花曇りの平日の昼下がり。多摩川の川べりに広がる公園の緑は次々と輝きだし、その香りを穏やかな風が運んできた。シャボン玉を飛ばす数人の女子学生の姿が遠くに見える。ポリポリと頭をかくのはタレントで漫画家の蛭子能収(73)。傍らにいる妻の悠加さん(54)がその様子を見て目を細める。紺のジャケットをそれぞれ羽織った2人は、ゆったりした時間が流れる緑地公園を巡る。菜の花畑が見渡せる橋で足を止めて、「うわーキレイや」蛭子さんが声を上げる。「キレイだね。花なんて興味なかったのにね、よっちゃんは……」悠加さんはつぶやき、グレーのキャスケット帽のつばを上げて春の空を見上げた。悠加さんが「よっちゃん」と呼ぶ蛭子さんは20年7月に放送されたテレビ番組『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)でレビー小体型とアルツハイマー病を併発している初期の認知症と診断された。それに伴い、今年4月27日(火)には単行本『認知症になった蛭子さん~介護する家族の心が「楽」になる本』(光文社)が発売。病気は、世間に公表された。蛭子さんの肩にすでに散りきった桜のがく筒が落ちてきた。悠加さんは指先でそれをつまみ、肩口を軽く手で払った。「悪いね」と口にする蛭子さん。「このごろ、よっちゃんは『ありがとう』と言ってくれるようになったんです。これまで『ごめんね』や『ありがとう』という感謝の言葉を聞いたことがありませんでした。この前は、どら焼きをおやつに出したら『いつもありがとう』と言ったから、思わず聞き直してしまいました。これも認知症の症状の1つだとしたら……よかったんですよね」悠加さんはそう語ると、蛭子さんの手を握って再び歩きだした。17年から3年間で、悠加さんは4回、救急病院に駆け込んでいる。ストレスからくる急性胃腸炎だった。さらに、彼女より30kgも重い蛭子さんの入浴やトイレの介助を1人でこなしたことで、ひざの半月板はボロボロの状態に……。20年7月に認知症であることをテレビで公表したのは、悠加さんの心のSOSからだった。「かかりつけ医にあらためてテストしてもらったところ、認知症を発症した可能性が高いことを指摘されました。それについて所属事務所の社長とマネージャーさんと相談したところ、お世話になったテレビ番組のなかで公表することになったのです。病気を売り物にするなんてと批判されるかもしれません。でも、私だけではギリギリの状態。3年間ずっと睡眠はろくに取れずに、日中も混乱したよっちゃんがそばにいる。私の何がダメだったからこんなことになってしまったんだろうと自問自答しては悩むばかり。共倒れになる寸前でした」蛭子さんが認知症と診断された様子がオンエアされた2日後、要介護認定が下り、公的な介護サービスを受けられるようになった。ケアマネジャーは、蛭子さんのためにショートステイ(短期入所生活介護)を受けることを提案。とにかく悠加さんの睡眠時間を確保することを優先させた。──それから半年が過ぎた。蛭子さんは、当初、介護施設に泊まることに戸惑っていたが、最近は慣れてきたという。薄曇りの空から優しい光が差してきた。遠くで蛭子さんが満開の笑顔で写真に納まっている。その様子を見ながら悠加さんが語る。「実は、認知症になる直前まで、2人で連日のように離婚に向けた話し合いをしていました。出会ってから20年近く、私なりに“蛭子能収の妻”になろうと努力してきました。でも、よっちゃんの心のなかには亡くなった前妻の貴美子さんの存在がいつまでもあり、どんなに私が尽くしても夫婦にはなれない。あるとき、ふと、よっちゃんは私ではなくて貴美子さんと添い遂げたかったんだろうな、と思えることがあり、それで別れようと考えたのです。そのうち認知症の症状がひどくなり、離婚どころの話ではなくなりましたけどね」悠加さんがまぶしそうに空を見上げながら、さらにこう続ける。「でも、しっかり睡眠を取れるようになり、ひざの治療にも行けるようになり、心に余裕ができたのかもしれませんね。今なら、よっちゃんのことも理解できます。離別ではなく死別でしたからね……。それに認知症が進行していくにつれて、亡くなった奥さんの存在が主人のなかで薄まってきたのかもしれません……。いずれ、私のことも忘れていくかもしれません。でも、認知症になって、ようやく夫婦になれた気がします」悠加さんは前妻をライバル視していたわけではない。蛭子さんが運転できたころは、月に一度の墓参りに欠かさず付き添い、その後も、近くの大師で毎月、護摩供養をしている。ただ、悠加さんはいない相手と闘っていた。理想の妻になる。いや、ならなくてはいけない──。蛭子さんの認知症は、そんな悠加さんの呪縛を解き放したのかもしれない。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年05月10日昨年7月、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した漫画家でタレントの蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!題して、「蛭子能収の人生相談!?」ーー。【Q】「結婚して3年。お互い仕事が忙しくてすれ違いばかり。休日は家で休みたい旦那と、どこかに行きたいと思っている私とは意見が合わず……。夫婦ってなんなんですかね。最近そう思っちゃいます」(おてもやーんさん・31・会社員・静岡県)【A】「夫婦とは、野に咲く花を一緒に見て『キレイだね』と言い合える関係」(蛭子能収)この前、女房と近くの公園に花見に行ってきました。そこの公園には桜だけでなくチューリップも咲いていて「キレイだね」とか話しながら散歩しました。思えば認知症になるまで、花をキレイだと感じたことがありませんでした。夫婦とはよくわかりませんが、すれ違いばかりでも、ちょっとした時間でも「いいよね」と話し合ったり、おいしいものを食べて「うまいね」とか言い合えたりすれば何よりですよ。おいしいと言えば、花見した公園で太鼓饅頭が打っていて売っていて、2人で買って食べました。大阪出身の女房は「これは回転焼き」だと言い張るんです。(マネージャー〈以下、マ〉「東京では今川焼きと言いますよ」)回転焼きでも今川焼きでもなくて、太鼓饅頭だとオレは思っていますが、争いになるから反論しません。夫婦でいるなら、そんな妥協も大事だと思いますよ。(マ「蛭子さん、どうしたんですか?今日はずいぶん“いい人”ですね」え?じゃあ、オレにもCMの話が来ますかね?「女性自身」2021年5月4日号 掲載
2021年04月26日昨年7月、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した漫画家でタレントの蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!題して、「蛭子能収の人生相談!?」ーー。【Q】「そば屋を夫と営んでいますが、16歳の息子が『大学に行かないで店を継ぐ』と言っています。せっかくいい高校に入ったので、大学に行って会社勤めをしてほしい。どうしたらいいでしょうか?」(235イチゴさん・47・自営業・埼玉県)【A】「仕事に求めるものは安定よりも『小さく働いて大きく稼げる』こと」(蛭子能収)この息子は、自分で考えて人生を決めようとしているのがすごいですよね。本人がやりたいということなら、それだけを大切にしてあげたらいいと思いますけどね。(マネージャー〈以下、マ〉「飲食店はコロナ禍で大変ですから安定した職業についてほしいのでしょうね」)オレは恥ずかしい話、自分で決めたのは長崎から上京したことぐらい。あとは流れるままだったような気がします。(マ「蛭子さんもダスキン練馬で会社員をしていました。安定を求めていたんじゃないですか?」)あれ……そうだっけ?覚えていませんが、オレが働くのは金を稼ぐためです。そこは安定なんかより大きく稼げるかどうかが問題。タレントの仕事は“小さく働いて、大きい稼ぎ”だけど漫画は“大きく働いて、小さい稼ぎ”でした。(マ「テレビ東京さんで蛭子さんの過去の映像をつないでドラマを作りましたね」)それがいいですね、“働かないで大きな稼ぎ”……あ〜、競艇に行きたいです。「女性自身」2021年4月27日号 掲載
2021年04月19日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「これから先、足腰が立たなくなって寝たきりになって、子どもたちに迷惑をかけるようになると思うと不安。3年前に妻が亡くなりましたが、生きていくのがつらい。どうすればいいでしょうか……」(木枯無粋さん・65・自営業・京都府)【A】「未来も過去もみないで、目の前にある仕事をやるだけ」(蛭子能収)こんな本気の悩みを、オレなんかに打ち明けること自体がダメだと思いますけどね。(マネジャー〈以下、マ〉「ギャラが出るのでしっかり仕事してください!」)すみません……、オレは働いて生活費を稼がないといけないんですよね。ただ、オレは漫画家とかタレントをやっていますが「これから先」なんて考えたことが一度もありません。行く末を考えたらどっちも不安だらけですからね。未来も過去もみないで、目の前にある仕事をやるだけ。あまり先のことを考えないほうがいいと思いますけどね。競艇でも、終わったレースを引きずったり、次のレースを考えたりしないで、目の前のレースだけに集中します。この人も、今だけに集中すればいいと思いますよ。(マ「そういえば最近、僕は競馬で負け込んでいるんですが、どうすればいいですか?」)いくら目の前のレースに集中しても勝てないオレに聞くこと自体、まったくダメだと思いますけどね。「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月12日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「夫が交通事故でケガ、私も体調を崩して病院通い、娘は就職先が決まらない。わが家だけ不幸ばかり起こります。幸せそうに暮らしているほかの家が妬ましいです……」(インガル・スーさん・49・主婦・兵庫県)【A】「幸せとは、なんてことないフツーの生活のこと」(蛭子能収)オレは競艇で負け続けたときは、帰りにパチンコ店に行っていました。ウジウジした気持ちを切り替えるためですが、意外と競艇で負けた日のほうが、パチンコでは勝っていた気がします。ギャンブルで失ったツキは、ギャンブルで取り戻すしかありません!(マネージャー〈以下、マ〉「真面目に回答しないと仕事がなくなりますよ!」)あっ、すみません……。大変そうですが、不幸なことは生きていれば必ずありますよ。たまたまそれが重なっただけ。もし不幸がずっと続いたら、その体験を本や漫画にすれば売れると思いますよ。(マ「蛭子さんは以前、真面目な番組で、幸せはと聞かれて「オッパイと競艇」と答えてヒンシュクを買っていました」)あれ、そうやったけ?たぶん、家に帰ってきたら女房がいて、たまに自分がやりたいことができるフツーな生活が幸せだと言いたかったんですけどね。(マ「やっぱりクズだと噂されました」)そんな悪い評判でも、逆にオレの評価を高めてくれることがあるんですよ。「女性自身」2021年4月13日号 掲載
2021年04月05日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「腎臓を患い、透析をしている夫。病気や治療が大変だろうけど、自己中で感謝の一言もない。『ありがとう』でも言ってくれたらいいのに。もう夫の世話をしたくありません」(郡山こりゃまさん・54・主婦・福島県)【A】「『ありがとう』を口癖にして言い続ければ、いつか気持ちは伝わる」(蛭子能収)どうしたらいいんやろ……(マネージャー〈以下、マ〉「蛭子さんも昔は『ありがとう』とは言わなかったですよ」)そうやった。でも、認知症になってから「ありがとう」と自然に言うように……どうしたんやっけ?(マ「奥さんが『ありがとうは?』とずっと言い続けたことも大きいと思います」)じゃあ、夫に「『ありがとう』と言ってください」と言い続ければいいと思いますよ。「ありがとう」なんて気持ちがこもっていなくても別にいいんですよ。たとえば有吉(弘行)さんも、オレが認知症になったことを気にかけてくれたようなので「ありがとう」。東野(幸治)さんも、病気のオレをテレビに出してくれて「ありがとう」。オレの女房も、いろいろ面倒かけて「ありがとう、ありがとう」。こうやって練習のように言い続けていれば口癖になって、いつか気持ちが伝わりますよ。(マ「蛭子さん、オレにも言ってください」)あ〜はいはい、ありがとう、ありがとう!こう言っておけば、みんなが笑ってくれるんですよ。「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月29日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「銀座のクラブ通いをする国会議員。新型コロナ対応もそうですが、政治家に裏切られた気分です。もっとしっかりしていれば日本はよくなるはず。蛭子さんからも言ってほしい!」(笹ダンゴさん・42・パート・島根県)【A】「政治家なんて信用できないからいくつになっても稼いでいたい」(蛭子能収)オレは銀座には行ったことがありませんね。(マネージャー〈以下、マ〉「プロデューサーに連れられて、毎週、銀座の高級クラブに行っていた時期があります」)あっ、そうやった。番組のプロデューサーが銀座好きで、収録が終わった後、よく誘われていました。オレはレギュラーだったから断れなかったけど、楽しい思い出はまったくありません。その銀座好きのプロデューサーは、オレのこと「蛭子大先生」と呼んでいたのに、すぐに「蛭子さん」になりました。しばらくすると「蛭子!」に呼び捨てになって最後には「おい親父!」と呼び方が変わっていました。でも政治家なんて、みんなあのプロデューサーみたいなものですよ。政治にはあまり期待しないほうがいいように思えてしまいます。(マ「蛭子さんは政治や国が信用できないから何歳になっても働きたいんですよね」)政治家って定年がないんでしたっけ?それやったら「認知症党」でも作って、政治家になるのもいいですね。まっさきに、賭け麻雀などのギャンブルを解禁します。「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載
2021年03月22日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「ケンカばかりの両親を見ていて、結婚って何?と。他人同士が一緒に暮らす意味がわかりません。夫婦ってなんですか?なぜ、蛭子さんは結婚したのか理由を教えてください」(ロビンさん・17・学生・群馬県)【A】「結婚なんてうまくいくわけがないと思っていたほうがいい」(蛭子能収)結婚をした理由なんて覚えていませんね。(マネージャー〈以下、マ〉「前の奥さんを亡くされて、1人で寝るのが寂しいからだったと思いますよ」)あっそうでしたっけ?まあでも、結婚なんてなんとなくするもの。みんなも理由がよくわからないけど一緒になっていると思いますよ。ただケンカを見せられるのが嫌だったら「私の前でしないで」と意思を伝えたほうがいいし、どっちかに暴力があったらすぐに警察に行ったほうがいいですよ。でも、どの家庭にも問題がありますよ。変な期待しないで結婚なんてうまくいくわけがないと思っていたほうがいいと思いますよ。(マ「よくギャンブルに行って夫婦ゲンカしていましたよね」)昔はギャンブルと女房を選べと言われたら、確実にギャンブルでしたが、でも最近は女房だけです。(マ「奥さんのどういうところが好きですか?」)えーっと……、パッと答えられないのはマズいですね、ほかの人と比べたら段違いにいいんですが……なんやろ?誰か教えてください!「女性自身」2021年3月16日号 掲載
2021年03月08日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「52歳の夫の部屋は雑誌や本などで足の踏み場もない状態。『掃除して』というとキレる始末。こんなだらしなくて自分では何もしない夫と、どう接したらいいですか?」(月コロッケさん・45・契約社員・埼玉県)【A】「オレの書いた映画の台本で『鬼滅の刃』超えを狙いたい」(蛭子能収)オレもこの夫と同じで、よく女房に怒られていました。でも「掃除して」と強く迫られても、自分にとっては居心地が悪いわけでもないのでいまいちピンときません。ただ女房に「ゴキブリが出る」とか「臭いがする」とか具体的に言われたときだけは片付けた気がしますよ。あとは「捨てられても困るものはないよね」と言って掃除して、後でお金を払ってもらえばいいですよ。(マネージャー〈以下、マ〉「事務所を掃除していたら、蛭子さんが昔書いた映画の台本『その扉をあけるな』が出てきました」)雀荘でマージャンをしている男が破滅していくんでしたっけ?(マ「地下125階の地獄に落ちていく話。ぜひ、その幻の台本を映画化してください」)たぶんあれやったら『鬼……なんとか』よりおもしろいと思いますよ。(マ「『鬼滅の刃』は興行収入370憶円以上ですよ!」)監督は面倒くさいから、誰かに映画にしてもらって、もうけたらオレの部屋を誰かに掃除してもらおうかな。(マ「自分では何もしないんですね」)「女性自身」2021年3月9日号 掲載
2021年03月01日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「母が通う介護施設の送迎車に〈ボートレースファンからの贈り物〉とステッカーが。蛭子さんを思い出して気持ちがほっこりしました。これからも競艇がんばってください!」(ひで~おさん・52・会社員・東京都)【A】「介護する家族には少しでも気持ちの温まることを見つけてほしい」(蛭子能収)これは悩み事なんですかね?(マネージャー〈以下、マ〉「介護する人は大変だけど、競艇の売り上げで寄贈された送迎車を見て蛭子さんを思い出してほほ笑ましくなったんじゃないですか」)介護する家族は大変みたいですから、少しでも気持ちが温まることが見つけられたらいいですよね。オレも競艇からプレゼントが欲しいですね。ずいぶん前ですが、オレが競艇で5万円勝ったときに一緒に行った人へご祝儀を5,000円あげたことがあるんです。でも、その後のレースでオレが負け続けて一文無しになったときに、ご祝儀をあげた人がかわいそうだと思って「お茶でも飲もう」とおごってくれたことがありました。それも競艇ファンからのプレゼントですが、そのお茶代は、もともとはオレのお金なのにと複雑な気持ちになりました。贈り物として、これまで負けた1億円が取り戻せれば、今、ぼんやりしている頭もスッキリすると思うんですけどね。(マ「どうせまた競艇で負けるからやめてくださいね」)……すごく気持ちがヒンヤリしました!「女性自身」2021年3月2日号 掲載
2021年02月21日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「離婚後、心機一転、上京して契約社員をしていましたが、コロナ禍で契約解除に。いまだ仕事もなく、孤独に生きています。この先どうやって生きていけばいいかわかりません」(ファンタジスタ森さん・37・無職・東京都)【A】「『ひとりぼっちを笑うな』と言ったものの、やっぱり孤独は嫌」(蛭子能収)生きていれば絶対いいことがあると思うんですよね。(マネージャー〈以下、マ〉「7年前に『ひとりぼっちを笑うな』を出版してから、蛭子さんはひとりでも大丈夫というイメージを持っている人がいます」)でも、オレは、やっぱり孤独は嫌です。本当に寂しいですからね。(マ「前妻を亡くされて、再婚までは本当に孤独でしたね」)競艇やマージャンをしても全然おもしろくない。勝っても負けても共有する人がいないのはむなしいだけ。でも、好きでもない友達を無理やりつくって、その人が毎日いるようになったらホント困ります。(マ「蛭子さんは耐えられなくて『女性自身』のお見合い企画をやってもらって今の奥さんと知り合ったんですよ」)あっ、そうやった。だから、ひとりぼっちという自分をちょっと上から(俯瞰して)見ながら、いつか、なにも遠慮せずに話し合える相手が現れると思っていればなんとかなりますよ。それにしても『女性自身』もたまにはいいことするんですね。「女性自身」2021年2月23日号 掲載
2021年02月15日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「母は蛭子さんと同じ認知症で、いつも財布を隠しては『盗まれた!』と大騒ぎに。ボケる前とは違ってこんなにお金に意地汚ない人だとは思いませんでした。どうすればいいですか?」(カラフルマートさん・52・パート・千葉県)【A】「オレがいろいろ忘れていくさまは、おもしろがりながら見てほしい」(蛭子能収)あれ?オレは認知症でしたっけ?(マネージャー〈以下、マ〉「……無言」)そんなオレに相談しますかね?(マ「不安だからそんな行動するのでしょうね」)不安ですか……。俺もべつに病気になりたくてなっているわけじゃないから、お母さんも同じだと思うんですよね。いろいろ忘れていくのは怖いですからね。まあ、「本性を見ちゃった!」とか、おもしろがりながら気持ちを和らげてあげたらどうですか?(マ「蛭子さん、珍しくいいこと言っていますね」)でも不安になるのは、そんなに悪いことばかりではありませんよ。この前、競艇に行ったんですが、最初のレースで、1着1号艇、2着6号艇を予想しましたが胸騒ぎがして、舟券を買う直前に2号艇も押さえておいたら、それが来て100円が1万8,630円になる万舟に!すごくうれしかったです。でも、勝ったお金がなくなったんですよね、もしかして盗まれた?(マ「その後のレースで全部負けたんですよ!」)あそっか!「女性自身」2021年2月16日号 掲載
2021年02月08日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「定年後、ブラブラしていましたが、暇つぶしにと四コマ漫画を作っています。絵は得意ですが漫画となると難しくて苦労しています。おもしろい作品の描き方をご指南ください」(ごきさん・68・無職・栃木県)【A】「不可解に見える漫画を描くと、誰かが深読みしてくれる」(蛭子能収)もう漫画を描いていないから忘れてしまいました。(マネージャー〈以下、マ〉「いやいや『サンデー毎日』で四コマ漫画を描いていますよ!」)あ、そうだった!オレはほかの四コマ漫画とは違うように「起承転結」をつけずにオチがなかったり、結末で意味のない絵を入れたりして“なんじゃこれは?”という漫画を描こうとしています。不可解だと言われても、ニコニコしていれば「なんとなくいいですね」と勝手に思ってくれますよ。でも、まだまだ漫画で稼がないといけないから、あまりまねはしないでください。というのも、寂しいことにスポーツ紙で三十数年続いた競艇のレース予想の連載が終わってしまいました。(マ「元気になったら、もっと仕事をしましょう!」)こんなことを言うマネージャーをオレの女房は「すごく優しい人」とほめますが、絶対に裏があって腹黒いことを考えているとオレは考えています。(マ「なるほど、そんなドス黒い発想も四コマ漫画には大事な要素ですね」)……ま、いっか!「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「酒もギャンブルもしませんが、貯金がほとんどありません。息子は高校受験でまだまだ金がかかります。コロナ禍で稼ぎも少なくなるし、将来を考えると不安で夜も眠れません」(とんがりさん・51・会社員・埼玉県)【A】「お金の不安は一生消えない」(蛭子能収)眠れないのは大変ですね、ウフフ。余計なことを考えないほうがいいと思いますよ。オレも金に関しては苦労してきましたが、あまり先のことを考えずに目の前の仕事をしました。(マネージャー〈以下、マ〉「蛭子さんは、今でも“金を稼がなくっちゃ”という思いがすごくありますよね」)オレ、とにかく金を稼げなくなったら終わりだと思っているし、お金の不安は一生消えることはありませんよ。今だけを考えていればいいと思いますけどね。(マ「この相談者は、蛭子さんが賭け麻雀で逮捕された当時の年齢と一緒です!」)えっ、そうなの?オレはそのころ、何していたんやろ?(マ「3カ月ぐらいテレビの仕事は謹慎しました」)あっそうやっけ?漫画の仕事はあったような気がしますけど……。(マ「謹慎期間中にラスベガスに行ってギャンブルをしていました。本当に不謹慎ですよ」)あ、そうやった。でも、オレにとってギャンブルは金を増やすのが目的です。謹慎中でもしっかり稼ぎに行っていたんですね。「女性自身」2021年2月2日号 掲載
2021年01月25日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!昨年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「洋式トイレで立ってする夫をなんとかしたい。座ってすると残尿感があるといいますけど、飛沫を掃除するのは私。座って用を済ませてほしい。どうすればいいですか?」(ルイポーさん・39・主婦・愛知県)【A】「『座って用を済ませてほしい』と夫にきちんと言うべき」(蛭子能収)オレの家も洋式トイレですが、立ってすることが半分くらいです。やっぱり大きいほうは座ったほうがいいと思います。(マネージャー〈以下マ〉「当たり前です。小のほうだとトイレの周りに飛び散るのが嫌だという相談です」)小を立ってするときも、オレは汚していないと思います。(マ「奥さんが掃除しているんですよ」)でも何も言われたことがありませんよ。自分が嫌なことは、オレに相談しないで、きちんと相手に言うべきでは。それで怒るようなら別れたほうがいいと思いますけどね。オレは、外出先のトイレの便座は使いたくありません。誰かのうんこが付いている気がしてすごく苦手なんです。案外清潔なのに、オレの汗で作った塩大福を誰かに食べさせる企画がありました。汚ないと誤解されているんですよね。(マ「漫画家の根本敬さんが蛭子さんを「40年の付き合いで口臭も嫌な体臭の記憶も無。小学生みたいな匂いだな」とつぶやいていました」)そんなこと言われたオレは、どうすればいいんですか?「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載
2021年01月18日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!今年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「よく遊びに来てくれるママ友は、いつもピーナツやケーキなどの手土産を持ってきます。もらいっぱなしは気が引けるし、毎回お返しするのも大変。どうしたらいいですか?」(よーこーさん・51・主婦・茨城県)【A】「お返しをしなければならないと思わせる贈り物は迷惑」(蛭子能収)(マネージャー〈以下マ〉「今回は連載300回目です」)あっ、そうですか。でも原稿料は通常どおりですよね、だったらどうでもいいですよ。でも、この人の気持ちはわかりますよ。お返しをしなければいけないと思わせるような贈り物は迷惑です。本当は「困ります」と正直な気持ちを伝えたらいいけど、面倒ですからね。オレの家にも、いろいろ贈答品が届きますが、一切お返しをしたことがありません。(マ「奥さんがちゃんとお返ししています」)あっ、そうだったんですね。いろいろ女房には感謝しているんですよね。(マ「そういえば、奥さんは蛭子さんに名前を忘れられたと怒っていました」)そうでしたっけ?前の女性マネージャーの下の名前は2文字だからすんなり出てくるんですが、女房のは……。(マ「奥さんの下の名前も2文字ですよ!」)あ、そっか。マズいですね、だったら、オレの正直な気持ちをしっかり伝えますね。「いつもありがとう」。(マ「直接言ってくださいよ」)それはちょっと面倒くさいです。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月04日「これが最後のボートレースになると思います。最近はもの忘れも激しいし……、人生最後のギャンブルですね」20年12月18日11時30分。「ボートレース平和島」にやってきた漫画家でタレントの蛭子能収さん(73)は弱々しくつぶやき、寂しそうな表情を見せた。パチンコ、マージャン、競馬、カジノとありとあらゆるギャンブルをやってきた蛭子さんにとってボートレースは特別なもの。20歳の誕生日当日に故郷、長崎にある「大村競艇場」(現・大村ボートレース場)で、その魅力に取りつかれて以来、53年間、ボートレース場に通い続けてきた。全国にあるボートレース場すべてに足も伸ばした。たしかに負けに負けた。これまでボートレースに1億円以上つぎ込んでいるが、ボートレースに対する愛は尽きることがない。2020年7月にテレビ東京系の番組「主治医が見つかる診療所2時間スペシャル」で蛭子さんは初期の認知症であることを公表。それでも『女性自身』で連載している「ゆるゆる人生相談」では、空気を読まない迷回答ぶりに磨きがかかり、相談者の心を軽くさせていた。その人生相談の取材時に、蛭子さんは、「ボートレースに興味がなくなりました」ぼそっと口にした。同席した蛭子さんのマネージャーも、その発言に衝撃を受けていた。そんな蛭子さんに少しでも元気になってもらおうと「ボートレース平和島」に誘ってみた。ギャンブラーとして蛭子さんの最後を見届けるつもりで……。「ボートレース平和島」では、「スペシャルグレード第35回グランプリ」が開催されていた。今年の賞金王を決めるボートレースの最高峰。最後の戦いに挑む蛭子さんにとっては最高の舞台だ。ボートレース人生53年間の集大成──。この日の蛭子さんはいつもと違っていた。その日、初めて臨んだ4レースで、1万8千630円の万舟(100円の舟券が1万8千630円!競馬で言う万馬券)をいきなり当ててみせた。蛭子さんが購入した舟券は〈1256〉のボックス。ボックスとは複数の艇の、全ての組み合わせを買う方法。6隻のモーターボートが走行するレースで1〜3着に、1、2、5、6号艇が入ることを蛭子さんは予想して、見事に当てたのだ。「やっぱりモーターボートのエンジン音はいいですね」そう語る蛭子さんは、舟券の購入額を差し引いた1万5千900円を手にして、少し寂しげに笑った。半世紀以上、ボートレースをしている蛭子さん。最近は出目買い(過去のデータから勝つ確率の高い舟券を購入すること)に固執していた。ところが、今日は違う。ボートレースではレース前に、舟券を買う客が、選手やモーターの状況を直前に知ることができる「スタート展示」が行われる。蛭子さんは掲示板に表示される、各選手の「展示タイム」をボートレース専門紙『研究』に次々の書き込んでいく。本気だ。真剣に挑んでいる。ところが、続く第5レース、第6レースと予想が外れた。読みが外れるごとに、蛭子さん表情がほころんでいく。顔が紅潮し、口数も多くなる。蛭子さんは常々、こう語っていた。「本命選手がすんなりいくレースは面白くありません。ギャンブルも人生も本命が来ないところに面白さがあるんです。だから、弱い選手を応援する意味も込めて大穴をよく買うんです」小さな勝ちではなく、大きな勝ちにこだわる──。蛭子さんの人生哲学でもある。7〜11レースも、いいところまったくなし。第4レースで増やしたお金も、だんだん減っていった。しかし、最後の大勝負が待っている。ギャンブル人生の最後のレースとなる第12レースも、しっかり「スタート展示」を見た。時間をかけて予想して購入した舟券は「1、4、6号艇のボックス」を200円。当たれば、この日、2度目の万舟は確実だ。しかし、無情にもレース結果は「1-6-2」──。蛭子さんが予想した4号艇は4着に。人生最後の大勝負。蛭子さんはあっけなく散った。夕日が差し込む水面が輝いていた。最後のボートレースを終えた蛭子さんはこうつぶやいた。「また来週、来ようかな。やっぱりボートレースはいいですよ。引退……、オレそんなこと言ったっけ?」あっさりと引退を撤回した……。
2020年12月26日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収さん(73)が、読者からの相談に答える!今年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表した。【Q】「昨年、子どもが生まれて共働きの嫁と交代で子育て中の息子。最近になって『仕事に行きたくない』と話したり、表情も暗くなったり、うつみたいです。どうしたらいいですか?」(サ〜ガドンさん・55・主婦・宮崎県)【A】「『やらされている』のは苦痛なので、自分も楽しめるように工夫する」(蛭子能収)オレは子どもにミルクをあげたり、おしめを替えたりしたことがないから、その大変さがまったくわかりません。それにしても子どもの世話をしたら気分が暗くなることがあるんですね。(マネージャー「“育児うつ”が増えているというニュースを昨日一緒に見たじゃないですか」)あれ、そうでしたっけ?でも、たぶん「やらされている」と思ったらすべてが苦痛になると思いますよ。そういえば、小学4年生のときに、母親からそろばん塾に通わせられたことがあります。(マネージャー「昨日のことは忘れても、昔の記憶はハッキリしていますよね」)子どもたちは嫌々通っていたから先生も大変だと思いますけど、学用品が当たる抽選会を開いたり、タダで海水浴に連れて行ってくれたり、マジックを見せてくれたりして学ぶことができました。たぶん、その先生は、一生懸命に子どもたちを喜ばせるのと同時に、自分自身もすごく楽しんでいたと思います。先生のおかげで競艇の配当金の計算がすごく早いんです、感謝しています!「女性自身」2020年12月29日号 掲載
2020年12月21日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「81歳になる父は、蛭子さんと同じ『レビー小体型認知症』と診断されました。私が、お金を盗むとか家財を持っていくと大騒ぎ。否定しても聞いてくれません。悲しいです」(スピマサちゃん・55・会社員・新潟県)【A】「認知症の人の言うことは真に受けなくていい」(蛭子能収)認知症になるなんてかわいそうですね。あれ、オレも認知症だっけ?ただ、今のところ困っていることあるかな。食欲もあるし動けるし。(マネージャー〈以下マ〉「オンとオフの差があって奥様が大変みたいですよ」)オレもひどいときはもの忘れが激しくて、まったく思い出せないことがあるんです。そんなとき女房がちょっと悲しい顔をするんですよね。(マ「被害妄想も認知症の症状のひとつみたいです」)だったらお父さんの言うことは真に受けずに「はい、はい、すみませんね」と明るく言っておけばいいんじゃないですかね。お父さんの前で悲しそうな顔をしないほうがいいと思いますよ。なにか、得意なことを伸ばせばいいんだろうけど……。(マ「蛭子さんは競艇選手の名字を言えば、下の名前を即答します」・マ「瓜生?」蛭子「正義!」、マ「山崎?」蛭子「智也!」、マ「毒島?」蛭子「誠!」、マ「桐生?」蛭子「順平!」、「ほら!」)マネージャーの楽しそうな顔を見ていたら、競艇に行きたくなりました!「女性自身」2020年12月22日号 掲載
2020年12月14日「私が主人を好きになったのは、描く作品もそうですが、純粋で無邪気な人柄です。今でも元気なときは、おいしそうにお菓子を食べたり、楽しそうに散歩したりしている。そんな姿を見ると、本当にかわいいな思うことがあります。でもこの状態が続けば、いつか主人のことが嫌いになってしまうかもしれない……」そう語るのは、漫画家でタレントの蛭子能収さん(72)の19歳年下の妻、マルちゃん(53・仮名)。今年7月、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表しているが、その間ずっと蛭子さんに寄り添ってきたマルちゃんは介護に疲れ、精神的に限界を迎えたことも。そこで、今後は「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」などの介護サービスを利用しようかとも考えているマルちゃんの悩みを、認知症介護の先輩に相談することにした。【お悩み1】本人が認知症であることを認識していないことがストレスになります。そんなときはどうしたらいい?「認知症の初期では、自分の状態を否認し、それがいらだちや怒りとなって周囲にぶつけることも。不安で心の葛藤がピークになっています。否定したり、大丈夫だと過度に安心させたりしないこと。認知症と認めない場合も『そうだったらいいわね』と温かく見守り、折を見て『気になるのならこんな治療もあるわよ』と医療機関や公的サービスに誘ってみたらどうでしょう」(「公益社団法人認知症の人と家族の会」副代表理事・花俣ふみ代さん)【お悩み2】夜5、6回、多いときは10回以上トイレに立ち、満足に寝られません。「認知症にはさまざまな症状がありますが、ほかに原因があることも。夜間頻尿も加齢による前立腺肥大症から起こる症状かもしれませんね。泌尿器科で薬を処方されて改善したケースも。症状の原因をさぐって、対処できるものはすぐに改善したい。とにかく介護者が夜しっかり睡眠をとることが重要。介護保険サービスの利用も検討してみたらどうでしょうか」(花俣さん)【お悩み3】お風呂ではシャンプーを4、5回繰り返すことがあり、目が離せません。「洗髪しない悩みは多いのですが、シャンプーをしすぎるということもあるんですね。いずれにしろ入浴のたびに付き添うのは大変。デイサービスや訪問介護のサービスをぜひ利用してください。また、容器に『シャンプー』『ボディソープ』と大きな字で書いておき、ほかのものは浴室に置かないようにして、入浴の手順を『(1)シャンプー、(2)体を洗う』と浴室に貼っておくのも手」(花俣さん)(撮影:加瀬健太郎/取材:山内太)
2020年12月11日「よっちゃんが本当におかしくなっているかも……。そう思うようになったのは3年前のこと。ある夜中に隣で寝ている主人に、突然、たたかれたんです。一瞬、何があったのかわからなかったし、翌朝には、本人もケロッとしていましたが、今から思えば、あれが最初の兆候でした」そう語るのは、漫画家でタレントの蛭子能収さん(72)の19歳年下の妻、マルちゃん(53・仮名)。今年7月、蛭子さんは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)で、アルツハイマー病とレビー小体病を併発している初期の認知症であることを公表しているが、マルちゃんは、蛭子さんが認知症の公表にいたるまで、病気が進行していく夫のそばにずっと寄り添っていた。「’14年にMCIと診断されてからは、野菜を中心にしたり、青魚を食卓に出したりと食事には気をつけていたつもりです。運動を兼ねて神社仏閣を一緒に回ったり散歩に行ったりと体を動かすことにも気を配っていました。幸いにも、お仕事もテレビカメラの前や他人が目の前にいると適度な緊張感があるからか、大きな症状も出ず、ご迷惑をおかけしないで済んでいました。ところが、’17 年ごろから仕事から家に帰ってくると、疲れがあるのか、さまざまな症状が出るように。この3年は、落ち着いていたかと思えば、ある日突然、認知症の症状が出て、いきなり加速してしまうような繰り返しでした」蛭子さんの症状は、夜寝ているときに悪夢をみて、奇声を上げたり暴れたりするレム睡眠行動障害や、暑くないのに、異常な汗が出てくる異常発汗など、レビー小体型認知症の初期症状に見られるものだった。「症状がひどいときは、たとえばお風呂に入っていても、シャワーはどうやってひねればお湯が出てくるかわからなくなったり、自分のシャンプーがどれかわからなくなったりすることも。お風呂から上がっても、体の拭きが甘くて、びしょぬれで下着を着てしまうようなこともありました。よっちゃんも、自分の状態がおかしいことには気づいているようでしたが、どうしていいかわからない。そんな戸惑いや不安があったのもしれません。そんな日々のなかで特につらかったのは……、主人は、一晩に5、6回、多いときは10回以上もトイレに起きますが、瞬間的に用を足すという目的を忘れたり、トイレの場所がわからなくなったりして混乱してしまうことがあるのです。そのため、たえず私が一緒にトイレに付いていかないといけません。眠れない日々が続き、心身ともに疲れ果ててしまいました」実は、最初の症状が出てからこの3年間で、マルちゃんは4度も救急車で病院に担ぎ込まれている。精神的なものからくる急性胃腸炎だったという。蛭子さんの認知症の介護をマルちゃんは、たった1人で抱えていた。「月1回の割合で担当医の診察を受けていましたが、なかなか症状が改善することはありませんでした。それまで夜に症状が悪化することが多かったんですが、最近は、日中でも洗濯カゴの衣類を見て、私が倒れていると思って叫んだり、デパートの売場の中を電車が走っていると言い出したりすることも。そんな24時間、目が離せない状態が続くと、死んでしまおう、と思ってしまうんです。不満が主人に向かうことはありませんが、すべてキレイに片づけて、死んじゃおうかな、というのは、いつも頭をよぎっていました」蛭子さんにとっては、タレントとして大きな決断となる認知症の公表だが、マルちゃんにとっては“SOS”だったのだ。(撮影:加瀬健太郎/取材:山内太)
2020年12月11日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「家族から『気持ち悪い、生きているうちに処分して』と言われ、大切にしていた人形を『ブックオフ』で10円で売ってしまいました。後悔しています。どうしたらいいですか?」(スズちゃん・69・主婦・埼玉県)【A】「『わずか10円』ではなく『10円ももらえた』と思えばいい」(蛭子能収)残念ですね、エヘヘ。売られた人形にはかわいそうですが、それも運命というんですか、そういう流れだったと考えたほうがいいですよ。「わずか10円」じゃなくて「10円ももらえた!」と思うようにしたほうがいいですよ。オレも、自分が描いた漫画の原画を、自分の分身のように大事にとっています。どんどんたまっていってそろそろ整理しようと、自分で面白いと思ったり、苦労したりした作品だけを残そうとしたんです。でも、オレがときめくような漫画はありませんでした、テヘッ!過去の作品を見ていたら、とくに都会を舞台にしたものがないんですよね。本当はビルや家など街中の場面を描きたいんですが、定規を使うのが面倒で、つい山の背景ばかりになってしまったんですよね。後悔しています。そういえば、今度、競艇に行くのに軍資金がないんです。原画を『ブックオフ』に持っていけばいくらか金になりますかね……(マネージャー「奥さんにすごく怒られますよ」)、どうしたらいいですか?「女性自身」2020年12月15日号 掲載
2020年12月07日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「夫がすぐにキレて困っています。電車で女子高生に『うるさい!』と怒鳴ったり、スーパーで子どもに『遊ぶな!』と叱ったり。一緒に出かけるのも嫌になってしまい悲しいです」(笹モッチーさん・64・パート・千葉県)【A】「怒りっぽい人は、自分だけが正しいと思っている自意識過剰な人」(蛭子能収)この夫は昔から怒りやすい人ですかね。(マネージャー「コロナの影響で社会全体がイライラして、怒りっぽい人が増えているようです」)えっ、そうなんですか。コロナは、イライラも感染するんですか。(マネージャー「蛭子さん、マスクがずれています!」)あっ、ハイ。でも、この夫は、いつか、なにかしらのトラブルの加害者になるか被害者になると思います。巻きこまれたら大変だから一緒に出かけないほうがいいと思いますよ。オレはあまり怒りませんね。漫画家の根岸さん(マネージャー「根本敬さん!蛭子さんのことを気にかけてくれていますよ!」)あっすみません。根本さんが「蛭子さんは無意識過剰だ」と言うんです。怒る人って自意識過剰で自分だけが正しいと思っているんですよ。テレビ局には、そういう横柄な人がいっぱいです。(マネージャー「お世話になっています。そんなこと言わないでください!」)そんなにイライラしなくても。もしかしてコロナに感染したんじゃないですか?テヘッ!「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載
2020年11月30日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「リモートワークが増えた夫は、毎日のように台所に立って角煮やビーフシチューなどの肉料理を作ります。先日はパンチェッタを手作りに!食費が大変だからなんとかやめさせたい」(シャイン桃さん・36・派遣社員・東京都)【A】「東野幸治さんは関西人っぽくない、とても愛のある優しい人」(蛭子能収)オレは肉好きだから、このメニューが毎日続いてもまったく問題ありませんね。ところでパンチェッタってなんですか?(マネージャー「豚肉の塩漬けです」)たしかに、お金がかかるものばっかり作っていたら家計が大変ですね、ウフフ。この夫は、あなたのためと思って台所に立っているかもしれないから、トラブルにならないように「おいしいけど、毎回、お金をかけていたら破産しちゃうよ」と優しく言ってみたらどうですか?優しいといえば、この前、テレビ番組(『主治医が見つかる診療所』テレビ東京系)のロケで、“東尾”さん(マネージャー「MCのひとりの東野(幸治)さんです!」)には、すごく気にかけてもらいました。東野さんは、いい意味で関西人っぽくなくて、とても愛がある人です。今回、オレの認知症改善プロジェクトを立ち上げてくれたんですが、“東尾”さんのためにも頑張ります。(マネージャー「東野さんです!」)ところでパンチェッタってなんですか?(マネージャー「……」)「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月16日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「先輩のウェブデザイナーは、ギャラが安い仕事は手抜きをして、ギャラが高ければ必死に仕事をするサイテーな人。一緒に働く気になれません。ハッキリいって軽蔑しています」(トモウェーさん・25・会社員・愛知県)【A】「仕事における理想は『楽して稼げる』こと」(蛭子能収)軽蔑するって言われても……。(マネージャー「えっ!?ライオンはウサギをとるときも全力を尽くすというように手抜きとかしないのがプロですよ」)オレは、ギャラが高かろうが安かろうが、いつも手抜きしたほうがいいと思っています。オレは原稿料がいくら高くても漫画の背景は雑に描いています。それで稼げればいいんですよ。近ごろはとにかく漫画を描くことが面倒で、最近はもっと楽に稼げる仕事はないかなと思っています。とくに藤井なんとかという将棋をする若い人がいますよね。(マネージャー「藤井聡太さんです!」)あ、そうそう。ずっと好きなことだけやって、すごくお金をもらえるのがねたましいですよ。だからプロの将棋指しになるのが夢です。(マネージャー「藤井さんは超天才です。棋士は何百手も先を読むし、楽な仕事ではありません」)あ、そうなの?あんまり辛そうに見えませんね。できれば、オレも、ちょこっと座ってコマを適当に動かしながら稼いでいたいですね。(マネージャー「軽蔑します!」)「女性自身」2020年11月17日号 掲載
2020年11月09日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「親からの虐待によって、自分に自信が持てず、引きこもってしまいました。もう少し楽天的になって明るく考えていこうと思っていますが、蛭子さん、どうしたらいいでしょうか?」(ネネです、さん・50・無職・茨城県)【A】「自信がなくても別にいい。笑っていればなんとかなる!」(蛭子能収)深刻ですね、ウヒヒ……。(マネージャー「すみません!蛭子さんは切実な話になると、本心とは別に笑ってしまうんです」)深刻といえば、小さいときオレは長崎の長屋の2階に住んでいましたが、1階にアイスクリーム屋さんがあったんです。その店でよくアンモニアが漏れて「ガス爆発するぞ!」とたたき起こされて夜中に避難したことが何度もありました。翌日、お詫びとして、アイスキャンディがもらえるんですが、大人は深刻そうに逃げていましたが、俺は喜んで逃げていました。(マネージャー「大変だと嘆くより、小さな幸せを積み重ねたほうがいいということですか?」)いや、そんな難しいことはわかりません。そもそも引きこもりが悪いことだとは思いませんけど、外に出ている人は自信を持っているわけではないと思います。オレも漫画家なのに絵が下手クソで、犬を描いてもだいたい猫だと思われます。でも、笑いながら「これは犬です」と言い切れば大丈夫でした。とにかく笑っていれば、なんとかなりますよ!「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月01日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(73)が、読者からの相談に答える!【Q】「14歳の中学生の娘がまったく本を読みません。小さいときから読書が趣味だった私としては、本は心を豊かにするものだと。どうしたら娘が本を読むようになるのでしょうか?」(ポムさん・63・パート・埼玉県)【A】「オレは生涯で1.5冊しか本を読んでない」(蛭子能収)オレと一緒ですね。(マネージャー「蛭子さんは70年以上生きていて、1冊しか本を読んだことがないんですよね」)あ、そうですよ、安部……なんとかの、なんとかの女。(マネージャー「安部公房の『砂の女』です」)映画を見て衝撃を受けて原作を読んだんです。あと美輪明宏さんの本も、半年かけて半分読んだことがありますから生まれてから読んだ冊数は1.5冊ですね、うへへ。それにしても、最近はもの忘れがあって、頭がボーっとしている、しかも本を読んだことがないオレに相談しますかね。この人は心が広いかもしれませんが、視野はすごく狭そうですね。本を読むかどうかは娘の自由だと思いますけどね。強制的に読ませる必要はありませんよ。オレは読書しないことで、苦労したことはありません。少し恥ずかしいことぐらい。そんなのどうでもいいことですね。でも、50年以上、スポーツ新聞の競艇のコーナーは読み込んでいます。選手の戦績や天候などを考えながらレースを予想する。きっと視野が広くなりますよ。「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月26日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「介護施設に勤めていますが、管理者から『できない人のレベルに合わせてほしい』と。経験がまったくない人に合わせるの?このままこの施設にいるか転職するか迷っています」(Keiさん・63・非常勤職員・京都府)【A】「仕事において大事なのはプライドよりもお金」(蛭子能収)面倒くさいですね。(マネージャー「しっかりお仕事しましょう!」)仕事のできない人のペースに合わせるのは、この人のプライドを傷つけるんですかね、ウフフ。給料が安くなったら大問題ですが、そうでなかったら上司の言うことを黙って聞いていればいいんですよ。(マネージャー「蛭子さんも高校の美術部では先生の顔色だけ見ていましたよね」)あっ、そうそう、たいがいは手の込んだ絵を描いておけば、先生に褒められて長崎市の展覧会に出してもらっていました。なかには抽象画が好きな先生もいて、わざと太陽を2つ描いたらすごく喜んでくれました。(マネージャー「昔から意外とずる賢いんですね」)いや〜、だって、賞をもらうことが目的であって、好きで絵を描いていたわけではありませんからね。仕事だって、金を稼ぐために仕方なくすること。本心では誰も好きで働いている人なんていませんよね。金を出してくれる人の言うとおりにしておけばいいんですよ。プライドなんて面倒くさいだけですよ。「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月19日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「近所に太鼓をたたく人が引っ越してきて、朝からずっと太鼓をたたいています。頭が痛くなり110番を何回かしましたが効き目がありません。あきらめて引っ越ししようかと……」(だいふくさん・67・主婦・岡山県)【A】「他人に迷惑をかける人からは殺される前にとっとと逃げるべし」(蛭子能収)今は騒音を注意しにいったら、逆ギレされて殺されてしまうこともありますからね。オレがこの人と同じ立場で、仮に引っ越すことが可能なら、とっとと逃げてしまうかもしれません。とくに警察が来てもやめないのだったら危険な人だと思いますし、太鼓をたたく人とはけんかはしないほうがいいですよ。オレは、太鼓をたたく人のように、他人に迷惑をかける人がすごく嫌いです。でも、じつは今、オレが認知症……になっているかどうかわかりませんが、女房がオレの病院に付き添ってくれたり、いろいろと面倒をみてくれているんです。それは健康な女房の自由な時間をしばっているから、すごく申し訳ないと思っています。(マネージャー「蛭子さんは変なところで九州男児だから感謝していても口にしないのがよくないですよ」)え、そうかな。オレは佐良直美の『私の好きなもの』という曲が好きで、よく歌っているんですが、それでいちばん好きだと伝えているつもりなんですけど……だめですか、やっぱり!「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月12日大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の“世界一ゆるい70代”となった蛭子能収(72)が、読者からの相談に答える!【Q】「夫は81歳になります。近ごろ、エロいことばかり言うのです。エロボケとまた違うみたいです。朝、起きると『やりたい』とか『裸になれ』とか……。どう対処すればいいのか?」(でガラしさん・76・パート・東京都)【A】「笑って旦那さんの手を握ってあげてみては?」(蛭子能収)70歳を過ぎても色っぽい人は多いですよね。吉永小百合さんなんて、すごくキレイです。相談してくれた人も、「誘われてどうしましょう」と少し自慢なのかもしれませんよ。(マネージャー「いや、たぶん困っているから相談していると思いますよ」)あっ、そっか!それにしても81歳ですごいですね、うへへへ!オレは、「裸になれ」なんて女房には絶対に言えません。「何言ってるの?」と蹴られてしまいますよ。(マネージャー「この旦那さんの言動は、認知症の可能性もあるかもしれませんよ。本で読んだんですが、記憶が若いころに戻っているかも」)あっそうなんですね、認知症になってしまうなんて大変ですね。(マネージャー「……」)いっそのこと「あなたとエッチしたら私、病気になっちゃうけどどうする?」と明るく聞いてみたらどうですかね。あとは……、オレは、寂しくなったり不安になったりしたときに女房の手を握れば少し落ち着きます。笑って旦那さんの手を握ってあげたらどうですかね。「女性自身」2020年10月13日号 掲載
2020年10月05日