皆さんは、義両親との関係で悩んでしまったことはありますか?今回は母親の躾が悪いと言ってくる義母の話とともに、そんなときの対処法をアンケートをもとに紹介します。イラスト:ありこご近所さんに愚痴を漏らす義母娘と息子を連れて義実家へ遊びに来た主人公。子どもたちを連れて行かないと、義母が主人公宅に来て勝手に子どもを連れ去ってしまうため、仕方なく来ているのですが…。その日はご近所さんも義実家に来ていました。義母は「こう頻繁に面倒見るのも大変なのよ~」とご近所さんに得意げに語り…。出典:CoordiSnap賑やかにする子どもたちに「母親の躾が悪いとワガママになるのかしらねぇ」と、義母はにやけながら愚痴を漏らします。怒りが込み上げる主人公でしたが、次の瞬間、ご近所さんが笑顔で昔話をはじめました。なんと義母の息子である主人公の夫の幼いころは、もっとヤンチャだったそうで…。落書きや窓ガラスを割るなどのエピソードをバラされた義母は、滝のような汗を流すのでした。こんなとき、あなたならどうしますか?義母に躾の方法を聞く躾が悪いと言うなら、義母に躾の方法を聞いてみるといいでしょう。もしかしたら具体的な対応策を教えてくれるかもしれませんよ。(40代/女性)子どもを会わせないようにする母親の躾が悪くてワガママで面倒を見るのがたいへんと言われたら「ご迷惑おかけしますし遊びにくるのを控えますね」と言います。近所の人の前でこんなことを言われたら嫌な気持ちになるので、子どもにも悪影響ですしあまり会わせないようにしたいです。(30代/女性)今回は孫の躾が悪いと言う義母の対処法を、みなさんのアンケートをもとに紹介しました。もし同じような出来事があったときは、ぜひ参考にしてみてください。(CoordiSnap編集部)※こちらの記事はみなさんから寄せられたアンケートをもとに作成しています。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2024年02月19日実母に息子の障害について話していなかった10年前のころ祖父母に「子どもに発達障害がある」と説明してもなかなか理解してもらえないことがあると言いますが、わが家も同じで、実母の理解を得るのに10年かかってしまいました。Upload By かなしろにゃんこ。今から10年前のリュウ太が幼少期から学童期のころ、近所に住んでいた私の母は、かわいい盛りの孫に会い頻繁に遊びに来ていました。部屋の中を動き回ったり、注意力散漫で家具に体をぶつけたり、床に落ちているオモチャを避けられず踏みつけ足をケガするリュウ太。そんな孫の姿を見て私の母はたびたび「落ち着きのない子だね、誰に似たのかしら?注意するように言い聞かせないとダメよ」などと言っていました。Upload By かなしろにゃんこ。孫はかわいいけれど、次から次へと違う会話を話し出したり、動き回るリュウ太の行動は初老の母とリズムが合わず、孫の行動をストレスに感じているようでした。一緒にレストランに行ったときその当時、教育相談所に通ったり発達障害の診断を受けたことを母には内緒にしていたのですが、一緒にレストランに行ったときに、リュウ太の落ち着きがない行動を母に再度注意されてしまいました。Upload By かなしろにゃんこ。そして「体を揺らしたり足をばたつかせたり見ていてうっとうしい、おしゃべりばかりして頭が痛くなる、親がきちんと躾けないからバカになってしまうんだ」と傷つくことを言われてしまいました。『落ち着きがない=躾がなっていない』と言われ、私は頭にきました。これまで母に育児のことで注意されても言い返さずに我慢していましたが、そのとき私は「ブチッ!!!」とキレて「リュウ太には発達障害があるんだよ(怒)! いろいろ大変で、必死に育ててるのに悪く言わないで!」と母に強く言ってしまいました。自分の子育てが間違っているのでは?と感じてしまう時期だったこともあり、子育てのことでつつかれるとつらかったのです。Upload By かなしろにゃんこ。小さいころから母に怒られたりしても歯向かわず反抗をしなかった私が急にキレたので母は「えっ?」と目をまるくしていました。そして、「障害」という言葉に驚いてもいました。「発達障害」が何か?ということを母はそのときまだ知らず、ポカーンとしていたため、私はADHDの特徴やASDの特徴を簡単に説明しました。「リュウ太はADHDがあるし、自閉スペクトラム症の特性も少しあるんだよ。ADHDは生まれつきのもので長くじっとしているのが苦手なのは躾のせいではないから、落ち着きがない子どもと一緒に食事するのが嫌なら今後一緒にレストランには行かないから」と母に伝えました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。母は最初「発達障害?そんなもの初めて聞いたし、病院で検査したって何かの間違いじゃないの?」と理解してはくれませんでした。私は「あぁ…一生懸命説明しても理解してもらえなくてめんどくさいな~」と落ち込みました…。特徴を話す度に「あぁ!そういう行動をする子どもが昔もいたわよ、どうしようもないなと思ってた」など言う母。傷つく言葉の数々を言われながらも説明しなければならない私のメンタルったら。ズタボロになりました…トホホ。こんなやりとりが年に一度はありました。Upload By かなしろにゃんこ。ちなみに夫の両親は私の母よりも世代が上で、子育ての環境や価値観も大きく違うため発達障害への理解は難しいかもしれないと考え、今も言わずにいます。実母にだけ、毎年「だから発達障害っていうのはね!」と説明すること10年です。母も徐々に「リュウ太は物忘れしやすいADHDだもんね、大変だね」と言ってくれて、私にも「クリニックに行ったり大変な子育てだったんだね」と労わってくれるようになりました。リュウ太が23歳になるころ、やっと母が理解してくれてよかった~と思っていたところ…。母からの告白つい最近、母が「実は私も小さいころリュウ太と同じだったのよね…、よく親に怒られたわ。働いていたときもついウッカリ物忘れが多かったっけ。でもなんとか生きてこれたのよね」と告白してきました。孫のリュウ太のことを見て、母は自分みたいだなと思っていたようです。そして、自分は生きづらかったけれど、リュウ太は今から躾で治せるのではないかと思っていたのだそうです。私は、(いやいや、躾では治らないから…)とツッコミそうになりましたが、70歳になった母がやっとの思いで孫を理解してくれた気持ちに感謝して言葉をのみ込みました。そして現在、大人になって少し落ち着いたリュウ太と母は、同席で食事を楽しんでくれるようになりました。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:初川先生より)10年、毎年発達障害のことやその特徴を伝え続けてきたのですね。あきらめずにその対話を続けようとされたこと、頭が下がりますし、「お疲れさまでした…!そして『やっとの思いで』理解してくれて、よかったですね!」という気持ちです。わが子に発達障害があるということを知ったとき、保護者の方もさまざまに反応されます。否認したり、逆にほっとしたり。さまざまな思いが去来しながら、発達障害という視点を持ってわが子を見ること、発達障害に関する知見を活かしながら子育てに取り組む。一筋縄ではいかないこともあるでしょうが、プロセスを経ながら、発達障害という視点で子どもを見ることをインストールされます。今の保護者世代の一つ前の世代(子にとっての祖父母世代)だと、発達障害というものが一般的ではなく、障害と聞くと別の障害を想像されたり、見た目が「普通」に見えることも多いからこそ、そんなことはない、と否定されることが多いように感じます。また、時代の風潮としても、努力したら何とかなる(うまくいかないのは努力が足りないから)、親がきちんと躾ければ子は良い子に育つ、と悪気なくそう信じていらっしゃる方も多いですね(ご自身が努力していたり、子育て頑張っていたりした歴史がおありになるのだろうとも感じます)。保護者もまだ完全にインストールできていない視点を、祖父母世代にインストールするのは、まさに難しいことです。さらに、かなしろさんのお母さまはご自身の過去について思いがあったとのこと。だとしたら、なおのこと大変だったことでしょう。「発達障害」という視点・切り口を持って、リュウ太くんを見てみる。それを10年投げ出さず、あきらめず、片方に決めつけず視点を行ったり来たりさせながらやってこられた、かなしろさんのお母さまもすごいなぁと感心するばかりです。今は一緒に食事を楽しめているとのこと、何よりです。
2022年04月14日実母が教育や躾にうるさく口出ししてくるとイヤになってきますよね。自分が子どもに対して言う言葉一つ一つに小言を言われると会いたくないとさえ思ってきます。では、小言が多い実母を手懐けるにはどうしたら良いのでしょうか。1. 価値観が違うことをわかってもらうまず、あなたと実母は違う人間で、必ずしも同じ価値観を持っているわけではないということをわかってもらえるように伝え続けましょう。わたしの教育・躾はこうなんだと言い続けることで、理解はされなくてもとりあえず黙ってくれることもあり得ます。それでも小言を言い続ける実母であれば、諦めるしかないと思うことも必要かもしれませんね。2. 実父を味方につける母親がだめなら父親。実父を味方につけることで、実母からの小言を減らすことが出来ます。実母が何か言えば、「〇〇(あなたの名前)がそう躾ているんだからいいじゃないか」と言ってもらえるようにお願いするのです。そうすれば、実母をなだめ、その時だけでも小言を言われなくなるかもしれませんよ。3. 距離を取る頻繁に会ってるから余計に言われる、余計に腹立つ。それなら、距離を取って会う頻度を減らしてしまいましょう。たまにしか会わない娘・孫になら、小言も減る可能性があります。さらに、「久しぶりに予定ないし、遊びに行けるよ」など、わたしが会いに行くから孫と会えるんだということも強調し、徐々に上下関係を作っていくことも忘れずに。4. 無視をする何度やめてと伝えても小言が減らない実母には、態度に出す必要があります。小言に対しては徹底的に無視を決めるのです。とはいえ、無視をしたところで問題解決にはなりません。実母がわかってくれるのを待つのではなく、「なぜわたしがこういう態度を取っているのかわかる?」と、子どものいないところで確認してみましょう。最初はわからなくても、そのうち嫌がられていると感じ取り、ムダに突っかかって来なくなりますよ。5. 小言はすべて受け流す50年・60年と今の性格で生きてきたのであれば、それを変えるのは至難の業。まず実母が変わることがないと痛感しておきましょう。そして、実母の小言はすべて受け流す。「へー、そうなんだー」、「うんうん、そうだよねー」と言っているうちに、右から左へ受け流すことも出来るようになります。たまには「お母さんももう年なんだから、健康に気をつけるんだよ」と心配してあげるのも手。「年なんだから」という言葉に、娘であるあなたの方が優位に立っているということを詰め込みましょう。いかがでしたか?実母を手懐けるのはなかなか難しいですが、こちらの対応1つで実母の小言を受け流すことができます。また、こちらが嫌がっていることも分かってもらえるような態度を取るのです。いつまでも実母の思い通りにはならないと実感させてしまいましょうね。
2019年04月11日小さなお花を見つけてカワイイ! と足を止めるお子さんも多いのではないでしょうか。子ども目線だから気づく発見も育児中にはたくさんあると思います。ハンバーグを握りつぶすムスメさんの次のターゲットはお花!? 人気インスタグラマー、きたあかりさんの書き下ろしコミックエッセイです。ムスメとおはなつい先日あった、夫から聞いた出来事です。すっかり暖かくなってきた公園にお散歩しに行った時、芝生に混ざって小さな花がたくさん咲いてたそうで。普段から握力の試し斬りというか…餌食になっていたハンバーグや米同様、花も握りつぶそうとするムスメ。普段は花を見つけると「きれーい。きれーいねー」とか可愛いことも言うのですが、それとこれとは別なようで本当に容赦ないです…。それを見かねた夫が後ろからアテレコで花の断末魔を聞かせてみたところ、「ごめーんね」と呟いて握っていた手を離したそうで。私はその場に居ませんでしたが、初めてムスメの思いやり的な行為を見られた気がして、小さなお花に感謝したのでした。
2018年04月29日お風呂面倒くさい、と入るのを渋ったり、きちんと洗わせてくれなかったりと、お風呂ひとつとっても大変な作業になることも多いもの。保育園、幼稚園、学校、はたまた公園から帰ってきた子どもは、絶対にお風呂に入れたいですよね。「泥々のまま布団に入れたくない」というのは、ママやパパの共通した願いなのではないでしょうか。そこで今回は、普段、ワンオペ育児で年長・年少・0歳を一気にお風呂に入れている私が会得した、お風呂タイムのコツをご紹介します。子どものお風呂タイムに悩むママ・パパの少しでも助けになればうれしいです!■お風呂もダンジョン化まず、お子さんにはお風呂もダンジョンのひとつとして考えてもらえるようにするのがおすすめです。一日を終えるためには必ず攻略しなければならないダンジョンです。お風呂も遊びの一環くらいに思ってもらえるよう、さまざまなお風呂遊びを教えてあげるのもお風呂タイムダンジョン化のコツです。たとえば、プールで使うゴーグルを渡して目の届く限り潜って遊んでもらいましょう。一緒に入る兄弟やママ・パパのお尻が見える…。ただそれだけのことでゲラゲラ笑いながら遊び続けてくれます。潜るためには体をキレイにしなければならないというルールを作っておけば、一生懸命体を洗ってくれるようにもなって一石二鳥です。他にも、桶をひっくり返して湯船に入れて空気をボコッと出す遊びも子どもは大好きです。風呂用のおもちゃがなくてもたくさん遊べるので、あれこれ工夫してお風呂をダンジョンとして楽しめるようにしていきましょう。■週の大半は泥が落ちていればOK年長くらいになると自分で体を洗えるようになって、「もう自分でやるから!(やらないで)」と言い出します。2人目以降だと、年少あたりから洗うようになる子もいますよね。ただ、手が離れるのはうれしい反面、「本当にきちんと洗えているのだろうか…」という問題も出てくるのが悩ましいところです。そんな時期に突入したら、毎日ピッカピカにならなくても、週に何日か「ママ(パパ)にも洗わせて」とお願いしてゴシゴシ洗ってあげればOKと考えておくとストレスが溜まらなくなります。週の大半は、体全体に泡がついていればOK。湯船に浸かるだけでもけっこうキレイになるものです。一緒にゆっくりお風呂に入れる日にしっかり洗ってリセットしてあげることだけ忘れずに過ごしていれば大丈夫ですよ。■入浴剤でごまかすと気持ちがラク子どもの入ったあとのお風呂は、直視するのが恐ろしい状態になることも多いですよね。特に、潜って遊んでいるとなんだかわからないものが浮いていることも…。そんなときは入浴剤を入れてごまかすと気持ちがラクになります。ママやパパが後から入るなら、入浴剤も後入れするのがおすすめです。今は大変でも、実は一緒にお風呂に入れる期間は長い人生の中でほんの少しの時間です。私も、年長の長男の体を洗いながら、「こうして洗ってあげられるのもあと何年だろう」と考えると寂しいような気持ちになり、今のこの大変な時間が急に愛おしく感じることがあります。慌ただしく、イライラしがちなお風呂タイムですが、子どもとの愛おしい時間と考えて楽しめるようにしてくださいね。
2017年11月16日子どもと一緒に過ごしていると、“やってはいけないこと”を子どもにされて「こら!」と怒りたくなる場面にたくさん遭遇します。「しつけっていつから始めたらいいの?」「しつけは必要?」「どうしたら上手にしつけられるのだろう」といった子育て中の“しつけの悩み”はだれもが一度は抱えるものです。今回は、そんな“しつけ”に悩んだときに知っているとホッとできるポイントをまとめてご紹介します。「しつけ」と「怒る」はイコールではない…そもそも、しつけとは“仕付け”と書き「(「躾」とも書く)礼儀作法を身につけさせること。また、身についた礼儀作法。」(広辞苑第五版より)という意味をもつ言葉です。他にも「作りつけること」「縫い目を正しく整えるために仮にざっと縫いつけておくこと」などの意味ももっています。身が美しいという漢字から想像されるように、“キレイな所作を身につけさせる”こともしつけのひとつです。また、社会のなかで生きていくために必要なマナーや模範的な行動なども教えていくことも“しつけ”に含まれます。しつけは「いけないことをしたから怒る」のではなく、「正しいことを身につけさせる」ことだということを、まずは頭に入れておくようにしましょう。いつからしつけをスタートさせる?しつけの本来の意味を考えると0歳から始まっていると定義することもでき、また、厳密に「何歳から始めましょう」というものではありません。ただ、ひとつの目安としてのしつけのスタート時期としては、2歳を過ぎた頃からとされています。これは、しつけが「礼儀作法を身につけさせる」意味をもつことが関係しています。2歳頃には、それまでなんでも周りの大人にやってもらっていたことを「自分でやる!」と自己主張をはじめる子どもが多いようです。自我が芽生えはじめたこの頃に、正しいやり方やマナーを教えながら“自分でできるようになる=身につけさせる”のがしつけの本来の目的ではないでしょうか。そのための準備段階として、0歳のうちから周りの大人、特にもっとも身近な存在であるママやパパや見本となる姿を見せておくこともポイントとなります。また、赤ちゃんの頃に築いた信頼関係がその後のしつけや教育に影響します。それが、「しつけは0歳から始まっている」と言われることにつながっていくのです。現実的には、1歳を過ぎた頃から、交通ルールを守ることや人に危害を加えないなどの、自分や他人の身を守ることは教えていくのがいいでしょう。あくまで、叱る・怒るのではなく、“身につけられるように教えていく”姿勢で取り組めるように気をつけてみてください。しつけの上手なママ・パパになるしつけを上手に進めていきたいと思ったときに、「どう叱ればいいのか」という注意することに目が向けられがちですが、しつけは「ほめる」ことも大切です。しつけを進めるに当たって、できるだけ心がけておきたいポイントをまとめてみました。■ほめ方「◯◯ちゃん/くん、すごいね」「えらいね」と抽象的にほめるのではなく、「お着替えができたね」「上手にスプーンで食べられたね」とできたことを具体的に伝えるようにしましょう。できるだけほめる回数を多くしたほうが、しつけはスムーズに進みます。子どもの行動を見守ってあげるようにして、「できた!」という気持ちを尊重してあげられるような声掛けがおすすめです。なんでもかんでも「すごいね」「えらいね」「さすがだね」と言うのではなく、「◯◯ができた」「●●ができるようになったね」と行動を言葉にして表してあげるだけでも子どもは「ママ(パパ)は見てくれている」と安心することができます。しつけの中で“ほめる”目的は、子どもの自尊心を伸ばしてあげることにあります。「自分はできる」という気持ちを育てられるような言葉を選ぶようにしていきましょう。■叱り方まず叱るときには、端的に「何がいけないことなのか」を伝えるようにします。言葉を理解できるようになってきている年齢であれば、「なぜいけないのか」も一緒に伝えられるといいでしょう。このときに注意したいのが、“叱るのに長い時間をかけない”ことです。大人でもクドクドと何時間も叱られるのは嫌なものですが、子どもも同じで、時間が経てば経つほど「何を叱られているのか」わからなくなってしまいます。たとえば、食べ物を下にわざと落としたことを叱りたいのであれば「食べ物をわざと落とすのはいけない」ことと「下に落としたらもう食べられなくなる」「食事を作ってくれた人に失礼な行為である」など、やってはいけない理由を伝えたら、叱るのはそこで終了です。決して、「毎日毎日同じことで…」「何度言えばわかるの」「昨日もやった、あのときもやった」と過去を蒸し返して怒るようなことはせず、その場だけで終わらせるようにしましょう。年齢によってしつけの仕方は変える? 基本的なしつけのほめ方・叱り方のコツは、どの年齢でも同じですが、しつけの仕方やポイントはそのときどきによって変わります。ここでは、0歳児・1歳児・2歳児・3〜5歳児に分けてしつけの仕方のポイントをチェックしておきましょう。■0歳児0歳児の頃は、コミュニケーションのベースとなる“安心感”や“信頼感”が身につけられるようにすることが大切です。これらは、しつけの第一歩となる感情で、ママやパパなど身の回りの大人に安心感を抱き、信頼しているからこそ、言われたことを素直に聞けるようになっていきます。また、どんなに身につけさせたいと思っていても、ママやパパができていないことは子どもにも身につけさせることはできません。身につけてほしい礼儀作法は0歳児のうちからママやパパが気をつけて、見本となる姿を見せてあげるようにしましょう。■1歳児1歳児になると、危険なことや他人との関わりのなかで身につけておいてほしいことを教え始める時期になります。ただし、1歳半頃までは言葉をまだ理解しきれないため、怖い顔で叱られても、内容ではなくママやパパの怖い顔しか記憶に残らなくなってしまいます。いけないことを「いけない」と言葉で伝え始める時期ではありますが、「いけない」という言葉を理解する時期だとママやパパが認識しておくことが大切です。何度も同じ行動をとっても根気強く「ダメ」「いけない」と淡々と伝えるようにしていきましょう。■2歳児2歳になる頃には、言葉も理解できるようになり自我も芽生えはじめるため「自分でやりたい」と主張するようになり、しつけにとって絶好のタイミングが訪れます。身につけてほしいことを、どうやったら子どもが自然と自分からやってくれるようになるかを考えて、準備しておくと、ママやパパもイライラせずに対応ができるようになります。この頃にはどうサポートしたらいいかを考えるようにしましょう。また、叱ったり注意をしたりしても、自己主張が通らないことで駄々をこねるようになるのもこの時期の特徴です。常に一貫した対応で、「ダメなものはダメ」としながらも、“気持ちが落ち着くまで待ってあげる”“自分から気持ちを切り替えられるのを見守る”ように、できれば時間や気持ちの余裕をもって接してあげられるようにしていくのがおすすめです。■3〜5歳児言葉も理解でき、ある程度“いいこと・悪いこと”や“礼儀作法”が身についてきているはずの年齢でも、やはり“いけないこと”をすることはあります。「わかっているでしょ!」と怒鳴ったり、しつけと称して体罰を加えたりしてしまいそうになるのもこの時期が多いようです。怒鳴り声や体罰といえる行動は、子どもの心を傷つけてしまうだけでしつけにはなりません。危険な行為に対して、とっさに大きな声を出して注意を引きつけることで止めることが必要なケースもありますが、基本的には叱るときには淡々と何がいけなかったのかを端的に伝えるようにして感情的にならないようにすることが大切です。また、「もう大きいからできて当然」ではなく、ときどきほめてあげることも忘れないようにしましょう。3〜5歳児でも新しいことをどんどん吸収しています。新たにできるようになったことがあれば、しっかりほめてあげることは続けていくのがしつけのポイントです。しつけに悩んだときに知っておきたい5つのポイントしつけの上手な進め方や年齢ごとのポイントを押さえていても、しつけをするママやパパの悩みはつきないものです。しつけに悩んだときには、これからご紹介する5つのポイントを思い出して、原点に戻ってママやパパも気持ちをリセットしながら一歩ずつ進めていきましょう。■イライラしたときにはしつけは長い時間かけて進めていくものですが、0〜5歳頃はしつけなければならないことも多く、何度も同じことを繰り返される日々にイライラしがちです。ママやパパも人間なので、イライラはするものです。できればイライラしないように対策を講じておくことも大切ですが、イライラしているなと感じたときには、まず深呼吸をするようにしましょう。「あ〜もうっ!」とイライラしたときに、鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐き出す深呼吸法を取り入れてみましょう。深呼吸をすることで、大きな声で怒鳴りそうになっていた気持ちにストップがかかり、冷静に子どもが何をしようとしているのかが見えてくることがあります。「いけないことをしている」と思っていた姿が、実はお手伝いしようとしていて失敗しているだけだったかもしれません。また、1回の深呼吸だけではどうにもならないくらいイライラしていて、手をあげてしまいそうだと感じたときには、別室やトイレなど少し1人になれる場所に移動してゆっくり呼吸を繰り返し、気持ちが落ち着くのを待つのもひとつの手です。イライラをそのまま子どもにぶつけてしまうと、しばらくしてから後悔することも多く、嫌な気持ちになってしまいます。人間なのでイライラすること自体を止めるのは難しいですが、イライラしたときの対処法を心がけておくだけでも、後悔する機会はたいぶ減るはずです。■家の方針を固めておくしつけは、各家庭の方針によって内容が異なるものです。「よそはよそ、うちはうち」で問題ないですが、家庭のなかで方針がバラバラだと子どもも混乱してしまいます。まずは、ママとパパの間で家の方針としてルールや“やってはいけないライン”を決めて、どちらが対応しても同じになるようにしておきましょう。二世帯住宅などでおじいちゃんおばあちゃんが一緒に住んでいるときにも、できるだけ同じ方針でしつけられるようにするのがベストですが、なかなかうまくいかないときもあるかもしれません。そんなときには、ママとパパの見解は一致させておき、同じ家に住んでいても、おじいちゃんおばあちゃんとママ・パパの考えや価値観は違うことを伝えていきましょう。子ども心に時間をかけてその違いを理解するようになっていきますが、ママとパパの意見が違うと混乱し続けてしまうため、その点はしっかり一致させておくことが大切です。■「しつけ」は「怒る」ことではないしつけを怒ることと考えている方も多いですが、しつけは怒ることではありません。怒るというのは人のもつ感情のひとつです。しつけのうえでは怒るのではなく、何がいけなかったのかを理解させるることが大切です。それを理解させる上で、叱るという選択をする場合もあるかと思います。叱って伝えるためには家庭の方針を固めておいたり、どうしていけないのかを端的に伝えるために「なぜいけないのだろう」と考えていたりするなど事前の準備が重要です。ママやパパ自身がさまざまなマナーや行動をどう捉えていて、どうしていくのがいいと考えているのかを改めて振り返って考え、ひとつの方針を決めていく必要があります。自分自身やこれまで当たり前だと思ってやってきたことを今一度見つめ直すチャンスでもあるのです。自信をもってしつけをしていくポイントは、ここでどれだけ深く考え直すことができていたかにかかっています。その都度、迷ったときや悩んだときにママとパパとで話し合いながら進めていくようにしましょう。■ママやパパが素直になることも大切しつけをしている真っ最中には、ついつい叱り過ぎてしまったり、感情的に怒ってしまったりと、「失敗したな」とママやパパが感じることもたくさん起こります。そんなときには、素直に子どもに謝ることも大切です。ママやパパが素直に謝ったり、話し合いをしたりしている様子を見て子どもは成長していいます。「子どもに素直になってほしい」と思ったらまずは自分たちが素直になれているかを考えてみるようにしましょう。■つらくなったら写真を見返そう子どものしつけに悩んでいるときには、「どうしてこうなってしまったのだろう」「なんでわかってくれないのだろう」とその瞬間だけを切り取って思い詰めてしまいがちです。でも、少しずつでも確実に子どもは成長しているはずです。つらいなと感じたら、子どもの写真を見返してみましょう。おっぱいやミルクを飲んで寝ているか泣いているだけだった赤ちゃんが、歩くようになって、言葉を話すようになって、意思疎通ができるようになってきて…、とその成長ぶりが写真から見えてくるはずです。ちょっとやさしい気持ちになれたら、また明日から頑張る気力が湧いてくるようになりますよ。子どものしつけについては、先輩ママ・パパも、周りで同じように子育てをしているママ・パパたちも悩んできていることです。しつけに悩むということは、それだけ子どものことを真剣に考えてあげられている証拠でもあります。迷ったときには、家庭の方針を都度話し合いながら、自分たちなりの“しつけ”を固めて、一貫した対応を心がけることで、いつかフッと楽になれる時はきます。ポイントを押さえて、前向きに取り組んでいきましょう!
2017年03月01日仕事をしながら子育てをする女性にとって、その両立は至難のワザ。「子供と過ごす時間が少なくて大丈夫? 」という想いと、「仕事でも周りに迷惑をかけたくない」というジレンマと、常に戦っています。保育園にお迎えに行って帰宅すればご飯の準備をしなくてはいけないから、本当は見せたくないけれどテレビやDVDをつけ、ご飯を食べさせてお風呂に入れ、寝かしつけて、やっと1日が終わる…。一緒にいる貴重な時間をどう有効的に使えば、自分も、子供にとってもハッピーでいられるのか…。仕事をしながらでも、ふたりの絆をもっともっと強くするコツを、話題の脳科学者、黒川伊保子さんにお聞きしました。■子どもに、母親を独占させる時間を作る働く母親にとって最も大事なのは、子どもとの時間に仕事を持ち込まないこと。子どもと関わっている時間に、携帯電話を鳴らさない。メールを見ない。どうしてもというときは、トイレに行って隠れてする(不倫みたい? )くらいの覚悟が必要です。子どもには、母親の"意識"を独占していると感じる時間が必要です。ただ一緒にいるだけじゃダメ。その時間が僅少でもいい。決まった時間帯に、安定して母親の意識を独占していること。これが、子どもの精神の安定を作ります。精神が安定していれば、ぐずらないしキレないから、手がかからない。集中すれば、かえって時間のコスパが上がります。保育園の帰り道、料理の時間、お風呂の時間、添い寝の時間。とにかく、全身全霊で、子どもを感じてあげてください。母親が自分を思っていてくれることを、子どもは肌で感じます。それは、時間の長さではなく大事なのは、定番の時間。「この場所、この時だけは、母親は自分のもの」という安心感なのです。生活のどんな時間にも、常に携帯電話が鳴ったり、メールを見たりしていては子どもに安寧の「定番時間」が訪れません。兄弟がいるこの場合も、10分でいいから(あるいは週末にまとめて1時間か)、母親を独占できる定番の時間を持たせてあげましょう。たとえば、弟を先に寝かしつけて(この時間は弟に集中)、15分後、兄は兄で寝かしつけるとか…。子育ての第一のコツは、僅少でもいい、週末の帳尻合わせでもいいから、「定番の母親を独占させる時間」を作ること。つまり、働く母親でいることは、まったく不利ではないのです。四六時中傍にいても、子どもに集中できない母親なら(自分の理想を押し付けて、現実の子どもを見ていない母親も一緒)、子どもに安寧を与えられません。一極集中できる働く母親の方が、専業主婦より、ずっと子育て上手だったりします。今の母親たちは、携帯やスマホがあるから、知らず知らずのうちに「定番の安寧時間」のない子育てをしているのでは? そんなの数分よ、と思うかもしれないけど、あるときは散歩の途中、あるときは料理の途中という不確定性が問題。子どもの脳に、「定番」が出来上がらないんです。これは、携帯電話と生きる21世紀人類の最大の育児トラブルだと私は思っています。会社の同僚にも、「私は、18時以降は基本、メールを見ません。でも、明け方、見て対応しておきますから」と宣言しておきましょう。タスク処理なんて、夜中に処理しても、明け方処理してもかわりませんよ。もしも、管理職で、夜中にスタッフの完了報告を受けて、帰ってもいいかどうかの判断をしてやる必要があるなら、子どもに、ちゃんと事情を話して、子どもから時間をもらうべきです。「ママの部下に帰ってもいいよ、って電話かけてあげなきゃいけないの。いい? 」と確認して。相手が赤ちゃんでも。なお、子どもに集中する時間を確保するためには、家事は大いにサボってください。我が家の息子は、家事が片付かなくてテンパって、息子に向かってキレまくる私を優しく抱きしめて、「ママ、落ち着いて。おいらは、ママに抱きしめてほしいだけなんだ。おうちなんて汚くてもいい」と言ってくれてました(涙)。ちなみに、我が家の「母親独占時間」の筆頭は、本の読み聞かせ。息子の15歳(おとな脳完成期)の誕生日に「今日で子育ては終わり。後は親友になろうね。ところで、私の子育ての何が一番良かった? 」と聞いたら「絵本を読んでくれたこと。ずいぶんたくさん読んでくれたよねぇ」と答えてくれました。ちなみに、テレビやDVDを見せてしまうことについては、電子画面の耐性については個人差があるので、いいとも言えないし、悪いとも言えません。要は、子どもを観察しておくことです。子どもが、キレやすい、疲れやすい、根気が続かない、食事に集中しないといった症状を呈しない程度なら、問題が無いとみていいように思います。目安としては、就寝時間の1時間前には止め、早寝・早起き・しっかりご飯・絵本の読み聞かせの邪魔にならない程度なら、多くの場合、問題ないはずです。■頼りにして甘えて、自分の相談役にする私は、早くから、会社での困ったことや、新商品開発の話なんかを息子にして、息子の意見やアイデアをもらってました。たとえ、3歳の子でも、びっくりするような慧眼を見せてくれたりします。「ママのスタッフ、ママの言うことがわからないみたい」とかいうと、「おいらも、ママの話、ちょっとなぞのときがある」「え? どんな? 」なんて話が進み、意外なアドバイスをもらうことも。商品のアイデアなんて、奇想天外で素敵。小学校1年のときは、自動車部品会社のクライアントを持っていた私に「電気がなくても永久に回るファン」を発明したから、特許取っといて、と理解不能な図面を渡してくれたりしました。時には実際に役に立つアイデアもたくさんもらいましたよ。連載エッセィのネタに詰まると、本当、いろいろ考えてくれたなぁ~。そんなわけで、彼は母親の相談役だと思ってるから、相談を持ちかける態で話をすると、ことはスムーズ。「ママさぁ、明日朝いちばんの飛行機に乗らなきゃいけなんだけど、眠れそうにないんだよね。困ったな」とか言うと「一緒に寝てあげるから早く早く」と布団の中に入ってくれる(微笑)。そのまま、彼は優しくて素敵な22歳になり、今や、かけがえのない正真正銘の相談役。料理はプロ並み、機械いじりはバイクを組み立てるくらいは朝飯前だし、ことばのセンスも、経営センスも、遥かに私を凌駕してるし。頼りにした方がことがスムーズだから、作戦で頼りにしてきたけど、結果は予想以上。世界中、どこに言っても、食べていける男になりましたね。手作りのご飯が、優秀な脳と親子の絆を強める。■時間が僅少だからこそ、手を抜いてはいけないのが食生活食事を手抜きしていては、子どもは不機嫌でぐずるし、理解力も不足するため、かえって、子どもにかかる時間が増えます。子ども自身は、成績も伸び悩み、運動能力もいまいちになり、かわいそう。ママやパパの能力も、食事に大いに影響を受けます。なかでも、朝ごはんを食べないのと、朝ごはんにいきなり甘いものを食べるのは要注意。前者は脳のエネルギーが枯渇して、頭が悪くなると共に、背が伸びず、筋肉もつきにくくなります。後者は、脳にエネルギーを届ける血糖の値が乱高下し、躁鬱のような状態をもたらします。(食べた直後はとても元気なのに、ほどなくだるくなり、やがてムカついてキレる)ごはんは、朝ごはんに限らず、野菜や海草、大豆製品(豆腐、枝豆)などの低GI食品とタンパク質(特にたまご、豚肉は脳にいい!)を欠かさないこと。また、夕飯のあと、甘いもの(アイスクリームや果物)を食べると寝ている間に血糖値が乱高下し、ちょうど朝目覚めの頃、低血糖になるので、目が覚めません。朝、寝起きが悪く、機嫌が悪い子の多くが、夜の糖質食を習慣にしています。一日は誰にでも等しく24時間しかありませんが、正しく食べれば脳の力は倍増し、一日にできることは何倍にもなるのです。時には手抜きでいいけれど、手の抜き方にも知恵の利かせようがある。外食や弁当でも、バランスを考えて、あれこれメニューを組み合わせてあげる余地があります。日々の食のサポートには、「大切にされている」と感じさせる効果があります。「大切にされた」という記憶は自尊心をつくり、自分や自分に関わる人を大切にしてくれることに。安易に非行に走るのを、止める力にもつながります。一緒にいる時間が短かったとしても、ときにはごはんを手作りできなくても、「思いと知恵を添えれば」、ちゃんと効果も出るし、見えない愛情の絆で結ばれていきます。たとえ、100%手作りしていても、ずっと傍にいても、意識の集中が足りなければ意味がない。専業主婦でないことに、引け目を感じなくても大丈夫ですよ。黒川 伊保子さんプロフィール:(くろかわ いほこ)奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社「感性リサーチ」代表取締役。人工知能の研究に携わったのち、脳と言葉の研究を始める。語感と人間の意識の関係を発見し、独自のマーケティング論が各企業からの注目を浴びる。ユーモアを織り込んだ的確なコメントや、女性ならではの柔らかな感性、言い回しに雑誌やラジオほか、テレビでも引っ張りだこ。朝日ワイドスクランブル火曜日レギュラーとしても活躍。最新刊、「キレる女 懲りない男-男と女の脳科学」(ちくま書房)も好評。(取材・文:安田 光絵)
2013年09月07日