3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもとインターネットの付き合い方について解説してもらいます。こんにちは。小児科医の保田典子です。近年、低年齢層の子どものインターネット使用率が上がり、使用時間は年々増加傾向にあります。 インターネットはとても便利なものですが、子どもへの弊害はないのでしょうか? 今回は、子どもとインターネットの付き合い方についてお話したいと思います。 子どもとネット、メディアとの上手な付き合い方日本小児科医会では以下のような提言がされています。 1. 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日 2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。 これをもう少し詳しく解説していきたいと思います。 2歳までの場合2歳までは、目の前にいる人の表情や口調を読み取って言語発達やコミュニケーション能力を培っていきます。あまり特別な理由がない限り(公共の機関で泣いてしまってあやす道具にするなど)ネットの利用は避け、日常的な利用はやめた方がよいかと思います。ネットは特別な時にしか使えないもの、という認識がお子さんにできると良いでしょう。 3歳~6歳(未就学児)の場合3歳以降になると、良いコンテンツは子どもに良い影響もあるという研究結果がでてきます。ですが、暴力的なコンテンツは悪影響も及ぼします。特に、寝る前の時間の利用は睡眠時間や睡眠の質にも関わってきますので、より制限をした方がよいでしょう。 良いコンテンツ、教育的なアプリに触れさせるなどするための工夫が必要です。3歳から6歳の子どもに対してのインターネットとの付き合い方でおすすめしたいのは、 1.インターネットを利用できる機器は親のものであり、親がルールを決めること。それを守ること。2.きちんとフィルタリングをすること。親の検索結果から意図しないコンテンツにさらされることがあるので、親のアカウントと子どものアカウントは分けた方がよいでしょう。動画はYouTubeキッズなどのアプリを使うことでより安全(完全ではありませんが)に使いやすくなります。このころから、子どもにはインターネットは娯楽だけの用途ではなく、教育的な、自分の役に立つものであることを認識させることが重要でしょう。子どもに合った教育系のアプリを厳選してみましょう。3. 夕食後からのネット利用はやめましょう。ネットは楽しいものでもあるし、役に立つものでもある、これから活きた利用をするツールとして認識してもらえるといいですね。 小学生の場合小学生になると、学校からタブレットやパソコンが貸与されるので、親が完全にコントロールできなくなります。子どもも親の言うことを100%従ってくれるようにはならないので(幼児はイヤイヤはしても、親のコントロール下にある程度入れられますが)、小学校低学年のうちから、子ども自身がネットとの付き合い方を考えられるようにしたいものです。 このころのおすすめは、 1.親御さん自身のスマホやネット利用を見直してみましょう。親がダラダラ使っていては子どもも「それでいいんだ」となり、いくら口うるさく言っても聞いてくれなくなってしまいます。2.小学生にもなると、宿題や習い事などやるべきことが増えてきます。やるべきことをいつやるか、いつネットが使えるか、優先順位などを話し合い、お子さんと一緒に確認しましょう。(例えば、「宿題が終わったら〇時まで動画サイトを見てもいい」、などルールを決めると良いでしょう)3.ネットのルールは親が決めるのではなく、子どもと話し合って決めましょう。ここで重要なのは「一緒に決めた気でいるけど、結局親の気持ちの押し付けになっている」ことが多いです。小学校1年生で自分で判断するのは難しいですが、少しずつ自分で判断する、気づきを得るような働きかけが重要です。4.幼稚園や保育園の時期と同じで、親とはアカウントを分けて、良いアプリなどを選んで使いましょう。 これからもネットとの付き合い方は変わっていく今後も急速にIT環境は変化していき、仕事もPCに向かう仕事が急激に増えていっています。大人になってからも、ある程度は必要となるのがPCスキルやネットとの付き合い方です。もうネットの低年齢化も止められないと感じます。 使うのであればより役に立つ良いコンテンツを選んでいくことは、今後も必要になってくるでしょう。まずはご自身のスマホやネットの利用状況を見直して、お子さんにもネットとの付き合い方を教えてあげられるといいですね。 参考/令和4年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査調査結果令和5年2⽉版監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年04月30日保育園のときから、ひとりで遊ぶことが多かった長男。保育園のときは、長男がしている遊びを覗きにきた先生やお友だちが興味を持って一緒に遊んでくれていたようです。しかし、小学校ではそうもいきません。授業中に他のことが気になってしまい、注意してくれたお友だちや先生と衝突してしまうように。そのたびに小学校の担任の先生から電話がくるようになったのですが……。これが小1プロブレム?入学式から約1カ月。長男は小学校の生活を楽しんでいたようです。しかし、担任の先生から電話があり、学校生活への不安が見えました。先生の話では、授業中に授業と関係のないことをしてはお友だちや先生に注意され、反抗的な態度をとってしまう、とのこと。 先生の話を聞く限りですが、長男だけではなく、クラス全体で落ち着きがないようです。お互いに注意しては衝突し、そのたびに電話がありました。自宅でも少し怒りっぽくなった気はしていましたが、学習面での遅れはないので様子を見ていました。 「今度は何をしてしまったのでしょうか」電話があるたびに長男と話はしますが、私には言いたくないようで、煮え切らない返事ばかり。なんとかそのときの問題に対して簡単な約束をする、という解決策をとっていました。 しかし、毎週のように先生から電話があり憂うつになっていた私。ある日、「今度は何をしてしまったのでしょうか」とうんざりした言い方で聞いてしまいました。すると先生は、「お母さんを不安にさせたいのではなく、学校でこんなことがあったので、ご家庭で何か変化があったか確認するためにお電話しています」と意外な返事が。私は先生の言葉にはっとさせられました。 親も子どもも初めての小学校生活。学校と家庭で連携して、子どもの気持ちに寄り添い、過ごしやすい環境を整えるのが大切だと感じました。それからは、学校からの連絡を前向きに受け取れるようになりました。今ではいいことも悪いことも、ささいなことでも連絡帳に記入するようにしています。「学校で褒められた」と照れくさそうに帰宅する長男を見ては、先生への感謝でいっぱいになる私です。 著者:安藤 はるか小3、年長の男の子と2歳の女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。
2023年04月30日注意しても言うことを聞いてくれず、「ほら言ったでしょ!」と娘にイライラをぶつけてしまう私。どうしたらうまくいくのだろう……と悩んでいました。ある日、嫌味のように娘に言った私の言葉がなぜか功を奏したという体験談です。 注意したことを聞いてくれない娘2歳の娘はとても自己主張が強いです。「このコップで飲みたい!」「自分で(洋服を)着る!」など自分の意見を通したいようで、私が「ダメ」と答えると娘はイライラ。 「そんなふうにして飲むとこぼすよ」「地面が濡れているからジャンプするとズボンがびしょびしょになるよ」など、娘が失敗しないように私が注意しても聞いてくれません。すると案の定失敗して「ほら言ったでしょ!!」と私の怒りも募るばかり。どうしたら言うことを聞いてくれるのか……と私は頭を抱えていました。 理由を説明しても通じないどうして注意するのか、その理由を娘に話しても意味はありませんでした。それどころか私はちゃんと言い聞かせたつもりなのに、どうして娘はそれに答えてくれないのかというイライラが大きくなるばかり。娘に説明するという手間をかけたのに、それが無駄になってしまっていることに不甲斐なさと憤りを感じていました。 そして、相手は2歳児なのだから、こちらが我慢するしかないのかな……と思うように。しかし私が疲れているとついつい強い口調で娘を叱ってしまい、反省を繰り返す日々でした。 娘に放った嫌味がなぜか通じたあるとき、娘はいつものようにふざけて水を飲もうとしていました。私は「そんなふうにふざけていると、こぼしちゃうよ」と言いました。「いいの!」と娘。「服が濡れちゃったら、お気に入りのお洋服を脱がなきゃいけなくなるよ。そしたらそのお洋服を着てお散歩に行けなくなっちゃうんだよ」と私は付け加えました。 すると娘は「このお洋服がいい!」と言い、きちんと水を飲もうとしたのです。私は嫌味のように長々と言ってしまったと思っていた言葉が、なぜか娘を納得させたのでした。 先を見通せない娘に必要な説明とは?どうして娘は納得したのだろう?と私なりに考えました。すると、失敗したあと具体的に何が起きるのか、何ができなくなるのか理解したからかもしれないと気付きました。大人は服が濡れれば着替えが必要になると予測できますが、娘にはできないのかもしれないと思い、私は娘にどのような不都合が起きるかまで具体的に説明するように……。 例えば「今ズボンを濡らしたら替えがないから家に帰らなくちゃならなくなるよ。そうしたらもうお散歩ができないよ」など。必ずしも成功するとは限りませんが、娘は少しずつ言うことを聞いてくれるようになりました。 私は自分なりにきちんと注意したつもりでしたが、娘にとっては不十分だったと反省しています。娘は私の言うことを聞かなかったのではなく、私の注意することの意味を理解できずにイライラしていたのかもしれません。これからも娘が私の言うことをどのようにとらえているのか、気を付けて関わっていきたいと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子作画/大福著者:更田未央子6歳と2歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。
2023年04月27日家族みんなでおでかけした日、昼食をとろうとファミレスに入りました。時刻は15時ころ。遊びすぎてお昼の時間をかなり過ぎていたので、店内は空いていました。そんな中、初めての外食でテンションが上がってしまった1歳の息子。静かに座っていられない息子に手を焼いていると……。 騒がしい息子に舌打ち…この日、息子は初めての外食で大興奮。「しーっ!」と言っても大きな声を出したり、椅子の上に立とうとしたり、いつも以上に大暴れしていました。人が少ない時間とはいえ、いくつか空席がある程度。すぐ近くの席にもお客さんが座っていました。 あまりにも手が付けられず、先にごはんを食べ終えた息子を外に連れて行くことに。すると、隣の席にいた20代くらいの男性から「チッ、うるせえんだよ」という声が。私は鋭い言葉に驚きつつ、小さく「すみません」と言って息子と外に出ました。 今後は若いカップルが隣に息子が落ち着いたので外から戻ると、舌打ちをした男性は別の席に移動していました。夫が言うには、男性は店員さんに席を変えたいと言っていたそうです。申し訳なく思っていると、今度は20歳前後の若いカップルがその席に。 そして、息子は再び大声を出し始めてしまったのですが、「えっ、ちょーかわいい!」と隣の女性。思わず「うるさくてすみません」と先に謝ると、今度は男性が「いやいや! 言ってどうにかなる年齢じゃないですよ! むしろ癒やされまくりです!」と明るく答えてくれました。 ファミレスで静かに食事をしたい人もいる中、子どもの声を迷惑だと感じる人もいたと思います。そんな中でカップルに明るい肯定的な言葉をもらい、申し訳なさでいっぱいだった心が少し救われた気がしました。もし同じ状況で逆の立場になったら、私も積極的にポジティブな言葉をかけたいと思いました。 著者:山口花田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと
2023年04月27日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、子どもを怒鳴ってしまうことの影響や対処法について教えていただきました。少し前から「毒親」という言葉をよく耳にするようになりました。毒親とは、子どもを支配しすぎる親のことを言ったりします。毒親の行動・言動が子どもに与える影響や、今から意識したい毒親にならないポイントについて紹介します。 「叱る」と「怒る」は違います!「叱る」というのは、冷静に話して言い聞かせることを言います。「怒る」というのは、「自分は怒っている」という感情を子どもにぶつけている状態のことを指します。 怒鳴ってその場の感情をぶつけてしまうと、子どもは怒られた内容(何が悪かったのか)よりも、「怒られた!怖かった!」という気持ちが先にたってしまい、言い聞かせたいことがかえって伝わりにくくなってしまいます。 感情的になって子どもに怒鳴り続けると、子どもは次第に「何をやってもママは怒る」「自分は何もできない」と覚えてしまいます。何をしても過激に怒鳴られると、常に大人の顔色を見て動くようになり、子どもの自由さ、豊かな発想は潰されてしまいます。すると自己肯定感が低くなり、子どもにとって悪影響を及ぼすのです。頻繁に怒鳴られると、脳が傷つくという研究結果があります。 虐待の相談件数は過去最高、悩む親御さんが増えています厚生労働省が発表した、令和3年度の児童相談所での虐待相談対応件数は207,659件と過去最高となっています。死亡した子ども(47例、49名)のうち、65%が0歳児で、主にネグレクトが45%、身体的虐待が43%となっており、主たる加害者は実母が60%と最も多い割合となっています。 このような極端な虐待ではなくても、怒鳴って子どもを支配したり、子どもの人格を否定するようなことを言い続けることも虐待になると言われてきています。なかなか思い通りにいかない子育てに、悩まれている親御さんは増えてきているのではないでしょうか。 怒鳴ってしまった時の対処法では、子どもに怒鳴ってしまったとき、どうしたらいいのでしょうか。① 冷静になってから、子どもに「さっきは言いすぎてしまった。ごめんね」としっかり謝罪の言葉を伝えましょう② どのような言い方をしたら自分の気持ちが伝わるかを考え、次につなげます(子どもは同じことを何度もするので、きっとこのシミュレーションを使うときがきます!)③ 感情的になってしまうのは、自分のメンタルや体調が万全ではなく余裕がないことが多いです。「自分、今疲れているんだ、調子悪いんだ」と思って、自分を労わってあげてください④ 子どもが甘えられる場を作り、「ここにいていいんだ」と安心できるようにします⑤ 子どもの良い行動を見つけて、具体的に褒めてあげましょう! この時に、おざなりにではなく、大げさに、満面の笑顔で褒めることが大事です。それは次の良い行動につながります 子育ての中で、子どもへ感情的になってしまうことは誰しもあります。怒ってしまっても自分のことを責めずに、まずはママさん自身を大切にしてみてください。しょっちゅう怒鳴り続けていなければ、子どもの脳が傷つくことはあまりないと思います。小さな“良いこと”を見つけて、たくさん褒めて、子どもの良い行動を増やしていき、怒鳴る回数を減らしていけるといいですね。監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年04月26日神経質で負けずぎらいな4歳の息子。そんな息子の言動が理解できずに悩んでいるときにママ友と子育て講話に行くことに。そこで出会った講師からの言葉に、私は衝撃を受けますした。講師が教えてくれた目からウロコの考え方でした。 理解しがたい息子の見方が180°変わった!神経質で負けずぎらいな4歳の息子は、納得いかないことがあると長くて1時間くらい泣き続けます。そこで、育児本を買ってきて私なりに対処法を探すことに。育児本には「子どもの言うことを肯定しよう」とあったので、「これだ!」と期待を膨らませる私がいました。 ある日、友だちの影響を受けて、自宅の前でなわとびの練習をすることに……。しかしうまく跳べず、「できない」と息子は泣いていました。「今だ!」と思い、「頑張っているね。大丈夫だよ! 跳べるようになるから、またにしようか?」と声をかけるも、負けずぎらいの息子には逆効果。息子は「やめない!」と言って泣き続け、やめようとはしないのです。もう何が正解かわからず、息子を理解してあげられない自分がイヤになりました。 ある日、ママ友から子育て講話に誘われて行くことに。その講師の方は「男の子を育てている方、子どもはカブトムシと思って接してくださいね」と言うのです。続けて「カブトムシの思考なんてわからないでしょ? わからないことを考え続けてもしょうがないんです。だって理解できないんだから」とも……。その言葉に私は衝撃が走りました! その日以降「男の子はカブトムシ」は私にとって、魔法の言葉になったのです。息子の行動に困惑しても「息子はカブトムシ!」と思い出すだけで、気持ちがラクになりました。息子の行動が理解できなくても、神経質な息子への対応が面倒だとしても、「全部ひっくるめて子育てを楽しもう。子どもが納得するまでとことん付き合えるママになろう」と思えるようになりました。 作画/CHIHIRO著者:杉山藍神経質な長男とひょうきんな次男の2人の男の子を育てているワーママ。アラフォーへの階段を少しずつのぼり、大好きなお肉の脂が日に日につらくなっているのが悩み。
2023年04月25日社会変化や少子化などにより、大学を取り巻く環境はいま、過渡期にあります。そのなかで受験のあり方も変化しており、入試に必要な能力は、学力だけではなくなってきたようです。今回は、現代の大学入試に求められる新たな能力3つについて考えてみました。どうやら、この “3つの力” は幼少期に育てておいたほうがよさそうです。入学者の半数以上が「旧AO入試・旧推薦入試」で合格!現代の大学入試では、学力で判断する「一般選抜」よりも、面接・小論文・ディスカッションなどで能力や適性を評価する「総合型選抜(旧AO入試)」と、高校からの推薦を受けて出願する「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」が増えているのをご存じでしょうか。文部科学省による令和3年度国公立私立大学入学者選抜実施状況調査によると、「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」による合格者が入学者の半数以上となっているのです。総合型選抜の対策を得意とする早稲田塾の執行役員・中川敏和氏は、今後はもっと総合型選抜を取り入れる大学が増えていくとし、その理由を以下のように分析しています。「大学側は、将来社会に影響を与えてくれるような人材を育成したいと考えています。そのため受験合格をゴールとするのではなく、大学入学をスタートと捉え、志や夢を追求できる学生を欲しているのです。学力試験に重きを置いた一般選抜のペーパーテストでは、そのような学生を見極めることが難しいため、総合型選抜が取り入れられるようになりました」(引用元:東洋経済オンライン|一般選抜入試枠が減っていく!?大学が旧AO入試「総合型選抜」を選ぶ背景)とはいえ、親御さんのなかには「総合型選抜は勉強が苦手な人が受けるもの」というイメージをもっている人もいるでしょう。しかし中川氏によると、「総合型選抜=学力不足の生徒向け」ではないとのこと。総合型選抜は「ほぼ面接で決まるのでは?」とも思われがちですが、近年では面接だけでなく、小論文や教授とのディスカッションなどが増えているため、総合型選抜で合格する学生には幅広い能力が求められているよう。たとえば、小論文は「考えを文章に落とし込むスキル」が不可欠ですし、ディスカッションについても「特定の分野への深い理解と考察力」が必要になるからです。では、これからの大学受験を考えた場合、子どもにはどんな力をつけておけばよいのでしょう?次項で詳しく説明します。これから必要になる「本当の頭のよさ」とは――21世紀型教育機構理事の石川一郎氏は著書『いま知らないと後悔する2024年の大学入試改革』のなかで、2024年以降の大学入試で必要になる「本当の頭のよさ」とは、思考力・判断力・表現力であり、「人間にしかできない能力」だと断言しています。思考力・判断力・表現力は、2020年に改訂された新学習指導要領にも「生きる力」として明記されていることから、やはり今後の大学入試にはこの3つの力が必要となってくるのでしょう。石川氏は、それぞれの能力を以下のように説明しています。思考力あれこれ考える力課題を解決する力判断力こうだと決める力正しい情報を的確に見極める力表現力さまざまなものをアウトプットする力自分の考えを相手に的確に伝える力 2020年以前の「あらかじめ『正解』があり、暗記したり、演習したりを繰り返すことでテストの点数を伸ばすこと」ができた学びのスタイルとは、だいぶ変わってきたようです。石川氏はこの変化の背景にあるのは、インターネットの存在だと見ています。インターネットがあれば情報はいくらでも入手できる時代なので、「知識習得よりも、学びを解決策に生かす力」つまり、思考力・判断力・表現力が必要になってきているのだそう。では、思考力・判断力・表現力はいつ伸ばしていけばいいのでしょう?文部科学省の資料では、幼児教育にて「思考力、判断力、表現力等の基礎」を育み、小学校以上で「思考力、判断力、表現力等」を育成すると書かれています。どうやら、幼少期のうちが勝負のようです。次項では子どもの思考力・判断力・表現力を伸ばすために、家庭でできることをまとめました。専門家がすすめる方法をさっそく見ていきましょう。1.「思考力」をつける方法津田塾大学総合政策学部長で哲学者の萱野稔人氏は、日本の教育現場に子どもたちの「考える力」を伸ばす方法論が欠けていることを指摘しています。そこですすめるのが、哲学の基本的思考を応用した「思考の3点セット」。以下の3つの問いを繰り返せば、子どもの考える力をぐんと伸ばすことができるとのこと。問1:「なぜ?」「りんごはなぜ赤いの?」「冬はなぜ寒いの?」などを子どもに聞いてみてください。ポイントは、最初の「なぜ?」に対してひとつの答えで終わらせないこと。子どもが「~~だから」と答えたら「ではなぜ~~なの?」と、「なぜ?」を繰り返して疑問を掘り下げてみましょう。萱野氏は、この習慣が “考えるためのよいトレーニング” になると話していますよ。問2:「それってそもそもどういうこと?」萱野氏は、物事を「なるべく短い言葉で答えられるように徹底的に考える」スキルも重要視しています。お子さんに「それってそもそもどういうこと?」「ひとことで言うと?」と聞いてみてください。萱野氏が「じつはかなり高度な知的作業」と言うように、物事を短い言葉でまとめることは大人でもなかなか難しいのではないでしょうか?この習慣が定着すれば、「物事の本質や要点を理解する力がどんどん伸びていく」そうですから、ぜひ試してみましょう。問3:「どうやったらいいの?」「どうやったらいいの?」という問いかけも、子どもの考える力を伸ばします。たとえば、サッカーの試合で負けてしまったとき、「どうしたら勝てたと思う?」と思案を促すのです。問題点を洗い出し、具体的な対策に自力でたどり着けたら言うことなしですが、萱野氏は「子どものアウトプットに過剰な期待をしないこと」と指摘します。「アウトプットしようとする習慣をつけさせることが重要」なのです。2.「判断力」をつける方法教育研究家の西村則康氏は、判断力のない子どもについて「自分で決める」という機会が不足していると指摘します。親の先回りはもちろんのこと、「親が決めたことを子どもが実行するだけ」という行動も判断力が育たない原因なのだそう。そこで、以下のような「決める実体験」をすすめています。方法1:おもちゃの貸し借り友だちに「貸して」と言われたときに、「言われたとおりに貸す」「貸さずにそのまま遊び続ける」。お子さんはどちらのタイプでしょう?「素直に貸してあげる」ことが正解ではありません。西村氏によると、どちらの選択も子どもにとっては「決める実体験」。口を出したくなる気持ちをぐっと抑えて、子どもが判断するのを待ちましょう。方法2:買い物「1個ずつ買うと安いけど、たくさん買うとどうかな。どれを買ったらいい?」と子どもに決断の機会を与えてみましょう。計算ができない場合は、「どちらがおいしそうか」といった判断でもOKです。選んだ理由も聞いてみてくださいね。ほかにも、「赤と青、どちらがいい?」「どうしたい?歩きたい?」と、日常生活の些細なことでも子どもに決めてもらう習慣をつけましょう。西村氏は「幼児期に判断する練習」をさせると判断力が鍛えられると話していますよ。3. 「表現力」をつける方法ライフコーチのボーク重子氏は、グローバル社会では「自信をもって自分の考えを表現し、他人との意見交換から学ぶ」ための自己表現力がとても重要だと語ります。自己表現力はコミュニケーションにも欠かせない能力です。ボーク氏が子育てをするなかで実践した「親子の会話で表現力を伸ばす方法」をふたつご紹介します。方法1:夕食でのプレゼンタイムボーク氏の家庭では、夕食時に家族全員が1~2分ずつ話す時間を設けていたそう。内容はどんなことでもOK。ただし必ず「5W1H(いつ、誰が、どこで、なにを、なぜ、どのように)」を盛り込み、プレゼンという意識をもたせることに留意したと言います。もし、どれかが抜けていたら、「誰と?」「いつ?」など質問をしていたそう。「必要な要素を網羅しつつ1~2分に話をまとめるというのは、想像以上に頭を使うもの」とボーク氏。表現力アップのために、ぜひ夕食時のプレゼンタイムを取り入れてみてくださいね。方法2:月1回の3分間スピーチ“夕食プレゼン” の次のステップとしてボーク氏がすすめるのが「3分間スピーチ」です。欲しいものを買ってもらうための交渉の場にしてもよし、自分の興味のあるテーマについて熱弁を振るうのもよし、スピーチのテーマは自由。“夕食プレゼン” との違いは、聞く人を惹きつけるための工夫を凝らして話をすること。また聞く側も同調するだけでなく、ときには「そうは思わないな」など、別の視点からの意見を出すことも大事だと言います。そうすることで、より深い思考力や客観性が育まれるとのこと。3分間スピーチに、親子で挑戦してみてはいかがでしょう?***前出の石川氏は、新しい大学入試に向けた親の心構えとして、以下のようなアドバイスをしています。小学校、中学校、高校の教育が変わり、大学入試の中身が変わり、日本の教育はいよいよ本気で変わろうとしています。でも、本当に変わるには、親世代の偏差値重視の価値観を取り除かなければなりません。わが子に幸せな人生を望むのであれば、まずは親御さん自身が新しい教育の中身を知り、理解することです(引用元:日経xwoman|小学生のうちは「勉強嫌いにさせない」が最も大事に)「大学がゴールではない」と最近よく耳にしますが、思考力・判断力・表現力は大学受験だけでなく、社会に出てからも必要な力です。3つの力を幼少期からしっかり育んであげたいですね。(参考)AERA dot.|高校必修になった「探究学習」とは?大学入試への活用や、学習塾の専用講義も登場東洋経済オンライン|一般選抜入試枠が減っていく!?大学が旧AO入試「総合型選抜」を選ぶ背景文部科学省|「思考力・判断力・表現力等」についての整理のイメージ文部科学省|令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要文部科学省|学校・家庭・地域が力をあわせ、社会全体で、子どもたちの「生きる力」をはぐくむために〜新学習指導要領スタート〜ダイヤモンドオンライン|2024年の大学入試改革で必要とされる「頭のよさ」とは日経xwoman|小学生のうちは「勉強嫌いにさせない」が最も大事にSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|哲学で子どもの「考える力」を伸ばす(前編)――津田塾大学総合政策学部学部長 哲学者・萱野稔人先生インタビューpart1STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|哲学で子どもの「考える力」を伸ばす(後編)――津田塾大学総合政策学部学部長 哲学者・萱野稔人先生インタビューpart2KIDSNA STYLE|「決められない子」にしないために。これからの時代に必要な判断力とはSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“AIに勝つ力”は学校教育では育たない。親にしか伸ばせない子どもの「7つの力」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれるーー全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2
2023年04月25日保育士の中田馨さんが、1歳からできるおむつはずれのコツを教えてくれました。おむつはずれのスタートの目安や具体的なコツをマンガで詳しく解説!こんにちは、保育士の中田馨です。1歳過ぎて暖かい季節が近付くと「そろそろトイレトレーニングをスタートしたほうがいいかな」と思う人もいるのではないでしょうか。よく「夏におむつをはずすとラクよ!」なんて先輩ママから言われることもありますよね。夏にトイレトレーニングをすると、冬よりも洗濯物がよく乾いてラクというメリットがあります。 さて、本題に入る前に最初にお話ししておきたい大切なことがあります。それは、トイレトレーニングは「○歳になったらスタート!」というものではないということ。体の成長と共に膀胱も大きくなってきて、ある程度のおしっこをためておけるようになってからのスタートが理想です。このことを念頭に置きつつ、今回は、1歳代にできるトイレトレーニングのコツをお話しします。 おむつはずれをスタートする3つの目安これまでおむつの中におしっこやうんちをしていた子どもが、トイレに座っておしっこやうんちができるようになるための準備段階の期間をトイレトレーニングと言います。トレー二ングというと「やらなければいけない!」という思いが強くなってしまうので、ここから「おむつはずれ」と言うことにしますね。おむつがはずれる時期には、個人差があります。月齢よりもその子の成長を見てスタートしましょう。 【スタートするための3つの目安】・ひとりで立って歩ける・大人の言うことを理解している・おしっこの間隔が2~3時間空くようになってきた おおよそ1歳半ごろになると、膀胱におしっこがたまる感覚やおしっこが出た感覚がわかるようになってくるので、遊んでいるときにもじもじしたり、おしっこが出たときにおむつを触るしぐさをすることもあります。また、家族がトイレに行く様子に興味を持ち始めることもあります。そんな子どもの様子を見ながら「そろそろスタートさせようかな?」と思ってもいいでしょう。 次から、具体的な1歳代のおむつはずれのコツについてお話しします。 1. まずはトイレのイメージづくりから「よし、3つの目安もクリア! 今日からスタートするぞ!」と、突然トイレやおまるに座らせると、子どもはビックリしてしまいます。何をすればいいかわかりませんし、トイレに座るのを嫌がることもあるでしょう。そもそも、まだ子どもは「おしっこ」や「トイレ」のことを知りません。 1歳代のおむつはずれのポイントは「トイレでおしっこをするイメージづくり」をすることです。まずは、おしっこやうんちがおむつで出たときに「おしっこが出てスッキリしたね! おむつを替えて気持ちがいいね!」と子どもの気持ちに共感することです。そして、おしっこなどを題材にした絵本などを遊びに取り入れます。 ここで注意することは、絵本を教科書にしないこと。あくまで遊びのなかで自然に興味を持ってもらえるよう強制はしません。 2. ママがトイレに行くときに誘ってみようトイレに座るタイミングは、子どもにトイレのイメージづくりができてからでOK。ママがトイレに行くときに誘ってみてもいいですね。子どもはママのマネが大好き! トイレの一連の流れを見せつつ「〇〇ちゃんも座ってみる?」と言って誘ってみましょう。 誘ってみて「うん」と言ったら座らせてみるのですが、私の保育所での経験上、半分くらいの子は、いざ座る!というときに「いや!」と嫌がります。嫌がったらそこで終了。「じゃあ、また今度にしよう」と潔く諦めることも大切です。 子どもが嫌がっては先に進みませんので「座れるときに座ればいい」くらいのラクな気持ちで取り組みます。「トイレに行くと、楽しいことが待っている!」と思ってもらうためにも、トイレに好きなキャラクターの絵を貼っておくなどして、楽しい雰囲気づくりもしてみましょう! 3. お昼寝のあとにおしっこが出ていなければチャンストイレに行っても、すぐにおしっこが出るようにはなりません。結論から言うと、1歳代はおしっこが出れば「ラッキー」くらいに思って座らせましょう。「この夏で何が何でもおむつをはずすんだ!」という思いは少し横に置いてください。ただ、一度おしっこが出れば、その感覚を覚えてくれることが多いもの。保育所では、お昼寝から起きたときにおしっこが出ていなければチャンスと思ってトイレに誘います。このときに座ることができれば、かなりの確率でおしっこが出ます。なかには、これまでご機嫌でトイレに座っていたのに、おしっこにビックリして、その後しばらくトイレに座るのを嫌がる子もいます。ママとしては「ああ、もったいない!」と思うところですが、ここで「こないだまで座れてたじゃない!」と無理させるのはNG。それよりも「今は休憩期間」と思って、スッパリとトイレのことを忘れることが、近道になります。その後は、子どもの様子を見つつ、またトイレに誘っていきましょう。 おむつはずれは、どの子も行きつ戻りつしながら進んでいきます。ママは慌てずドーンとかまえて、遊びの一環として取り組んでみましょう。 作画/はたこ 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年04月22日この記事では、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOさんが「子どもにごめんなさいを言わせること」についてマンガで解説します。小さな子どもに「ごめんなさい」の強要はいりません。それよりも大事なのは心の中で謝る気持ち。まずはママが「ごめんなさい」のお手本を見せましょう。こんにちは。助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。子どもが人に迷惑をかけたら絶対に謝らせるべきでしょうか。「ごめんなさい」を言わない子どもを許してしまったら、大人になっても謝れない人になってしまうでしょうか? 今日は「子どもにごめんなさいを言わせること」についてお話しします。 無理強いして謝る子どもの気持ち力ずくで子どもの頭を押さえつけ、謝らせた経験のあるママは多いと思いますが、「謝りなさい!」と強要されているときの子どもの気持ちを考えてみたことがあるでしょうか。 4歳ぐらいまでは「怖い」「この場から逃げたい」「助けて」など、そこにあるのは恐怖のみかもしれません。5歳以降になると、「自分は悪くないのになぜ謝らないといけないの?」もしくは「自分がダメな子だからママはこんなに怒るんだ」という恐怖に加え、反発感情、自己否定の気持ちが渦巻きます。 10歳ぐらいになると「まただ、めんどくさい」と、適当に聞き流す術を覚え、ママがひとりでカッカしたところで、どの年代の子も反省などほとんどしない状況に陥りがちです。 反撃は思春期になってから彼らが思春期を迎えるころ、反撃する体力と知識を備えた子どもは、昔ママにやられたことと同じ方法で攻撃してくるようになります。「謝れ!」「親は全部正しいの!?」「大人なんか偉そうなだけ!」。 子どもに「謝れ」と言われても頭を下げることは本当に難しく、そのときのママの感情は、恐怖と怒りと自己否定と現実逃避。各年代の子どもたちとまったく同じ気持ちが働きます。 ママが子どものお手本に小さな子どもに「ごめんなさい」の強要はいりません。無理に頭を下げさせることにパワーを使うより、 心の中で反省する、心の中でごめんなさいを言う。それで十分です。 ママが「ごめんなさい」と言ったら周りの空気が明るくなってみんなが笑顔になった。子どもは、そんな変化を敏感に観察して「ごめんなさい」は気持ちのいいことだと学んでいくのです。 子どもはママの行動を見ています。イラっときたらまずは深呼吸をして、子どもに「ごめんなさい」のお手本を示してあげましょう。さらりと笑顔で「ごめんなさい」が言える、そんな大きな器のママを目指したいですね。 作画/山口がたこ監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO
2023年04月21日パニ子は夫・奏太と、もうすぐ1歳になる双子の娘・ミカとユカと4人家族。若くに結婚し、家事に子育てに一生懸命頑張っています。ある日、スーパーに行くと子どもたちが急に大泣き。子どもたちの視線の先にいたのは……スカッと系人気YouTubeチャンネル『パニコレ』から、「正義の味方を気取った迷惑なおばさん客に反撃」を紹介します。パニ子は22歳の会社員で、現在育児休暇中です。もうすぐ1歳になる双子の娘・ミカとユカとの4人家族。 ある日、パニ子と子ども2人でスーパーへ行きました。一人をおんぶして、もう一人をベビー用の買い物カートに乗せて買い物を始めると、入店して数分後、子どもたちが泣き始めてしまいました。 スーパーで子どもが乗ったカートにわざとぶつかってきた女子どもたちの視線の先を見てみると、少し離れた所からおばあさんが睨んでいます。「私を見て泣き出すなんて失礼しちゃうわね!」と大声で言われ、とっさに謝るパニ子。 大声に驚いた子どもたちはさらに大泣き! 他の人の迷惑になってしまうため、この日は何も買わずにスーパーをあとにしました。 翌日、前日にできなかった買い物をしようと、子どもたちの機嫌が良い時間帯にスーパーへ。外食用の離乳食や、夫のお弁当の足しになればと冷凍食品を購入していると、横から他の人のカートが思い切りぶつかってきたのです! 驚いて相手を見てみると、昨日のおばあさんが立っていました! カゴをのぞいて嫌味を言われて……驚いた子どもたちがまた泣き始めましたが、謝ることもなく「あーやだやだ、うるさいわね! 泣き止ませられないなんて母親失格だわ」と言いながら買い物カゴをのぞき、「最近は母親がラクをするのが流行りみたいね。この子たち、きっとまともな大人にならないわ~」と言ってきたのです。 プチンと切れたパニ子は言い返すことにしました。 「では順を追ってお話しませんか? まずぶつかってきたのはそちら。謝罪もなく、私に母親としてのダメ出しまでされましたよね? 冷凍食品やレトルトの何がいけないのでしょうか?」と質問すると、しどろもどろになり慌てる女。周囲には「痛々しいおばあさんね」と大勢の人が集まってきています。すると、「他のお客さまに絡むのは辞めてくださいって言っているでしょう!」と警備員が走ってきました。 お店に訴えられた迷惑女どうやら、このおばあさんは迷惑客として有名だった様子。店長も出てきて、バックルームへと連れていかれました。お店側はおばあさんを訴えることにしたそうです。 若い母親が冷凍食品やレトルト食品を買っているからって、色眼鏡で見てくるなんて本当に失礼な人。先入観や見たことだけで物事を決めつけてしまうような人にならないように、気をつけたいものですね。 著者:ライター パニコレ
2023年04月20日3歳のわが子はとても食が細く、ひどい偏食。私は栄養バランスのとれた食事を用意して、子どもの機嫌をとりながら食べさせる毎日にヘトヘト。思い通りにならず、自分で自分を責める日々でした。そんなころ、夫と子どもの食事のしつけについて揉めたときの体験談です。 偏食の長男へ手を焼いていた私偏食で少食な3歳の長男に毎日手を焼いていた私。子どもには栄養のあるものをまんべんなく食べさせたいと思う私は、長男が好きな食材と苦手な食材を組み合わせたり、調理法や見た目の飾り付けをしたりして、食欲が増すようにといろいろ工夫をしていました。 しかしどんなに工夫しても、気分がのらなかったり嫌いな食材が見えると食べない長男。「せっかくこんなに頑張って用意したのに……」と私はイライラして、親子ともに食事の時間を苦痛に感じるほどでした。 パパがいるとご機嫌で…そんなわが家の食卓ですが、パパが一緒にいるときは様子が違うのです。パパは仕事が忙しく、なかなか一緒に食事をとることができないのですが、子どもにやさしく、叱ることはありません。長男は大好きなパパが一緒だとご機嫌で、食事よりもパパと遊ぼうとするほど。 私が「今日はパパが食べさせてね」とお願いすると、夫は長男の遊びの誘いに乗って、歌を歌いながら、そしておもちゃでままごとをしながら、「あーん」とスプーンで食べさせ始めたのです。 夫の気づかいと私の教育方針の対立それを見た私は、夫に対して怒り心頭! 今まで私が食事のしつけをしてきたという自負があり、夫がそれを崩したと感じたのです。 私の怒る姿に夫はすぐに謝ってくれ、自分の考えを話してくれました。「食事は楽しい気持ちで食べないと、長男にとっても食事が負担となるだろう」という考えのようでした。 私も叱ってばかりの楽しくない食卓は嫌です。家族の食卓は楽しいものにしたい。話し合うことでお互いの主張を尊重し、夫婦の意見は一致しました。私が子どもにはきちんとした作法で食事してほしいと思って行動していたことも、夫がきちんと理解し尊重してくれたことがうれしかったです。 これからは、子どもの教育方針について私ひとりで背負い込まず、夫と相談しながら決めていくことにしました。家族が楽しい気持ちで食事できるように、雰囲気のいい食卓をみんなで作り上げたいです。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! イラストレーター/山口がたこ著者:三宅ちよこフリーランスとして働きながら一男一女を子育て中の母。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、株や不動産投資を副業としている。ライターとして主婦のためのお得な情報や子育てに関する体験談を執筆している。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2023年04月18日現在、5歳と2歳のやんちゃな男の子2人を育てています。最近、もうすぐ6歳になる長男が「バカ」、「あっち行け」、「うるせーな」など言葉遣いが悪くて困っていました。幼稚園やYouTubeで覚えたのだろうと思っていましたが、本人に聞くと意外な答えが……。大反省した体験をお伝えします。 言葉遣いが悪すぎる!最近の長男はとにかく口が悪く、何か注意しても「面倒くせーなー」、「ぶっとばすぞ」など耳を覆いたくなるような言葉の数々。2歳の次男までが長男をマネして、舌足らずな声で「ぶっとばすぞ」と言ったときは本気で子育てが嫌になりました。 もちろん、次男は言葉の意味を理解していませんが、これは本当になんとかしないといけないと思い、原因を知るため、長男にどこでこの言葉を覚えたのか聞き取り調査をすることに。 原因は……私!?すると「ぶっとばす」、「バカ」はアニメのキャラクターが言っていたセリフとのこと。確かに「ぶっとばす」はそのキャラクターがよく言っているなぁ……と納得。日常的に使って良い言葉ではないことを、一緒に見ているときにきちんと説明しなければいけなかったと反省しました。他の言葉も「幼稚園で〇〇君が言ってた!」とも。 長男と話していると、「悪い言葉」というのは何となく理解している様子。幼稚園では他のお友だちには言っておらず、家で私や弟にだけ使っているとのこと。 しかし、乱暴な言葉だし、聞いた人が悲しくなる言葉なので使わないようにと言い聞かせました。最後に「あっち行け」の発生源を聞くと、長男は驚いた顔で「ママだよ」と。 一度だけでもダメ!?「ママがそんな言葉使うわけないでしょ!?」と驚く私に、「ママ、前に怒ったときに言ってたよ!」とのこと。そう言われると確かに、体調が悪くてイライラしているときにワガママを言われて思わず使ってしまった記憶が……。 ただ、自己弁護すると、言ってしまったのは本当に一度だけですし、日常的には使っていません。ただその「一度」だけでも子どもにとっては覚えるのには十分、衝撃的な言葉だったようです。そのことを大反省しました。 社会生活を送る中で、子どもが悪い言葉を覚えてきてしまうのはある程度は仕方のないことだと思います。ただ、今回の場合は、私が悪い言葉を使うことで子どもも「ママが使ったなら、僕も使ってもいいんだ!」と思ってしまったようです。一度だけであっても使うべきではなかったと反省しました。今は子どもと一緒に私も正しい言葉遣いをするように気をつけています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:竹内優実5歳と2歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ1人育児中。
2023年04月14日私は6歳と2歳の男の子のパパです。最近、次男がなんでもまねをする時期に入り、テレビを見ながらまねして踊ったり、キャラクターのポーズをとったりしています。ある日、泣いている長男に対して、次男が大人のまねをして驚きの言動を……!?なんでもまねをする次男次男は2歳になってから言葉をより理解できるようになり、私と妻が言うことを反復したり、長男の行動をまねしたりと活発になってきました。うれしい反面、まねをして良いことと悪いことを区別することはまだ難しく、してはいけないことをしたときは叱っています。しかし本人は叱られているにもかかわらず笑っていたり、反撃をしてきたりと強情な面も……。 叱られているときのことは特に印象的なのか、そのときの言葉やしぐさを頻繁にまねするため、私と妻は心配しています。保育園に通っているのですが、お友だちに対しても良くない言葉を使っているのかなという不安もありました。 泣いている長男に次男が…ある日、悪いことをして私に叱られて泣いてしまい、なかなか泣きやまなかった長男。次男は叱られていることを理解したのか、ずっと黙って見ていました。すると次男はティッシュを持ってきて、泣いている長男に寄り添い、頭をなでながら涙を拭いてあげていたのです。 そして「大丈夫だよ、泣かないでね」と声をかけ、泣かせた私に対しては「あっぷしないでね(叱らないでね)!」と怒っていました。初めて見せた次男の姿に驚きましたが、思わず笑ってしまいました。 いつも言っている言葉だった!次男が長男にかけていた言葉は、私と妻が子どもたちが泣いてるときにかける言葉とまったく同じでした。そして、私に対する怒り方は、長男が次男を泣かせたときに、私や妻が長男を叱る言い方そのものだったのです。 怒るときの言葉やしぐさなど、あまり良くない言葉づかいを頻繁にまねしているのではないかと心配していました。しかし、叱るとき以外に私と妻が言っている言葉や行動も、ちゃんと次男に伝わっていたのだとうれしくなりました。 次男がまねする言葉や行動は、使い方が間違っているときもあります。しかし、次男なりに使うシチュエーションを選び、どの言動が最適か、その行動にどのような意味があるのかを理解しているのだなと思いました。また、周りをよく観察できる時期になり、普段の自分の言動もしっかりしなくてはと考えさせられる出来事でした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:佐藤 稜6歳と2歳の2児の父。サラリーマンとして働きながら副業としてライターを目指す他にブログ記事も執筆中。
2023年04月14日娘が4歳になり、最近、赤ちゃんのときから習慣にしておいてよかったと思うことがあります。 汚い言葉を使わないわが家の娘は、ママである私の言い方ややり方をまねすることが多いです。当然、まねしてほしくないところまでとってもじょうずにまねします。まねされて、「あー、私そう言うわ!」と気付かされることもしばしば。 娘は2歳過ぎから「あーめんどくさい」「あ、忘れた」「よいしょ」と言うようなりました。そのため、普段から「めんどくさい」「バカ」などの言ってほしくないこと、嫌な言い方はしないようにしています。私が言っているにもかかわらず注意すると、すぐに「ママ言ってたよ!」などと言われてしまいます。そんな場合は、わが家では、素直に謝って「言わないようにしようね」と娘と話しています。 あいさつの習慣化あいさつも言葉と同じで、ママがあいさつをしていれば娘もするようになることが多いのではないかと思っています。 娘があいさつをしていなくても、「ママもしているよ。○○ちゃんもしてみようね」と言えば、最初は恥ずかしがっていましたが、次第にしてくれるようになりました。 スキンシップを当たり前に!わが家では、抱っこするのが当たり前だった赤ちゃんのときと違って、体重が重くなって抱っこするのがつらくなる2歳くらいから、だんだんスキンシップが減っていきました。それと同時に4歳くらいになると、ちょっと大人っぽさを演じ始めて、くっつくと嫌がられることも……。 このまま減り続ければ、小学生高学年になるころには大好きな子どもにハグすることもままならなくなるかも!と思い、わが家では、とにかくハグをことあるごとにしています。「もーう」と嫌がられることもありますが、今のところ娘も「仕方ないなあ」という感じで受け止めてくれています。 小さい子ほど、親との接触時間が多いので当たり前ではありますが、基本的に子どもは親のまねをすることも多いと思います。子どもにしてほしいことは、何度も言うよりも、毎日、態度で示すことが一番の近道! いずれも、子どもの物心がつく前からやっておくと効果的なのではないかと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/さくら著者:ヒロコ ラメッシェ4歳女児の母。旅行雑誌編集デスク、アルバイト情報サイト編集長を経て、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。現在、モロッコ在住。自身の経験からママたちと共有したい情報を発信中。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2023年04月07日パニ子はサラリーマンの夫と1年生の娘・パニ美と3人暮らし。実家でパニ子の両親と同居をスタートすることになりました。近所の公園へ向かうと、わがまま親子が現れて……。スカッと系人気YouTubeチャンネル『パニコレ』から、「罪をなすりつけてくる、わがまま親子に下った天罰」を紹介します。パニ子は33歳の専業主婦。サラリーマンの夫と小1のパニ美と3人で暮らしていましたが、このたび実家でパニ子の両親と同居をスタートすることになりました。 実の両親と同居スタート両親はパニ美のことをかわいがってくれ、毎日楽しく平和に暮らしていました。しかし、近所の公園でとんでもない親子に出会ってしまったのです。 パニ子とパニ美が公園に行くと、子どもたちの近くでママたちがおしゃべり中。そのうちの1人が「うちのサトルちゃんは優秀だから、お受験に合格するはず! 来年はパニコレ学園の1年生よ!」と自慢話をしているのが聞こえてきました。 パニコレ学園は、幼稚園から大学まで内部進学ができる有名校で、学力も高め。自慢話を聞かされ、他のママたちの顔は引きつっています……。 ブランコを横取りされて…一方、子どもたちはブランコで遊ぶため、列を作って並んでいます。パニ美がブランコをこいでいると、急に男の子・サトルがブランコの鎖をつかみ横取りしてきました。 パニ子は2人の間に入り、「順番を守ってブランコに乗っているから、君も列に並ぼうね?」とサトルに諭します。 すると、「うっせぇんだよ! オニばば!」と暴言を吐き、パニ子を叩きだしたサトル。自慢話をしていたサトルの母・アカリが近づいてきたため、パニ子が状況を説明しようとすると「その女の子が僕をブランコから引きずりおろそうとしたんだ!」と嘘をつくサトル。 パニ子が本当のことを伝えますが、アカリは「うちのサトルちゃんが嘘つきだと言いたいの!? 天才幼稚園児が嘘つくわけがないでしょ!」と激怒! 怒ってサトルを連れて帰ってしまいました。 またアカリはサトルの言葉を信じて……数日後、またアカリ親子と公園で遭遇。今回もアカリは自慢話を始め、サトルは他の子のブランコを横取りして、危険な乗り方で遊んでいます。 パニ美が「落ちると危ないよ」と注意するも、「うっせぇ!」と聞く耳を持ちません。その途端サトルは落下! 駆け寄ってきたアカリに「このオバサンがこの子に、俺を押してブランコから落とすように言ったんだ!」とまた嘘ばかり。 サトルの話を信じるアカリは「この前もだけど、いい大人なのに謝るとかできないんですか!?」と激怒! そこに偶然通りかかったパニ子の父・パニ夫が「何があったんですか?」と話しかけてきました。 パニ子・パニ美・パニ夫の関係性を知り、顔面蒼白「おや? アカリさんじゃないか! うちの教師の奥さんですよね?」とパニ夫。実はパニ子の父・パニ夫はパニコレ学園の理事長なのです。事実を知ったアカリは大慌て! 「サトルちゃんはパニコレ学園に合格間違いなしの天才だもの! 嘘をつくわけが……」とアカリが言いますが、「うちのパニ美はパニコレ学園の小学1年生ですよ?」とパニ夫。 観念したサトルが泣きながら謝ります。「いい大人なのに、謝るとかできないんですか?」とパニ子に反撃されたアカリはついに謝罪。 このことがきっかけとなり、ついに愛想を尽かしたアカリは夫は、離婚を言い渡したそう。アカリの夫はパニコレ学園の教師を辞め、田舎にある実家で小学校の先生として働きながらサトルを育てているのだとか。 パニ子は周囲のママ友とも打ち解け、幸せな日々を過ごしています。いくら学力が良くても、人間性が伴っていなければ立派な大人にはなれませんよね。サトルがまっすぐな子に育ってくれますように……! 著者:ライター パニコレ
2023年04月06日「自信がある人」と「自信がない人」では、仕事の成功や良好な人間関係など人生のあらゆる面において、手に入れられるものに大きな差が生じてしまうようです。みなさん、「あのとき自信をもって行動していれば違う結果になったかも……」と後悔していることはありませんか?今回は、「自信に満ちた子どもの育て方」について、親が心がけるべきポイントを解説していきます。「自信のある人」は大きな目標に立ち向かえる!「自信がある子」と聞くと、「自慢ばかりする子」「ほかの子どもを見下す子」などマイナスなイメージをもつ人もいるかもしれません。しかし、いまの時代における「自信」とは、自己肯定感と同じくらい重視されているようです。では、子どもがもつ「自信」とは、具体的にどのようなものなのでしょう。『12歳までに「自信ぐせ」をつける お母さんの習慣』(CCCメディアハウス)の著者で、「こどもみらい塾」塾長の楠本佳子氏は、「自分は何でもできる!」といったうぬぼれ的なものではなく、やる前から無理だと諦めずに、何事も失敗を恐れず取り組む力こそが「正しい自信」だと述べています。そんな「正しい自信」をもつ子どもは、成功と失敗を繰り返しながら、「こうやったらもっとうまくできるようになるかな?」「もっと効率的にできるようになるかな?」と考えながら行動するようになるのだそう。また、「自信の有無は、子どもの幸福と目標の達成を左右する」と述べるのは、ハーバード大学教育学博士のレベッカ・ローランド氏。ローランド氏によると、自信のある人は、自分の能力全般を信頼しているので、大きな目標に立ち向かうことができるのだそう。そして何より、「失敗しても立ち直れる」と信じているとのこと。失敗してももう一度チャレンジするか、また失敗してしまうことを恐れて諦めるか――。どちらがより飛躍できるかは明らかです。成果は関係ない!子どもには「たくさんの経験」を『里山資本主義』(KADOKAWA)の著者で日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏によると、子どもたちに対して「すぐに成果や結果を出すこと」を求めてしまうのは酷であり、長期的な視点で見るとデメリットのほうが大きいのだそう。藻谷氏は、「『半世紀後の彼らの実りある人生』という成果のためには、いまは成果に関係ない実経験こそ大切にすべき」だとして、幼少期における実体験の大切さを説いています。必要なのは、困難にぶつかった時にも怯まない気持ちや、折れない心だ。そうした心は、自分が本来もっている、無理に引き出さずとも出てくる力に対する、セルフリスペクトから生まれる。そしてそのようなセルフリスペクトは、幼少時より自分で失敗し、その失敗を自分なりに考えて克服した経験を積み重ねてこそ培われる。(引用元:FQ Kids Learning 2020 spring issue,『身体感覚・美的感覚・社会性を育む 子ども自然体験』, 株式会社アクセスインターナショナル.)※太字は編集部が施したなるほど、幼少期の子どもには経験が大切なのですね。では、親は具体的にどのようなサポートをすればいいのでしょうか。「自信がある子の親が心がけていること」について、次に詳しく見てきます。「自信がある子」の親が心がけている3つのこと1.「小さな成功体験」を重ねられるようにサポートする子どもに自信をつけさせる最も効果的な方法は、小さな目標を設定してクリアする「成功体験」を積ませること。カリスマ保育士としてメディアでも活躍中のてぃ先生は、自身のYouTubeチャンネルで「『誰かに勝つ』ことではなく、『自分に勝つ』ことこそが、失うことのない本当の自信につながる」と述べています。それは、「人に勝つことで得られる自信」というものは案外脆く、他人に負けた途端に「もうやりたくない」と背を向けてしまうようになるから。一方、自分が掲げた目標をクリアして、「自分に勝った」経験を繰り返すことは、他人の行動や言動に左右されない揺るぎない自信になるのだと、てぃ先生は言います。学習塾・花まる学習会主宰の高濱正伸氏もまた、「小さい成功体験を積み重ねた子は、社会に出てから頑張り抜く底力をもっている」と述べています。日常生活のなかで小さな課題をクリアしたときの親のほめ言葉は、子どもの自信を強固なものにするのだそう。そして小さな達成感を積み上げることで、やがて自ら大きな課題を設定できるのです。たとえば「お手伝いしたい!」と言う子どもに対して、「忙しいのになあ」「余計に時間や手間がかかっちゃう」と面倒に感じることもありますよね。しかしそんなときは、「この子の自信が育つチャンス!」と思考のスイッチを切り替えてみませんか?家族カウンセラーの宮本まき子氏は、「できっこない、無理、と却下するのではなく、『どうやったら可能か』をとっさに判断するのが親の知恵」だと話します。切りやすい野菜をほんの少しだけ切るなど、たった一切れでも「自分で料理した」達成感をもてると、その子の自信につながります。また目標を設定する際は、あくまでも本人が達成できるであろうところに調整することが大事です。てぃ先生は、「小さな子どもの場合、目標を決めることやハードルの高さの調整もまだ上手にできないので、大人がサポートしてあげて」とアドバイス。そして目標をクリアできたら「できたね!」「すごい!」とほめてあげることを忘れずに。2. 子どもの能力を伸ばす「リッチトーク」をする子どもの自信を育むためには、親子の会話も重要な役割を果たします。前出のローランド氏が提唱する「リッチトーク(豊かな会話)」は、子どもの自信を育むのに有効な会話術です。その原則となるのは、「A(Adaptive)= 臨機応変」「B(Back-and-forth)= 双方向」「C(Child-driven)= 子ども主導」であること。具体的には、「子どもの願望や欲求に柔軟に応じること」「お互いに積極的に会話すること」「子どもの目標・関心・欲求から会話を始めること」に重点を置いて会話することで、子どもの意欲や創造性、自己肯定感、そして自信が高まり、さらには親子の絆も深まるというわけです。また、会話のなかで子どもをほめるときに注意しなければならないのは、「よく観察してほめる」こと。子どもがもともとできることや、偶然にできてしまったようなことは、ほめてはいけないのだそう。「うぬぼれ的な『間違った自信』につながります」と楠本氏が指摘するように、あくまでも子どもが努力したことや頑張ったことに着目してあげましょう。「お母さん(お父さん)がきちんと見てくれている」と感じられると、自己肯定感もアップします。そしてもうひとつ、「他人と比べない」ことも大事です。「〇〇ちゃんみたいに上手にできたらいいね」「△△くんよりも速く走れたね」というように、まわりの友だちと比べるのはNG。比べるのなら以前の自分。「昨日よりも上手に描けたね」などと、いままでできなかったことができたらほめてあげましょう。3. 親が「ポジティブな口ぐせ」を意識する最後に、親御さん自身に気をつけてほしいのが「口ぐせ」です。高濱氏は、「物事を始めるときに、子どもが『できない』『やりたくない』と否定から入るのは、失敗することを恐れているから」と指摘します。これは、いつも親から結果ばかり求められたり、「本当にできるの?」と不安をあおられたり、失敗したら「だから無理だって言ったじゃない」と呆れらたりすることが影響しています。もちろんいつでも前向きで、ポジティブに考えられることばかりではありません。時にはネガティブ思考にとらわれたり、子どもが傷つかないためにあえて慎重になるよう促したりすることもあるでしょう。しかし、高濱氏によると、度重なる親のネガティブな発言が、子どもに「私のことを信じてくれていないのかな」「僕には期待してくれていないのかな」と思い込ませることにもつながるとのこと。子どもには、できるかぎりポジティブな声かけをしていきましょう。「大丈夫」「あなたならできるよ」「失敗したらもう一度チャレンジしよう」と声に出すことで、親もまた「うちの子なら大丈夫」と安心して見守ることができるのではないでしょうか。***「自信を身につける」といっても、簡単なことではありません。日々の暮らし方やまわりの人間関係、そして親子の会話など、さまざまな要素が積み重なり、本人の成長の過程で育まれていくものです。いつかお子さん自身が大きな目標を見つけたとき、自信をもってチャレンジできるように、いまからできることをサポートしていきたいですね。(参考)マナトピ|子どもに「正しい自信」をつける方法とは?12歳までに「自信ぐせ」をつけようYAHOO!ニュース|成功するのは「実力ある子」より「自信がある子」。自信を育む“親の声かけ”レベッカ・ローランド(2022),『自分でできる子に育つ最高の言葉かけ』, SBクリエイティブ.FQ Kids Learning 2020 spring issue,『身体感覚・美的感覚・社会性を育む 子ども自然体験』, 株式会社アクセスインターナショナル.YouTube|あの子はなぜ堂々としているのか?自信に満ちた子どもの親がしていること高濱正伸(2012),『伸び続ける子が育つ お母さんの習慣』, 青春出版社.PHPのびのび子育て 2021年3月特別増刊号, PHP研究所.幻冬舎GOLD ONLINE|わが子と何を話すべき?ハーバード大学講師が教える「子どもの能力を伸ばす会話」
2023年04月04日長男は生後1カ月のころから指しゃぶりをしていました。指をくわえて寝ている姿はとてもかわいかったのですが、乳歯が生え、離乳食を完了しても指しゃぶりをやめる気配がなく、幼稚園に入ってもそのまま……。そんな息子が突然、指しゃぶりをやめられた体験談をお話しします。年長になって息子に訪れたピンチ!そんな状態で数年が経過し、息子は幼稚園の年長でも指しゃぶりをやめられずにいました。そろそろまずいのでは……と思ったきっかけは、幼稚園のお泊まり会です。 寝るときは必ず指をしゃぶらないと眠れない息子。本人も恥ずかしいとは思っていたようで「どうしよう……」と悩んでいました。 息子の運命の日! ぱったりと止めました!お泊まり会は、多くの子どもが初めて親元を離れる行事です。ほとんどのお母さんが「大丈夫かしら」と心配していて、この日も数人のお友だちと公園で遊ばせながら、ママたちはお泊まり会のことを話していました。 しかし、おやつの時間になり、みんなで手を洗ったときのこと……。「息子くん、その指どうしたの? 」と1人のママさんが息子に声を掛かけました。とても美人で気さくなママさんで、面食いな息子のお気に入りでもあります。息子が指しゃぶりを気にしていることを知っていたママさんからは、あとでこっそりと謝罪をされましたが、本人もやめたがっていた癖だったので、むしろありがとうと伝えました。私といくら話してもやめられなかったのに、美人ママさんに言われてぱったりと止められるとは……。息子らしいなと感じた体験でした。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/まっふ 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年04月03日大学時代、友人と行った海外旅行でまったく英語がしゃべれなかった私。そのときの失敗経験がきっかけで、自分の子どもには英語がしゃべれるようになってほしいと思っていました。娘が1歳になる前に、英語教材の購入を検討。営業担当者から「0歳から始めたら2歳になるころにはペラペラしゃべれる子もいるんですよ」と聞き、思いきって100万円近い教材の購入を決意したのですが、その効果は……。 娘が英語にハマったのはいっときだけ、教材の残念な末路 100万円の大金を支払って英語教材を購入したわが家。娘は、英語でのあいさつや歌、リズムを楽しむようになりました。 しかし、娘は2歳になっても日本語の発達が遅かったのです。気になって療育センターに相談してみると、「英語教育を始めるのが早すぎると、日本語の習得が遅れることもありますよ」と注意されました。言葉の発達に影響することは諸説ありますが、マイナスな指摘を受けたことに大ショック! 療育センターの先生からは「日本語の絵本もたくさん読み聞かせてあげてください」と言われ、英語の本よりも日本語の絵本の読み聞かせを頑張るように。 そして、3歳になった娘はappleやredなど簡単な英単語は覚えているものの、英語教材に飽きてしまい、今では聞き流しする程度に……。逆に心配だった日本語でのおしゃべりは上達。日本語の発達は、同じ年の子どもと変わらない程度に追いつきました。 また役立つ日を願って、大量の教材はリビングの隅に置いています。英語だけでなく日本語の習得にも最初から力を入れなければならなかったと反省した出来事でした。 ※子どもの早期英語学習について乳幼児は単語の音と意味を相関させるのではなく、音響分析によって言葉が開かれていくとされています。このことから、子どもの早期英語教育は英語の習得に役立つでしょう。ただ、日本語の習得に影響が出るかどうかはあきらかではありません。 作画/Pappayappa著者:向井麻子3歳の女の子のママ。時短料理がマイブームで、毎日YouTubeでリサーチしています。監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2023年03月31日子どもを保育園に預ける親御さんが増えるこの時期、耳にする機会が多くなる「3歳児神話」。実は根拠がないって本当!? 3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、「3歳児神話」について教えてもらいました。こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は子どもを保育園へ預ける親御さんを悩ませる「3歳児神話」について解説したいと思います。 実は「3歳児神話」に根拠はありません!「子どもが3歳になるまでは母親によって育てられるべき」という考え方から生まれた「3歳児神話」。これはイギリス出身の精神科医ボウルビィの報告書がきっかけになっています。3歳児神話が生まれた背景を遡ってみると、実は、もともとの考え方とちょっと違う解釈が広まってできた言葉のようです。 第二次世界大戦後、戦争孤児や家族から離れた経験のある子どもの多くに、精神発達に遅れが見られるという報告がありました。しかし、保護者のいない子どもが暮らす施設の環境や療育状況の改善とともにそれらが減少したため、「3歳以前の母性的養育の欠如が、発達障害の要因である」と分析され「子どもが健やかに成長するためには、3歳までに少なくとも一人の養育者との愛着関係が必要」と唱えられました。 これが「愛着理論」として広まったそうです。日本では、この母性的養育という言葉が、母親による養育として広まってしまったようです。 また、厚生白書(平成10年版)でも「3歳児神話には,少なくとも合理的な根拠は認められない」とされています。 家庭で母親と過ごした子と、共働き家庭の子に違いはある?アメリカでは1990年代に1357家族を対象として、大規模で長期的な研究が行われました。その研究結果では、母子間の愛着の質は、保育時間や保育開始時期、保育所の質によって影響を受けることはない、ということでした。 愛着の質に影響を及ぼすのは、一緒にいる時間の長さではなく、母子間の関わり方そのものだったのです。子どもの発達は、母親が働くか育児に専念するかという形だけでは、議論できないのです。 保育園に通わせた方が、言語発達が良い傾向があるとも言われています。人より早く言語発達する必要はありませんが、言語発達があると、かんしゃくなども減りやすいので、保育園のメリットもあるのではないでしょうか。 子どもの愛着形成、発達に大切なのは、母子ずっと一緒にいることではなく、母子の信頼関係を強固なものに構築することだと言えます。 保育園でも、家庭保育でも子どもとの時間を幸せなものに子どもの健やかな発達のためには、人の目を見て、表情を感じてコミュニケーションを取っていくことがとても大切です。そして「親(母)が自分にとっての安全基地で、一番応援してくれる人」であることが、子どもが生き生きと過ごせる一番大切なことでしょう。 そのためにも親の心身が健康であることが大切です。働いていても、働いていなくても、ママたちはご自身を大切にして、自分を大切にした分で子どもに笑顔を向けてあげてください。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年03月30日1歳半になる娘のブームは食器を台所まで運ぶこと。いつもはプラスチックの食器を置くようにしていました。その日は朝からバタバタしていて、陶器の食器やコップを置いたままにしてしまって……。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。娘の骨折は虐待のせい!?先生の思わぬひと言に驚き その日は朝からバタバタしていて、陶器の食器やコップを置いたままにしていました。ベランダで洗濯物を干していると、食器が割れる音とともに娘の激しい泣き声が! 陶器の食器を運ぼうとして転んだようで、ふと指を見ると右手の中指の爪が真っ黒に内出血していたのです。驚いた私は、家のすぐ近くの総合病院に直行しました。 診断結果は、なんと骨折! しかし、指が小さいため包帯を厚めに巻いて経過観察になりました。ホッとしたのもつかの間、病院の先生から「普通はこんなふうに折れないけどな」となにやら意味深な言葉が。「珍しい骨折ですか?」と聞くと、次の瞬間「お母さん子育てで困っていることない?周りに頼れる人とかいる?」と聞かれたのです。 これはもしかして虐待を疑われている……? と感じた私は、とっさに「困っていることなんてありません!頼れる人もいっぱいいます!」と大げさに答えてしまいました。その後「ひとりで抱え込まず、市の保健センターとかもあるから」と言われ診察室を出ることに。 経過観察のための通院時も「あの医師だったらどうしよう」と思いましたが、大きな病院だったためか別の医師が担当でした。その後、娘の指は、骨折していたのがうそのように元通りに。成長とともにできることが増えている娘に対して、私は油断をしてしまったのだと反省。日頃から、慣れていることでも目を離さずに見守らないといけないと改めて思いました。 作画/mosu著者:若葉みゆき12歳・9歳・6歳の3人の子どもを育てるママ。40歳を過ぎてから体調が万全の日が年に数回しかないのが悩みの種。子どものパワーに圧倒されながらもなんとか日々過ごしている。
2023年03月28日長男が5歳のときに、次男が生まれました。5歳差兄弟を育てるにあたり、一番心配だったのは長男のことです。5年間ひとりっ子だったこともあってか、自分の世界に入り込んで遊ぶのが好きな長男。赤ちゃんが新しく家族に加わり、長男が長男らしく楽しく過ごせるのかが、私の一番の気がかりでした。そこで、私は「上の子優先」を頭の片隅において、長男の環境を守ることにしたのですが……。没頭して遊ぶ長男を弟から守りたい!長男は好きなことに没頭するタイプです。私は「もし次男が長男の遊びを邪魔するようになったら、長男は嫌がるだろうな」と想像し、なるべく長男が集中して遊べる環境を守ってあげたいと思っていました。 育児本などで見かけた「上の子優先」の考え方も頭の片隅にあったのだと思います。次男は生後6カ月ごろにはハイハイを覚え、自分で好きに動けるように。すると、次男は楽しそうに遊んでいる長男の元にどんどん寄っていくようになりました。 嫌がる長男とお構いなしに突入する次男!集中して楽しく遊んでいた長男からすると、お構いなしに突入してくる弟は世界を破壊していく怪獣のように感じたのでしょう。慌てるやら、怒るやら、悲しむやらでプチパニックに。次男には説明してもまだわかるわけもなく、長男のパニックが起きる日々でした。 遊ぶエリアを分けたり、ベビーゲートを活用したり、次男専用のおもちゃを与えたりと私なりに工夫をしましたが、やはり長男の遊びを守るにも限界があると感じるように。 長男を守るのも限界! 方針変更!次男の成長と共に、私は兄弟で仲良く遊んでほしいと思い始めました。そこで最初の方針を変更! 一緒に遊べるように2人に遊び方を教えていくことに。長男には次男が喜ぶ遊び方を教え、次男には長男が嫌がることなどを根気強く伝えました。 長男には次男への絵本の読み聞かせもお願いしてみました。すると、一緒に遊ぶ楽しさやルールもわかってきたのか、少しずつ2人で楽しそうに過ごす時間が増えていったのです。 7歳になった長男は今でも黙々と遊ぶのは好きですが、次男と過ごすことでコミュニケーションの方法をたくさん学んでいるように感じます。最初は長男の世界を守ることを重視しましたが、兄弟仲良く過ごす方法を一緒に考えることも大事だったのではと今では思います。たくさん遊んでケンカして、楽しそうな兄弟と共に母も成長したいと思う毎日です。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:ときのせともこ7歳と2歳になる5歳差の男の子兄弟のママ。結婚前は、生命保険会社で営業職を3年経験。趣味は子ども服を手作りすることやアルバム作り。年の差兄弟が一緒に楽しく過ごせる遊びを研究中。
2023年03月28日私はかなりのネガティブ思考で、自己嫌悪も激しいタイプ。またそれは性格だから変わらない、自分だけが苦しいと思い込んでいました。ところがあるとき、私のネガティブな考え方や行動が息子に悪影響を与えていると気づくことになる出来事が……。 息子の言葉が忘れられない息子が小1の冬のことでした。息子が最近「どうせ自分はダメなんだ……」「自分を殺す……」などといった自分を傷つけるような言葉を使うのが気になっていたところ、同時に担任の先生からも学校でも同じだとお話がありました。 うまくいかないことがあると自分を傷つけるような言葉を発したり、自分の頭を叩いたりするのです。このままではいけない。そう思った私は、子どもの自己肯定感を上げる方法について調べ始めました。 問題は母親である私自身にあったしかし、調べていくうちに、どうやら問題は息子というより私自身にあるのではないか? ということに気づいたのです。私の考え方や口癖などが、知らず知らずのうちに息子へ伝染していたのでした。 自分のようになってほしくないと思いながらも、ネガティブな物の見方やうまくいかないことがあると自分を責めまくる行動などを私自身がしていたのです。また、感情の制御が利かず暴言を吐くといったこともあり、それも息子を傷つけていたと気づきました。 試行錯誤するうちに良い変化が…「大切な息子を傷つけてしまった、このままでは息子の人生を台無しにしてしまう……」。かなりのショックを受けた私は、自分を変える決意をしました。 本やネットで心理学などを勉強して断捨離を始めたり、瞑想や運動を取り入れたり、自己分析をし、自分の考え方のクセやその日の行動を記録するなど、とにかく何でも行動に移して試してみました。そして、試行錯誤していくうちに私自身の考え方や行動も変化していきました。 息子にもうれしい変化が!私自身に良い変化が起きてくると、同時に息子もだんだんと自分を責めるような言葉を使わなくなりました。以前よりも息子らしく生き生きと過ごしてくれている気がします。 まだきょうだい喧嘩の際などには「どうせ僕が怒られるんだろ」など、ややひねくれることはあるので、私の言葉かけや態度などをもっと良くしていかなければとも思っています。 人生のターニングポイントとなったこの出来事。息子が身をもって教えてくれたことは計り知れません。息子に対しては、ネガティブな考え方を刷り込んでしまい、本当に申し訳ない気持ちと、気づかせてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。これからも息子や私自身の人生のためにも努力していこうと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/まっふ著者:やましたくるみ2男2女の母。結婚を機に田舎に移り住み、のんびり子育てを楽しみながら、自身の体験談を中心に執筆中。
2023年03月25日私は4児の母をしています。長女が6歳、次女が4歳、長男が2歳、三女が0歳と4人とも年が近く毎日にぎやかなのですが、次第に長女に悩まされるようになりました。この悩みをママ友に相談したところ、返ってきた言葉が素敵すぎて泣いてしまいました。 長女のことで悩んでいた私三女を妊娠したあたりから、長女の赤ちゃん返りのようなものは始まっていました。年少のときには幼稚園へ行く前に泣いたことはありませんでしたが、年中の2学期になると幼稚園に行く前に必ずぐずるようになったのです。「靴がはけない」「服を自分で着られない」「水筒の紐をつけられない」など理由は日々さまざまです。妊娠中の赤ちゃん返りは、こういう時期だから仕方がないよねと思っていました。しかし、三女を産んでからは毎日家でも外でも気に入らないことがあったら叫んで大泣きをするようになり、私は悩むように。一番心配だったことが、寝言がひどくなり、寝ながらわめいて泣き、「ママきらい」と叫んでいたことです。 ママ友がかけてくれた言葉悩みをかかえきれなくなり、長女のことを年少のときからよく知っているママ友に、長女の赤ちゃん返り、寝言がひどいこと、日々大泣きすることを相談しました。ママ友は、あの長女が?! と最初は驚いていましたが、そこで私が泣いてしまうほどうれしい言葉をかけてくれたのです。「〇〇(長女)はいっぱい我慢しているんだね。友だちと遊ぶことで発散できるかもだから、〇〇(長女)だけでまた遊びにくる? いつも遊んでいるけど、きょうだいがいるとやっぱり〇〇(長女)はどこかで我慢しているんだよ。発散させてあげよう! でも私も〇〇(私の名前)と遊びたいからな~」と言ってくれました。 言われたときの私の気持ち長女のことを理解してくれた言葉にほっとしました。そして真剣に長女のことを思って、長女だけで遊びにくることを提案してくれたことがとてもうれしかったです。 長女を思いやった言葉に加えて、ママ友は私とも遊びたいと、私がうれしくなる言葉までかけてくれたので、思わず泣いてしまいました。本当にこのママ友と友だちになれて幸せだと感じましたし、相談してよかったと思った瞬間でした。 私は、ママ友の支えもあって長女の悩みを少し軽くすることができました。相談されて答えるときというのは、その場で考えるので素の言葉が出ると思います。ママ友は素で素敵な言葉をかけてくれたのだと思っています。私は素晴らしいママ友をもてたことを感謝するとともに、自分も大切な人に素敵な言葉をかけることができるようになりたいなと思いました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:松谷 えりな3歳の息子と、年長・年少・1歳の娘たちの4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
2023年03月23日4人きょうだいの5歳の次女は、1歳9カ月の次男とよく遊んでくれます。次男は自由におもちゃで遊んだり、キッチンの引き出しを開けては中身を出したりと荒らし放題。近くにいる次女にお片付けを頼むと、快く片付けをしてくれます。しかし、そんな次女についつい怒ってしまう、私の後悔の体験談をお話しします。 自由な次男といつも一緒の次女1歳9カ月の次男は、5歳の次女といつも一緒に遊んでいます。9歳上の長女がいないときは、次女がよく次男のお世話をしてくれるので、本当に助かっています。ただ、まだまだ5歳なので、次女のできる範囲で次男の面倒を見てもらっています。 とはいえ次女も、まだまだ自分の遊びやお絵かきをしたい時期。次男の近くにはいるものの、別の遊びをしていたりもします。そんなとき、次男はキッチンで夕食を作っている私の後ろにきて、引き出しを開けては中身を出して遊び、ふと足元を見ると物だらけ。 それを見た次女は、自分から「仕方ないな~」と言いながら片付けてくれるので助かるのですが、次女が遊んだあとを見ると片付けていないことが……。 結局怒られてしまう次女まず自分が遊んだ物を片付けてから、次男の後片付けを手伝ってくれるといいのですが、次女も遊んだり使ったりした物をそのままにしておくことがあるので、私はそちらが気になり怒ってしまいます。2人で遊んだ物も、次男はまだできないのでついつい次女に「片付けて」と言ってしまうことも。私に余裕があれば2人の側にいて、次男に片付けを教えながら一緒に片付けられるのですが、忙しくてなかなか余裕がありません。 怒ってしまってから気づく罪悪感私は次女の遊びが行き過ぎて怒ってしまうこともあるのですが、そういうとき以外で、あきらかに次男がしたことなのに次女を怒ってしまうことも……。おもちゃの片付けは次女がやってくれて頼っているのに、家事で忙しい私は、散らかしっぱなしを見るとついつい怒ってしまうのです。 夫から「次男がやったことだよ」と言われ、次女を怒ったことを深く後悔……。次男のせいで怒られたときも、次女は「次男がしたのに~」と言いながらも、片付けてくれます。おもちゃ箱の中は適当ですが、まずは片付けてくれたことに感謝するようにしています。 次男はまだできないことが多いとわかっているので、ついついできる次女に責任を押し付けてしまい怒ってしまう私。ママは忙しいからと理由をつけて頼っているところがあるのに、怒ってしまうことに「ごめんね」と思うものの、なかなか口に出せません。その分、してくれたことに「ありがとう」を伝えるようにしています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:松田みさと長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年03月23日「子どもが自己チューで困る。このまま大人になったらどうしよう……」「自己チューはいつ直るの?」そんな悩みを抱える親御さんは少なくないのではないでしょうか。子どもには、思いやりのある人になってほしいですよね。じつは、相手の気持ちを考えられるかどうかは、子どもの年齢や発達が深く関係しているようです。そして、子どもが自己中心的な人間になるか、人の気持ちを考えられるようになるのかは、親のサポートが鍵を握ります。さっそく見ていきましょう。7歳くらいまでは、「自己中心性」で物事を考える「発達心理学の父」と呼ばれるスイスの心理学者ジャン・ピアジェは、2~7歳くらいの子どもは心理的発達途上のため、「自分以外の人には自分と違う見方や感情があることを理解できない」という事実を科学的に解明しました。そしてこの「世界を主観的な視点からしか見られない」特徴を、ピアジェは「自己中心性」と定義しています。応用言語学が専門で広島修道大学の副学長・大澤真也氏によると、たとえば「子どもがいままで一度も会ったことのない人に対して、自分の友だちの名前や行動について話す」といった振る舞いも「自己中心性」の特徴なのだとか。大澤氏はその理由を、「子どもはたとえ相手が見知らぬ人であったとしても、自分の友だちのことについて知っていると思ってしまう」ためと説明しています。つまり子どもは、「自分が知っているから、相手も知っている」「自分が嬉しければ、相手も嬉しい」「自分がイヤなら、相手もイヤ」と考えるということ。ですから、公認心理師の佐藤めぐみ氏が言うように、「『そんなことしたら、〇〇ちゃんどう思うかな?」という言葉が、この時期の子にとっては難しすぎる(伝わらない)」のです。佐藤氏によると、子どもが「他者の視点」――つまり、思いやりをもてるようになるのは、7歳頃から。もしお子さんが相手の気持ちを考えられず、自己チューな行動をとっていたとしても、7歳頃までは仕方のないことだと言えるでしょう。7歳を過ぎても他者性が育っていない子は「自己中心的」!前述したように、子どもは7歳頃から発達とともに、思いやりをもてるようになっていきます。しかしなかには、いつまでも自己中心的で、うまく人とコミュニケーションをとれない子もいるでしょう。ここからは、その原因と解決のヒントをご紹介していきます。解決のヒント1:「失敗してもいい、どんなあなたでも大好き」と伝える心理カウンセラーの佐藤栄子氏によると、自己受容が十分に育っていないと、 “自己チュー” になるリスクが高くなるそう。佐藤氏は、自己受容を「できない自分でもありのままに受け入れられる、許せる感覚」と説明しています。たとえば、自転車に乗れない子が、「いまはまだ乗れないけれど、一生懸命練習すれば、きっと乗れるようになる!」と思えるのが自己肯定感、一方、「自転車には乗れないけど、かけっこは速いから、まぁいいか」と、できない自分を受け入れることが自己受容です。佐藤氏によると、「自己肯定感が高くて自己受容が低い子」は、なにか失敗やトラブルが起こったときに「私のせいじゃない!」と主張するような、自分大好きな自己チュー人間になりやすいのだそう。「自分はすべて完璧」「失敗するなんてありえない」と、できない自分を認められないため、「並び順が悪かった」「〇〇ちゃんのせいでこうなった」という思考回路に陥ってしまうのです。もしお子さんが「失敗を他人や環境のせい」にするようであれば、子どもが「失敗してもいいんだ」と思える声かけを。佐藤氏は、「今日はうまくいかなかったけれど、楽しかったね」「次はできるかもしれないから、またチャレンジしようね!」など、未来につながる前向きな言葉が効果的だと話します。また、「できなくてもいい。どんなあなたでも大好きだ」というメッセージを伝えることも大切だそうですよ。解決のヒント2:具体的なほめ言葉で、子どもの自信をアップさせるメンタルコーチで人材教育家の飯山晄朗氏は、「自己中心的な子」の親がしがちなNG言動として、「強く叱ること」を挙げています。「言うことを聞きなさい!」「なんでできないんだ!」など、子どもを怒鳴りつけていませんか?すでに自己中心的な子どもは、どうやら親が強く叱れば叱るほど、強く反発するようです。そうなってしまったら、ますます子どもの自己中心的な傾向に拍車をかけかねません。8,000人以上の子どもたちと向き合ってきたという飯山氏は、子どもに意見するときは、「あなたがちゃんとやっていることは知っているよ。でもこうしたほうがいいよ」と、まず、子どものできているところを認めてから、優しくアドバイスをすべきだとしています。また飯山氏は、自己中心的な子どもは地位や名誉にこだわる傾向があると話します。そこで、折に触れて「あなたは〇〇で1番」だと伝えてあげましょう。「笑顔が1番だね」「あいさつが1番だね」など具体的なほめ言葉を伝えることが、子どもの本物の自信につながります。解決のヒント3:「生まれつき自己中心的」でも、性格は改善される!教育評論家の親野智可等氏によると、自己中心的な性格の子どものなかには、「先天的」つまり生まれもった性格が自己中心的傾向にある子どもがいるそうです。この場合、親はどうすればいいのでしょう。子どもが自己中心的な言い分を並べ続けるとつい、「いい加減にしなさい!」と頭ごなしに怒っていませんか?しかし、ここで親に必要なのは、子どもの気持ちに寄り添う姿勢と忍耐のようです。親野氏は、かつての教え子だった「生まれつき自己中心的な性格」だと思える小学生・A子さんの実例を挙げながら、解決策を提示しています。以下は、A子さんの母親がとった行動です。A子さんが、自分に非がなくて相手に非があることをずっと話していても、それを受容的かつ共感的に聞いていました。(中略)そして、たっぷり聞いたうえで、初めて相手の気持ちも考えさせようとしていました。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|小5の息子が自己中心な性格で困っています[教えて!親野先生])親野氏によると、A子さんの母親のように、「子どもの言い分を、まずきちんと聞くこと」「うなずきながら、肯定しながら聞いて受け入ること」がとにかく大切なようです。A子さんの母親は、A子さんが自己チューな話をしても、「そうだね。悔しかったんだね」と、A子さんの気持ちに共感していました。親野氏は、声かけのポイントを「行為を咎めるのではなく、まず子どもの気持ちを認めること」だとしています。その後、高校生になったA子さんは、なんと自己中心的な性格がすっかり改善されたのだそう。親野氏は、「孫悟空を手の平にのせたお釈迦さまのような気持ち」で気長に対応することで、子どもの自己中心的な性格は変わっていくとアドバイスしていますよ。***社会学者で早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏は、「自己中心的な人は相手と心を通わせるということができない」「実際の自分を受け入れ、実際の相手を受け入れ、そして心を通わせて生きていくということができない。人と人との心のつながりの喜びを経験できない」と断言しています。加藤氏の言うように、“自己チュー” であることは、自分自身をも苦しめることになるのです。そうならないように、親が子どもの成長を丁寧に観察し、適切な時期に他者性を育む働きかけをしてあげましょう。(参考)Woman excite|子どもの自己肯定感「ほめて伸ばす」は正しい?わが子を“自信満々の自己中”にしないために東洋経済オンライン|「自己中心的な子」の親がしがちなNG言動4つベネッセ教育情報サイト|小5の息子が自己中心な性格で困っています[教えて!親野先生]コトバンク|自己中心性日本ピアジェ会|ピアジェ理論による幼児教育広島修道大学学術リポジトリ|ピアジェとヴィゴツキーの理論における認知発達の概念 : 言語習得研究への示唆SHINGA FARM|ピアジェ博士の発達理論から見た7歳反抗期の理由とは藤永保 監修(2006), 『こころの問題辞典』, 平凡社.PHPオンライン衆知|「自分の意見には価値がある」と態度に出してくる人の自己中な心理
2023年03月22日保育士の中田馨さんが、登園前や朝の声かけついて教えてくれました。ママも忙しい朝の時間。ついつい言ってはいけないNGな声かけをしていませんか……?こんにちは。保育士の中田馨です。朝起きて、保育園に行くまでの朝の時間。皆さんは余裕がありますか? 私は「はい! 余裕です!」と、子どもが中高生になったのに、いまだに言えません。 「お! 今日はスムーズに準備ができたわ!」と思った日に限って、ギリギリで子どもがグズッて「何でなのよ」と泣きたくなることもありますよね。わが家は、かなりの確率でそんな感じです。本当に親御さんには「朝からご苦労さまです!」と思います。 今回は、そんな朝の過ごし方、子どもへの声かけについてお話しします。 朝の忙しいときだからこそ言い換え仕事に行く前は、できることならイライラせずに気持ちよく出発したいですよね。でも、そんな親の気持ちを子どもは簡単に崩してくれます! 実は私の息子、今年17歳になるのですが、彼は幼稚園の2年間と小学校の1年間の約3年間、私と離れることが難しく、門の前で大泣き! でした。幼稚園や学校に行ってしまえば、ご機嫌なんですけどね。私は、仕事が始まる時間とにらめっこする毎日。 その3年間、もちろん息子を励ますこともできましたが、反対にイライラしたり、怒ったりもたくさんしました。「朝の時間がない」ことは、あれだけ心に余裕をなくすものなのだなと、年数がたった今は冷静に見つめなおすことができますが、その当時は「とにかく1分1秒でも早く!」という思いで必死でした。 そんな経験をしてきた私だからこそ、朝の時間のないときに思わずしてしまうこと、言ってしまうことを、別の方法ができないか? 言い換えられないか? という視点で、見ていきたいと思います。 「お母さんも仕事頑張っているんだから!」はNG私も「お母さんも仕事頑張っているんだから! あなたも頑張って!」と、何度も言ったなぁと思い出します。私の保育所でも、お母さんと離れがたく泣く子に向けて、そうおっしゃるお母さんがいます。私もそうでしたが、お母さんとしては励ましているんです。「一緒に頑張ろうね!」と。 しかし、子どもにしたら「そんなん、知らないよ!」と言ったところでしょうか。なので、少しだけ言い換えてみましょう。「いつも頑張ってくれてありがとう」。そして、子どもを抱きしめて「お母さんも頑張ってくるね」と。同じことを伝えているのですが、子どもへの伝わり方は変わります。 もちろん、それで泣き止むわけではありませんが「お母さんは、私の気持ちを分かってくれている」と子どもが感じることは大切です。あとは泣いていても大丈夫。保育士に任せてくださいね! 離れがたくて困った顔は子どもにも悪影響入園間もないころはまだ慣れずに泣きますし、保育園に慣れたはずなのに急に行き渋ることもあります。子どもに泣かれると「ああ、どうしよう」と困ってしまいますよね。そんなときは「職場に連絡したら休めるかもしれない」と思い、悩まれる親御さんもいらっしゃいます。 しかし、悩んで「お母さん、仕事休んだほうがいい?」と子どもに聞くのは、ちょっと子どもがかわいそうだなと感じます。仕事に行くか行かないかの選択をするのは、親御さんです。「今日は仕事を休んで一緒に過ごします!」、「仕事に行ってきます!」どちらの選択もOKなのです。 ただし「仕事に行ってきます!」と選択したのなら、子どもに笑顔で「行ってきます!」と伝えてください。ママが不安な顔のまま出勤すると、子どももなんだかスッキリしないまま保育園生活がスタートしてしまいます。 「早くして」はできる限り封印を!自宅を出発前に思わず出てしまう言葉の一つに「早くして」があるのではないでしょうか。私は保育士として働くときは、心に余裕があるので言わないのですが、自分の子どもには油断をすると言ってしまいがち。特に、わが家の娘はこの「早く」と言う言葉に反応しやすい子で、「早く」と言うと4倍くらい行動が遅くなります。何なら、泣き叫んで学校に行くのをボイコットすることも! とほほほほ……。 まあ、私の例は、とっても極端なのですが「早くして」を言わなかった方が、子どもが意欲的に動いてくれることが多いです。では「早くして」以外に何を言えばいいのか。 1つは「何も言わずに待つ」です。子どもは子どもなりに準備をしている最中です。子どもを信じて待つことも大切です。2つ目は、普段言っている言葉の「早く」を削除します。例えば「早く歯を磨きなさい」と言っているなら「そろそろ、歯を磨こうか」に言い換えるだけ。同じことを言っているけれど、印象が変わりますね。 また「早くして」を言わなくても済むように、前の晩に荷物や服の準備をする、朝食は食べやすいおにぎりにするなどのちょっとした工夫をすることでも変わってきますよ。 今回は、保育士としてはできているはずなのに。わが子の子育ては、失敗に失敗を重ねた私だからこそ話せるお話でした。毎朝の忙しさの中の、少しのお役に立てればうれしいです。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年03月17日育休明け、育児と両立しながらの仕事で想像以上に疲弊する毎日……。5歳の娘、3歳の息子たち3人分の登園準備にはたくさんの道具、大量の洗い物と地味に大変でした。そこでズボラ母の私がおこなってみた、わが子が整理整頓できるようになったアイデアについてお伝えします。 ひとりで苦しかったことから脱出娘が通うこども園に2歳児クラスから通うようになった息子たち。初めのうちは私が登園準備をしていましたが、3人分の道具の出し入れはなかなかの仕事量でした。エプロンにタオルにコップ、給食セットに着替えも数セット……育休明け仕事を再開したこともあり、ひとりで登園準備をすることもストレスになっていったのです。 夫に相談し準備を覚えてもらうことで日々の負担が減り、私の体調が悪いときも、安心して準備を任せることができました。 きっかけは娘のひと言ある日娘に「ママ、園では自分のことは自分でするんだよ。私のロッカーがあるの」と言われました。たしかに、各々が自分で準備してくれたらラク! 親がやったほうが早いけれど、自立性を養うためにもさせてみることに。 そこで、今まで給食セット、タオルなど種類別に収納していたボックスを、3人それぞれのボックスに変えました。2歳の息子たちは嫌がるかと思いきや、自分のボックスができたことにとても喜んで準備をしてくれたのです。洗濯した物を戻すこともすすんでしてくれるようになったのは、うれしい誤算でした。 応用することでさらにラクに!これはおもちゃ収納にも使えるのでは……と、新たにそれぞれボックスを渡しました。「これは自分の大事な物を入れていい箱、他の人の箱から勝手に取るのもやめようね」とルールを決めおもちゃを整理。 すると、それまであふれかえっていた物も、「箱から出ちゃうからこれはさよならする」「ちょっと箱が散らかってきたから整理しよう」と、自ら整理整頓をするようになりました。特別大事な物を仕分けることで、取り合いの喧嘩や紛失して泣くことも減って一石二鳥! 自分専用ボックスを作ったのは何より私がラクをしたかったからですが、子どもたちは自主性が伸び整理整頓が習慣になりました。まだできないだろう、教えるのが面倒くさい、と思っていた私にきっかけを与えてくれた娘に感謝しています。自分専用ボックスは、わが家にとってとても良いアイデアでした。 イラストレーター/まっふ監修/助産師 松田玲子著者:梟 うた5歳の娘と双子の3歳息子のママ。双子の出産を機に、東京から地元九州に移住。保育園勤務をしながら子育て、ファッション、旅行、インテリア、お得情報などを執筆中。最近の趣味は、絵本探し。
2023年03月16日保育士の中田馨さんが、子どもの持ち物について教えてくれました。もうすぐ新年度も始まります。園で使用する子どもの持ち物についてしっかりと確認しておきましょう。こんにちは! 保育士の中田馨です。今回は、保育園に持っていく持ち物についてのお話です。園で子どもが困ってしまうことのないよう、今回のお話を参考に持ち物の準備や確認をしていただければと思います。 名前の未記入持ち物1つ1つに名前を書くのは、本当に大変。入園に向けての時は、新しい生活への期待もあって割と楽しく書けるのですが、日常になるとそうはいきません。乳児さんは、紙オムツに1枚1枚名前を書かなければいけない保育園もありますので、名前書きは大変な作業です。 保育園で様子を見ていると、入園して間もないころは、ほぼ100%の持ち物に名前が書かれていますが、だんだんと未記入の持ち物が増えてきます。毎日忙しい中ですので、うっかり忘れてしまうことはもちろんあることでしょう。特に、新しく買い替えた持ち物に名前を書き忘れることが多いので新調したときは「買って名前書きをする」を1つの流れにしていただけたら助かります。 例えば、私の場合、あらかじめシールなどにまとめて名前を書いておき「新たに買ったら貼るだけ」にしておきました。 衣服のサイズ服のサイズが大きかったり小さすぎたりも、困ることの一つです。例えば、ズボンが長すぎると、裾を踏んで転ぶ原因になることが。また袖が長すぎると、手先を使う遊びがしにくかったり砂遊びをするときに袖口がすぐに汚れます。保育士はその都度、折り返すなどして活動しやすいように工夫をしていますが、またすぐに裾が落ちてきたりするものです。 ズボンが小さすぎると、ぴちぴちで可動域が少なく、走ってコケることもあります。Tシャツが小さければおなかがすぐに出てしまいます。また、ズボンのゴムが緩んでいたらちょっと歩くだけですぐにズレてしまいます。靴が大きすぎても小さすぎても歩きにくいです。目まぐるしく成長している子どもたちです。服のサイズは定期的に見直していきましょう。 自分で着られない、脱げない身の回りの簡単なことを自分でできるようになってくると、段階を経ながら少しずつ衣服の着脱を子どもたち自身がし始めます。保育士はそばで見守りながら、できるだけ子ども自身に頑張ってもらい、難しいところだけさりげなくサポートしています。 しかし、例えば子どもが自分だけでは着ることができなかったり、脱げない服だったら、保育士がほぼすべてをサポートしなければいけなくなってしまいます。例えば、ボタンの小さいネルシャツ。サイズの小さなピチピチのズボンやTシャツ、ハイソックスなどなど。一生懸命脱ごうとしているのに、服の幅が小さくて腕を出すことができずに「ぬげない!!」と困っている子どもは実は多いものです。 服のサイズさえ合っていれば自分でできるはずなのに、できなかったら自分で着替える意欲の減退にもなりかねません。子どもの自立に向けても大切なことですので、保育園に持っていく(着せていく)服が着やすい、脱ぎやすい服かどうかの見直しをしてみてください。 誤嚥の恐れのあるもの保育園は、複数の異年齢児が一緒に過ごす場です。その中には、触ったものを口に入れる乳児もいます。ですので、保育室の中には、誤嚥の恐れのあるものは置かない。置いたとしても保育士がきちんと管理するようにしています。 ただ、家庭から持ち込まれたものは管理できない場合があります。細い髪ゴム、バンドエイド、虫よけシールなどはよくある例。家にある小さなおもちゃがかばんの中に入っていることもあります。例えば、虫よけシールを背中に貼っておけば、自分の子どもは手が届きませんが他の子には手が届きます。子どもははがすことが大好きですので、見つけたらはがして「これは何だろう」と確かめるために口に入れるでしょう。 ほんの些細なことかもしれませんが、それが大きな事故につながることもあります。きっとほとんどの保育園で入園時の注意点として伝えられていると思うのですが、入園児は数多くの決まり事を伝えられますので、すべてを覚えることができないでしょう。ポイントは「誤嚥の恐れのあるものは保育園に持って(つけて)行かない」と言うことです。 ここで書かれたことは、保育士からその都度、伝えられていると思います。子どもたちが安全で快適に保育園で生活するためにも、意識していただけたらうれしいです! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年03月14日1歳の息子は、おもちゃを突然投げてしまう、楽しくなりすぎて物や人をたたいてしまうことがあります。特におもちゃを投げることは、楽しいようで頻繁にしています。その都度、いけないこと、危ないことであると叱っていますが、なかなか改善されずに夫婦で悩んでいました。そんなある日、義理の実家へ遊びに行ったときの出来事です。義理の実家での息子義理の実家には、おもちゃがないので、息子がお気に入りのおもちゃを持って行きました。息子は、おもちゃを投げることやテーブルをたたくことなど、やや乱暴な遊び方をすることが多く悩んでいました。 そんななかでのおでかけなので、おもちゃを投げ始めるかもしれないと考え、投げてよい布製のボールのおもちゃなども用意。義理の実家でも、いつも通り遊んでいる息子。しかし、だんだんと楽しくなってきて、遊びが激しくなってしまいました。 義父の対応は……最初のうちは息子がおもちゃを投げてしまっても、たたいてしまっても、義父はやさしく見守ってくれていました。私は、息子がいけないことをしたときには、必ずいけないことであると伝えています。このときもいつもと同じように、毅然とした態度で息子にしっかり注意しました。 息子に声をかけると、しっかりと話は聞いていました。ですが、しばらくたっても激しく遊んでいる息子に、義父は少しイライラしているように見えました。 息子をたたいた!私たち夫婦は、息子にたたかれても、どんなに悪いことをしても、息子をたたくことはありません。まだ1歳ですし、伝え続けることが大切だと思うので、「だめだよ。痛いよ」と、言葉で説明しています。ですが、息子が義父の足をペンッとたたくと、義父は無表情のまま息子の頭を少し強くたたきました。 息子は、何が起きたのかわからないような表情でそこへ立っていました。義父の手をたたく、頭をたたかれるというのを数回繰り返し……。終始義父は、無表情のままです。頭をたたかれる息子を見ているのが、私はつらかったです。夫はというと、見て見ぬふりをしていました。 私は、私たちの方針と異なる義父の教育方針、“痛いということをたたいて教える”ということに納得できず、その場から息子を離しました。義父に対して、私たちの育児方針を伝えることや、強制することもできず……。それ以降、義実家へ遊びに行く際は、義父を息子がたたくことのないよう、私たちのそばで遊ばせることにしています。 著者:白田 よう保育士として働いていたが、出産を機に退職。やんちゃな男の子を育てながら、自身の体験談を中心に執筆中。
2023年03月12日メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんが、子どもに言ってはいけないことについてお話ししてくれました! できれば避けたほうがいい言葉や言ってしまったあとにできることなどまとめて解説!今では、ネットや情報誌などでは“子どもに言ってはいけなこと”があふれています。あまりにたくさんありすぎて、親にとっては覚えるのも大変ですし、言ってしまったあとで「これは言ってはいけなかったのか」と後悔することも多々あるでしょう。 親だって人間ですから、余裕がないとついつい子どもを傷つけるようなことを言ってしまうこともあると思います。では、本当に子どもに言ってはいけないこととはどのようなことなのでしょうか。 できれば避けたいこと実は絶対的に子どもに言ってはいけないことはありません。ご自身を考えてみていただいてもわかるように、今“子どもに言ってはいけなこと”とされている言葉を親から言われた経験がある方はたくさんいると思います。 たとえば、・きょうだいやお友だちと比較するようなことEx.○○はできるのに、なぜあなたはできないの?・存在を否定することEx.あなたなんていなければいいのに・容姿を否定することEx.〇〇ちゃんはかわいくないわね・理不尽な言葉Ex.あなたはお姉ちゃん/お兄ちゃんなんだから・何かをだしにして子どもにしてほしいことをさせるEx.△△したら、ご褒美に□□を買ってあげる・過程ではなく結果を褒めるEx.100点とってえらいね!などなど。 これらは、できれば言わないほうがいい言葉には違いありません。けれど、子どもによって受け取り方はさまざまで、非常に気にする子もいれば、まったく気にしない子もいます。 またこの先、成長していくなかで、他人から嫌なことを言われることもあるでしょう。わざわざ傷つけるようなことを言う必要はまったくありませんが、親があまり神経質になる必要もないのです。 やってはいけないこと絶対的に言ってはいけないことはありませんが、やってはいけないことはあります。 ・子どもが傷つくとわかっていながら、言ってはいけないとされるようなことばを繰り返し言うこと・自分が言われて嫌だと思うことをあえて子どもに何度も言うこと これらは、子どもをたしなめるという理由をつけて、親の気分をスッキリさせることに子ども利用している場合が多いからです。言っている内容よりも、子どもに対して悪意があることのほうが問題です。なぜなら、悪意は少なからずとも確実に伝わります。 一度ひどいことを子どもに言ってしまったとしても、親から愛されていると感じられれば、子どもはこの先も前向きに生きていく糧をもつことができます。ただそこに、「もしかして本当にそう思っているのかな……」「ママは私が嫌いなのかな」という疑問が生じたとき、トラウマになりかねない暴力的な言葉に変わってしまうのです。 実はトラウマはない!?ここまで、子どもにとってトラウマになりかねない声かけについてお話ししましたが、一方で、『嫌われる勇気』でもおなじみの心理学者アルフレッド・アドラーの説によれば、トラウマはないとされています。 たとえば、親からかわいくないと何度も言われ続け、自信をすっかり失って閉じこもってしまった人がいるとします。親からかわいくないと言われたことが原因=トラウマと考えられる場合が多くありますが、アドラーは、閉じこもるのがその人にとって都合が良いため、親からかわいくないと何度も言われたという原因を後付けしたと考えます。 この説には賛否がありますのでここでは深く掘り下げませんが、少なくとも、子どもが親から言われて傷ついたことが、結果的に子ども自身がトラウマであると感じてしまう可能性はあるわけです。言ってしまって、“しまったな”と思ったら、お子さんにしっかり謝りましょう。 まったく悪気なく言ったひと言にお子さんが傷ついてしまうこともありえます。これは言ってはいけない、あれは言ってはいけないと神経質になるより、お子さんが何に傷つくのか、反対にパパやママはどのようなことを言われたら嫌なのか、お子さんとざっくばらんに話せる環境こそが一番大切ではないでしょうか。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2023年03月06日ムスメちゃんとオコメちゃん
うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし