特約料は1.55倍になりますが、連帯債務者の場合の万一のリスクをよく考えれば、検討すべき商品です。親子リレー…親子リレーで融資を受ける場合は、親子で加入はできず、どちらかの加入になります。ただし親が団信に加入し、80歳の誕生日の属する月の末日の保障が終了する日に到達した場合は、子が団信に加入できます。(※各銀行によって異なる場合がありますので、詳細は個別にお問合せください)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年11月10日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「キャップレス防水」についてです。***コネクターのように金属部分が露出している部品を防水対応させるときは、シリコンのような柔軟性で周囲にフィットし、水の侵入を妨げる部材を保護カバー(キャップ)として使うことが一般的です。しかし、端子を取り付けるときにはキャップを外さなければならないうえ、外したキャップの保管場所という悩ましい問題が発生します。長期間使用するうちにキャップの形状が変化し、そこから水もれが発生することもあります。「キャップレス防水」は、文字どおりキャップなしでの防水を実現します。コネクター部分に防水処理が施されているため、キャップを取り付けないまま水に濡れても故障しません。キャップのように頻繁に着脱することで次第に変形し、やがては防水性能が損なわれてしまうトラブルもありません。キャップの紛失も生じないため、防水性能を長期間維持できます。ただし、端子部分が水に濡れたまま装着(通電)すると故障の原因になるため、水滴を拭き取るなどしてからの装着が前提です。この機構を採用したスマートフォンは、「Optimus G」や「AQUOS PHONE ZETA」、「DIGNO R」など多数存在します。2015年春発表の「Xperia Z4」にも、マイクロUSB端子とヘッドホン端子部分にキャップレス防水が採用されています。ただし、キャップレス防水そのものは防水等級と無関係です。Xperia Z4を例にすると、防水等級は短時間の噴流に耐えられる程度の「IPX5」であり、常温で30分ほど水没させても支障ない「IPX7」には及びません。キャップレス防水に対応したコネクタは、水密性を発揮できるよう高精度に取り付けられているため、完全に元どおりとしないかぎりその部分から浸水してしまう可能性があり、自己流の分解は控えたほうが無難といえるでしょう。
2015年10月20日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「マルチキャリアMVNO」についてです。***マルチキャリアMVNOとは、複数(マルチ)の携帯電話会社(キャリア)に対応する仮想移動体通信事業者(MVNO)という意味合いで用いられる造語で、定義が確立しているわけではありません。とはいえ、今後同じアプローチで製品展開を行うMVNOは増えそうです。これまでのMVNOサービスは、特定の携帯電話会社と提携する形で展開されてきました。A社のSIMはドコモの回線、B社のSIMはauの回線……とサービス会社ごとに決められているため、MVNOを利用する場合はどの携帯電話会社の回線かを事前に吟味する必要がありました。一方マルチキャリアMVNOは、購入後に自由なタイミングで回線(契約プラン)を切り替えることが可能になります。異なる携帯電話会社の回線を選べることは、端末の選択肢が増えることを意味します。たとえば、ドコモとauに対応したマルチキャリアMVNOサービスであれば、ドコモかauで販売されたスマートフォン(ドコモまたはauにSIMロックされた端末)はSIMロック解除申請することなく利用できます。SIMフリー/SIMロック解除済端末の場合、利用するエリアに応じてドコモとauで快適なほうの回線を使う、といった使い方も可能になります。auの回線を利用したMVNOサービスを提供してきた「mineo」は、9月からドコモ回線にも対応、個人向けでは日本初となるマルチキャリアMVNOサービスを開始しました。au回線を使うプランを「au(A)プラン」、ドコモ回線を使うプランを「ドコモ(D)プラン」という名称で提供し、両プランは安価な手数料で切り替えることができます。対応端末はDプランが約200端末、Aプランが約50端末と制約がある(サービス開始前段階)うえ、VoLTE対応は11月以降でSIMの交換が必要など導入のハードルも存在します。しかし、ドコモ/au間でパケットの融通を可能にするなどの配慮もあり、マルチキャリアMVNOの可能性を感じさせるサービスとなっています。
2015年10月19日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「感圧タッチ」についてです。***感圧タッチ(Force Touch)とは、指先やスタイラスペンで押す力の強弱を利用した操作体系で、感圧センサーを利用したパネル(感圧方式)により実現されます。Apple Watchの液晶パネルやMacBookのトラックパッドに採用されたことで注目を集め、今後各社のスマートフォン/タブレットに採用されることが期待されています。従来の液晶パネルは、その多くがタッチセンサー技術として静電容量方式が採用されてきました。人体が発する静電気を感知する静電容量方式は、軽く触れただけで反応するため手書き入力しやすく、複数点の検出が可能(マルチタッチ)などのメリットがある反面、誤作動しやすいというデメリットがあります。感圧タッチを採用することのメリットには、操作バリエーションの増加が挙げられます。画面を軽くタッチしたときにはスタート、強めに押し込んだときはキャンセル、などとタッチの強弱でスマートフォン/タブレットの反応を変えることができます。たとえば、2015年8月にファーウェイが発表したAndroid端末「Ascend Mate S」は、操作時の指の力の入り方を感知し、画面の端を軽くスワイプしたときはムービー再生位置の調整、強くスワイプしたときは音量の調整と、同じ操作であるにもかかわらず力の入り具合で反応が異なります。ただし、感圧タッチのユーザインターフェイスは、Android OSでは正式にサポートされていません。公式発表されてはいませんが、前述したAscend Mate Sはファーウェイが持つ独自のユーザインターフェイス(Emotion UI)により感圧タッチを実現していると推測され、一般デベロッパーによる感圧タッチ対応のアプリは開発できないものと考えられます。いずれこの機能に完全対応したイラスト作成アプリが登場すれば、肉筆に近いタッチで描けるようになることでしょうが、それにはOSレベルでのサポートが待たれます。
2015年09月07日ビジネスメールもウェブメディアでも、小難しそうなカタカナ用語がいっぱい! しかも、その数は年々増えている気がします。前後の話の流れでなんとな~く意味を察して、理解できているような気がしていても、誰かから「どういう意味か説明して」と言われると…思わず口ごもってしまいませんか? かくいう筆者も、まさにそのパターンです。そんなわけで、最近頻繁に見聞きするカタカナ用語を調べ、筆者なりの解説にチャレンジしてみます。■誰かに聞かれても怖くない! 頻出するカタカナ用語をざっくり解説【エビデンス】証拠、根拠、証言、痕跡などの意味を持つ英単語。出典: IT用語辞典e-Words ビジネスシーンでの「言った・言わない」トラブルを避けるため、メールや録音など何らかのかたちで記録を残すことを意味します。「きちんとエビデンスを残しておいて」というような使われ方。医療業界では意味合いが少し異なり、「データに基づく科学的根拠」などを指します。【キュレーション】キュレーションとは、IT用語としては、人手で情報やコンテンツを収集・整理し、それによって新たな価値や意味を付与して共有することである。出典: IT用語辞典BINARY 最近よく目にするまとめサイトをイメージするとわかりやすいかもしれません。媒体そのものが記事作りをしているというより、あちこちにある記事を集めてコンテンツとして成り立たせていることが多いです。「キュレーター」は、情報をまとめる人を指す言葉として使われています。 【コンセンサス】意見の一致。合意。出典:三省堂 大辞林ちなみに「三省堂 ワードワイズ・ウェブ 」によれば、ビジネス用語として使うときには「根回し」のニュアンスを持つことが多いとの記述が。つまり、「●●にコンセンサスを取っておいて」と言われたなら、「●●に合意を取っておいて」もしくは「●●に合意を得られるよう根回ししておいて」と言っているんだな、と考えればよいわけですね。【サスティナブル】持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。出典:デジタル大辞泉持続可能であるさま…? それだけだとわかりづらいですが、平たく言うと「これからもずっと安心して地球上で暮らし続けていけるような、地球環境にやさしいさま」ということです。「サスティナブルデザイン」は環境を配慮したデザイン、ということに。【バジェット】政府などの予算。予算案。また、特定の用途のための経費。出典:デジタル大辞泉それなら「予算」、「経費」と言えばよいのでは…と思ってしまいますが。調べてみるとどうやら「低予算」、「安価」というニュアンスの使われ方もしており、「バジェットホテル」、「バジェットレンタカー」など、形容詞的に使われているケースもありました。これらのカタカナ用語、数も使用頻度も年々増えていることを考えると、知っておいたほうがビジネスのやりとりがスムーズになると言えそうです。もしもよく意味がわからない用語に出くわしたら、知ったかぶりはせずに素直に聞いてみるのも手です。案外、聞かれた相手のほうだってモゴモゴしちゃうかもしれませんよ。
2015年09月06日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「生体認証」についてです。***個人情報のかたまりともいえるスマートフォンは、セキュリティに対する市場の要求がますます高まりつつあります。かつてはロック解除時にパスコードやパターンを入力する程度でしたが、スマートフォンに資金決済の役割が期待されるようになった背景もあり、体の一部を判断材料とすることでより厳密に個人を特定できる「生体認証」をサポートする端末が増えています。現在スマートフォンで利用される生体認証は、「指紋認証」が主流です。高精度センサーで指紋を読み取ることで、端末の正統な所有者かどうかを判定します。以前はAndroid端末にもメーカー独自機能として採用されていましたが、指を押さえたままで認証する技術を持つ企業がAppleに買収されたことにより、Galaxy S6シリーズなど一部を除き、Android端末での採用事例は急減しました。バージョン4以降のAndorid OSでは顔認証もサポートされていますが、Android 5.0 Lollipopでは「トラステッドフェイス」として機能強化されました。登録済の顔とインカメラで映した顔が一致するかどうかで認証する技術で、まばたきしなければ認証が通らない(顔写真でだませない)などの改良が施されていますが、認証に時間がかかるうえ暗い場所では使えないため、あまり普及していません。Android OSの次期バージョン「Marshmallow」では、OS標準の機能として指紋認証をサポートします。指紋認証用センサーの搭載が条件にはなるものの、端末のロック解除はもちろんGoogle Playでの支払いなどにも利用できるようになります。今後はAndroid端末でも、指紋認証をサポートする機種が増えそうです。メーカー独自の技術も進展しています。富士通がARROWS NX F-04Gで採用した「虹彩認証」は、ひとりひとりで異なるとされる虹彩(瞳孔の周縁部分)のシワを検出、個人を特定します。最初の登録に時間がかかる、ロック解除以外使えないなど改良の余地はありつつも、認識精度の高さは指紋認証を上回るとされる技術ですから、今後普及する可能性は大です。
2015年08月31日ビジネス会話やビジネスシーンで、特定の人物名が出てくることがよくあります。ただしその人物名を挙げられても、その人がどんな人なのかよく知らない……ということもあるのではないでしょうか。そこでビジネスシーンでよく取り上げられる人物について、ご紹介いたします。■ピーター・ドラッカービジネスシーンでよく耳に入ってくる「ドラッカー」という言葉は、ピーター・ドラッカーという経営学者の人物名のことです。ドラッカーはマネジメントという概念を発明したことで有名な人物で、政治・社会・経済・経営・組織関連の本を多数残しています。日本では主にドラッカーの経営・組織関連の本がよく読まれており、そのためビジネスシーンで、その人物像やドラッカーの提唱した概念について紹介されることが多いようです。日本で人気のあるドラッカーの本が「現代の経営」、「マネジメント」、「創造する経営者」、「経営者の条件」、「チェンジ・リーダーの条件」、「プロフェッショナルの条件」等です。名前と共に本の内容も紹介されることが多いので、一度目を通しておくとよいかもしれません。■アルフレッド・アドラー「ドラッカー」と共にビジネスシーンでよく出てくる人物名が「アドラー」です。これはアルフレッド・アドラーという心理学者のことで、この言葉がよく出てくるのが、ビジネスで起こる人間関係の悩み、社員育成、自己啓発に関しての知識やスキルを紹介する場面です。人の問題・悩みをどう解消していくかという場面で、アドラーの思想や、アドラーの創始した「アドラー心理学」について紹介されるケースが多くあります。アドラー心理学を紹介した本でよく読まれているのが、「嫌われる勇気」、「人生に革命が起きる100の言葉」、「アドラー心理学入門」等です。その他にもアドラー心理学について書かれている本は多数あります。ドラッカーと共に一度目を通しておきたい本です。■スティーブン・R・コヴィーアメリカの作家であり、経営コンサルタントでもある「スティーブン・R・コヴィー」も、ビジネスシーンでよく取り上げられる名前です。特にビジネスシーンでは世界的に大ベストセラーとなった「7つの習慣」という本の内容と共に、タイムマネジメントをどのように行えばいいか、個人の自立・成長を促すにはどうすればよいか等を語るとき、また社員研修時によく取り上げられています。カタカナビジネス用語と同様、その人物についてよく知らないと、その人物を取り上げ何を伝えようとしているのかがわかりづらい、海外の著名な人物名。ぜひこの機会に、ビジネスでよく取り上げられるこの3人の著書に目を通してみてはいかがでしょうか?(画像は本文と関係ありません)
2015年08月25日三省堂は17日、IT(ICT)用語を解説した書籍『ICTことば辞典』(大谷和利、三橋ゆか里、江口晋太朗 著)の電子書籍版の配信をKindleストアおよび楽天Kobo電子書籍ストアで開始した。希望小売価格は税別1,600円。iBookstore、BookLive!、Reader Store、ブックパスなどからも購入可能。同書は、画像、図版、やさしい言葉を用いて、身近な事例を交えながら、IT(ICT)用語を解説した辞典。収録用語は250ワード。時代のニーズや話題性の高い項目を選び、"読む"ことにも重点を置き、一般書の面白さも兼ね備えたものになっているという。また、脳科学者の茂木健一郎氏や言語学者の投野由紀夫氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、劇作家の柴幸男氏など、各界の第一線で活躍する10名のコラムも収録、幅広い視点からIT(ICT)の知識が身につくという。電子書籍版は前ページがフルカラーとなっており、文字の大きさや行間を任意のサイズに設定できる。
2015年08月17日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は『MIL規格』についてです。***MIL規格は、米軍が調達する物資の規格/評価ガイドラインです。その対象は武器や大型運搬機、腕時計やスマートフォンなどの精密機器/電子機器、被服やアクセサリ類まで多岐にわたります。極端な気温の上下やほこりの多い場所など、過酷な条件下での使用に耐えうる製品であることの裏付けとなります。その規格番号は「MIL-○○○」の部分には標準を意味する「STD」、仕様を意味する「SPEC」などが入れられ、「△△△」の部分には規格番号、「□」の部分にはリビジョンがアルファベットで入れられます。「MIL-STD-810G」を例にすると、米軍標準810号の第7版ということがわかります。スマートフォンや小型電子機器に関係するMIL規格としては、耐環境性試験の規格であるMIL-STD-810、MIL-STD-188(電気通信)、MIL-STD-202(電子部品)などがあります。そのうちMIL-STD-810には、低高温環境での動作や許容範囲、湿度や水分/塩分に対する耐久力を測定するための基準とテスト方法が示されています。たとえば、京セラが2015年2月に発表したAndroid端末「DIGNO U」は、耐衝撃/耐振動/防湿/温度耐久/塩水耐久など複数のテストをクリアし、MIL-STD-810G準拠の製品として販売されています。そのうち耐衝撃性については、テスト方法(516.6:Shock-ProcedureIV)を示したうえで、製品を1.22mの高さから合板に26方向で落下させたことが明らかにされています。定められたテストのすべてをクリアする必要はなく、取得した認証についてテストの手順と結果を示せば足ります。MIL規格の詳細は、国防総省標準化プログラムのWEBサイト(下記)から参照できます。
2015年08月15日スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「インカメラ」についてです。***現行モデルのスマートフォンは、その多くが2台のカメラを搭載しています。1台は背面に、もう1台は液晶パネル側に搭載することで、自分が見る景色と手前方向の両方をスマートフォンの向きを変えることなく撮影できます。そのうち手前方向を撮影するカメラが「インカメラ」で、ビデオ通話や自撮り(セルフィー)が主な目的です。基本的には、それなりの水準で撮影できればいいという扱いのカメラであり、風景や人物を美しく撮ることが求められる背面側のカメラ(アウトカメラ)と比較すると、スペック的には劣後したものが採用されてきました。具体的には、アウトカメラのほうが解像度が高く、レンズのF値も少ない(少ないほど明るい)傾向にあります。アウトカメラにはほぼ確実に用意されているフラッシュも、インカメラでは見かけません。鏡が取り付けられたセルフィー用の棒(自撮り棒)が販売されていますが、これは画質に優れるアウトカメラでセルフィーするための仕掛けです。しかし、セルフィーの需要が高まるにつれ、インカメラの性能/画質が重視されるようになりました。日本より早くセルフィー人気が定着した海外ではその傾向が顕著で、アウトカメラ並の画素数を持つインカメラを備えたAndroid端末が多数発売されています。日本におけるセルフィー需要は高まりつつあり、国内メーカーも動き出しました。ソニーモバイルが8月に発表したXperiaの新モデル「Xperia C5 Ultra」(国内発売未定)は、イン/アウトとも画素数が同じ1300万画素の「Exmor RS for Mobile」センサーを採用、そのうえインカメラ側にもオートフォーカス機能とフラッシュを装備しています。インカメラの画質に不満を感じている消費者が多いという調査報告も出ていますから、今後インカメラの性能を重視した新製品が増える可能性は高いといえそうです。(記事提供: マイナビニュース・携帯ch)
2015年08月14日