2023年5月31日 15:50
更年期の不調と混同しがち…突然死リスクも高める「慢性腎臓病」にご用心
手足や顔のむくみ、かゆみなどに腎臓の病気が隠れているケースも(写真:アフロ)
腎臓に関する病気は男性がかかるものというイメージを抱いている人も少なくないが、中高年になると女性の患者が増加してくるという。
「病気のシグナルを『更年期だから』とか『気象病のせい』と思い込んで放置していると、症状がどんどん進行してしまうこともあるので注意が必要です」
そう警鐘を鳴らすのは、泌尿器科の専門医である「くぼたクリニック松戸五香」の窪田徹矢院長だ。
腎臓は背中側の腰より上に位置し、背骨をはさんで左右に一つずつある臓器。握りこぶしより少し大きく、空豆のような形状をしている。
「“血液の浄化槽”の役割をしているのが腎臓です。血液をろ過して老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出するほか、体の中の水分量のバランスを保つなど、体内を常に最適な環境にしてくれているのです。同時に、ビタミンDを活性化し、カルシウムの吸収を促すことで骨を強くする働きもあります。女性は閉経後、女性ホルモンのエストロゲンの生成量が激減しますが、このエストロゲンには腎臓に集まった尿酸の排出を促す役割があります。
そのため、閉経後は尿酸をきちんと排出できなくなることから、尿酸値の上昇を招くことがあるので注意が必要です」