「厚生年金保険」について知りたいことや今話題の「厚生年金保険」についての記事をチェック! (3/34)
先日、漫画家の小田原ドラゴンさん(52)が「銀行口座から2千万円以上のお金が“サシオサエ”という名目で抜き取られました」と告白し話題に。国民年金保険料の滞納(以下、国民年金滞納)による年金事務所からの差押さえだったという。「国民年金滞納による差押さえ(強制徴収)は、ここ10年ほぼ右肩上がりに増えています。ただ、いきなり差押さえにはなりませんし、滞納者全員が強制徴収されるわけではありません。支払う能力があるのに、長期にわたって滞納している人が対象です」そう指摘するのは、債務問題に詳しいアディーレ法律事務所の谷崎翔弁護士。そもそも国民年金は、国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が被保険者(加入者)となる。現在、65歳までを納付対象にするという議論の真っ最中だ。国民年金の滞納分が差押さえになるまでの流れは、次のとおり。「滞納を続けると、まず電話や文書、戸別訪問などで『支払ってください』という『納付督励』があります。それでも支払いがないと、自主的な納付を促すための『最終催告状』が届きます」(谷崎さん、以下同)2019年は14万2871件の「最終催告状」が送られた(日本年金機構の資料より・以下同)。「これも無視すると『督促状』が届き、この支払い期限以降は、延滞金が発生します」滞納期間が長くなるほど、延滞金も高額になる。2019年に「督促状」が送られた数は8万9615件。「その後、『差押予告通知』が届き、最終的に『差押』(強制徴収)となります。差押さえ件数は2012年に6208件、2013年は1万476件と年々増え、2019年には2万件を超えました」冒頭の小田原ドラゴンさんは「20年近く未納で、数年前から“電話(納付督励)”があり、ある日を境に“封筒”が届くようになった」と語っている。「1千万円以上の年収があり、連絡がないと目をつけられやすい。必ずしも差し押さえられた口座に入っている全額が取られるわけではなく、滞納分以上の預金が口座に入金されている場合には、滞納分を差し引いたお金が口座に残ることになります」しかし、なぜ国民年金滞納者に対し、差押さえをするほど厳しくなっているのだろう。「かつての社会保険庁による、ずさんな年金記録問題を覚えていますか?この社会保険庁に代わる組織として、2010年に発足したのが日本年金機構です。毎年公開している『業務実績報告書』には一貫して『保険料の負担能力がありながら保険料を滞納している、ほかの被保険者の納付意欲にも影響を与えかねない滞納者に対しては、強制徴収による対応を行う』という旨の記載があります。年金保険料を納めている人の、滞納者への不公平感を排除し、年金行政に対する信頼を確保するべく、徴収体制を厳しくしているのでしょう」とはいえ、滞納者全員が差押さえの対象になるわけではない。「たとえば2014年は税金控除後の年収が400万円以上で13カ月以上滞納している人が対象でした。これが2018年には300万円以上で7カ月以上滞納となり、年々増えています。一昨年と昨年はコロナ禍のため、差押さえ自体を自粛したり、一時的に要件となる年収が上がりましたが、今後また、年収300万円以上に戻ると予想されます」差し押さえられるのは預貯金や給与などに限らないとも。「競売にかけるなど手続きが煩雑なため、私の知る限り個人の滞納に関して事例はないようですが、自宅などの不動産、自動車も差押さえの対象となりえます」そう話す谷崎さんのところには近年、国民年金滞納の相談に訪れる人が増えているという。その事例を見ていこう。■滞納を続けて1年……20万円超の請求が!【滞納分20万円超を支払うため、借金をした50代主婦】「コロナ禍で仕事を頑張ろうと、個人商店に勤務し、年収130万円を超えたことで、夫の扶養枠から外れた主婦。厚生年金には入れず、国民年金への加入手続きについては詳しくなくて、滞納が続きました。1年後、20万円を超える請求が来て驚き、夫に相談できず、貸金業者から借りて、年金の滞納分はなんとか納めましたが、さらに借金がかさんで、相談に。このように滞納していることを家族に言えず一人で悩んでいる人や、離婚をして第3号被保険者を外れた後、国民年金への切替え手続きをしていなくて、知らぬ間に滞納している女性は多いのです」【子どもの滞納分約20万円を請求された50代男性】「『納付督励』の電話がかかってきたことで、30代の息子さんが約1年半、20万円超未納であることを知り、驚かれて相談がありました。『すぐに年金事務所で分納の相談をしてください』と助言しましたが、滞納をしている本人だけでなく、世帯主や配偶者にも支払い義務が生じるという例です」【5年滞納し、約120万円差し押さえられた自営業の50代男性】「商売がうまくいかず5年ほど滞納した男性。督促状もそのままにしていたところ、ある日、通帳記入をすると120万円が『差押』に。銀行口座の残高が急に少なくなり、驚いて通帳記入をしたところで差押さえに気づく人もいます」そこで、保険料を支払う余裕がなくなり、滞納を続けて、ついには差押さえ……などという事態に陥らないためには、どうすればよいのだろう?「失業などで収入が前年より減ってしまい、保険料の納付が困難になったら、まずは年金事務所に相談に行ってください」支払う意思があることと、現実的に困難な状況であることを、伝えることが大切だという。「相談をしたうえで、申請すれば、全額あるいは一部の支払いが免除されたり、猶予される制度があります。また、一括ではなく分納で支払うこともできます。何も手を打たずに放っておくと、支払う意思がないと捉えられ、差押さえの対象になりかねませんので注意してください」滞納による差押さえは、これからますます増えると谷崎さん。「現在の物価上昇で支出が増え、社会保険の負担も重くのしかかってくると思います。だからこそ、家計は家族全体の問題と捉え、お金のことだからと遠慮せず、話し合い、助け合うことが大切です」家計を、そして大切な家族を守るためにも、お金の悩みを一人で抱え込むのは絶対にやめよう。
2022年11月03日「昨年6月に太陽生命が発売した『がん・重大疾病予防保険』は、がんと診断確定された場合、最高2千万円の一時金が受け取れる保険。その金額の大きさには、正直私も驚きました」と話すのは、『NEWよい保険・悪い保険2022年版実名ランキング』の共同監修などでおなじみの“保険のプロ”長尾義弘さん。それまで、がん保険の一時金でもっとも高額だったのは、同年4月発売のオリックス生命「がん保険Wish(ウィッシュ)」の最高600万円。ほかのがん保険の一時金は100万円程度が一般的だった。「今年11月には、一時金最高800万円の三井住友海上あいおい生命『&LIFEガン保険S(スマート)セレクト』も登場。高額一時金をメインとした新たながん保険が増えている大きな要因は、がん治療の進歩です」長尾さんが厳選した、がん保険「診断一時金」高額ランキング上位3つの商品の特徴を解説してもらった。【1】太陽生命「がん・重大疾病予防保険」(スマ保険)「がんと診断確定されたら、最高2千万円を受け取れます。そのほかにも急性心筋梗塞・脳卒中で手術を受けたときや、糖尿病・高血圧性疾患などで所定の状態に該当した場合にも、同額の一時金を受け取れます。予防保険なので、一時金を受け取った時点で保障は終了」【2】三井住友海上あいおい生命「&LIFEガン保険S(スマート)セレクト」「今年11月2日発売予定の新商品。主契約を『診断給付型』に設定した場合、診断給付金は最高800万円。それ以降も1年に1回を限度に再発・転移などでの治療時も回数無制限で受け取ることができます。2回目以降の給付条件は、がんの治療のために入院していることになります」【3】オリックス生命「がん保険Wish(ウィッシュ)」「がん一時金は100万円ですが、最初にがんと診断されたときだけでなく、再発・転移した場合も、1年に1回を限度に回数無制限で受給可能。加えて悪性新生物初回診断一時金を1回のみ最高500万円受け取れます」ひとつ注意してほしいのは、診断一時金が高額になるほど、月々の保険料負担も増加することだ。「太陽生命の『がん・重大疾病予防保険』は、女性が50歳で加入した場合、一時金1千万円を受け取るには月々1万2696円、2千万円の場合は月々2万4346円の保険料支払いが必要。現在の自分の生活設計に合った一時金を設定することが大切です」自分の将来を見据えて、検討してみてはいかがだろうか。
2022年11月02日10月13日、河野太郎デジタル大臣は、24年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化すると表明しました。マイナ保険証とはマイナンバーカードに保険証の機能を追加して、病院などで保険証として使うもの。受付けがスムーズになる、特定健診などのデータが閲覧しやすいといったメリットがあるといいます。ですが、マイナ保険証を使うには専用の読取り機が必要です。日本には約23万の医療機関がありますが、10月16日時点で読取り機が設置済みなのは約7万3千カ所。約3割にとどまります。読取り機の購入には補助金が出ますが、システム導入などの手間は医療機関にかかっています。コロナ禍で疲弊する病院が多いなか、あと1年で大小さまざまなすべての医療機関に設置できるのでしょうか。また医療費にも問題があります。マイナ保険証が使える病院は、使えない病院より医療費が高くつきます。3割負担の方が初診の場合、マイナ保険証の方は6円、従来の保険証だと12円上乗せされます。マイナ保険証の使えない病院ではこうした上乗せはありません。一方、マイナンバーカード自体の交付率は22年10月18日時点で50.1%。22年末までにマイナンバーカードの新規取得等、マイナ保険証の利用申込み、公金受取口座の登録を行うと2万円相当のマイナポイントがもらえる“アメ”があって、やっと半数です。デジタル庁の調査によると、取得しない理由の第1位は「情報流出が怖いから」。取得率を上げるには、デジタル行政への信頼を回復するしかないでしょう。しかし国は、信頼回復への努力ではなく、アメ作戦をやめ、マイナ保険証に一本化し、現在の保険証を廃止するという“ムチ”作戦に打って出るようです。ムチの一端は、自治体の交付金にも表れています。23年度に国が配る「デジタル化交付金」は、マイナンバーカードの交付率が全国平均以上の自治体しか申請できません。交付金が欲しいならカードの交付率を上げろと言わんばかり。そもそも現在の保険証を廃止できるのかも疑わしいと思います。認知症や障害のある方など自分でマイナンバーカードの申請手続きができない方はどうすればいいのか、国は全く検討していないでしょう。ムチをちらつかせれば、アメのある今年中に手続きする方が増えるだろうという、行き当たりばったりな施策としか思えません。マイナンバーカード関連に国は約3兆円、国民1人当たり約2万円の予算を使っています。コロナ禍で大変だったとき、物価高で苦しい今、1人2万円あれば助かるのに……と思いませんか。国はマイナンバーカードを22年度中にほぼすべての国民に普及させたい考えです。そのため現在の保険証を廃止するとしたら……。こんな国民の生活を無視した政策に、私は断固反対します。
2022年10月28日政府は今月18日、国民年金の保険料納付期間を、これまでの40年間から5年延長して45年間とする案を議論する方針を固めた。これが実現すれば、20歳から始まる納付の対象者は現行の「60歳になるまで」から「65歳になるまで」に広がることに。厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会は、今月中に議論に着手、’25年には国会での改正法案提出を目指す、としている。年金制度に詳しい社会保険労務士の井戸美枝さんが解説する。「国政選挙がしばらく行われないいまのうちに制度を変えてしまうのが目的という報道も出ていますが、昨年末に厚生労働省から納付期間を45年にしたケースでのシミュレーションが出ていますので、けっして降って湧いたような話ではありません。しかし、60歳以降に収入が少なくなる人は保険料が支払えず、免除申請をして40年間の納付で受け取るというケースも出てくるでしょう」現在は保険料が月額で1万6千590円なので、1年間で19万9千80円、5年では99万5千400円。負担増はトータルで約100万円にもなる。厚生年金加入の会社員であれば企業の雇用延長などで65歳、さらに70歳まで働く人が増えていて、負担は変わらない。一方、60歳で完全リタイアした人やその妻、自営業者は収入が限られているので、負担は小さくない。現行の国民年金の受給額(老齢基礎年金)は、40年間フルに納めたケースで月額6万4千816円(年77万7千800円)。65歳から受け取りを開始すると、累積受給額が納付した保険料を上回る「損益分岐点」は、10年と3カ月。75歳3カ月時点で元が取れる計算だ。今後、負担が増すことになれば、のちに得られるリターンは大きくなると考えてよいのだろうか。「とあるニュース番組で『受給額が増えることはない』とコメンテーターが発言していましたが、シミュレーションが出ている以上、支払額だけ増えて、受給額は現行のまま、ということは考えにくいです。支払った保険料はそのぶん現行の受給額に上乗せされて支払われる形になるでしょう。国民年金から老齢基礎年金が支給されますが、基礎年金には『国庫負担』という国の税金が2分の1含まれています。受給額はこの国庫負担分の有無によって異なってきます」(井戸さん・以下同)保険料を45年間納めると、納付総額は895万8千600円。それによって受け取ることができる年金の額は、井戸さんの試算によると次のとおり。「税金が投入されないケースでは、月額約4千50円増の6万8千866円になります。65歳から受給をスタートした場合、10年10カ月を超えたところで同じく元が取れる計算です」国庫負担分が現行どおり投入される場合は、受給額が月額約8千100円増。すると、損益分岐点は10年3カ月となる。「国庫負担分が入るか入らないかはこれからの議論次第ですが、入った場合を想定すると、長生きした場合における受給総額の差は歴然です。女性の平均寿命である87・57歳を前にした85歳の時点でみても、受給総額は現行制度で1千555万6千円。改正後は1千750万円になります」もちろん、前出の「損益分岐点」を前に亡くなってしまうと、トータルでは“損”することになってしまう。健康に留意することがより求められるようになるとも考えられるだろう。ここ数年で目まぐるしく変わる、60代以降で「払うお金」と「もらえるお金」。制度の変更がもたらす自分の老後資金への影響を、きちんと把握しておこう。
2022年10月27日「老後の生活を支える『年金』に関する手続きを怠ってしまったがためにライフプランが狂ってしまった、という人が続出しています」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんだ。大切な老後資金に異変が起きている背景には、“働き方の多様化”があるという。「新卒で入社した会社で定年を迎えるのではなく、転職を繰り返す人や、定年を待たずに退職してフリーランスになる人も増えてきました。会社を辞めた後、忙しさにかまけて年金の手続きを後回しにしてしまい、ほったらかしにした結果、60歳になって受け取れるはずの年金がもらえなくなってしまった、という事態が起きているのです」(井戸さん・以下同)日本の年金制度は1階部分を「国民年金」、2階を「厚生年金」、3階を「私的年金」とする“3階建て”で構成されている。このうち3階部分の私的年金には、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)があり、加入者自身が資産を運用する確定拠出年金には、企業型と、最近注目の個人型(iDeCo)がある。なかでも注意が必要なのが、「企業型の確定拠出年金」だ。「給与明細を詳しく見たことがない、毎月の給料から何が天引きされているか知らない、という人が意外と多いのです。退職した後には厚生年金から国民年金に切り替えるために年金事務所で手続きをしますが、それで手続きが完了したと勘違いしている人もいます。しかし、企業型の確定拠出年金に加入していた人は、退職してから6カ月以内に、それまで積み立てたお金をiDeCoもしくは転職先の確定拠出年金などに移す必要があります。iDeCoの手続きは自分で行わなければなりません。手続きをせず6カ月が経過すると、その資産は自動的に『国民年金基金連合会』が現金で預かることになります。これを『自動移換』といい、100万人以上の人が該当する深刻な問題になっています」■該当する人は111万人、総額2千600億円にも…国民年金基金連合会によると、この「自動移換」に該当する人は今年7月末で約111万人。同会が現金で預かっている、いわば“置き去り年金”の総額は今年3月末で2千587億5千200万円。200万円を超える資産が自動移換された人は2万3千200人もいる。いったん自動移換されると、現金の状態で国民年金基金連合会に置き去りにされた状態になるので、運用はいっさいできなくなる。しかも自動移換の際に4千348円の手数料が引かれて、それ以降も毎月52円の手数料が発生する。年間で624円と少額だが、長期間運用しないで手数料が引かれるとなると、資産は目減りする一方だ。「最大の問題は、確定拠出年金の場合、原則として加入期間が10年以上ないと、60歳から受け取ることができない点です。10年を満たしていれば60歳から受け取れますが、この間手数料が引かれるため、当初受け取れるはずだった年金よりも総額は少なくなります。また、加入期間が10年未満の人は、自動移換されている間は加入期間とはみなされません。たとえば入社してから7年勤めている間、企業型の確定拠出年金に加入した人が会社を辞めてそのまま年金資産を放置してしまうと、60歳から受け取ることはできなくなります」実質“喪失”となってしまうことにもなりかねないというのだ。「資産が少額などの条件を満たしていれば、脱退一時金として受け取ることができます。ただし、受け取るためにはiDeCoに加入して、加入期間を10年にするしか方法はありません。そうなると年金をもらい始めることができる時期が先延ばしされてしまいます」年金資産が自動移換になると国民年金基金連合会から「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」という書類が送られてくる。それでも手続きをしなければ、年に一度お知らせが来るので、きちんと確認しよう。また、自分の年金記録は企業年金連合会のホームページで、年金手帳に記載されている基礎年金番号を入力すれば確認が可能だ。安心した老後を過ごすためにも、受け取れる年金をもらいそびれることのないよう気をつけたい。
2022年10月11日10月から雇用保険の個人保険料が値上がりします。雇用保険はおもに、失業時に「失業手当」を給付する保険です。そんな雇用保険について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれましたーー。■スキルアップにも活用できる雇用保険雇用保険はパートなど正社員でなくても、1週間の労働時間が20時間以上で、31日以上雇用の見込みがある方は、加入しなくてはならない公的な保険です。保険料は会社と働く人の両方で負担します。働く人の負担は、今年10月に0.3%から0.5%に引き上げられます。一般的なケースで月給が15万円の人は、保険料が月450円から月750円に、月給30万円だと月900円から月1500円に上がります。雇用保険料はボーナスにもかかるので、人によっては年間1万円近く負担増になることも。保険料の引き上げは、コロナ禍で雇用を守るために支給された「雇用調整助成金」などの支出が増えたためです。これで助かった企業も多いのですが、一方で不正受給も多く、1社で4億円近い返還命令を受けた企業もあります。不正のツケを私たち加入者が返すと思うとやるせないですね。 ただ、雇用保険は失業手当以外にも役割があり、在職時にも使える保険です。また先述のとおり、パートでも加入者が多いのですが、意外と「知らない」方もいます。給与明細などでご確認を。加入して保険料を払っているなら、しっかり活用しましょう。まずは、育児や介護で休業した際の「育児休業給付金」や「介護休業給付金」です。特に読者世代は、2週間以上介護が必要な家族を持つ方もいるでしょう。そんな方は最大93日間の介護休業が取得できます。3回まで分割でき、介護休業給付金として給料の67%が支給されます。介護休業は以前からパートなども取得できましたが、4月から「入社1年以上」という条件がなくなり、使える人が増えました。介護離職せず働き続けるために、大いに活用してほしいと思います。次は「教育訓練給付制度」です。これは雇用保険に1年以上加入する人がスキルアップや資格取得を目指して教育講座などを受講すると、費用の20~70%が支給されるものです。たとえば簿記やTOEICなど「一般教育訓練」はかかった費用の20%、年間10万円までが支給されます。介護職員初任者研修や行政書士など「特定一般教育訓練」は費用の40%、年間20万円まで、看護師や保育士など「専門実践教育訓練」は費用の最大70%、最大224万円が支給されます。資格を取得すれば、時給アップや転職がしやすいなどメリットが大きいでしょう。今の仕事に生かせる講座なら、働きながらでも続けやすいのではないでしょうか。給料は上がらないのに社会保険料は増え続け、実際に使える可処分所得は減るばかりです。こんなときは自己防衛に徹して、使える制度は使い倒していきましょう。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年09月30日弁護士に無料で電話相談が可能な弁護士直通ダイヤルも34,000件を突破日本初の弁護士保険ミカタを開発・販売しているミカタ少額短期保険株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:花岡 裕之以下:当社)は、保険金支払い実績が10,000件を突破したことをお知らせします。また、無料で弁護士に直接、電話で初期相談※2をすることができる付帯サービスの弁護士直通ダイヤルも34,000件を突破しました。支払い件数10,000件突破 コロナ禍におけるオンライン化が進み、弁護士保険に対する問い合わせ手段も多様化新型コロナウイルスの影響で外出自粛となり、在宅勤務やリモートワークなどにおいてデジタル化が急速に進みました。当社への弁護士保険についての問い合わせも電話や保険代理店の他に、時間、場所を問わずいつでも適切な情報収集ができるメールやチャット(Web、LINE)、ホームページからの問い合わせフォームなど、問い合わせ手段の多様化が進んでいます。当社は、日常生活における様々な法的トラブルを対応する弁護士保険をお客様に提供し、トラブルを一日でも早く解決し普通の暮らしを送れるよう柔軟かつ迅速にサポートします。弁護士保険のリーディングカンパニーとして、常に時代に応じたサービスの向上や業務改善を図る当社は、「誰もが平等公平に司法サービスなどの法的支援を受けられる社会の実現に寄与する」ことを、弁護士保険を通じて果たしてきました。弁護士保険のリーディングカンパニーとして、お客さまの声を真摯に受け止め、時代に応じたサービスや業務改善に努め、弁護士保険ミカタのサービス向上と普及に努めています。2021年4月1日から2022年3月31日までの1年間の弁護士保険ミカタの資料請求件数は15,000件を突破※3し、徐々に弁護士保険が周知されてきております。2022年の単年度の支払い件数は予測値としてグラフに表記※1 2013年から2018年までの支払件数(累積)4035件※2 一般的な法制度上の助言や事案が法律問題にあたるか否かの判断など※3 2022年4月1日当社発表プレスリリース保険金支払い例⑴【相続のトラブル】先日夫が亡くなり、相続手続をすることになりましたが、法定相続人は妻の私と、成人している息子1人になります。夫は息子に全て相続させる内容の遺言を残しており納得がいきません。私には全く遺産は入らないのでしょうか。なお、遺産は現金で約2,000万円あります。ミカタに加入していた場合の保険金支払額正当な相続を求めるため、弁護士に相談したところ、法定相続分の半分500万円が遺留分として認められると言われました。弁護士の協力のもと遺産分割調停を行い、遺留分の500万円を請求した結果、500万円を支払ってもらうことができました。得られた経済的利益:5,000,000円保険金支払い例⑵【養育費のトラブル】小学校3年生になる子どもがいます。3年程前に夫と離婚し、毎月4万円の養育費を支払ってもらうことで合意しました。しかし、半年前から養育費が振込まれなくなり、元夫に電話をしても毎回留守番電話になってしまいます。これから先、子どもにもお金がかかってくる年齢のため、振り込まれなかった半年分の養育費の請求と、今後も養育費を支払ってもらうようにすることはできますか?ミカタに加入していた場合の保険金支払額元夫に対して、未払いの養育費の請求と今後の養育費支払いを約束してもらうため、弁護士に相談しました。弁護士に元夫と交渉していただいた結果、未払い分の養育費24万円を支払ってもらうことができ、今後の支払いに関しても書面で約束することができました。得られた経済的利益:240,000円 + 今後の支払いを約束<保険金支払額に関する注意点>※保険金支払額は、99プランの補償内容で算出しております。なお、各金額や各費用項目は、弁護士事務所によって異なりますので、ご依頼する弁護士に確認して下さい。※保険金の支払額については個々の事例により異なり、必ずしも上記支払額を補償するものではありません。※上記の金額は、税込みの金額です。なお、消費税は支払例掲載時の税率で計算しています。※ご依頼されたトラブルが解決した場合、上記金額以外に報酬金等をご依頼者さまに負担していただく場合がございます。詳しくは、ご依頼された弁護士に確認して下さい。弁護士直通ダイヤル受電件数が累積で34,000件を突破当社の付帯サービスである弁護士直通ダイヤルも受電件数が34,000件を突破しました。2022年の単年度の受電件数は予測値としてグラフに表記弁護士保険ミカタとは弁護士保険ミカタは、司法のスペシャリストである弁護士への相談・依頼のハードルを下げることで、司法サービスなどの法的支援を受けやすい環境を整えることを目的とした保険(少額短期保険)です。当社のウェブサイトでは、弁護士保険の必要性や補償内容を分かりやすく伝えるため、マンガでの事例紹介や加入者の実際の声などを掲載しています。■実施概要調査方法:インターネット調査調査対象:1,200人(全国の成人男女)調査概要:2021年7月_サイトのイメージ調査調査提供:日本トレンドリサーチ【商品について】商品名称:弁護士保険ミカタ月額保険料:2,980円補償内容:法律相談料保険金(限度額)、1事案:2.2万円、年間:10万円弁護士費用等保険金(限度額)、特定偶発事故:300万円、一般事件:200万円年間支払限度額:500万円通算支払限度額:1,000万円付帯サービス:弁護士直通ダイヤル、弁護士紹介サービスご契約者の方には、リーガルカードとリーガルステッカーをお送りしています。リーガルカード弁護士保険ステッカー(自動車用)弁護士保険ステッカー【会社情報】会社名:ミカタ少額短期保険株式会社「関東財務局長(少額短期保険)第79号」所在地:103-0013東京都中央区日本橋人形町3-3-13 人形町フォレストビル6F代表者:代表取締役社長花岡 裕之設立:2011年4月1日資本金:21億8,516万円(資本準備金5億5,758万円含む)事業内容:少額短期保険業及びこれに付随する業務HP: 商品詳細: 【お客様からのお問合せ先】ミカタ少額短期保険株式会社TEL:0120-741-066受付時間:月~金、10時~17時(土日祝日、年末年始を除く)<報道関係者からのお問い合わせ先>ミカタ少額短期保険株式会社 広報担当香月・小林TEL:03-5411-0066FAX:03-3401-7788E-mail: kn.kobayashi@mikata-ins.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月15日福利厚生としての子育て支援—働くパパ・ママをエビデンスに基づく子育てプログラムで応援しよう―日本公認心理師ネットワーク(事務局:一般社団法人パーマネント・クリエイティブ・マインド)は、福利厚生としての子育て支援についてのオンラインセミナー「福利厚生としての子育て支援—働くパパ・ママをエビデンスに基づく子育てプログラムで応援しよう―」を2022年8月25日(木)に開催いたします。セミナー講師香川葉月(公認心理師、臨床心理士、前向き子育てプログラムトリプルPトレーナー)モデレーター安東大起(公認心理師、臨床心理士、一般社団法人パーマネント・クリエイティブ・マインド代表理事)離職せずに働くことができる環境を整えていくことが、企業の喫緊の課題子どもを育てている人でも、離職せずに働くことができる環境を整えていくことは、企業の喫緊の課題となっています。例えば、しつけがうまくいかないなどの子育て上の悩みを持っていると、そのストレスが仕事に悪影響を及ぼし、仕事に集中できない、生産性の低下、ミスの増加などにつながることは容易に想像できるのではないでしょうか。それでは、子育てにおけるウェルビーイングを高めて、気持ちよく働いてもらうことの支援をどのように企業は福利厚生として提供できるのでしょうか。・子どもと良好な関係を築く知識・スキルを親(従業員)が身に着けることを支援する・子どもの発達を促すための知識・スキルを親(従業員)が身に着けることを支援する・子どもに新しい行動やスキルを教えるための知識・スキルを親(従業員)が身に着けることを支援する・子どもの行動の問題を予防するための知識・スキルを親(従業員)が身に着けることを支援する・子どもの行動に対応する知識・スキルを親(従業員)が身に着けることを支援する・親(従業員)が自信をもって子育てを行うことができるように支援するというようなことが考えられます。このセミナーの内容今回のセミナーでは、上記のような子育てスキルの向上や子どもの行動の問題の軽減にエビデンスが認められている、「前向き子育てプログラムトリプルP」について紹介します。トリプルPは、国連が「世界一の子育てプログラム」と認め、世界保健機関(WHO)が推奨している子育てプログラムです。前向き子育てを使いましょう|効果が認められた対応策| Triple P日本 - Triple P ―前向き子育て : 今回は、福利厚生を担当されている方や経営者向けに、「福利厚生としての子育て支援」についての公開セミナーを行います。子育てを支援することは、企業のブランディングに非常に良い影響を及ぼします。このセミナーでは、以下の内容を含む予定です。・なぜ福利厚生としての子育て支援が重要なのか・エビデンスに基づく子育てプログラムとは前向き子育てプログラムトリプルPの紹介・企業での導入パッケージのご紹介開催概要日時:2022年8月25日(木)14:00~15:00方法:オンラインお申し込み方法下記のURLよりお申し込みください。福利厚生としての子育て支援—働くパパ・ママをエビデンスに基づく子育てプログラムで応援しよう― : お申し込みはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月05日東京都社会保険労務士会(会長:寺田 晃)は、社会貢献事業の一環として、都内や近県にお住まいの小学生とその保護者の皆さまを対象に「夏休みこども年金教室」を令和4年8月18日(木)にオンラインで開催します。チラシ表面この年金教室では、年金に関する唯一の国家資格者である社会保険労務士が年金制度の仕組みをわかりやすく解説するとともに、将来の年金制度の担い手となるこどもたちに、年金クイズや夏休みの自由研究にもなる年金新聞の作成をとおし、年金の大切さを楽しみながら学んでもらう機会となるよう企画しました。この機会に是非ご参加ください。【夏休みこども年金教室】●対象者: 小学生とその保護者の方●日時 : 令和4年8月18日(木)14:00~16:00(受付開始13:30)●場所 : Zoomオンライン配信配信URL等についてはお申し込み後にお知らせします。●参加費: 無料●主催 : 東京都社会保険労務士会 社会貢献委員会●申込 : 右のQRコードまたは以下のURLよりお申し込みください。(申込期限は8月5日まで)但し、定員に達し次第、受付を終了する場合がございます。 ●定員 : 50組100名程度(保護者の方もご一緒にご参加ください。)※詳細は東京都社会保険労務士会ホームページ( )をご参照ください。【東京都社会保険労務士会 概要】社会保険労務士法に基づき東京都に設立された法定団体。社会保険労務士会は各都道府県に設置されている。都内で活動する会員社会保険労務士の資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的としている。所属会員は、開業、法人社員、勤務などの個人会員と社会保険労務士法人の法人会員で構成されており、2022年5月31日現在の会員数は、個人会員11,359名、法人会員759法人。HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月15日誰でも簡単で使いやすいホームページに!全ての人に手厚く弁護士保険の情報をお届け日本初の弁護士保険である「弁護士保険ミカタ」を開発・販売しているミカタ少額短期保険株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:花岡 裕之以下:当社)は、2022年7月4日に弁護士保険ミカタの公式ホームページをフルリニューアルします。ホームページのフルリニューアルに至った背景2013年より弁護士保険の販売を開始してから9年目を迎えることができました。当社は、“誰もが平等公平に司法サービスなどの法的支援が受けられる社会の実現“を目指しています。今後も多くの皆様に弁護士保険ミカタの情報を適確にお届けていくためには、視覚的にわかりやすく、かつ、より詳しくお伝えできるデザインに変更することが必要と考え、今回、公式ホームページのフルリニューアルすることといたしました。インターネットが年々普及し、WEBデザインのトレンドも変わりスマートフォンの利用も急速な広がりをみせました。当社の公式ホームページ閲覧者の皆さまの情報収集方法もパソコンやスマートフォンなど多岐にわたるようになり、またご契約者からの弁護士保険に関する様々なご希望やご意見を踏まえ、トップページには必要な情報を網羅し、今の時代に適したデザインへ刷新することにいたしました。リニューアルした公式HP公式ホームページのフルリニューアルのポイント スマートフォンを利用したサイト閲覧数増加にともない、読みやすさを意識したデザインに当社は、街で見かけるスロープや点字ブロックだけではなく、バリアフリーやユニバーサルデザインがWEBサイト上でもできないかと考え、アイディアを積み重ねてまいりました。これまでの、アクセスデータを解析したところ、公式ホームページも年々スマートフォンでの利用閲覧が増加しており、様々なデバイスから公式ホームページにアクセスした時に、知りたい情報が簡単かつ直感的にわかるように文字の大きさ・ページの配置バランスなどを配慮しました。弁護士保険のサービス内容が分かりやすくまとめ、閲覧者のニーズに沿ったコンテンツを用意人々のニーズやライフスタイルが多様化にともない、当社の弁護士保険も変化を遂げ、2019年発売の【家族のミカタ】、2020年発売の【事業者のミカタ】、2021年12月には【弁護士保険ミカタ】のグレードアップリニューアルなど、ご契約者に寄り添ったサービスプランを提供してまいりました。公式ホームページにご来訪いただきました閲覧者のニーズを的確に把握し、弁護士保険を簡単にご理解いただくために、当社の公式ホームページでは、サービスごとにコンテンツを用意し導線も分かりやすいように工夫しました。「個人向けトップページ」「事業向けトップページ」当社メディア【ミスター弁護士保険】を公式ホームページに内製化様々な法的トラブルについて、弁護士が分かりやすく課題解決方法を説明する当社メディア【ミスター弁護士保険】を公式ホームページに内製化しました。【ミスター弁護士保険】は、日々閲覧者数が増加しており、人気のメディアに成長してきています。特に、法的トラブルでお悩みの方にとっての参考となり、誰でも簡単にトラブルの予防や解決方法を知っていただくことで、弁護士保険や弁護士に対する敷居の高いイメージを取り払うことも目的としています。【弁護士保険ミカタとは】弁護士保険ミカタは、司法のスペシャリストである弁護士への相談・依頼のハードルを下げることで、司法サービスなどの法的支援を受けやすい環境を整えることを目的とした保険(少額短期保険)です。当社の公式ホームページでは、弁護士保険の必要性や補償内容を分かりやすく伝えるため、マンガでの事例紹介や加入者の実際の声などを掲載しています。【商品について】商品名称:弁護士保険ミカタ月額保険料:2,980円補償内容:法律相談料保険金(限度額)、1事案:2.2万円、年間:10万円弁護士費用等保険金(限度額)、特定偶発事故:300万円、一般事件:200万円年間支払限度額:500万円通算支払限度額:1,000万円付帯サービス:弁護士直通ダイヤル、弁護士紹介サービスご契約者の方には、リーガルカードとリーガルステッカーをお送りしています。左:リーガルカード中:弁護士保険ステッカー(自動車用)右:弁護士保険ステッカー【会社情報】会社名:ミカタ少額短期保険株式会社「関東財務局長(少額短期保険)第79号」所在地:103-0013東京都中央区日本橋人形町3-3-13 人形町フォレストビル6F代表者:代表取締役社長花岡 裕之設立:2011年4月1日資本金:21億8,516万円(資本準備金5億5,758万円含む)事業内容:少額短期保険業及びこれに付随する業務HP: 商品詳細:【個人版】 【事業版】 【お客様からのお問合せ先】ミカタ少額短期保険株式会社TEL:0120-741-066受付時間:月~金、10時~17時(土日祝日、年末年始を除く)<報道関係者からのお問い合わせ先>ミカタ少額短期保険株式会社 広報担当香月・小林TEL:03-5411-0066FAX:03-3401-7788E-mail: kn.kobayashi@mikata-ins.co.jp 参考:弁護士保険ミカタのサービスの歴史 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月04日「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■年金額は2割減に…生活の見直しが必須年金の減額はさらに続くと、前出の北村さんは分析する。「年金の条文の中でも、将来的に所得代替率が50%になることに触れられています。所得代替率とは、現役男子の手取りに対する年金受給額の割合のことです」現在、モデル世帯といわれる男子の平均給与は357000円で、所得代替率は61.7%になっている。「これが50%となれば、年金の受給額は178500円に。現行よりも約2割も減る計算です」つまり、物価が下落する見込みはなく、年金額は下がり続けていく。「主食を小麦製品から価格の上昇していない米に切り替えるなど、生活のあり方の根本的な見直しが必要です」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)厳しい老後が待っていそうだ。
2022年06月30日止まらない物価の上昇。さらに老後の頼みの綱である年金は6月の支給分から減額になった。このことによって、すでに年金をもらっている人も、これからもらう人も大きく老後資金が“減った”のだーー。「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■1万品目超の値上げ…政府の対策は期待できず年金減額だけではなく、急激な物価の上昇も家計に大きな影響を与えている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは言う。「2019年10月に消費税の増税、2020年の新型コロナによる景気の低迷で、企業の業績が悪化しました。一時期、コロナ禍で世界的に物流が滞りましたが、2021年に入り欧米諸国で輸出入が急激に再開されたことで、原油の需要と供給のバランスが崩れるなどして原油価格が高騰。大豆や小麦などの穀物の価格にも反映されました。昨年末からは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、原油と小麦価格がさらに値上がっています。そして、この数カ月の急激な円安も家計に影響を与えています。麺類やパンなどの小麦粉商品をはじめ、輸入される牛肉や魚介類、さらにスーパーの総菜、ペットボトル飲料、お菓子など、1万品目以上が値上がりするのです」6月24日に発表された最新の「消費者物価指数(全国2022年5月分)」によると、総合的な物価は昨年と比べて2.5%上昇している。生魚や生野菜などの生鮮食品は12.3%、水道光熱費に至ってはなんと14.4%もの上昇だった。これを昨年5月の「家計調査」にあてはめてみると、この1年で月の支出額は214961円から220335円と、5374円も増えたことになる。年間だと64488円の上昇だ。「年金も減額されているので、年金世帯がこれまでと同じ生活をするだけで、年間75324円も負担が増えることになります。平均寿命の延びも加味し、老後を30年として計算したら2,259,720円の負担増になります。老後の計画が狂ってしまう人も多いはずです」(柏木さん)つまり、現在の状況は本来使えるはずだった老後資金が226万円も減ったのに等しい。政府はこの物価上昇をある程度容認すると、柏木さんはみている。「政府や日銀は長く続くデフレを脱却することを目標にしてきました。日本銀行のが『国民が値上げを受け入れている』と口走ったのも、そんな本音の表れでしょう。そもそも企業が、値上げした商品の価格を再び下げるとは、考えにくい。ウクライナ情勢も長引けば、さらなる値上げもありえます」岸田政権下で急激に目減りしていく老後資金。政治がそれに歯止めをかけない以上、生活を貧しくしていくしかないのかも……。【図解】昨年と今年の月の消費支出比較と物価上昇率
2022年06月30日全国の登録飲食店で使用可能、福利厚生で地域経済に貢献福利厚生サービス『ライフサポート倶楽部』を展開しているリソルライフサポート株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:馬場 大典、リソルホールディングスのグループ会社、以下「リソルライフサポート」)は、感謝や応援の気持ちを食事とともにお届けするフードテックサービス「ごちめし」「びずめし」「さきめし」を運営するGigi株式会社(本社:福岡市、代表取締役:今井了介)と提携し、福利厚生会員向けに「ごちめし」共通チケットを導入したことをお知らせします。リソルライフサポートが企画運営する『ライフサポート倶楽部』は、リソルグループの直営施設のほか、生活に役立つサービスメニューを会員優待料金で提供する福利厚生サービスで、この度、『ライフサポート倶楽部』会員が会社補助金(ポイント)を使用できるサービスメニューとして新たに「ごちめし」共通チケットを導入しました。リソルライフサポート株式会社は、これからも生活に密着したサービスメニューを拡充し、お客様の満足度向上に取り組んでまいります。「ごちめし」共通チケット提供概要・対象者リソルライフサポート運営の福利厚生コンテンツ『ライフサポート倶楽部』登録企業の従業員・スケジュール2022年4月より申し込み開始・チケット入手方法福利厚生ポイントの交換ページから「ごちめし」チケットを選択・チケット名称ライフサポート倶楽部提供 1,000円チケット・チケット利用対象店舗ごちめし・びずめし・さきめし登録店舗■福利厚生『ライフサポート倶楽部』についてリソルライフサポートが企画運営する『ライフサポート倶楽部』は、企業・団体の個々のニーズを捉えた多彩なサービスメニューを取り揃え、働く人々のウェルビーイングを実現し、安心して働き続けることができる環境づくりをサポートする福利厚生サービスです。リソルグループの宿泊施設・ゴルフ場をはじめ、全国提携の宿泊施設、スポーツクラブ、レジャー施設、育児・教育・健康・介護などの生活に役立つサービスメニューを会員優待料金で提供しています。ライフサポート倶楽部メンバーズナビ : リソルライフサポート 公式サイト : ■【Gigi株式会社 会社概要】作曲家・音楽プロデューサーの今井了介(安室奈美恵『Hero』やTEE/シェネル『Baby I Love You』などを手がける)が、東日本大震災を契機に人やお店を食で応援するビジネスの開始を決意。飲食店の登録・決済手数料ゼロの”飲食店のメニューをお食事券で贈るデジタルギフトサービス”「ごちめし」を2019年に発表。その先払いの仕組みを生かして”コロナ禍に先払いで飲食店に応援を届ける”「さきめし」を開始、サントリーの協賛や自治体との協働を経て急速に事業を拡大、登録店舗は現在約16,000。”まちの飲食店が社食になる”新たな福利厚生サービス「びずめし」のほか、飲食店をこども食堂として運営する「街ごとこども食堂」を運営。【受賞歴】2020年 7月 日本ギフト大賞2020 緊急特別賞「飲食店応援賞」2020年10月 グッドデザイン・ベスト100 / グッドデザイン・グッドフォーカス賞 【新ビジネスデザイン】2020年11月 2020 60th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS「ACCブロンズ」2021年3月 TANGRAMS STRATEGY & EFFECTIVENESS @Spikes 2021 ブロンズ受賞2021年4月 Forbes 30 Under 30 Asia 2021 Retail-Ecommerce部門(受賞者:ファウンダー 古川賢人)※ ごちめし® さきめし® びずめし®は、Gigi株式会社の登録商標です。Gigi公式サイト : <本リリースに関する問い合わせ先>リソルホールディングス株式会社(RESOLグループ) 広報室/高橋 弘毅・長田 和将TEL:03(3342)0331(直通) E-mail : press@resol.jp URL : Facebook: 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月24日保険とは、万が一に備えて入るものだが、「入り損」という結果になることが多いのも事実。そこで、「保険は損するもの」という視点で考えた、保険のプロの“結論”を伝授。保険は「入り方」がすべてです――!保険金を受け取るということは何らかの不幸やトラブルが起きたということです。どんなに高額な保険金を受け取っても、それに見合うものではありません。いちばんいいのは、何も起きないこと。この場合、支払った保険料は掛け捨てになることもあります。つまり、得する保険というのはもともとないのです」こう話すのは、長年ムック『よい保険・悪い保険シリーズ』の監修者を務め、“保険のプロ”として知られる長尾義弘さん。「ただ、ここだけの話ですが、お得に保険に加入する方法というのはあるんです」そんな“保険のプロ”だけが知っている得する入り方を、長尾さんに伝授してもらおう。【入り方・1】保険料は年払いにする「保険料には通常、月払い、半年払い、年払いの3通りがあります。年払いにして、いっぺんに1年分をまとめて払うと、3~5%保険料が割安に。一度に支払う金額が高額になるので厳しい家庭も多いでしょうが、可能なら年払いがおすすめです」(長尾さん・以下同)【入り方・2】保険料はクレジットカード払いにする「さらに保険料を銀行の口座引き落としではなくクレジットカード払いにすれば、カードのポイントがつきます。還元率のよいカードで年払いにするのがもっともお得な支払い方でしょう」【入り方・3】生命保険・地震保険の税金控除を忘れない税金の申告をする際に、生命保険と地震保険に加入していれば、年間に支払った保険料に応じた額の所得控除が受けられる。「会社員・公務員の人は、勤務先から年末調整の書類を渡されるので、これに記入して提出すればOKです。自営業の人などは毎年、確定申告をしないといけません。ちなみに’12年1月以降に契約した生命保険では、年間8万円を超えて支払うと、4万円の所得控除が受けられます」地震保険の場合は、保険料が5万円以下の場合は全額、5万円を超える場合は5万円が控除される。「どちらも申告しないと損になりますので、年末調整時や確定申告時に忘れないように注意してください」【入り方・4】無料の付帯サービスをフル活用せよ「保険会社ではいざというときの保険金だけでなく、じつはさまざまな無料サービスを提供しています。サービス名や内容は保険会社によって異なりますが、多くの保険会社が実施しているサービスが次のようなものです。とくに『24時間電話健康相談サービス』は深夜に急に子どもや高齢者の具合が悪くなったときなどに対処法を教えてくれたり、誤飲したときの対処法なども電話で相談できるのでたいへん便利。ほかにも『介護相談』や『人間ドック』の割引に加えて、スポーツクラブやレジャー施設の割引などの優待サービスを行っている保険会社もあります。自分の契約している保険の付帯サービスを確認して、積極的に活用しないと損ですよ」■保険に加入すると受けられる「無料サービス」一覧〈多くの保険会社が付帯〉24時間電話健康相談サービス:深夜や土日でも相談ができるので利用価値が高い。セカンドオピニオンサービス:がんだけでなく、ほかの病気でも受けることが可能。〈保険会社により付帯しているサービス〉ドクターオブドクターズネットワーク:日本全国の名医を紹介してくれるサービス。なかなか受診できない名医を紹介してくれる場合もある。メンタルヘルスサービス:心理カウンセラーが電話や面談で、精神的な悩み、心の問題について、相談に応じてくれる。介護相談:介護の悩みを電話や面談で相談できる。人間ドック:人間ドックを利用するときに割引が受けられる。スポーツクラブ・レジャー施設の優待サービス:各施設を利用するときに優待割引が受けられる。【入り方・5】持病がないうちに加入する「持病とひと口に言っても、心臓病から高血圧や糖尿病、高コレステロールで薬を処方してもらっているといったものまでさまざま。がんなどの病気は予期できませんが、40代で体重が増加しているなど、高血圧や糖尿病の予備群という自覚があったら、診断される前に保険に加入することで、保険料を安くすることができます」もしこうした生活習慣病と診断されると、一般的な生命保険や医療保険に加入しにくくなり、「持病があっても入れます」とうたっている引受基準緩和型保険に加入しなければならなくなる。「最近は引受基準緩和型保険で保険料が比較的安いものも出ていますが、それでも通常の医療保険などと比べて1.5倍ほど割高。健康なうちに加入するほうがいかに得かわかると思います」【入り方・6】出産を希望している人は妊娠前に加入する「最近は“妊婦さんでも入れる”保険というのが発売されていますが、出産時のリスクをふまえて、通常の医療保険は妊娠がわかると加入することが難しくなります。これから出産を計画している女性は、実際に妊娠がわかる前に医療保険に加入しておくことで、出産前後の思わぬ医療費の出費に備えることができます。そしてもう出産は考えないという時期に解約してはいかがでしょうか」【入り方・7】禁煙を2年間してから加入する「近年、死亡保険や医療保険には『リスク細分型保険』といって、健康であれば、保険料が割引になるサービスがあります。『健康』の条件は保険会社で異なりますが、代表的なものを見ると、非喫煙で血圧、BMIが基準内であれば、保険料が半額になる商品も。非喫煙の条件は通常、禁煙期間は2年間(1年間という保険もある)。がんばって禁煙を2年間できれば、契約内容は同じで安い保険料で加入することができ、お得です」こんなにあった得する保険の入り方。ぜひ保険の新規加入や見直しの際に活用してみよう。【PROFILE】長尾義弘ファイナンシャル・プランナー。「お金」をテーマに幅広く執筆し、『NEWよい保険・悪い保険2022年版』(徳間書店)の監修などで活躍
2022年06月02日平均寿命が男性より長い女性にとって、老後の「年金」は大事な収入源。年金は、一度受給を開始したら、死ぬまで“減らない財布”です。だからこそ、少しでも受け取れる額を増やしたいもの。その増やし方、教えますーー。「PGF生命の調査では、60歳の25%が『貯蓄が100万円未満』。4人に1人は老後資金がほぼない状態なのです。とくに私が心配しているのは女性の老後です」こう話すのは、最新著『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』が話題の“年金のプロ”長尾義弘さん。「総務省の『家計調査(’19年版)』では、高齢の無職の夫婦世帯の平均支出は月額約27万円。シングルの場合は月額約15万円です」今回、長尾さんは独自の年金受給額シミュレーションを使い、夫が正社員の専業主婦、ともに正社員の共働き夫婦、ともに自営業の夫婦が、65歳から年金を受給した場合の月額受給額を試算。また、女性のさまざまなライフスタイルの変化により、起こりうる年金受給の変化についても試算(数字はすべて概算。以下、コメントはすべて長尾さん)。妻の立場別、老後のリスク別に、もっとも得な年金の受け取り方を長尾さんの試算をもとに徹底解説していこう。「妻が専業主婦の世帯では、前出支出平均と比べ月額2万円の赤字となり、けっこう生活は厳しい。そこで提案したいのは、夫にとにかく70歳まで働いてもらうこと」70歳まで夫の収入だけで生活し、夫婦とも年金受給を70歳からに遅らせることで、なんと年金受給額は36万円にアップする。「共働き夫婦も考え方は専業主婦と同じ。夫だけが70歳まで働くより、妻も働くことで、妻1人になったときの生活不安をより軽減できるのでがんばってください」国民年金しかない自営業の夫婦の場合は「国民年金基金」に加入して、老後の年金を増やす方法を長尾さんは勧める。そして、離婚や死別、親の介護やシングルのままなど、状況の変化の中でも、しっかり年金について考えておく必要がある。■妻が専業主婦の場合夫は60〜70歳まで厚生年金に入れる仕事に就き、夫婦の年金受給は70歳に繰り下げる。【現状】妻の平均賃金:月額20万円(妻は結婚のため30歳で退職)夫の平均賃金:月額50万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約7万円(年額約89万円)夫:月額約18万円(年額約213万円)夫婦の合計月額:約25万円【対策】・夫は70歳まで働く・夫婦共に年金の受給開始を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約10万円(年額約126万円)夫:月額約26万円(年額約312万円)夫婦の合計月額:約36万円※約11万円の得!!現在の企業は60歳退職、65歳まで再雇用のケースが多い。「そのまま65歳から年金受給すると、月額受給額は約25万円で、高齢夫婦世帯の平均支出額より月額2万円足りない計算。まだ夫の健康状態に問題がないようなら、あと5年間は働くように上手に舵取りしてください。もし65〜70歳の間の仕事が厚生年金に加入していない職場でも、収入によって繰下げ受給ができれば、月額約27万円よりは十分多い金額を受給できるので、働いてもらうことが大切です」さらに夫が先立つことも考え、今後、あなたも厚生年金に加入できるパートや派遣社員で社会復帰し、自分の受給額を増やすこともぜひ検討してほしい。■妻が共働きの場合夫婦共に70歳まで再雇用で働き、年金受給は70歳から。【現状】妻の平均賃金:月額26万円夫の平均賃金:月額39万円妻の60〜65歳の再雇用賃金:月額18万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約12.4万円(年額約149万円)夫:月額約15.4万円(年額約185万円)夫婦の合計月額:約28万円【対策】・夫婦共に70歳まで働く・夫婦共に年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約18万円(年額約217万円)夫:月額約23万円(年額約273万円)夫婦の合計月額:約41万円※約13万円の得!!「夫婦共に正社員で、2人とも65歳から年金受給すると、合わせて月額約28万円。現状でも高齢夫婦の平均支出額を上回っていますが、夫が先立った場合、妻だけでは月額約12万円で高齢単身者世帯の平均支出額の約15万円には足りません。そこで妻が1人残った場合の安心な老後のためにも、夫婦そろって70歳まで働き、年金受給も70歳からにすること」こうすることで、70歳以降の年金生活でも、趣味などにお金を回せ、潤いある生活を送ることができると同時に、妻だけになったときの年金受給額も月額17万円にアップ。これなら1人の老後もなんとか年金だけでやっていける金額だ。■妻が夫と自営業をしている場合国民年金基金に加入し、70歳まで働き、年金受給は70歳から。【現状】妻:国民年金のみ夫:国民年金のみ〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約5.7万円(年額約68万円)夫:月額約5.7万円(年額約68万円)夫婦の合計月額:約11万円【対策】・60歳以降も国民年金に任意加入して満額に・国民年金基金に加入・夫婦共に70歳まで働く・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額+国民年金基金(月額:妻約4万円、夫約5万円)〉妻:月額約13万円(年額約159万円)夫:月額約14万円(年額約174万円)夫婦の合計月額:約27万円※約16万円の得!!「自営業の夫婦が受け取る年金は国民年金(老齢基礎年金)だけなので、2人合わせて月額約11万円。平均支出と比べて16万円も足りません。できるだけ早いうちから国民年金基金に加入し、年金を“2階建て”にしましょう。無理はいけませんが、なるべく多い金額を掛けることが“安心老後”を迎えるコツ」夫婦が国民年金基金に月額3万5000円ずつ、約20年掛けた場合、65歳以降合わせて月額9万円が受け取れる。また国民年金も満額にするため任意加入して払い続けることで、70歳からの月の受給総額は夫婦で27万円に。「必ず夫だけでなく妻も国民年金基金に加入し、妻1人の老後にも備えることが肝心」■熟年離婚を考えているケース増え続ける熟年離婚。今後離婚を考えている場合、必ず「年金分割」を利用し、夫の厚生年金の半分を受け取る。【現状】妻の平均賃金:月額8.5万円(パート)夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約15.5万円(年額約186万円)夫婦の合計月額:約22万円〈婚姻期間30年で按分割合50%の場合〉妻の厚生年金:約3万円夫の厚生年金:約3万円〈離婚後65歳の年金受給額〉年金分割:月額約3万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約10万円【対策】・離婚したら正社員の仕事に就き、70歳まで働く(月額13万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約15万円(年額約177万円)月額:約15万円※約5万円UP!!「『年金分割』は婚姻期間中の厚生年金は夫婦共同で支払っているとみなし、厚生年金の最大半分を妻が受け取るというものです」妻が60歳以降に離婚したケースで、年金分割の按分割合は50%。夫が認めた場合だが、それでも離婚後の妻の年金受給額は月額約10万円と厳しい。「そこで提案したいのが、たいへんですが70歳まで働き、自分の基礎年金分の受給を70歳まで遅らせること。こうすることで、受給額はぐんと増え約15万円になりますよ」■介護で離職するか悩んでいるケース離職は年金が激減するので極力避けて働き続ける。【現状】平均賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約129万円)【対策】・介護離職をしないで70歳まで働く・介護保険、介護サービスを活用する・再雇用で70歳まで働く(月額20万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約216万円)※約7万円UP!!「母親と二人暮らしの正社員のシングル女性(53歳)。最近母親に介護が必要になって、介護離職したいと相談を受けました。いまや介護は日本全体の問題。たしかに仕事と介護の両立はたいへんですが、1人で抱え込むと後で後悔することに。介護する人の老後を試算すると、仕事は無理をしてでも続けるべきです」長尾さんの試算では53歳で退職すると、厚生年金加入期間が短くなるため、65歳からの受給は月額約11万円と激減。「平均的な介護日数は約5.1年。介護離職ではなく、介護保険をうまく活用して介護サービスを使うことで、行政や専門スタッフの力を借りてなんとか乗り切ってほしいものです」■夫に先立たれたら……と不安なケース夫の遺族厚生年金と基礎年金は受給し、自分の年金受給だけ75歳から。【現状】妻:専業主婦夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円企業年金あり(月額5万円)〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約20.5万円(年額約246万円夫婦の合計月額:約27万円〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約13万円【対策】・75歳までは夫の遺族厚生年金月額約7万円と夫の保険金で生活・基礎年金部分だけ受給を75歳まで遅らせる〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約12万円月額:約19万円※約6万円UP!!「5歳以上年上の夫がいる専業主婦の場合を想定して試算してみましょう。ただでさえ女性のほうが6年以上長生きというデータがあるので、妻が75歳を過ぎると夫が先立つ可能性が高い。妻の基礎年金だけを75歳から受給するようにして、それまでは夫分の年金でやりくりすることが理想といえます」遺族厚生年金は夫が生きていた場合の受給額の約半分。また企業年金は夫死亡と同時になくなってしまう。夫の死後の妻の年金は月額約13万円。それがこの方法で約19万円になるという。「もし妻が75歳になる前に夫が亡くなったら、そのときから自分の基礎年金を受け取る手続きも可能なのでご安心を」■このままシングルかも……と想像するケース正社員の立場を確保し、70歳まで働ける環境を築く。【現状】平均賃金:月額17万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約126万円)【対策】・転職し正社員の仕事に就く(月額30万円)・再雇用で70歳まで働く(月額15万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約212万円)※約7万円UP!!「派遣社員として働き、現在親と同居中の女性(月収17万円)がこのままの生活を続けた場合、65歳からの年金受給は月額約11万円。高齢単身者世帯の月の平均支出額は約15万円なので、4万円足りない計算。むずかしいとは思いますが、受給額を増やすには、とにかく正社員になってベースとなる給料を上げる努力が必要です」もし35歳で月給30万円の正社員になり、そこからキャリアアップしながら60歳で定年。再雇用で70歳まで働き、年金受給を70歳まで遅らせれば、月額18万円受給可能に。「たいへん厳しい提案ですが“安心老後”のためには、とにかく正社員をめざすことです」人生100年時代、70歳までは働き盛りと考え、乗り切ることが必要とされているといえそうだ。【PROFILE】長尾義弘ファイナンシャル・プランナー。新聞・雑誌・WEBなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』(河出書房新社)など著書多数
2022年06月01日今回はモナ・リザの戯言さんの投稿をご紹介! 「私の保険金を狙ってくるママ友たち」第11話です。車の保険を無駄だからと勝手に解約していたママ友。保険会社に無理難題な電話をしましたが…!解約した保険会社に保険金をもらおうと電話をしましたが…出典:lamireかぎつけた他のママ友たちに…出典:lamire高級カフェに誘われ…出典:lamire園長に助けを求めますが…出典:lamireようやく…!出典:lamire1か月後出典:lamireママ友夫に叱られ…出典:lamire園に平和が訪れました!出典:lamire結局、医療費は自腹で払うことになったママ友。他のママ友に自分がしたときと同じように保険金をたかられました!次回の配信もお楽しみに!(lamile編集部)(イラスト/モナ・リザの戯言)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年05月22日今回はモナ・リザの戯言さんの投稿をご紹介! 「私の保険金を狙ってくるママ友たち」第10話です。ソラさんを車で追いかけているときに信号無視をし、事故に遭い大怪我をしてしまったママ友。自業自得だが…?全治2か月の怪我をしたママ友出典:lamire保険を解約していた…!!出典:lamireママ友夫は旦那はブチギレ出典:lamire保険会社に電話し…出典:lamire無理難題を言いまくり…出典:lamireママ友夫は恥をかいた出典:lamire車の保険を勝手に解約していたママ友。そして保険会社に無理難題を押し付けました。次回の配信もお楽しみに!(lamile編集部)(イラスト/モナ・リザの戯言)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年05月21日今回はモナ・リザの戯言さんの投稿をご紹介! 「私の保険金を狙ってくるママ友たち」第3話です。いろいろ考え事をしていると事故にあってしまい松葉杖生活になってしまったソラさん。そこへ…。事故にあってしまったソラさんのもとに…?出典:lamire保険金にたかるママ友たち出典:lamireくるみさんが庇ってくれるが…出典:lamire言いたい放題のママ友たち出典:lamireさすがに怒りが…出典:lamire嫌味を言うママ友たち出典:lamire結局お金も返してくれず…出典:lamireなんでそうなる…?出典:lamireあの人たちには警戒を…出典:lamire事故にあったことをかぎつけたママ友たちが保険金目当てで寄ってきました。あなただけ贅沢するなんてと言われましたがさすがにそれは…。次回の配信もお楽しみに!(lamile編集部)(イラスト/モナ・リザの戯言)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年05月14日パートの厚生年金の加入要件が緩和される。そこで、加入した場合の手取り額と、どれくらい年金が増えるのかを徹底シミュレーション。すでに厚生年金に入っている人も、これから入るかもしれない人も、人生100年時代の指針に役立てて――!「今回の年金制度改正により、中小企業に勤務されているパートやアルバイトの人たちも、厚生年金に加入する機会が増えます。加入すれば、将来の年金受給額を増やせます。“人生100年時代”に備えた保障を厚くするチャンスだといえるでしょう」このように語るのは、年金制度に詳しい「よこはまライフプランニング」代表で、特定社会保険労務士の井内義典さんだ。パートやアルバイトなどの短時間労働者は、特定の要件を満たさなければ、厚生年金と健康保険に加入できない。しかし、その要件が次のように緩和されるのだ。■厚生年金の加入要件はどう変わる?【企業規模】現行:常時500人超改正点:常時100人超(’22年10月~)→常時50人超(’24年10月~)【労働時間】現行:週の所定労働時間20時間以上改正点:変更なし【賃金】現行:月8万8,000円以上改正点:変更なし【勤務期間】現行:継続して1年以上の見込み改正点:継続して2カ月超の見込み(’22年10月~)【適用除外】現行:学生でないこと改正点:変更なし現行は「従業員500人超」の企業で働いていることが要件のひとつだが、10月から「100人超」に変更。同時に、勤務期間も「継続して1年以上の見込み」から、「継続して2カ月超の見込み」になる。厚生労働省の推計によると、この緩和で、厚生年金の加入者は新たに約45万人増えるという。2年後の’24年10月には、企業規模の要件が「従業員数51人以上」まで緩和され、さらに約20万人加入者が増えると予測されている。■国民年金からの変更は二重にお得夫が会社員の場合、妻が年収130万円を超えると、夫の扶養から外れ、自ら社会保険に加入しなければならなくなる。年収130万円以上で現行の要件に該当せず、国民年金に加入している人(第1号被保険者)、また夫の扶養の範囲で働いている基礎年金の人(第3号被保険者)のなかには、10月の要件緩和で厚生年金に新たに加入するという人が増えるはずだ。さらに、年収130万円未満でも、独身や夫が自営業で国民年金に加入していて、新たに厚生年金に入るというケースもある。厚生年金の被保険者(第2号被保険者)は、将来、基礎年金に加え、加入した期間や当時の報酬額で決まる「比例報酬部分」を受給することができる。収入と加入期間(働いていた期間)で、どれだけ年金受給額が増えるかを、井内さんの協力のもと、本誌が試算したのが図の表だ(画像参照)。たとえば、パート収入が月に11万円の人が厚生年金に5年加入した場合、65歳から受け取る年金額は、基礎年金(国民年金)だけの人と比べると、月に2,854円、年間で3万4,248円も増額される。仮に90歳まで生きた場合には、85万6,200円も差が出る計算だ。メリットはこれだけではない。「たとえば障害年金。国民年金制度の障害基礎年金は、障害等級1級と2級の障害を対象としていますが、厚生年金に加入することで、それよりも軽い3級の障害でも障害厚生年金を受給できるようになります。また、1級や2級に該当した場合は、基礎年金と厚生年金の“2階建て”で障害年金が受けられます」(井内さん)厚生年金に加入すると、収入に応じた保険料を払うことに。ただし、会社が保険料の半分を負担してくれるので、年収220万円くらいまでは、国民年金の保険料(1万6,590円、’22年度)よりも自己負担額は少ない。国民年金から厚生年金に移る人は、手取り額が増え、将来の年金受給額も増えるという“両得”な場合が多いのだ。一方、夫の扶養内で働く第3号被保険者は、新たに保険料を払うことになるので、手取り額が減ってしまう(表参照)。それが嫌なら、働く時間や収入を減らしたり、勤務先を変えて、加入要件から外れるようにする必要があるが……。「逆に働く時間や収入を増やして、将来の年金も増やしたほうが、長い目で見た老後の安心を手に入れられると思います」(井内さん)10月の変更でも該当しないという人は、働き方を変えて、厚生年金の加入を検討してみて!※表は井内氏の協力のもと、本誌作成。金額は2022年度時点の概算。小数点以下は四捨五入。税・社会保険料については、健康保険は「協会けんぽ東京支部」の被保険者負担分の保険料率(4.905%)、雇用保険は令和4年4~9月までの保険料率(0.3%)で計算。介護保険料は0.82%、厚生年金保険料は9.15%の保険料率で計算。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料は標準報酬月額×保険料率。税については社会保険料の控除も行われている。
2022年05月06日2022年4月1日より、不妊治療への保険適用が始まりました。妊活専門フリーマガジン「Jineko」を発行する株式会社ジネコ(本社:東京都港区)は、不妊治療の保険適用にあたり、患者さんに分かりやすく理解してもらうため、保険適用の解説動画をアップいたしました。ジネコでは、公開した動画コンテンツを、一般の方へはPDF、医療従事者の方へは動画にて無料配布しております。ご希望の方は、下記よりお申し込みください。尚、医療従事者の方は患者様へのサービスとして無料でご利用いただくことも可能です。▼ご希望の方はこちらから動画で解説!不妊治療の保険適用 : ジネコのサービス▶Q&Aサービス婦人科、生殖医療、産科それぞれの専門医に個別で無料相談できます。生理の悩み、妊活、不妊治療、妊娠・出産、子育て、更年期障害、女性の健康の悩みを解決します。▶無料オンライン質問会皆さんの妊活・不妊治療におけるお悩みや疑問などを専門医がオンラインでお応えします。▶お願い!ジネコ毎月15日に皆さんの願いが叶うように、ジネコスタッフが全国の神社仏閣にお参りに行っています。皆さんの願い事をお寄せください。▶ドクター厳選健康商品販売300人以上の婦人科専門ドクターと考え、開発した健康で楽しい生活を送るための商品販売。不妊治療サプリを始めとして、ドクターと共同開発や企画したサプリ、製品を販売しています。公式サイト情報Corporate : Web :無料ではじめる妊活生活 あなたに、正しい不妊治療情報を 動画で学ぶ不妊治療 Instagram : Twitter : Facebook : 【会社概要】会社名 :株式会社ジネコ代表 :代表取締役 杉山隆太本社 :107-0052 東京都港区赤坂6-6-17 PARK HABIO赤坂氷川町702資本金:10,000,000円事業内容:ポータルサイト企画・運営、関連広告サービス、マーケティング・リサーチ、セミナー企画・運営■プレスリリースに関するお問合せ:長友/芦田 happyjineko@jineko.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年04月07日受給開始時期を遅らせることで、受け取る金額を増やせる年金の繰り下げ。しかし、年金の額が増えると、税や社会保険料の負担も増えるという。結局、どれくらい繰り下げるのがいちばんお得なのかーー?「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」【年金の繰り下げ受給のポイント】・年金額が増える・公的年金は生きている限りずっともらえるので、長生きするとお得に!【年金の繰り下げ受給の注意点】・厚生年金の繰り下げ期間は、加給年金を受け取ることができない・夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は65歳時点の金額。繰り下げで増えた分は反映されない・年金額が増えると、社会保険料や医療費の自己負担額などが増える場合がある老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金が夫200万円、妻78万円の場合繰り下げるとどうなる?それでは、額面と手取りでは実際にどれくらいの差があるのだろうか?今回は東京都世田谷区に住む「夫200万円、妻78万円」と厚生労働省のモデル世帯に近い同年齢の夫婦を想定し、65歳から年金を受け取る場合と、5年、10年と繰り下げたケースでの手取り額を深田さんに試算してもらった。「65歳から年金を年200万円受け取る夫の場合、介護保険料は4万8,000円で、国民健康保険料は9万7,000円(ともに年間、端数切り捨て)に。5年繰り下げて、受給額が284万円に増えると、介護保険料は9万3,000円、国民健康保険料は22万9,000円に増えて、手取りの増額率は額面の増額率より大幅に低くなります。一方、基礎年金だけの妻の場合は、元の金額が少ないため、年金額が増えても社会保険料や税の負担はそれほど大きくなりません。手取りでも額面と同程度の増額効果を得ることができます」何歳まで受給すれば、65歳から受給した場合の年金の総額を超えるかという「損益分岐年齢」も額面と手取りでは違ってくる。額面ベースなら、70歳から受給すると81歳11カ月、75歳から受給すると86歳11カ月で、65歳から受給したときよりも受け取る年金総額が大きくなる。「年金200万円の夫の場合、手取りベースの損益分岐年齢は、70歳から受給した場合85歳6カ月、75歳からなら89歳8カ月に後ろ倒しとなります」一方、年金78万円の妻の場合、手取りベースの損益分岐年齢は5年繰り下げで82歳、10年でも87歳。額面と比べても差はわずかだ。厚生労働省の「令和2年度の簡易生命表」によると、60歳まで生きた男性の平均寿命は84.21歳、女性は89.46歳。年収200万円前後の男性の場合、年金の受給開始を70歳や75歳に繰り下げても、元が取れる可能性は女性ほど高くないことは頭に入れておいたほうがよさそうだ。■年金が増えると医療費負担も増えるさらに、年金収入が増えた場合、医療費の負担も増加する。「75歳以上の高齢者の医療費窓口負担は原則1割ですが、10月からの法改正で、一定の所得(単身世帯は年金含めて200万円以上など)がある人は2割に引き上げられます。後期高齢者になれば、定期的な通院が増え、夫婦で年間10万円程度の医療費がかかると思っていたほうがいいでしょう。これが2割負担になると20万円に。年金生活において、この10万円の負担増の影響は無視できません」深田さんの試算によると、年金200万円の夫が、65歳から年金を受給した場合は、75歳以上の医療費の窓口負担は1割にとどまるが、70歳、75歳までと年金を繰り下げた場合には、2割負担になる可能性が高いという。図のチャート(画像参照)を参考に、自分の負担割合が何割になりそうかを知っておくことも重要だ。では、どのような人が繰り下げに適しているのだろうか?「男性でも女性でも、予想される年金収入が少ないと、増額に伴う手取り率低下の影響を受けづらく繰り下げで得をしやすいです。自営業の人や専業主婦など年金を100万円前後かそれ以下しか受け取れない場合には、75歳まで繰り下げるのも選択肢です」都市圏の場合、夫婦なら夫の年金額が211万円未満で、扶養される妻の年金額が154万円未満であることが住民税の均等割が非課税になる基準。この金額を超えない範囲での繰り下げなら、社会保険料の負担の急増を避けて、年金を増やすことができそうだ。超える場合、もちろん手取りの金額自体は増えるがお得感は少なくなる。■貯金を崩してまで繰り下げしなくていい「そうはいっても、いちばん問題になるのは繰り下げ期間中の生活費をどう賄うのかです。年金を受け取るまでの期間、貯蓄を取り崩して生活するのは危険。年間の生活費に300万円かかる場合、老後資金が2,000万円あったとしても5年間で500万円にまで減ってしまいます。年金受給までの生活費を貯金で賄う人の場合、70歳時点で貯蓄が1,000万円を下回ってしまうなら、繰り下げず65歳から受給して。それでも年金を増やしたいなら、夫の年金は65歳からもらいながら、妻の年金をできる限り繰り下げるのがおすすめです。受給開始までの期間、妻の年金が受け取れない分は、夫婦で少し働いて補うのがベスト」一般的に妻は夫よりも長生きする確率が高いが、年金額は少ない。「夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は、65歳時点の年金額を基に計算するため、夫の年金を繰り下げても、夫亡き後の妻の生活の支えにはなりません。妻の年金は元の金額が少ない分、繰り下げの恩恵も受けやすい。女性の長生き対策としても、妻の年金はできる限り繰り下げるのがおすすめです」年金の繰り下げ受給を、シニア時代を豊かに過ごすための大きな武器にするかどうか、しっかり見極めたいものだ。
2022年04月06日「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」年金収入が多くなれば、老後の生活は安泰に。しかも年金は終身制度なので、長生きをするほど受給総額は増える。この超低金利の時代に、これほど増える金融商品はない。やっぱり繰り下げが“正解”なのだろうか……。「繰り下げにはメリットがありますが、注意しなければいけない点もあります。まずは自分が実際にもらえる年金収入を確認し、どのように繰り下げをするのがベストかを考えていきましょう」■年金繰り下げで手取りはいくら増える?老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金金額の手取りはいくら?早見表つぎの「年金手取り額早見表」では、年金収入が上がるほど、手取り率が下がっていく。【年金手取り額早見表】額面収入:180万円→手取り額:163万円(手取り率:90.60%)額面収入:200万円→手取り額:181万円(手取り率:90.50%)額面収入:220万円→手取り額:194万円(手取り率:88.20%)額面収入:240万円→手取り額:208万円(手取り率:86.70%)額面収入:260万円→手取り額:224万円(手取り率:86.20%)額面収入:280万円→手取り額:239万円(手取り率:85.40%)額面収入:300万円→手取り額:254万円(手取り率:84.70%)額面収入:320万円→手取り額:268万円(手取り率:83.80%)額面収入:340万円→手取り額:284万円(手取り率:83.50%)額面収入:360万円→手取り額:301万円(手取り率:83.60%)額面収入:380万円→手取り額:317万円(手取り率:83.40%)額面収入:400万円→手取り額:334万円(手取り率:83.50%)額面収入:420万円→手取り額:350万円(手取り率:83.30%)額面収入:440万円→手取り額:366万円(手取り率:83.20%)額面収入:460万円→手取り額:381万円(手取り率:82.80%)額面収入:480万円→手取り額:397万円(手取り率:82.70%)※令和2年、江戸川区のモデルで試算。本人年齢は66歳・妻の年金は90万円特に、年金増額で社会保険料の負担が増えやすいのは、男性の厚生年金受給者の平均的な受給額である、年200万円前後の年金を受け取る人だという。「都市部などの大都市圏では、扶養する配偶者がいる場合は年金収入211万円まで、単身者は155万円までで住民税の均等割が非課税になります。これを超えると、社会保険料の減免措置が受けにくくなったりして一気に負担が増え、手取り率が減ってしまうのです。ただし、均等割の非課税基準は自治体ごとに異なるので自分の住んでいる地域の基準を確認するようにしましょう」
2022年04月06日新建新聞社/リスク対策.comは2022年4月5日(火)15時から、サイバー保険に関するセミナーを開催します。今回はサイバー保険の変遷とサイバー保険市場のトレンドを通じ、国内外企業の動向や新たな試みなどを解説します。リモートワークの普及や地政学的なリスクの増大など、サイバーリスクが大きく変化しています。サイバー保険では損害率の悪化やリスクの上昇などから、保険会社の補償限度額の縮小や高リスク種目からの撤退、保険料率の上昇など従来のリスク転嫁手法が取りにくい環境が始まっています。講師は国内外のサイバー保険の動向に詳しい、ウイリス ジャパン サービス株式会社、ジャパン ビジネス ディビジョン本部長の関根伸一郎氏です。「Zoom」を使って行います。お使いのネットワークで接続できるかご確認の上、お申し込みください。サイバー保険の変遷と現状1997年に米国のAIG社がY2K問題をきっかけに、世界で最初のサイバー保険の引受を開始しました。その後、サイバーリスクの変化と共に、米国を中心に補償内容もリスクに合わせて広範囲に補償できる商品が次々に販売されるようになりました。現在、全世界で100社以上の保険会社が引受を行っておりサイバー保険の市場規模は拡大しております。日本では、日本の損害保険会社各社が、2015年から引受を開始し、今日に至っています。当初日本国内のマーケットは、外資系損害保険会社が引受を牽引していましたが、世界的なサイバー被害の拡大と損害率の悪化により、2021年以降から急速に外資系損害保険会社の引受姿勢が厳しくなっています。開催概要◆日時:2022年4月5日(火)15:00~16:15(事前映像の配信開始14:45~)◆方式:Zoomウェビナーを使ったライブ配信◆主催:リスク対策.com(株式会社新建新聞社)◆定員:100人※参加費無料要リスク対策.com会員登録(無料)詳細・お申し込み : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年03月09日新型コロナのオミクロン株の感染が急拡大するなか、「コロナ保険」が人気を集めている。そんな、コロナ保険について経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■感染拡大受け、保険にも変化が代表的なものは、スマホ決済のPayPayアプリ内で買えるPayPayほけん「コロナお見舞い金」です。基本プランは保険期間3カ月分の保険料が1,500円。医師に新型コロナと診断されたら、保険金5万円が支給されます。この保険は’21年12月に保険料500円で販売を開始。販売から1カ月半で加入件数が20万件を突破しました。2月10日から保険料が上がりましたが、申し込みが簡単で当初はワンコインの手軽さもあり、加入者が増えたのでしょう。ただ注意したいのは、契約から14日間は補償の対象外の「免責期間」であること。発症後の加入を防ぐためによくある条件ですが、免責期間に感染、発症しても保険金はおりません。保険期間は3カ月というものの、免責期間を除くと実質2カ月半です。2つ目は、大樹生命の「おまもリーフ」です。基本プランの保険料は女性が毎月340円で、保険期間は5年。けがや新型コロナなどの感染症で入院したら、保険金10万円が受け取れます。加入者は約5万7,000人と人気商品でしたが、2月4日に突然、販売が停止されました。新型コロナにかかる方が増えて、保険会社が支払う保険金額が、想定を上回る見込みになったからです。というのも、保険会社は損になる商品は販売しません。たとえばPayPayほけんの場合、2月9日までの保険料500円で20万人が加入したので、保険会社には1億円の保険料が集まりました。この1億円はコロナにかかったときにもらえる保険金5万円の2,000人分です。つまり、加入者20万人中感染者が2,000人以内なら保険会社は損をしない計算でしたが、予想以上に感染者が多く、保険料引き上げに。大樹生命も損失が出そうだと判断したのでしょう。3つ目は、第一スマートほけんの「コロナminiサポほけん」。保険期間は3カ月で、保険料は新型コロナの感染状況で変わります。たとえば今年1月に新規契約した方の保険料は890円でしたが、2月だと3,840円。感染が拡大したため、保険料が上がったのです。保険は、不運な状況になったらお金がもらえる“不幸くじ”。だとすると、当たりやすいくじは掛金が高いのも納得できます。要は、確率とお金の問題なのです。そう理解したうえでコロナ保険には2つの注意点があります。1点は保険金の受け取り方法です。最近増えている「みなし陽性」などの場合、どんな手続きが必要か、保険金が出るのか、ご確認を。2点目は加入中の医療保険でカバーできないか。多くの生命保険や医療保険が、新型コロナの自宅療養でも保険金を支給します。加入中の保険会社にお問い合わせを。この機会に、自分の保険を見直してみてはいかがでしょう。【PROFILE】荻原博子身近な視点からお金について解説してくれる経済ジャーナリスト。著書に『「コツコツ投資」が貯金を食いつぶす』(大和書房)、『50代で決める!最強の「お金」戦略』(NHK出版)などがある
2022年02月25日「年金暮らしの人でも、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる場合があります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」確定申告の必要がある人の場合、期限に遅れると最大年14.6%程度の延滞税が、申告しないと無申告加算税(税額の最大20%)が課せられることがある。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。■所得税を払っていれば「確定申告」で還付を受けられる可能性が「年金のみが収入源となっている世帯でも、年金収入が一定額を超えれば所得税が発生します。たとえば、現役時代会社員だった夫と専業主婦の妻がともに65歳以上の場合、妻の年金収入は国民年金のみなので、満額(約78万円)もらっても所得税は発生しません。一方夫は、公的年金等控除と基礎控除相当(162万円)と配偶者控除(39万円)を足した201万円に社会保険料控除を加えた金額を超える収入があると、所得税が源泉徴収されます。この税額が“本当に払うべき”税額よりも多い場合、確定申告でその差額が戻ってくるんです」〈元々会社員の夫と専業主婦の世帯なら〉夫の年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+201万円より多い〈未婚女性の場合〉年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+162万円より多い。※公的年金等控除+基礎控除(相当額)+配偶者控除、未婚女性の場合は配偶者控除なし自分が源泉徴収でいくら払ったかは、毎年1月ごろに日本年金機構から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」で確認できる。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」年金受給者に送付される“公的年金等の源泉徴収票”で行われる控除は、社会保険料控除や扶養控除など一部のもののみ。「サラリーマン時代にあった年末調整では、生命保険料、地震保険料などが所得から控除されていました。しかし、年金生活者がこれらの控除を受けるには、自分で確定申告をしなければいけません」還付は5年前の分まで可能。この機会に、支出を見直して取り戻せる税金は取り戻そう!
2022年02月14日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)年金は、今後もマクロ経済スライドなどにより徐々に減っていく見通しだ。今後は、日々の暮らしで支出を抑えていくことが必要になってくる。そこで今回、節約や制度に詳しい柏木さんに加え、節約アドバイザーの丸山晴美さん、同じく節約アドバイザーの和田由貴さんに、年金受給世代に向けた“年金大減額時代”の節約技を教わった。■年金暮らしをスリム化するための節約技※柏木さん、丸山さん、和田さんへの取材をもとに本誌作成【1】乗り換え&電気ガス一本化で光熱費をカットガスや電力を一社にまとめたり、電力会社を乗り換えることで、割引が得られるケースが多い。たとえば「HISでんき」を利用すると、大手電力会社に比べ最大5%安くなる。【2】格安スマホに乗り換えて通信費削減格安スマホや大手キャリアのサブブランドに乗り換えることで月額料金を安くできる。利用していない固定電話がある人は、詐欺電話のリスクもあるので解約を検討してみよう。【3】無駄な医療保険は解約する70歳以上の医療費負担は2割なうえに高額療養費制度も利用できるため、医療保険は解約を検討して。がん保険も、先進医療特約など、どこまで積極的な治療を望むのか考えて見直しを。【4】お中元・お歳暮から卒業するシニア世代の削りたい出費の上位に入る交際費。その大部分がお中元やお歳暮で、年間数万円もの費用がかかる。年賀状のように儀礼的に送り合う季節の贈答品もやめたい人が多いので、話し合いのうえ、卒業しよう。【5】スーパーの棚を回る順番を変えて無駄買いを減らす一人当たり年間2万2,000円という調査結果もある食品ロス。 スーパーの入口にある野菜や果物売場から買い物を始めると、安いが不必要なものもカゴに入れてしまいがち。メインの食材となるものの売場にまず行き、その後付け合わせになるものを買うようにすると無駄な買い物を防げる。【6】日用品はスーパーよりドラッグストアで購入するドラッグストアは薬の販売で利益があるので、そのほかの日用品がスーパーよりも安くなる傾向がある。また、平日の19時以降や土日祝などの時間外の処方薬の調剤には調剤加算料がかかるので、処方箋は時間内に受付して。【7】運転免許証返納特典を活用する東京都には、免許返納者に定期預金の金利を店頭金利から0.05%上乗せする信用金庫がある。またそのほかにも、帝国ホテルのレストランが10%オフになる、スーパーの丸正チェーン加盟店では500円分のクーポンが進呈されるなど、免許返納に伴い多くのサービスが実施されている。【8】シニア割を見逃さない「イオン」では毎月15日、55歳以上を対象に「G.G感謝デー」として、イオンクレジットカード利用の場合5%引きに。「ココカラファイン」や「スギ薬局」などドラッグストアも、60歳以上を対象に、5%引きになるシニア割の日がある。今年度は0.4%だった受給額の減額だが、来年度以降さらに大きく減る可能性もある。年金大減額時代への備えは、早く始めるに越したことはないのだ!
2022年02月03日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)政府が“100年安心”とアピールする年金だが、なぜ減額されるのか。経済評論家の平野和之さんは、こう解説する。「年金の受給額は物価や現役世代の賃金の動きに応じて毎年度変わっています。’21年度の物価は前年比0.2%減で、過去3年間平均の名目賃金変動率が0.4%減。今回は賃金の変動率が優先され、0.4%の減額となりました。コロナ禍によって旅行業界や飲食業界などサービス業を中心に業績が悪化した企業が増えたことが今回の減額の主要因でしょう」年金減額は、今後もさまざまな理由で行われるという。「もともとは、賃金や物価の上昇に伴い、年金の受給額も上がっていました。しかし、現在は少子高齢化のため、受給額を大きく上げると現役世代の負担がとても重くなってしまいます。それを防ぐために、’04年からマクロ経済スライドという仕組みが導入されているのです。スライド調整率というものを設定し、その分を年金の改定率から引くという仕組みです。そのため、年金の上昇分は、賃金や物価の上昇分に満たず、実質的に減額となります」(平野さん)ただし、マクロ経済スライドは、今年のように年金額が減少する際などには、発動されない。しかし、その分は、翌年度以降に繰り越されるので、今後仮に賃金(物価)が上がっても、繰り越されたマクロ経済スライド調整率が差し引かれるため、年金はほとんど上がらないのだ。■物価は上がるが年金は減っていく……こうした複雑な仕組みなどによって、年金減額が行き着く先はどこなのか。平野さんは、厚生労働省が年金の将来の見通しを予想した「財政検証」にヒントがあるという。「最新の財政検証(’19年)では、前述のようなモデル世帯の年金受給額は月22万円となっています。この金額が現役男子の平均月収に占める割合を表す所得代替率は、61.7%となっていました。しかし、財政検証ではこの所得代替率を維持することは困難で、将来的には約50%にまで落ち込むと想定しています」現在のモデル世帯の平均月収で換算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも月4万円以上減額することになるのだ。「さらに不安なのは物価が上昇していることです」こう指摘するのは、節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。「昨今、原油、大豆や小麦などの穀物の高騰が続き、2月以降には、冷凍食品などの価格にも影響が出そうです」今後も続くとされる、物価の上昇。年金受給世帯にとっては、入ってくるお金が減り、出ていくお金が増える状況が続くことになる。
2022年02月03日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが「受給開始年齢を遅らせる」「なるべく長く働き続ける」「できるだけ収入を増やす」の3つ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)■65歳以降も“夫に働いてもらう”ことが欠かせない繰下げ受給を選択するにしても、その期間は年金以外の収入でまかなえる生活設計を立てる必要があることを考えれば、「なるべく長く働く」「できるだけ収入を増やす」の要素が大きいという。「現役生活に一区切りつけてしまうと、『なかなか働くスイッチが入らない』という声を聞きます。働きたくない夫に無理に働いてもらうようにすると、そこで夫婦ゲンカにもなってしまいます。ですから、単にお金のことだけではなく、会社を辞めた後の生活をどうするのか、といったことを含めて、65歳以降の生活を夫婦で考えてみることをおすすめします。特に、仕事をスッパリ辞めてしまった人は、将来への不安が尽きないうえ、『妻以外の人と話すことがない』『何もすることがない』という状態に陥りがち。それがストレスのもとになり、心身の不調を訴える人もいるくらいです」それでは定年以降、夫にはどんな働き方をしてもらうのがいいのだろう。「外に出ることは健康をキープすることにもつながりますので、趣味やサークル活動を楽しむ時間を持ちながら短い時間働く、といった選択肢もありですね」とはいえ、70歳まで年金を繰り下げる計画を立てるのであれば、年金以外の収入がないからといって貯蓄を取り崩すのはNG!将来、病気や介護が必要になったときに備えて手をつけないでとっておきたい。「繰り下げの待機中はマイペースに働くことが大事。夫がどうしても『フルタイムで働くのはもう嫌だ』ということもあるでしょう。その場合は、企業年金に加入していた人であれば、その受給分だけを生活費に回したうえで、そのほかに必要な分だけ働いてもらえば十分です。老齢厚生年金だけを65歳から受け取り、老齢基礎年金は繰り下げて、生活の不足分は働いて得る、という選択肢も出てきます。妻がフルタイムで働く代わりに、夫は家のことを手伝う、というように、夫婦で役割分担をすることも円満の秘訣です」■2つの改正ポイントで働くモチベーションアップさらに今回の改正では、老後も働き続けるモチベーションを維持するための制度変更もある。これまで、60〜65歳で年金を受け取りながら働くときは、年金収入と働いて得た収入の合算が月額28万円を超えてしまうと年金額が調整されていたが、’22年4月からはその基準額が47万円に引き上げられる。さらに、これまでは70歳にならないと、65歳以降に納めた厚生年金保険料は支給額に反映されなかったが、’22年4月からは、働いて納めた厚生年金保険料が、翌年の老齢厚生年金に反映されるようになる。つまり、もらえる年金が目に見えて増えるので働いた実感がわいてくるのだ。また、今回の大改正に合わせて、働き方の法整備も進み、65歳から70歳まで働く機会を確保することが企業側の努力義務となった。「改正高年齢者雇用安定法で、70歳まで働く時代が本格的にやってきました。企業は今後70歳まで定年を引き上げるだけでなく、定年制そのものを廃止し、起業する人やフリーランスになる人への業務委託などを進めることになっていきます」再雇用で同じ会社で働き続けるほかにも、転職や起業、フリーランスになるなど、老後の働き方が多様になるこれからの時代。夫はもちろん、妻だって元気なうちは働くに越したことはない。ペースを崩すことなく夫婦で働き、「老後の資金」と「健康」をゲットする。そんな一石二鳥を目指すべし!
2022年01月19日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。「外に出ていつまでも健康で過ごすためにも、65歳まで働くのは当たり前、70歳や75歳まで働くことも視野に入ってきます。70歳まで働いて年金を増やしたいという人もいれば、65歳で受け取りたいという人もいますので、職業や資産、健康状態によって、自分に合った受け取り方は異なります。今回の改正では、働き方や年金の受け取り方の選択肢の幅が広がるので、安心できる老後を過ごすための制度設計がしやすくなりました」(井戸さん・以下同)ほかにも、短時間勤務での厚生年金加入が可能になったり、働きながら年金をもらう場合に年金がカットされるボーダーラインが47万円にアップされるなど、大きな改正点は5つ。■パートでも“厚生年金に加入”できる勤め先を見つけようこれまで、「ちゃんと働いているのに国民年金にしか加入できないので、老後の不安が尽きない」という人は意外と多かった。しかし、今回の大改正で、厚生年金加入のハードルが下がり、老齢基礎年金(1階部分)にプラスして老齢厚生年金(2階部分)がもらえるようになる人がグンと増えるのだ。「女性のほうが男性よりも長生きする人が多いことがわかっています。会社員だった夫が亡くなった後、遺族厚生年金があるとはいえ、夫婦2人で生活していたときに比べて収入がガクンと減るので、『おひとりさま』生活を見据えた資金計画はしっかり立てておきましょう。パートやアルバイトで働く主婦の方は多いと思いますが、これまでは労働時間などの条件を満たしていないため社会保険に加入できず、老後に不安を抱えているケースをよく見かけました」具体的にいうと、’22年10月からは、短時間労働者が社会保険に加入できる要件のハードルが以下のように下がる。(1)1週間で20時間以上同じ会社で働いている、(2)月額賃金が8万8,000円以上、(3)2カ月以上雇用の見込みがある、(4)学生ではない、(5)勤め先にフルタイム従業員が常時101人以上いる、の条件を満たしていれば、社会保険に加入できるようになるのだ。これまでは「フルタイム従業員が501人以上」だったのが、今回の大改正で、101人以上とハードルが下がり、さらに’24年10月以降は、フルタイム従業員が常時51人以上に下がる。「将来的にはフルタイム従業員の人数にかかわらず、週20時間以上働いた人は社会保険に加入できる方向で議論は進められています。ここでいう社会保険は厚生年金と健康保険。アルバイトの募集で『社会保険完備』と書いてある場合は、この2つが加入の条件なのかよくチェックしましょう」主婦の場合は、結婚してから60歳までの間、厚生年金または共済年金に加入している夫(第2号被保険者)の扶養の範囲に入り、第3号被保険者に該当しているケースが多い。パートやアルバイトで働いていたとしても夫の扶養から外れないよう、いわゆる“130万円の壁=年収130万円未満”の範囲で働いている。そんな主婦が、扶養から外れて社会保険に加入すると、目先の手取りは減るけれども、将来年金として受け取れる額が増えるのは大きいという。「たとえば年収106万円で厚生年金に加入して10年働いたとすると、納める厚生年金保険料は月8,052円で、受け取る老齢厚生年金は65歳から年額5万7,900円×終身という計算になります。老後のことを考えれば、今回の改正を機に、厚生年金に加入できる仕事を探してみてはいかがでしょう」井戸さんによれば、仕事を探すのであれば地元がベストとのこと。フルタイムの従業員が501人以上の会社はそうそうないかもしれないが、101人以上の会社なら、身近にも意外とあるもの。ご近所ネットワークも活用して、求人票には載っていない“口コミ”の仕事も探してみよう。
2022年01月19日老後の暮らしを支えてくれるものといえば「年金」だが、その年金の仕組みが’22年春から大きく変わる。少しでも多くもらい、取りこぼしを極力なくすためにも、今からキッチリ予習しておこうーー!’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正の目玉は、年金を75歳まで繰り下げると84%も増やせる「年金の繰り下げ」。本来の受給開始時期である65歳よりも前に年金を受け取り始めることを「繰上げ受給」、65歳より後にもらい始めることを「繰下げ受給」という。繰上げ受給を選択すると、年金が1カ月あたり0.5%(’22年4月からは0.4%)減額され、繰下げ受給にすると、受け取る期間を1カ月延ばすたびに、月0.7%増えるという仕組みだ。「改正前は繰り下げられる上限が70歳で、仮に65歳から上限いっぱいまで繰り下げると、65歳で年間約78万円の年金を受け取れる人は、42%増になるという計算でしたが、今回の大改正では、上限がさらに5年間延びて、受給開始時期を75歳まで引き上げられるようになりました。たとえば、受給開始時期を10年間遅らせて75歳から受給すると、受給額は84%増の約143万円にもなります」(井戸さん・以下同)受け取る時期を遅らせるだけで年金額が月0.7%も増えるのは、なんともありがたいことだ。受け取れる年金の額が少ない人や、住宅ローン、教育ローンなどの支払いが長引き老後資金を貯められなかった人は、65歳以降も働くことを視野に、年金の繰り下げをぜひ活用しよう。■繰下げ受給にともなう落とし穴に要注意!ただし、夫と妻の年金をすべて繰り下げてしまうと、損をする場合もあるという。「『加給年金』を受け取っている人は注意が必要。加給年金というのは、夫の厚生年金の加入期間が20年以上ある人が対象で、大まかにいうと、夫が65歳に達した時点で、扶養する65歳未満の妻や18歳までの子どもがいる場合、夫の老齢厚生年金に加算される年金のことです。金額は妻の場合で年額39万500円。65歳になるまでの間、毎年支給されるものですが、夫の老齢厚生年金の受給時期を繰り下げてしまうと、この加給年金がもらえなくなってしまいます」たとえば、妻のほうが5歳年下という場合、夫が老齢厚生年金の受給を70歳まで繰り下げてしまうと、加給年金を受け取ることができなくなってしまう。さらに加給年金の受け取りが終わっても、妻が1966年4月1日以前に生まれている場合、65歳になって加給年金の受け取りが終わっても、一定の基準を満たせば妻の老齢基礎年金に上乗せされる「振替加算」も用意されている。この振替加算は老齢基礎年金と同時に受給開始となるので、妻の老齢基礎年金を繰り下げてしまうともらえなくなるので注意したい。「振替加算の金額は年齢によって違いますので、実際にいくらもらえるのか確認しましょう。年齢によっては1年間でもらえる振替加算の額が少なく、老齢基礎年金を繰り下げしたほうが総受給額が増えることもあります。ちょっと複雑になりますが、年金の受給を繰り下げるのと、加給年金や振替加算を継続してもらうのと、どちらがお得になるのかを見極めることが大切です」夫は老齢厚生年金を65歳から受け取り、老齢基礎年金を繰り下げる、妻は老齢厚生年金を繰り下げて、老齢基礎年金を65歳から受け取る、などお得なパターンをシミュレーションしてみよう。また、月400円の付加保険料を支払っている場合、老齢基礎年金に付加年金(200円×付加保険料納付月額)がつく。老齢基礎年金を繰り下げる場合は付加年金も一緒に計算されるので覚えておこう。ここまでは、「会社員の夫と専業主婦の妻」のケースを見てきたが、自営業の夫婦や共働きの会社員夫婦、あるいはフリーランスで独身の場合など、働き方によって繰り下げ受給の正解は変わってくる。【自営業夫婦の場合】自営業者は年収にかかわらず、年金は老齢基礎年金のみ。20歳から60歳まで、40年間(480月)保険料を納めて満額もらえたとしても、65歳から受け取れる年金は年額78万900円(月額6万5,000円)。未納の期間があるともっと少ない金額になってしまうので、保険料未加入期間を65歳まで「任意加入」して、できるだけ満額で受け取れるようにしておこう。「夫の老齢基礎年金を70歳まで繰り下げると、42%アップの年額約110万円になります。妻は長生きリスクに備えて、もう少し先の75歳まで繰り下げましょう。すると、84%アップの年額約143万円に年金は増え、夫婦合わせると約255万円にもなります。1カ月の年金収入は21万2,000円になるので、安心できるでしょう。ただし、夫が亡くなった後、子どもがいない妻がもらえる遺族年金はありませんので、夫の死後、生活できるように貯蓄をしておくことが大事です」【共働きの会社員夫婦の場合】共働き夫婦の年金は、夫の年収が平均500万円だとすると、65歳から受け取れる年額は約189万円(月額15万7,500円)。妻の平均年収が300万円だとすると、年額で約144万円(月額12万円)もらえる計算になる。夫婦合計で年額約333万円(月額27万7,500円)もあるが、安心していると落とし穴があるという。「共働きの世帯は収入が多い分、支出も多く、デパ地下のお総菜を買ったり外食したりと、食費が多すぎるご家庭をよく見かけます。定年後は年金の範囲内で支出が収まるのかチェックしましょう。夫婦ともに勤め先の会社で再雇用や再就職ができるのであれば、70歳まで働き、その期間年金を繰り下げると、収入はもっと増えます」夫婦ともに70歳まで年金を繰り下げたとしたら夫は年額約268万円、妻は年額約204万円にもなり、65歳で受け取る金額と比較して、約139万円も増やすことができる。長年勤めてきたので「休みたい」と思う人もいると思うので、体調をみながら検討してみよう。【フリーランスで独身の場合】フリーランスで独身の場合、国民年金の保険料を満額納めていただけでは、65歳から受け取る年金は年額約78万円しかない。「体力的にも無理のないパート労働を60歳から始めて10年間勤めただけでも、将来受け取れる年金額は大きく違ってきます。たとえば、年収200万円で厚生年金に10年加入したとすると、年額約11万円にもなります。老齢基礎年金と老齢厚生年金を70歳まで繰り下げますと、老齢基礎年金は約111万円、老齢厚生年金は約16万円にまで増えます。合わせて年額約127万円(月額10万5,000円)なので、生活費が不足する分は働いて補う、またはその分貯蓄するといった選択肢が見えてきます」そしてもうひとつ、しっかり考えたいのが「いつまで繰り下げるのか」。75歳まで待つよりも、実は70歳までの繰下げ受給を選択するほうがお得だという。「厚生労働省の試算によりますと、65歳を迎える年代の男性の4割、女性の7割近くが90歳まで生きると見込まれています。ですから、『90歳まで生きる』ということを前提に、ライフプランを立てる必要があるでしょう。70歳と75歳まで繰り下げた場合を比べてみると、1年に受け取る年金額は、当然75歳のほうが多くなります。ですが、91歳以上まで生きるとすると、70歳から42%増しでもらったほうが一生涯で受け取る年金が多くなるのです。年金受給の損益分岐点は、もらい始めから11年10カ月前後が目安です。しかし、年金は保険です。高齢になってから年金を多く受け取りたい、医療費や介護費に備えたい場合は、要介護認定者が増える年齢である75歳から受け取るのもいいでしょう」なお、繰下げ受給を希望する人は、66歳の誕生日を過ぎてから、希望の繰り下げ時期にするよう、年金事務所で手続きをする必要がある。不測の事態を避けるためにも、飛び込みではなく、きちんと予約をして手続きをしよう。
2022年01月19日