1歳ごろから通い始めた療育園親子通園の療育園に通い始めてから、園の先生の行動や習慣から学んだことがあります。例えば、否定の言葉はなるべく使わずに「走らないで」ではなく「歩きます」と、して欲しいことを端的に言うことです。これは、5年以上経った今でも私の身に染みついています。耳から入る情報が伝わりにくい娘にはとても合っているようで、してほしくないことやこれからの予定を伝えるときは、このような伝え方をするとスムーズです。先生から学んだ「褒める」Upload By kotoまた、「とにかく褒める」ということも学びました。どうしても「できないこと」に意識が行ってしまいがちでしたが、先生たちは「できないこと」を決してとがめることなく、逆に「少しでもできたこと」に目を向けて、子どもをたくさん褒めてくれました。最初のころは、「そんな、大袈裟では」と、嬉しい反面、照れ臭いなと思っていた私も、いつの間にか先生と一緒に子どもを褒めちぎるようになっていました。子どもの良い所に気づきやすくなり、親子で自己肯定感を高めることにつながったと思います。水に触れることができたら褒め、教室に入れたら褒め、シャボン玉に反応できたら褒め…。とにかく、悪いことをしない限りは褒めるようになり、この習慣は今でも続いています。ただ、4歳を過ぎたころから、なんでもかんでも褒めて良いものか少し悩んだりもしました。「しつけ」のために、何度言ってもできないときは叱る必要があるのではないかと思うようになったからです。ワガママにつながったり、褒められて当たり前になってしまったりしないかも気になりました。そこで、「娘の成長の程度(特性含む)」と「叱る叱らないのメリハリのつけ方」のバランスを、先生と相談しながら調整していきました。ペアトレを受けることに!Upload By kotoこうして、親子通園や集団療育で学んだ経験が家でも大いに役立っているのですが、やはり「うちの子にしか当てはまらない困りごと」もたくさんあるのが現実です。園以外の場所(家庭や外出時など)での困りごとは、自分で考えて対処するしかないのですが、それでもどうにもならないことが増えてきて…。娘が4歳くらいのときに、当時診ていただいていた小児科を通して、ペアレントトレーニングを受けることにしました。1対1で1時間ほど、毎月専門家の方に個別で指導やアドバイスをいただきました。私は現在、SNSで子どもの発達について発信していますが、これもペアトレの先生から「SNSで発信すること」を勧められたからです。精神面で孤立しがちな発達凸凹子育てなので、同じような悩みを持つ人たちと繋がりたいと相談したときに提案され、今では多くの人と繋がることができて良かったと思っています。視覚優位の娘には「見せない収納」Upload By kotoペアトレでは、家庭で実践できる対処法も個別の悩みに合わせて教えていただきました。例えば、娘は視覚優位で、目から入ってくる情報が多いと混乱したり多動や衝動性が強く出る場面が多くありました。先生に相談したところ、娘に適した家での収納方法を教えていただきました。それまでは、子どもが玩具を取り出しやすく、片付けやすいようにと「見せる収納」をしていました。そのせいか、娘は玩具を出したいだけ出して、すぐに足の踏み場もない状態をつくってしまっていたのです。当然、食事中も玩具が気になってウロウロ。何をしていても、玩具が気になって着替えもお風呂もなかなか進みません。そこで教えていただいた「見せない収納」を実践。玩具だけでなく、絵本もフタのある箱やケースに入れて、遊ぶとき以外は見えないようにしました。もともと、なるべく不要な物は置かないようにしていたので、娘は退屈して癇癪が悪化するのではと最初は「見せない収納」にドキドキしましたが、意外にも好きな玩具の入っている箱を探すことを楽しんだり、遊び終わったら箱に戻すという片づけまでするようになったのです。視界から入る刺激が減って、子どもの頭の中まで少しスッキリしたような印象でした。あとで気がついたのですが、療育園ではメイン活動をする教室はガランとしていて、玩具などは別の部屋に置かれているなど、なるべく見えないように工夫されていたなと思います。こうしてペアトレを受けることで、具体的な対処法を教えてもらうだけでなく、先生に成果を報告することで子育てへのやる気ももらえていたのでした。執筆/koto(監修:鈴木先生より)“Not unable, but able”これは米国の障害者自立支援の所長が言った言葉です。「できないことよりもできることに目を向けよう」という意味です。先日閉幕したパラリンピックでは不自由があってもそれを乗り越えて今の自分でできるスポーツを精一杯やっているアスリートの姿が印象的でした。ただ神経発達症(発達障害※)では成長とともにできないことでも少しずつできるようになることがあるので、スモールステップでできないことも克服していく努力は必要です。ペアトレの基本は「傾聴&承認」です。お子さんがどういうことにチャレンジしたいか聴いてあげて、少しでもできたら褒めて承認することが大事です。※編集部注現在は、発達障害という名称ではなく神経発達症と表記されるようになっています。
2021年09月20日Q.「早期療育」とはなにをすることですか?A.発達障害がある子どもに対して早期からその子に必要な支援を開始することです。早期から支援をおこなうことで、発達を促進し適応状態を改善することで、不登校、抑うつなど二次的な問題を予防することができると言われています。Upload By 発達障害のキホン発達障害は脳の機能障害と考えられていますが、その原因は詳しくは分かっていません。障害特性自体を治療することは難しいものの、その子にあった環境を整え、必要なスキルを早期に獲得することで、社会生活における困難さが起こりにくくなります。早期療育には、自閉症スペクトラムに関しては、ABAと言われる応用行動分析の手法を用いたもののほか、自然な文脈の中でコミュニケーションスキルを発展させるDSP、当事者とその家族を対象とした障害支援プログラムである包括的介入とも言われるTEACCHなどさまざまな手法がありますが、子どもに関わる際に共通のポイントがあります。・スモールステップでスキルを学習すること・見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること・日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること・保護者も共に関わること早期療育には家族参加が欠かせません。保護者がどのように関わればいいのかは、子どもの療育を担う発達支援施設の専門家や、療育施設などで行われるペアレントトレーニングなどで学ぶことができます。
2021年08月15日わが子の急激な成長を期待ばかりしていた私…Upload By みん療育を始める前の私は「療法士の先生が療育をしてくれるんだから、きっとすぐに効果が現れてどんどん言葉を発したり、いろんなことができるようになるのだろう!」と期待ばかりしていました。でもその様子を何度見学しても、先生は毎回毎回同じようなことを繰り返しているだけで、療育というよりは先生と遊んでいるだけのように見え、これが半年も待った療育?と最初は疑問に思っていました。周りにいるPよりも少し大きい子どもたちの様子を見ていると、その子たちは椅子に座って机の上で勉強のような療育をしているのに、何でうちの子はこんな遊びのようなことばかりしているんだろう?と不安に思ったりしていましたが、この考えは間違っていたとあとで気づかされることになります。Upload By みん先生たちは個別に支援計画を立ててくださるのですが、保護者からのニーズだけではなく、子どもの様子を把握し、検討した上でその子の発達段階や性格に応じた療育をしてくれていたのです。そのようなことを何も知らなかった私は、初めての要望では「単語が増えてほしい」「スプーンやフォークが使えるようになってほしい」などと当たり前のように言っていたのですが、そのころのPはまだまだそれらを目標にできる発達段階ではなかったのです。いきなり単語が出たり、道具が使えたりするようになるわけもなく、まずは現在できること、分かること、認知や概念がどれだけ育っているのか?など子どもの全体的な発達を知り援助することが必要でした。先生は最初にPとの信頼関係をつくり、先生と関わりたいという気持ちを育て、その上でこの先必要となる療育をする為の「土台づくり」をしてくれていたのです。でも対人関係が苦手な自閉症のPは、月に数回、数時間だけのやり取りだけでは簡単に信頼関係を築くことはできません。何回も同じ場所へ通い何回も同じ人と同じようなことをすることでやっと先生と関わりたい、伝えたいという気持ちが芽生え、信頼関係の土台ができ、そこから次のステップへとつなげることができるのです。療育は想像していたものとは違っていたUpload By みん早期療育の大切さが分かった現在はこのように先生の狙いや目的などが分かり、その効果が半年後一年後に目に見えて現れるようになってからは、私も前とは違った視点で療育を見学できるようになりました。先生が何ヶ月も何年もかけてPに土台をつくってくれたことで、現在は私が療育を始める前に思い描いていた、座ってお勉強のようなこともできるようになりました。なぜ早期療育が良いという声を聞くのか?を振り返って考えてみると、必要な手続きや待ち時間の話だけではなく、療育を受ける為の「土台づくり」にも時間がかかるからなんだと分かりました。何でもいきなり成長するというわけではなく、スモールステップで積み重ね全体的な成長があるからこそできるようになる。そしてこのように個別にも対応してくださることでP本人に合った必要な療育を一緒に考えながら進められるので、親の私にも目標や狙いが分かりやすく、とても勉強になっています。Upload By みん「遊んでるように見えるだけ」ってこと、ありますよね。僕も初めて療育を見たときは「え、これ大丈夫なの?」って思いました(笑)場所も人も発達も、安心感や土台がしっかりあって初めて次のステップに進むことができますよね。
2021年07月29日心理検査は思ったより問題数が多かった!?はじめての診察の後、日を改めて今度は「心理検査」を受けました。Upload By 寺島ヒロ心理検査とは知能水準や発達水準、パーソナリティを評価するための検査。筆記テストや、スタッフさんとの言葉のやり取り、数字の読み上げなどいくつもの項目を記録し、総合的に判断するそう。今回いっちゃんは、ウェクスラー式知能検査(WISC-Ⅳ)と、人格テストを受けました。人格テストは、前回の診察の後にもらった自己チェックシートなどを参考に、専門スタッフとの面談で行われました。内容は「内緒」なのですが…いっちゃんに感想を聞いたら、こんなことを言っていました。「問題がいっぱいあって、『もう飽きたーっ』て何度も思ったけど頑張ったよ!」「クイズみたいなのは、すぐ分かるのと考えてもわからないのがあった。絵の問題は全部できたと思う」「数の問題はダメだった。自分でもびっくりするぐらい覚えてなかった!」う~ん、なんというか、予想通りです。いっちゃんは得意不得意がはっきりしている子どもだと普段から感じていたので、ちゃんとその辺の傾向をあぶりだしてくれるテストなんだなという印象を持ちました。Upload By 寺島ヒロちなみに、心理検査を受けた日のお会計は2,000円ほど。国民健康保険がきいて3割負担だったので、保険なしだと6,000円程度なのかな?と思います。また、心理検査の結果を紙面で後日もらったところ、文書作成料として3,600円かかりました。文書の作成料は医療機関によってかなり差があるようです。心理検査で分かったことさて、2週間ほど経って心理検査の結果が出たというので再度来院しました。担当医師には「予想通りというか、かなり顕著に(ASDの)傾向が出ました。低いところでもそこそこの数字が出ているので、日常生活では困ることはあまりないかもしれません。当面は睡眠が1番の問題かと思われます」と、言われました。また、性格傾向についても説明を受け…いっちゃんは「すっげー!当たってるうー!」と感心していました。占いじゃないんですけど(笑)そして気になる診断は…?診断については、「必要があるのであれば発達障害の診断はすぐ出せると思いますが、困りごとが睡眠だけと受け取られる書面になると不都合が出るかもしれない。少し様子を見てから出しましょうか」ということで、しばらく定期的に通いながら、本人の困りごとや心配ごとを細かく調べてからということになりました。Upload By 寺島ヒロ※なお、今回ご紹介したのはあくまでいっちゃんが受診したときの話で、必ずしもこの順番、内容になるとは限りません。
2021年07月27日障害者手帳は3種類Upload By 立石美津子発達障害者手帳、これがあったらどんなにいいかと思いますが、残念ながら存在しません。障害があることを証明する手帳は次の3つのみです。・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳つまり、知的障害を伴わない、あるいは軽度の発達障害の人のための “発達障害者手帳”というものは存在しないのです。発達障害がある場合、精神障害者保健福祉手帳の対象として分類されています。厚労省精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について障害者手帳があると就活でも活用できる従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)民間企業の法定雇用率は2.3%です。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用する必要があります。一般枠で企業就労するのが難しい場合、障害者雇用枠で就労することができますが、その際に障害があることを証明する手帳が必須となります。しかし…・視覚障害、聴覚障害、上肢下肢の欠損、体幹障害による歩行困難など身体障害がなければ、身体障害者手帳の対象とはなりません。・(自治体によって異なりますが)東京都の場合、知能指数が76以上だったら療育手帳の対象とはなりません。愛の手帳について | 東京都保健福祉局精神障害があると認めたくない保護者もいる一定の知能指数のため療育手帳対象に該当しない、身体障害もないため身体障害者手帳の該当にならないとなると…残るのは“精神障害者保健福祉手帳”となります。すると、「うちの子は発達障害。精神障害ではない!」と憤る親御さんを見かけたことがあります。これに対して私は心の中で「いやいや、そうじゃないのよ。知的障害のない発達障害児が、障害者雇用促進法のもと、法定雇用率でカウントされて企業就労するには、なんらかの障害者手帳が必要。今の制度上では、知的障害のない発達障害児は精神障害者保健福祉手帳が必要となるのに」と呟きました。知的障害がなくても療育手帳の対象になる地域も発達障害のある人は知的障害がなくても、社会生活を送るにあたって多くの困難を伴います。社会生活での困難と言う面では、知的障害、精神障害、身体障害がある人と同じだと言えます。そのため、知能指数が療育手帳の範疇以上の人に対しても、療育手帳を発行している自治体もあるようです。全国的にこれが広まればよいと感じます。Upload By 立石美津子自己申告制日本の福祉は自己申告制です。親がわが子の障害に気づいて積極的に動くことで取得できます。精神障害者保健福祉手帳について紹介しましたが、こちらが取得できない場合もあると思います。たとえ障害者手帳の対象とならなかったとしても、障害福祉サービス受給者証をとって、福祉とつながっている人だということを示す方法もあります。「精神障害者保健福祉手帳が必要?わが子には精神障害はないのに!」と憤るのではなく、福祉サービス、制度を活用することで、わが子の将来の選択肢を広げられるかもしれません。精神障害者保健福祉手帳で雇用枠での就労を目指したり、受給者証で福祉サービスを活用したり、支援者につながる機会を増やすことが、わが子を守ることにつながるのではないかと思います。
2021年07月01日はじめまして!中度知的障害を伴う自閉症スペクトラム6歳の男の子「P」です!Pはわが家の末っ子の次男として生まれました。私は2人目の育児ということもあり、乳幼児期のPに対しては成長や発達の違和感などは全く感じておらず、むしろ育てやすい方だと思っていました。Pは笑顔も見せるし、目も合う、こちらの言うことにも反応し、簡単な模倣もしていました。離乳食が始まってからも偏食は全くなく、何でも食べるような子でした。私はこのころ既に、発達障害に対する知識も少しはあったのですが、乳幼児期のPを育てていても定型発達だと思っていましたし、少し言葉の遅れがあるくらいで焦らずとも2歳になったら流石に自然に話すようになるだろうし、全然大丈夫だろうと気楽に考えていました。しかし、それから何ヶ月経っても言葉は全く出て来ず、それどころか今までできていたことも少しずつできなくなって行き、定型発達の子に追い付くどころか差は広がる一方でした。どんどん自閉傾向が出てきて…Upload By みんそして、1歳半を過ぎたあたりから自閉傾向がどんどん現れて来たのです。激しい癇癪。偏食。呼びかけに反応しない。目を合わせない。物を並べる。横目、流し目で物を見る。動きの速い物、回る物、光る物が好き…などなど、自閉症の特性が見られるようになり、専門機関で相談や受診をする前から「発達障害?自閉症?」と素人目にも分かるようになったくらいでした。これはもうPには確実に何かあるんだろうなとモヤモヤしながら、ラクだと思っていたはずのPの育児は壮絶になり、毎日1分1秒を何とか乗り越えているような状態になりました。「自閉症っぽい」から「自閉症だ!」に変わった瞬間そんなある日、私自身の中で疑惑がはっきりと確信に変わる出来事がありました。それはPが2歳を過ぎたころです…。Pは言葉が出ない分、要求のときは私の手を引くクレーンをしていたのですが、一方的に腕をぐいぐい引かれていた私は、そのとき何気なく自分の手を服のポケットにしまってみたのです。するとPは今まで見たことのないようなパニック状態になり、私の手をポケットから必死に出そうとしていました。私の目や顔は一切見ず、手ばかりを見ている様子のPを見ながら「あぁこの子は私にお願いしていたんじゃなく、今までずっと手にお願いしていたんだな…」と何かが崩れ落ちるような感覚になり、私の中で最後の最後まで何とか繋ぎ止めていた細い希望の糸は完全に切れてなくなってしまい、パニックになっていたPと一緒に私も声を震わせながら泣きました。まだ医師にハッキリ診断されたわけではなかったのですが、「Pは自閉症っぽい」から「Pは自閉症だ!」と確信に変わった瞬間でした。Upload By みん療育に、医療機関に、奔走の日々ここからは、もう悩む暇もなく動くのみでした。できるだけ早く療育を受け、専門の医療機関とつながりたい!すぐに受給者証を申請し、療育を受ける為の準備をし、小児神経科と、こころ科がある近辺で1番大きな小児専門の病院に紹介状を書いてもらい、自閉症のほかにも何か隠れた基礎疾患はないかを検査をした上で医師に診断してもらおうと思い通院をすることにしました。そして3歳で療育手帳も取得し、療育園へも通う流れになりました。Upload By みん2歳半から療育を始めたPは現在年長。毎日療育園へ通いながら、月に数回作業療法と言語療法と音楽療法を受け、元気に楽しく過ごしています。私の方も、信頼し相談できる先生方やママ友達と出会うことができました。SNSでPのことを発信するようになってからは、さらにさまざまな人たちと出会い「1人じゃないんだ」と、皆さんから勇気や希望を頂いたり励ましてもらいながら、心にゆとりを持てるようにもなりました。もちろん、障害児の育児は大変なこともあります。でもそれ以上に学びや得るものもたくさんあり、決してつらいことばかりではありません。細やかな喜びや幸せを実感しながら、ゆっくりでもPの成長を皆で見守っていきたいです。そして、これからそんな私たちの日常をお届けし、子育てに悩んでいる誰かが「私だけじゃない!」「ひとりじゃない!」と少しでも共感していただけるようなコラムを書いていければと思っています。よろしくお願いします!Upload By みんLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月28日療育と園の連携で私が感じた効果Upload By koto娘が通っている事業所は、保育所等訪問支援事業を行っているので、制度を利用する手続きもスムーズでした。園での困りごとや娘に対しての接し方、対処法などを直接それぞれの先生同士で話し合っていただいたり、訪問して園での様子を見ていただいたりしていました。定期的な訪問ではなく、困りごとが強く出ているときにお願いしていました。私も一緒に行くわけではないので、娘の様子や園との話し合いの内容などは訪問後に教えていただきました。特性のある子への接し方や対処法を直接専門家の先生と相談できるので、園のほうから連携をお願いされることも。また、特性のある子への接し方は定型発達の子にとっても分かりやすい接し方だったりするので、他の子たちも園生活や学校生活がスムーズになることも多いようです。例えば、次の行動に移るまでに時間がかかってしまったり、切り替えが遅かったりする娘。療育の先生と園の先生で連携をとっていただき、分かりやすいようにタイマーを利用してもらっていました。それによって、あとどれくらいでお昼ごはんを食べ終われば良いか、工作をあとどれくらいで完成させれば良いかなど、本人にとって分かりやすくなったようで、次の行動への切り替えがスムーズになったこともありました。この取り組みはクラスのほかの子にとっても効果的だったようです。ありがたい専門家の方の存在Upload By koto特性のある子を育てている保護者は、その子と何年も向き合っているとはいえ、専門家ではないため対処法が分からないという状況もたくさんあると思います。私もその1人です。園での困り感を先生やほかの人から相談されたけれど、どう対処していいか分からず困ってしまったとき。間に入って連携を取ってくださる専門家の先生がいると、とても安心です。トラブルなども、子どもから聞く話と先生から聞く話、ほかの子から聞く話では違っていたりすることがあります。間に入って冷静な判断をしてもらえると改善することが明確になったり、頭が冷えることもあるので、連携をとってくださる先生の存在はとてもありがたいものです。また、学校や園の先生からしても、保護者には直接言いにくい困り感などがあったとき。連携の先生に相談していただくこともできるので、両者にとってメリットがあると思います。保護者だけではつい感情的になってしまったり、どうしていいか分からず頭を抱えてしまう場面でも、専門の先生が間に入ってくれることで、スムーズに解決できることが多いのではないでしょうか。もし、通っている療育機関が保育所等訪問支援事業を行っていないとしても、相談に乗ってもらったり、対処法や接し方を教えていただいて、それを家や学校で試してもらうこともできます。1人で抱え込まないよう、利用できる制度があれば頼ったり相談してみても良いと思います。過ごしやすい環境や状況を協力してつくっていくUpload By kotoいずれにしても子どもや先生、クラスの子たちが過ごしやすい環境や状況を、協力してつくって行くことが大事なので、園や学校の先生との良好な関係性が必要だと思います。頻繁に訪問をしてもらったり、連携をとっていただくのは先生方にとっても大変なことなので、日ごろからどちらの先生とも情報交換を自身で行い、試行錯誤しながら解決していければと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月04日前回までのあらすじ小学校5年から民間の支援機関でSST(ソーシャルスキルトレーニング)やビジョントレーニングを受け始めた娘ですが、学校でのいじめの対応については校長先生をはじめとする各先生たちと、主人、私で話し合いをすることに。資料の引継ぎ漏れ、学校独自のルールなど問題解決には時間を要し、学校内での情報共有ができていないことを痛感しました。主治医が代わり支援が変わる娘が小学5年生の時、療育センターの主治医が思春期精神科の医師(新たに外部から派遣されることになった)に代わりました。それまで娘は療育センターで「様子を見ましょう」と言われていて、特に療育はなされておらず、心理士の定期的な面談のみをずっと続けている状態が続いていました。新しい主治医は若い女性医師で、診察は親子同席から親子別々に変わりました。私が家での娘の様子や学校での困りごとを話すと、主治医の表情から笑みが消えました。そして主治医は「薬を処方することもできますが、まずは環境を整えることが大切です。療育センターのスタッフに学校訪問のオーダーを出しますね。お母さんは学校側の許可を取っておいてください。それから療育センターの心理担当者に感情コントロールのプログラムをオーダーしておきますね。お薬は本人が飲むことで安心できる程度の極少量を処方します」とテキパキと看護師さんに指示を出されました。私はずっと「療育センターはただ相談をするところ」「話を聞いてくれるところ」だと思っていたので、この主治医のオーダーに大変驚きました。帰宅後、療育センターのパンフレットを読み返してみると、そこには確かに“幼稚園や保育所、学校などへの訪問支援”や“「地域との交流・連携を実施」など自立生活への支援に向けたサービスを提供する”と記されていました。私は医師のこのオーダーをとても有難く思いました。希望の光が見えるも、一気にどん底へ...療育センタースタッフの学校訪問の件を伝えると、学校側の許可はすんなり下りました。私は「これで少しは娘も落ち着くかも」と期待し、センターから訪問日の連絡が来るのを首を長くして待ちました。でもその後、療育センターからかかってきた電話に私の希望は打ち砕かれました。「ドクターからオーダーのあった学校訪問の件ですが、娘さんの通う学校と当センターとは交流がありません。学校から当センターに直接連絡がないということは、学校があまり積極的でない校風と思われます。学校から訪問依頼があったわけではないので行けるかどうかわかりません。また、心理士による感情コントロールプログラムは心理士の手が空いているときのみの対応になります」心理士のプログラムの実施についてはともかく、医師のオーダーがあったにも関わらず療育センタースタッフの学校訪問がなされないことに私はショックを受け、深く落ち込みました。立ちあがる力のもとになったのは...Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子療育センタースタッフの学校訪問が実現したのは、主治医のオーダーから3ヶ月後のことでした。くじけそうになったとき、寄り添い支えてくれた支援者の存在があったからこそ私は再び立ち上がることができたのだと思います。療育センタースタッフの学校訪問後、変わったこと療育センターの担当者は授業の様子などを見学し、娘に限らず発達障害のある生徒に有効な環境設定や対応方法を学校にアドバイスしてくださったそうです。その後、私が学校を訪れたときには、教室前面の余分な掲示物は外されていました。教室後方にはカレンダー仕様の『一ヶ月の行事予定表』が新たに貼られていて“その日の持ち物や提出物”などが記入されていました。黒板の端には「掃除の手順」が書かれた小さなホワイトボードが置かれていました。それらは自宅で使用しているスケジュールボードと同様、視覚優位の娘にはとても有効なものでした。コノビ―(conobi)記事 スケジュールボードを作ろう!カレンダーや手順表などで可視化すると見通しが立ちやすくなり、娘はスムーズに行動ができるのです。私は早速さまざまな対応をしてくれた担任の先生に感謝の気持ちを伝えました。周りの友達の変化と協力も後押しになって環境整備したからといって、すべてがあっという間に解決するわけではありません。娘は家では相変わらず母の何気ない言葉にキレたり、弟の生意気な態度に激高したりしていました。学校で腹痛を起こし保健室で大半を過ごす日もありました。でも徐々に娘に声を掛け、助けてくれる友達や「実は自分も同じようにいじめられていた」と娘に告げる友達も出てきました。コミュニケーションは苦手だけれど“人”が大好きな娘にとって、このような友達の存在はとても大きなものでした。少しずつ少しずつ娘は落ち着きはじめ、薬の服用は10ヶ月で終了しました。数年後の学校~喜ばしい変化~娘が学校を卒業した2年後に息子が同じ小学校に入学しました。その年の最初の学校便りには『地域療育センターや子ども家庭支援課など関係機関との連携もできますので、まずはご相談を』と書かれていました。かつて、交流がないので学校訪問は難しいといわれた療育センターとの連携が積極的に行われるようになったことを私は嬉しく思いました。また、この年から新たに、クラス担任を持たない主幹教諭が特別支援教育コーディネーターとして配置され、全学年を通して児童・保護者・カウンセラーとの連携を専任で担うこととなりました。“学内でキーパーソンとなる先生”の存在は、私が切望していたものでした。皆さんに伝えたいこと10年前の私は娘の障害に対する知識が皆無でした。しょっちゅう泣いていたし、傍から見たら『恥ずかしい』とか『なりふり構わない』など感じられるようなこともしてきたと思います。私は人前で話をするのが苦手ですし、すぐに落ち込む性格です。でも前例がなければ、自らが動いて最初の例をつくるしかありませんでした。支援者や医師だけではなく、学校の先生や療育センターのスタッフさんたちが動いたからこそ状況は改善されました。もしも今、学校や支援機関との関係などに悩んでいる方がいらしたら『味方』を増やすことをおすすめします。困難な状況を打開したいとき、自分一人ではどうにもできないことも支援者や協力者がいればなんとかなると思うのです。共感したり愚痴を言い合える仲間がいると元気が出ますよね。ネットの繋がりや同じ立場の者同士のコミュニティーもとても大切です。同様に、リアルでも前向きで建設的な気持ちになれるような味方や仲間をぜひ増やしていってほしいと思います。障害児の子育てをしている親御さんは皆、日々悩みとても頑張っています。世の中きれいごとばかりではありません。どうしても分かり合えない人もいるでしょう。それは仕方のないことです。皆さんには『頑張りすぎず』ときには『休みを取って』でも『諦めることなく』進んでいってほしいです。諦めさえしなければ希望の光はきっと見えてくると思うのです。発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!1話から読む↓
2021年04月21日『保育所等訪問支援』って何?保育所等訪問支援とは児童福祉法に基づくサービスのことです。保育園や幼稚園、認定こども園、学校、放課後児童クラブなど、子どもが日常的に通い、集団生活を営む施設を専門の支援員が訪問して、子どもの特性に周囲の環境や活動の手順などを合わせていくことで保育や教育の効果を最大限に引き出すサポート体制の構築を目的としています。担任の先生などと意見交換や情報共有なども行ってもらえたり、保護者にも適切なかかわりや支援方法などの情報共有もしてもらえます。料金は事業所への報酬の1割(1回あたり1000~2000円)が保護者負担となります。ただし2019年の法令変更により、満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償で利用できるそうです。参考:厚生労働省,保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書Upload By ウチノコ保育園の未満児クラスに所属していた3歳のときに、むっくんはADHDと自閉症スペクトラムの診断を受けました。私にとってむっくんの保育園生活は順調とは言えず、担任の先生と相談し合うことも度々。何をしたらいいのかもわからないまま、手のかかるむっくんが年少さんになる…私の不安は膨らむ一方でした。わが家の利用のきっかけUpload By ウチノコUpload By ウチノコそんな時、主治医から「保育所等訪問支援事業」という制度を教えてもらいました。悩みの突破口が見つかるかもしれない…!そんな気持ちで保育所等訪問支援をお願いすることに決めたのです。Upload By ウチノコどうやって受けるの?住んでいる地域や発達支援施設などによって、細かい手順は異なるかもしれませんが、参考までに私の場合として記載します。この手続きはなかなか大変でした!むっくんは3歳から6歳の間に何度か保育所等訪問支援を利用しています。初回は主治医からの勧めで利用しましたが、二回目以降は事前に保育園に相談、更にむっくんにも伝えて本人の同意をもらってから、主治医や発達支援施設に相談し利用しました。保育所等訪問支援では、通っている施設(むっくんの場合は保育園)に専門の支援員が派遣されることから施設側にも負担が発生します。そのため、利用にあたり施設側の理解と協力が必須です。この協力体制を作ることが私の大切な役割だったように感じています。私はまず保育園の園長先生と担任の先生に、保育所等訪問支援を利用したいことを伝えました。幸い私の場合はむっくんに理解のある先生方に恵まれており、私の不安や保育園側の困り感も共有できていたため、利用をとても好意的に受け止めてもらえました。Upload By ウチノコ地域の役所へ行き、手続きの説明を受けました。保育所等訪問支援事業を受けるには、療育手帳や発達支援サービスの受給者証、もしくは主治医の意見書が必要です。むっくんの診断では療育手帳を取得できないので、発達支援サービスの受給者証の取得手続きも並行して行いました。保育所等訪問支援の利用開始のためには●役所に提出する「障害児支援利用計画案」●集団生活を営む施設(むっくんの場合は保育園)にて作成の「意見書」●発達支援施設にて作成の「保育所等訪問支援実施計画」といろいろな書類が必要で、正直少し戸惑いました。Upload By ウチノコ保育園に面談をお願いし、支援の必要性や現在の状況を記載する保育園からの意見書を依頼しました。また、役所に提出する障害児支援利用計画案作成に必要な情報を聞き取り、今後の発達支援施設との面談のためにむっくんの集団生活の様子なども詳しく教えていただきました。発達支援施設へ行き、担当の訪問支援員さんにむっくんの普段の様子を詳しくお伝えしました。この聞き取り内容を元に、発達支援施設と保育園が連絡を取り合い協議の上、保育所等訪問支援事業計画書を作成するそうです。Upload By ウチノコこれでようやく訪問日を調整するところまでたどり着きました。ご覧の通り、保育所等訪問支援を受けるために初回は特にたくさんの手続きに追われます。診断直後の動揺の中、保育園と発達支援施設と役所の間に立ってやり取りすることはとても大変で…くじけそうな気持ちにもなりました。でも振り返ってみると、あの時期に保育所等訪問支援を受けたことが、私と保育園の関係をより良好にしてくれました。また、むっくんにも集団生活を送る上で強い支えになったと感じており、本当に利用してよかったと思っています。次回は初回保育所等訪問支援で学ばせてもらった、今でも「私が大切にしていること」をお届けします。Upload By ウチノコLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年04月17日■ 前回 のあらすじようやく夫に大変さを理解してもらうことができ、ついに療育園へ通えることに…!■療育園初日、ショックを受ける右も左も分からず、koto子は暴れまくり、初日はショックを受けた記憶しかありません…。■療育園2日目、空気のような存在?みんな同じ悩みを抱えているはずなのに、普通に集団活動をしている…。koto子を周りの子たちと比べずにはいられない…そんな状況でした。すると、帰り際に声をかけられて…■2人ぼっちだと思っていたけど…慣れない場所でいきなり馴染める子なんていない…。koto子が自分から参加できるようになるまで見守り、あえてそっとしてくれていたんだと気付きました。そしてこの一言に、とても救われた気持ちになりました。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月26日■ 前回 のあらすじ改めて夫に娘を預けて出かけることに。しかし、帰ってくるとそこにいたのは…。■ようやく娘の大変さが理解された普段から人に弱みを見せない夫が、私の母を頼るほど大変な思いをしたということ…。そして大変さを理解し、私に時間を作ってくれようとする夫の気持ちが嬉しかったです。■夫の「療育園」に対する考えが変わったこうして、療育園にいくことを了承してくれた夫。最後まで強がっていましたが、koto子が困り感のある子だとしっかり理解してもらえました。そして、koto子のためにもいち早く何かをしてあげたい気持ちでいっぱいでした。■療育園に連絡すると…ついに療育園へ通うことになりました!そしてこれから、色々なことが巻き起こります…!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月25日■ 前回 のあらすじすぐの入園は難しいとのこと。まずは入園するために夫に相談することに…。■激務の夫は娘の現状を知らない…夫に少しでも休んでもらうために、育児はほぼ自分でやってきた。だから、夫はまだkoto子の困り感を知らないのです…。■夫に理解してもらうためにとった私の作戦とは夫はオムツ替えやミルクなど、一通りのことはやったことはありましたが、完全にひとりで子守をするのは初めてでした。果たして、夫は本当に「楽勝」で子どもを見ることができるのか…!?あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月21日■ 前回 のあらすじ療育園に通うことに、初めから自信のある親子はいないと園長先生に教えられます。するとある女の子がやってきて…■話しかけてくれた見知らぬお母さん■初めて出会った、同じ気持ちを持つ人私と同じ思いで日々頑張っている人たちがここにはいるんだ…。初めて一筋の光が見えた気がしました。でもここは療育園。支援が必要とされる子しか通えません。果たして、園長先生の判断は…あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月18日■ 前回 のあらすじ療育園を案内して頂くと、私の想像とは違い、娘のような困り感のある子どもはいないように見えました。■園長先生に言われたのは…「頑張ってきたんですね」その言葉にハッとさせられ、どれだけ心に響いたか…■初めはみんな同じ、不安を持っているふと、園長先生のところにお花を持ってきた可愛らしい女の子。一見、困り感のない子に見えたのですが…あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月17日■ 前回 のあらすじ周りの人から言われる「普通」という言葉にモヤモヤし涙する日々。そこで私はある行動にでることにしました。■ある所に電話をかけてみることに育児の悩みが尽きず、誰かに頼りたい気持ちでいっぱいでした。年齢制限があったり、診断がついている子どものみ受け入れの園が多かったけれど、そんな中見つけたこちらの療育園…。さっそく電話をかけてみることに。■療育園を見学してみたいと伝えると…すぐに見学させてもらえることになり、少しほっとしました。専門の知識がある先生に見てもらえば、また何か道が開けるかもしれない…ドキドキしながら、ついに療育園へ…。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月15日母子の健康を守ってくれる母子健康手帳。母子健康手帳の機能などについて、助産師の高杉さんがお話ししてくれました。母子健康手帳をフル活用し、妊娠中や育児中に役立てましょう。 ママと子どもの健康状態や成長を記録する「母子健康手帳(通称:母子手帳)」。日本では、妊娠・出産と切っても切れない存在の母子健康手帳ですが、実は日本独自のシステムで、この1冊で妊娠中のママや胎児、新生児から6歳までの健康管理ができる世界に誇れるものなのです。では、母子健康手帳の受け取り方法や母子健康手帳はどのようなものなのかをみていきましょう。 妊娠したら母子健康手帳をもらいましょう妊娠がわかったら病院で妊娠の診断を受けましょう。今は妊娠検査薬で簡単に妊娠判定ができますが、病院で妊娠していることを確認してもらってから母子健康手帳をもらいに行きます。住んでいる市区町村に妊娠届を提出すると、母子健康手帳が発行されます。お子さん1人につき1冊なので、双子ちゃんだったら2冊になりますね。 母子健康手帳にはなんの記録ができるの!?母子健康手帳は、戦後の1948年に生まれました。当時は育児用ミルクの配給が記録されていたと言います。母子健康手帳はママと子どもの記録の場所です。ママの既往歴や現在の健康状態、妊娠経過について記録するところや、おなかにいる赤ちゃんの健康状態や発育状況を記録するところがあります。また、出産の状況や産後のママの体のことや子どもの様子なども記録するところがあります。病院を退院したあとも、子どもの定期健診や予防接種の接種状況を記録できますし、子どもが就学するまでの間の記録の場所になるので大切にしましょう。 定期的に妊婦健診を受け産院に記録してもらい、ママも母子健康手帳に記録していくことで、母子健康手帳の役割である、妊娠・出産・産後と母子を継続的に見守る仕組みができるのです。そのお陰で、母子健康手帳の普及とともに、日本における乳児死亡率は減少してきました。また、妊娠中のママの気持ちを書くところもあります。子どもが大きくなったときに、ママはこんな気持ちであなたが生まれてくるのを待っていたのよと一緒にお話ししてあげると子どももきっとうれしい気持ちになります。ぜひ、ママの気持ちを書き留めてあげてくださいね。 なお、乳児死亡率の高い発展途上国では、妊娠、出産、産後に母子の健康を継続的に見守ることのできる日本のような仕組みを作るためにも母子健康手帳の普及が進んできています。日本独自のシステムが今や国境を越えて世界のママやお子さんたちを救っているなんてすごいと思いませんか?! 母子健康手帳には実は妊娠・子育て情報も満載!?母子健康手帳は妊娠・出産の状況、産後の経過や子どもの就学までの様子がすべて1冊に記録できるようになっている日本独自のシステムですが、母子健康手帳の良さは記録ができることだけではありません。「妊婦さんの過ごし方や妊娠中・産後の食事」「新生児期から6歳までの年齢別育児のしおり」「子どもの事故防止」「乳幼児の食事」「離乳食の進め方」「予防接種」また「子育て支援制度」など、これらの情報がすべてわかりやすく記載されています。このように、母子健康手帳は記録するためだけではなくて、妊娠中のママのことや、生まれてからの子どものことや子育てのことなど大切な情報もわかりやすくつまっているのでしっかり活用しましょう。 世界に誇る日本の“母子健康手帳”、しっかり活用して大切にしましょう。そして、妊娠中は必ず持ち歩くようにしましょう。妊娠経過が一目瞭然なので外出先で何かあっても安心です。ママと赤ちゃんの最初の絆。たくさん活用して、生まれてくるワクワクを楽しみましょう。 監修者・著者:助産師 高杉絵理大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。
2020年10月24日福岡県では、妊娠中・出産後の期間限定で、母子健康手帳を提示するといろいろな無料サービスを受けることができます。サービス内容もとても良いものばかりでした。今回は、実際に妊娠中・出産後に母子健康手帳を活用してサービスを受けてみた際、よかったなと思ったものについてお伝えします。 マタニティフォトの無料クーポン私が住んでいる福岡県の母子健康手帳には、マタニティフォト1枚あるいは1歳までの赤ちゃんの写真撮影1枚のクーポンがついていました。家族写真というものを写真館で撮ってもらったことがなかったわが家は、2人目を妊娠中の臨月のときに、長女と夫と3人で家族写真を撮ってもらうことにしました。 とても素敵な写真が仕上がり、フォトアルバムまでもらえるなんて、これが無料だなんて!と感激しました。 明太子無料プレゼント明太子屋の「ふくや」さんでは、妊娠中〜子どもが2歳になるまでに母子健康手帳を持って行くと明太子を頂けるというサービスがありました。それだけもらいに行くのも何だか気が引けると思っていましたが、勇気を出して行ってみると「出産おめでとうございます」と明太子を提供していただけました。 無料でこんなにおいしい明太子がもらえるなんて、母子健康手帳を活用してよかったなと思いました。 TNC テレビ西日本の「はじめてばこ」2021年4月1日までに生まれた福岡県内の住所に住民登録された赤ちゃんが対象で、誕生日から生後6カ月まで応募できるTNC テレビ西日本の「はじめてばこ」。母子健康手帳に記載してある子どもが生まれた日付の写真を添付して応募すると、TNC テレビ西日本からおむつや洗剤や育児用ミルクのサンプルなどが入った「はじめてばこ」を受け取ることができました。※「はじめてばこ」の中身は申込みの時期や地域によって異なります。 とてもかわいい大きな箱で、サンプルを使ったあとは赤ちゃんが使っていたおもちゃや肌着などのを保存しておく箱としても使うことができるそうです。また、エフコープがスポンサーとして入っていて、お祝いとしてお尻拭きかリンゴのケーキのどちらかを頂くことができました。わが家はリンゴのケーキにしたのですが、甘さ控えめでとてもおいしかったです。 これから「はじめてばこ」に、子どもの思い出の品を詰めていくのが楽しみです。 意外と知らない人が多い母子健康手帳の活用法。情報を知らなかった友だちにも教えてあげるととても喜んでもらえました。長女のときは知らなかったので、活用できなかったのが残念でなりません。もし3人目を妊娠することがあれば、またぜひ活用したいと思いました。 監修/助産師REIKO著者:堀ちなつ0歳と2歳の姉妹のママ。歯科技工士・歯科助手として歯科関係の仕事を経験。現在は妊娠出産・子育てのジャンルを中心にライター活動をしている。
2020年08月24日息子が警察を恐れる理由は…『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。息子を叱るときに、悪いことをしたら警察に逮捕されるよ!などと言った覚えはありません。でも息子は警察を「市民を守ってくれる存在だ」とは思っておらず、「僕を逮捕しにくる怖い存在」だと感じているようです。なぜ、怖がるのか考えてみました。そして2つの理由に思いあたりました。1つ目は、息子は、以前パニックを起こしたときに近くに止まっていた車を蹴り、「警察を呼ぶぞ!」と怒鳴られた経験がある。なので、ニュースで「○○の犯人が警察に逮捕されました。」と流れると、犯人側の立場に立ってしまうのかもしれないこと。2つ目は、自閉症で知的障害がある友達(30代の男性)が、悪意なく「遊びたい」という気持ちで幼い子に近づいたら、110番されて、警察に連行されたことを知っていること。Upload By 立石美津子毛玉を取ったら逮捕される!?昨年、特別支援学校で保護者と警察との交流会がありました。ある母親が「うちの子は毛玉にこだわりがあり、電車内等で周りの人が来ているニットに毛玉がついていたら、きっと毛玉を取ろうとすると思います。痴漢扱いされ逮捕される可能性はあるのでしょうか」と質問しました。警察は「あくまでも相手が嫌な思いをしたら、障害児であっても逮捕される可能性はある。犯意があったかどうかが焦点となるが、障害があるから絶対に逮捕されないということはない」と答えました。息子は幼いころ、あるブランドのバック、それもベージュのロゴに執着していました。(私はそのブランドのバックを持っていなかったのですが、なぜかこだわっていました)電車内でそれを持っている女性を見ると、ペタっと触りに行きました。当時は幼かったので許されていたのでしょう。幸い現在はそのこだわりはないのですが、19歳の今もこれが続いていたら、スリと思われ通報されていたかもしれません。人づてに聞いた話です。「人に会ったら挨拶しなさい!」としつけられていた自閉症の人がいました。その言葉に素直に従っていました。そして、夜道で誰もいない場所で女性に「こんにちは」と声をかけました。相手は恐怖を感じてしまいました。空いているバス、乗客はたった3人でした。そういう場合は大抵、わざわざ奥から詰めないで、ガラガラの車内にバラバラに離れて座ることが多いですが、「奥から順番に座りましょう」「座席は詰めて座りましょう」と学校で教えられてきたルールを遵守して、女性の横に間をあけずに座りました。空席はたくさんあるというのに、見知らぬ男性がすぐ横に座ってきたので、当然、女性は恐怖におののきました。Upload By 立石美津子毛玉を取りたいというこだわりがある人、教えられてきたルールの応用ができない人…これらのことで注意されたら混乱し、また警察を怖がることにつながってしまうかもしれません。オウム返しで誤認逮捕の可能性も…?発達障害の人が逮捕されたとき、誘導尋問にかかりやすいと聞いたことがあります。逮捕された場合…刑事「君がやったんだね?」本人「君がやったんだね」のように完璧なオウム返しをすれば、「あれ、おかしな日本語だな、もしかしてこの人は自閉症かな」と知識がある刑事はわかるかもしれません。また、大人になってもこの状態だったら、おそらく療育手帳を幼児期から持っているでしょう。これで障害者であることが証明されます。けれども、知的障害が軽度で手帳を持っておらず、刑事の言葉の後半部分、更に「ね」を省略して「やったんだ」とオウム返したり、刑事から「君がやったんだね」と詰め寄られ、条件反射で「やりました」と反応したりしたら?もしかして、誤認逮捕されるかもしれません。日本の福祉は自己申告制です。親が我が子の障害に気付いて積極的に動くことで取得できます。療育手帳が取れなくても受給者証などを取って福祉とつながり、発達の凸凹があることを第三者に知らせておくことが大切だと思いました。参考:罪を犯した知的・発達障害者への弁護活動を通して思うこと|「ノーマライゼーション障害者の福祉」2011年4月号李下に冠を正さず警察官も痴漢と間違われないように“李下に冠を正さず”で、電車に乗るときは、手を上にしたり、自分の胸の辺りで組んでいたりするという話がありました。「疑われるようなことはあえてするな!」ということです。「毛玉を取るのは自分とお母さんのニットだけにしよう」「空いているバスの場合は知らない人と離れて座ろう」「同じマンションに住む人にはマンション内では挨拶しても、外で知らない人には挨拶しないようにしよう」など具体的に教えていかなくてはならない、と感じた警察の方を交えての交流会でした。
2020年03月13日母子健康手帳。ママなら誰でもその存在を知っていると思いますが、パパはどうでしょうか? 一度も読んだことがない、という人もいるかと思います。今回は、私が母子健康手帳をパパにも読んでもらいたいと思ったときのことや、その理由などをお話しします。 パパにも見せておけばよかった!「へぇ~。いろいろ書いてあるんだね~」。娘の1歳半健診の前日。私が母子健康手帳を開いていると、のぞき込みながらパパが言いました。 そのときにふと、そういえばパパは母子健康手帳を読んだことがないのでは……? と思ったのです。改めて読み返すと、書いてあるのはパパにも父親として知っておいてほしいことばかり。“母子”健康手帳という名前にとらわれすぎていたのか、これまでパパに見せようとまったく思わなかったことを激しく後悔しました。 理由1:心の準備にも使えたわが家のパパの場合、赤ちゃんと関わること自体が初めてで、最初はすべてのお世話に二の足を踏んでいました。無理もないことなのでしょうが、待ったなしで育児をすることになった私からすると、怖がってないで手伝って! という思いが強く……。 今思えば、パパは心の準備ができていなかったのかもしれません。妊娠中から母子健康手帳を一緒に読んだり書き込んだりしていれば、最初からもう少し前向きに育児に関わってくれたのではないかと思いました。 理由2:夫婦で情報共有ができた娘の体重、寝返りができるようになった時期、予防接種の進捗状況……。考えてみれば、逐一パパに報告はしていませんでした。しかし、これらはパパにも知っておいてほしい、そして知っておくべきことだと思います。 特に予防接種に関しては、私に何らかのアクシデントが発生した場合を考えると、パパにある程度、状況を把握しておいてもらう必要があります。母子健康手帳を一緒に見ながら、娘の発育に関する情報共有をするべきだと強く思いました。 母子健康手帳には、主に母子の健康状態などが記されています。しかし、だからといって母子だけのもの、にしておくにはもったいない! 家族で内容を共有すれば、もっと活用できると感じています。著者:上杉芽生一男一女の母。結婚を機に小売業の会社を退職。現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年12月30日ベビーカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。 妊娠が判明して、自治体などから母子健康手帳(以下、母子手帳)をもらったとき、みなさんはどんな気持ちになりましたか? 私は……ものすごーーくものすごーーーくうれしかったです(涙)。以前描きましたが、妊娠初期は妊婦禁忌の薬を飲んでしまい右往左往していたので、手帳をもらいにいくことができませんでした。だから、妊娠継続して問題ないと医師から言われた時は、まっすぐその足で手帳をもらいに行き、受け取ったときは涙が出そうでした。ちょっとお母さん!そこはそっと手渡しするとこじゃないの!? と、心の中でツッコミながら母子手帳を拾い上げた私……。当然感動の涙は流れませんでした。 うちの母は天然というか、サバサバを通り越してパサパサというか、ロマンチックな部分お構いなしなところがあるのです。多分私が「いらない」と言ったら、躊躇なく捨ててたんだろうな……。 自分が将来子どもに母子手帳を渡すときは、せめて両手で渡そうと思います(笑)。 著者:イラストレーター 和田フミ江姉妹の母。趣味はゲームと旅行と美味しいものを食べること。著書に「お母さんまであとすこし!」(ベネッセコーポレーション)、「おうちクエスト」(竹書房)など。
2019年12月07日ママと子どもの健康状態や成長を記録する「母子健康手帳(通称:母子手帳)」。日本では、妊娠・出産と切っても切れない存在の母子健康手帳ですが、実は日本独自のシステムで、この一冊で妊娠中のママや胎児、新生児から6歳までの健康管理ができる世界に誇れるものなのです。では、母子健康手帳の受け取り方法や母子健康手帳はどのようなものなのかをみていきましょう。 妊娠したら母子健康手帳をもらいましょう妊娠がわかったら病院で妊娠の診断を受けましょう。今は妊娠検査薬で簡単に妊娠判定ができますが、病院で妊娠していることを確認してもらってから母子健康手帳をもらいに行きます。住まいの市区町村に妊娠届を提出すると、母子健康手帳が発行されます。お子さん1人につき1冊なので、たとえば双子ちゃんだったら2冊になりますね。 母子健康手帳にはなんの記録ができるの!?母子健康手帳は、戦後の1948年に生まれました。当時は育児用ミルクの配給が記録されていたといいます。母子健康手帳はママと子どもの記録の場所です。ママの既往歴や現在の健康状態、妊娠経過について記録するところや、おなかにいる赤ちゃんの健康状態や発育状況を記録するところがあります。また、出産の状況や産後のママの身体のことや子どもの様子なども記録するところがあります。病院を退院した後も、子どもの定期健診や予防接種の接種状況を記録できますし、子どもが就学するまでの間の記録の場所になるので大切にしましょう。 定期的に妊婦健診を受け産院に記録してもらい、ママも母子健康手帳に記録していくことで、母子健康手帳の役割である、妊娠・出産・産後と母子を継続的に見守る仕組みができるのです。そのお陰で、母子健康手帳の普及とともに、日本における乳児死亡率は減少してきました。また、妊娠中のママの気持ちを書くところもあります。子どもが大きくなったときに、ママはこんな気持ちであなたが生まれてくるのを待っていたのよ、と一緒にお話ししてあげると子どももきっとうれしい気持ちになります。ぜひ、ママの気持ちを書き留めてあげてくださいね。 なお、乳児死亡率の高い発展途上国では、妊娠、出産、産後に母子の健康を継続的に見守ることのできる日本のような仕組みを作るためにも母子健康手帳の普及が進んできています。日本独自のシステムが今や国境を越えて世界のママやお子さんたちを救っているなんてすごいと思いませんか?! 母子健康手帳には実は妊娠・子育て情報も満載!?母子健康手帳は妊娠・出産の状況、産後の経過や子どもの就学までの様子がすべて1冊に記録できるようになっている日本独自のシステムですが、母子健康手帳の良さは記録ができることだけではありません。「妊婦さんの過ごし方や妊娠中・産後の食事」「新生児期から6歳までの年齢別育児のしおり」「子どもの事故防止」「乳幼児の食事」「離乳食の進め方」「予防接種」また「子育て支援制度」など、これらの情報がすべてわかりやすく記載されています。このように、母子健康手帳は記録するためだけではなくて、妊娠中のママのことや、生まれてからの子どものことや子育てのことなど、大切な情報もわかりやすくつまっているのでしっかり活用しましょう。 世界に誇る日本の“母子健康手帳”、しっかり活用して大切にしましょう。そして、妊娠中は必ず持ち歩くようにしましょう。妊娠経過が一目瞭然なので外出先で何かあっても安心です。ママと赤ちゃんの最初の絆。たくさん活用して、生まれてくるワクワクを楽しみましょう。 監修者・著者:助産師 高杉絵理大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。
2019年10月08日何かできないか…その想いが療育グッズ製作の始まり2歳半の時、発育の遅れを指摘された娘は、すぐ、言語訓練に通い始めました。しかし、言語訓練は予約がいっぱいで、1か月に1回しか受けることができませんでした。娘は2歳半のころ、ほとんど発語がありませんでした。少しでも発達を促すことができたらと、言語訓練を希望していたものの、療育施設での言語訓練は月に1回しかできないと言われてしまいました。私は言語訓練に通うことができない状況に焦りました。少しでも娘の発語を促すため、何かしなければと考え続ける日々…。そこで、言語訓練で使っていたカード訓練をヒントに、自宅で真似してカードを作りました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAUpload By SAKURA最初は、無関心だった娘でしたが…。Upload By SAKURA全く興味を示さない娘に、繰り返しカードを見せ、ほぼ独り言のような状態で、カードに描いてある絵の名前を読み上げ続けると…娘はだんだんと、カードに目を向けるようになりました。そして、少しずつ私の読み上げる言葉に反応を示し始め…。数日後には、カードを自主的に持ってくるようになりました。このカードは、私たちの療育の始まりでもあります。私が初めて作った思い出深いカードです。この後、さらに制作したカードと一緒に、今も大切にしまってあります。Upload By SAKURA現在、カードはおもちゃ箱に保管されていて、娘は(小学3年生になった)今も時々、出して遊んでいます。Upload By SAKURAその光景を見るたび、なかなかしゃべらなかったあのころを思い出し、スラスラと話す今の娘を見ながら、成長を感じ、嬉しくなります。小学校に向けて「自分で」の準備娘が幼稚園の年長になり、「ついに来年は小学生!」というころ…。私は、娘の小学校入学にいくつか不安がありました。そのうちの一つが、「(学校の)準備が一人で、できないこと」でした。そこで、小学校入学にむけて、「準備」を練習することにしたのですが…。Upload By SAKURA一緒に取り組んでも、娘は心ここにあらず。何とかやる気を出してもらおうと、明日の持ち物準備のチェックリストを作りました。Upload By SAKURAこのチェックリストにしてから自主的に、準備に取り組むようになった娘。準備を視覚化することで、「明日の準備」は娘が主体的にできる日課になりました。Upload By SAKURA小学生になった現在、スムーズに「明日の準備」ができているのは、このチェックリストが少なからず影響を与えたのだと、私は思っています。朝、言われなくても動けるようにするために小学校に入学した娘。朝起きるのがとても遅く…支度にも時間がかかり…いつも出発はギリギリでした。「早くして~!」「遅刻する~!」とイライラしながら声をかける日々を毎日繰り返し、私は精神的にいっぱいいっぱいでした。Upload By SAKURA何とかしなければと娘の様子を観察していると、あることに気がつきました。娘は、次の行動にうつる前に必ず、止まって固まっていたのです。次に自分が何をしたらいいかわからないんだ…と気づいた私は、あるものを作りました。Upload By SAKURA作ったのは、朝、娘がしなければならない支度や準備を、すべて描いたカード。娘には、終わったカードを裏返してもらいます。そうすることで、あとは何が残っているかはっきりわかり、全体の見通しも立ちやすくなることが狙いでした。カードを使い始めてから、全部クリアしようとゲーム感覚で楽しく準備してくれるようになり、朝のイライラは激減しました。そして、私が何も言わなくても、カードを自分で出してきて、自主的に身支度を始めるようになったのです。カードを使った支度は、小学1年生から2年生までの半年ほど続き、小学3年生になった今は、声かけをしなくても、出発の時間までテレビを見たり、ゲームをして過ごすことができるほど、余裕をもって支度を終えられています。Upload By SAKURA大切なのは完成度よりも、親の想い私はこれまで、娘に何か課題が発生するたびに、娘の手助けになれば…と、いろいろ作ってきました。その中には、全く娘に響かなかった失敗作も、たくさんありました。しかし、大事なのは、我が子を観察し、どうすれば過ごしやすくなるか、「考えること」ではないでしょうか。子どものために、一生懸命作ったものなら、絵がうまくいかなくても、コピーして切って貼ったものでも、子どもにとっては特別なのです。親の愛情が含まれてこそ、効果があると思います。親が子どものために、試行錯誤してやることに不正解はない。すべて正解だと私は思っています。
2019年08月21日母子健康手帳をもらったときについていた半透明や透明の保護カバー。使っているうちにどんどん汚れが目立ってきたり、ゆるくなってきたり。そんなとき、ダイソーで良いカバーを見つけました! 長男のときも次男のときのも欠点がありました長男のときにもらったカバーは、ポケットがたくさんあったのですが、すぐにゆるくなってしまいました。 次男のときにもらった母子手帳についていた透明なカバーは、以前よりも素材が強くなっていました。でも今度はポケットが少なく、子ども医療費受給資格証や保険証などを入れるスペースが足りず……。母子健康手帳ケースに入れてしまうと、使いたいときに2人のものがどちらかすぐにはわからないときがあり不便でした。 100均で見つけたカバーが活躍! そんなときにダイソーで見つけたのが、お薬手帳用のカバーでした。私の持っている母子健康手帳(Sサイズ縦14.8cm × 横10.5cm)のサイズにぴったり。キャラクターものもありますが、一目で長男の手帳か次男の手帳かがわかる透明のカバーのほうが私は気に入っています。 スペース十分、たっぷり収納できた!このカバーに、母子健康手帳と診察券3枚と保険証、こども医療費受給者証、お薬手帳をまとめて入れています。これだけ入れて、母子健康手帳のサイズだけでおさまるので手軽に持ち歩けるようになりました。 わが家の場合は子どもが2人いるので、かばんの中でバラつかないように、まとめてお気に入りのポーチに入れて持ち歩いています。 お薬手帳用なので、保険証や診察券などを入れるスペースが十分にあり、スッキリ整理されました。受付でもすぐに診察券を取り出せるのでとても満足しています! ※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。 著者:ライター 舟橋海央4歳差の男子2人の母。同じ男の子でも性格の違う2人からいろいろ学びながら子育てを満喫中。自身の子育て体験をもとに記事を執筆している。
2019年07月07日特別支援学校入学に向けて、療育手帳を取得することに現在、特別支援学校に通う5年生の長男。療育園年長時、就学相談で、特別支援学校に入学するには入学前に療育手帳を取得するようにと説明がありました。それまで療育手帳を取得していなかった長男。手続きについて聞くと、私たちの住む地域ではまず市役所を通してから、児童相談所で発達検査を受けなければいけないとのことでした。自閉症の長男の進学先が特別支援学校になるだろうということは早い段階から考えていたことでしたが、療育手帳を取ることによって、確実に障害があると認定を受けることになる...母である私には、息子の障害をはっきりと社会的に認めることになるように感じられ、正直少しためらう気持ちがありました。複雑な気持ちを抱えつつ夫に「特別支援学校に入学する前に、療育手帳を取る必要があるんだって」と相談したところ、「手帳があることでシュウにとって必要な支援が受けられるなら、申請したほうがいいね」Upload By シュウママと賛成してくれました。夫の言葉に背中を押され、手帳取得に向けて実際に手続きを進めていくことになりました。児童相談所での発達検査。果たして長男は...児童相談所での検査当日。長男の検査の前に、先に母親である私と心理士さんとの面談がありました。洋服を自分で着脱できるか、トイレはできるか、ごはんやお風呂は介助が必要かなどの生活面の確認と、パニックを起こさないか、自傷や他害はないかといった精神面・行動面の確認がありました。そしてその後、長男自身が検査を受けました。まず、心理士さんがいろんな絵の描かれたカードを長男に見せます。そこに描かれた動物や乗り物などについて答える問題でした。長男は自分が好きなものだけ大きな声で答えます。発音が聞き取りにくいので、私が横で「これはひこうきと言っています」と心理士さんに通訳しながらすすんでいきました。ただ、出されるカードのほとんどのものは答えることができませんでした。次は組(対)になっているものを答えよという問題。心理士さんは、えんぴつを指して「これは何かな?」と長男に聞きます。...長男は無言。Upload By シュウママ長男が反応せずとも質問はどんどん続きます。「えんぴつとセットになるものは何かな?」...正解のノートを長男は指せません。検査を終え、心理士さんからはおそらく療育手帳はA判定になるだろうというお話がありました。療育手帳の判定結果、親としての思い後日、市役所に行き療育手帳を受け取りました。やはり判定はAでした。私の住む地域では、最も重い丸Aから最も軽いCまであります。A判定であるなら、特別支援学校に通うには問題ありません。けれど分かってはいたものの、長男が重度の知的障害と認定されることにわずかなかなしさがありました。療育手帳を取得して。長男の育ちに必要な支援が受けられるようにそれでも、療育手帳を持つことで受けられるサポートはたくさんありました。市役所で説明されたのは、特別児童扶養手当があることや、バスや電車での本人と介助者の運賃割引、ガソリン代あるいは車を運転しないのであればタクシーチケットの支給もあるということ。私は車が運転できないので、このタクシーチケットは特にありがたかったです。長男は病院からの帰り道、歩きたくなくて道端で「歩くのイヤ~!」と叫ぶときがあります。そんなときにタクシーを利用するのですが、初乗り分の料金を支払えるチケットは経済的にとても助かりました。自治体によってはオムツが支給されるところなどもあるようですので、お住まいの自治体の窓口等に確認するとよいかもしれません。Upload By シュウママ療育手帳を取得することで、自分のお子さんの障害が公的に認定されてしまう、そのことに不安を抱いている方がいるかもしれません。その気持ちは同じ立場として痛いほど分かります。けれど最初の判定から5年経った今は、手帳の取得は障害のレッテルを貼るためのものではなく、子どもの成長や子どもにとって過ごしやすい環境の整備のために必要なものなのだと感じています。また、判定結果がたとえ重度だとしても、特別支援学校に通いながら長男は長男のペースでゆっくりだけれど着実に成長している。それを親である自分が分かってさえいればいい、それが何より大切だと、そう思えるようになりました。Upload By シュウママ
2019年05月31日福岡県では、妊娠中・出産後の期間限定で、母子健康手帳を提示するといろいろな無料サービスを受けることができます。サービス内容もとても良いものばかりでした。今回は、実際に妊娠中・出産後に母子健康手帳を活用してサービスを受けてみた際、よかったなと思ったものについてお伝えします。 マタニティフォトの無料クーポン私が住んでいる福岡県の母子健康手帳には、マタニティフォト1枚あるいは1歳までの赤ちゃんの写真撮影1枚のクーポンがついていました。家族写真というものを写真館で撮ってもらったことがなかったわが家は、2人目を妊娠中の臨月のときに、長女と夫と3人で家族写真を撮ってもらうことにしました。 とても素敵な写真が仕上がり、フォトアルバムまでもらえるなんて、これが無料だなんて! と感激しました。 明太子無料プレゼント明太子屋の「ふくや」さんでは、妊娠中〜子どもが2歳になるまでに母子健康手帳を持って行くと明太子を頂けるというサービスがありました。それだけもらいに行くのも何だか気が引けると思っていましたが、勇気を出して行ってみると「出産おめでとうございます」と明太子を提供していただけました。 無料でこんなにおいしい明太子がもらえるなんて、母子健康手帳を活用してよかったなと思いました。 TNCの「はじめてばこ」子どもが生まれた日から生後6カ月まで応募できるTNCの「はじめてばこ」。母子健康手帳に記載してある子どもが生まれた日付の写真を添付して応募すると、テレビ西日本からおむつや洗剤やミルクのサンプルなどが入った「はじめてばこ」を受け取ることができました。 とてもかわいい大きな箱で、サンプルを使ったあとは赤ちゃんが使っていたおもちゃや肌着などのを保存しておく箱としても使うことができるそうです。また、エフコープがスポンサーとして入っていて、お祝いとしてお尻拭きかリンゴのケーキのどちらかを頂くことができました。わが家はリンゴのケーキにしたのですが、甘さ控えめでとてもおいしかったです。 これから「はじめてばこ」に、子どもの思い出の品を詰めていくのが楽しみです。 意外と知らない人が多い母子健康手帳の活用法。情報を知らなかった友だちにも教えてあげるととても喜んでもらえました。長女のときは知らなかったので、活用できなかったのが残念でなりません。もし3人目を妊娠することがあれば、またぜひ活用したいと思いました。著者:堀ちなつ0歳と2歳の姉妹のママ。歯科技工士・歯科助手として歯科関係の仕事を経験。現在は妊娠出産・子育てのジャンルを中心にライター活動をしている。
2019年05月20日発達障害の娘が小学5年生から始めた、進路選び主治医から、小学校卒業後の進路選択についての話をされたことをきっかけに、いろんな可能性、選択肢を広げるためにも、調べて・考えておこうと決心しました。でも、いろいろと調べるうちに、頭の中は疑問でいっぱいに…。そこで、実際に学校を訪れてみよう、この目で見てみようと考えるようになりました。地元の公立中学の見学に行く主治医から進路について聞かれて暫くしたころ、近隣の公立中学校の文化発表会がありました。私たちの住む地域では小・中学校一貫カリキュラムの一環として、高学年になると校外学習で近隣中学の文化発表会を見に行くことになっています。中学校の部活の様子や有志生徒による舞台パフォーマンスを見た娘は「小学校との違いに驚いた!中学生ってスゴイ」と楽しそうに話しました。当時、家庭や学校での娘の障害に対する認識不足と、クラスメイトからのいじめなどで辛い毎日を送っていた娘が「中学は楽しそう」と前向きな気持ちになってくれたことを私は嬉しく思いました。また、私たちの住む地域では「学校へ行こう週間」というものがあり、期間中は公立校の生徒や保護者に限らず、地域の住民、これから入学を考えている子どもや保護者などが、学校を見学できるようになっています。これは教育委員会が「保護者や地域の住民の学校に対する一層の理解と支援の醸成を図り、開かれた学校づくりの推進に向けた、各学校の主体的な取組を充実するため」に設定したものです。娘の話を聞き、ちょうどその時期に実施されていた「学校へ行こう週間」を利用し、私も近隣中学校への見学に行ってみることにしました。生徒達の「普段の様子」を見る最初に訪れた公立中学校は、こぢんまりとした学校で、学年により多少の差はあれど比較的落ち着いた雰囲気でした。生徒が来校者に自然と挨拶する休み時間に、廊下に設置してあるベンチで生徒がくつろいでいるちょっとしたことですが、このような風景は実際足を運んでみないと分からないことです。特別支援学級を見学中学1年生から3年生までのクラスを一通り見学した後、私は特別支援学級の教室を訪ねました。担任の先生に見学できるか確認すると、大丈夫とのことだったのでしばらく授業の様子を見学しました。見学の後、先生は私とのお話(特別支援学級の説明)の時間を取って下さいました。その対応からも、その学級が落ち着いていることが見てとれました。私は「入級するかどうかは分かりませんが」と前置きをして、娘の様子を先生にお伝えしました。先生は「中学生は自我に目覚める時期なので、通常学級にするか特別支援学級にするかは本人の意思を大切にした方がいい」と仰いました。通級指導教室も併設されていた学校見学を終え、帰ろうとしたとき、私はある教室に気がつきました。そこは『通級指導教室』でした。「ここが、主治医が話していた”通級指導”をしてくれるところだ…!」地元の中学に通級指導教室があることを、このとき私は初めて知りました。「せっかく来たんだし」と私はダメもとで通級指導教室の職員室のドアをたたきました。特別支援学級見学のときと同様に、入級するかどうかは分からないのですが、と前置きをした後「学校に行こう週間」を利用して見学に来た事を伝えると、一人の先生が面談の時間を取って下さいました。知識と経験豊かな、通級の先生通級の先生とほんの少し話をしただけで、先生の「一を聞いて十を知る」様子に私は衝撃を受けました。私は娘の小学校入学時に今の地域に引っ越してきてから、療育センターの心理士さんや相談員さんをはじめ、担任の先生、スクールカウンセラー、校長先生などさまざまな人に娘について相談をしてきました。それでも娘の状態は悪化する一方でした。そのため、この頃私は「公的機関や教育の場では娘のようなグレーゾーンと言われる子どもの対応は限界があるのだ」と感じていたのです。でも通級の先生は初対面にも関わらず娘や私の悩みと苦労をすべて分かっていました。そこに高い専門の知識と長年培われた経験があることを感じ、私は(こんな近くにプロフェッショナルがいたなんて!)と心底驚きました。そして20分ほどの面談の間に(こんな先生がいる学校なら安心して任せられそう)そんな希望を抱いたのでした。娘の特性を考えると、通級教室はきっと対象外だろう…。そう思ってはいても、帰り際に言われた「いつでも相談にいらしてくださいね」という声掛けに安堵感を得ることができました。そしてまた、特別支援学級の先生に言われたのと同じく、「中学生は自我の目覚めの時期なので、進路は本人の意思を大切にした方がいいですね」という先生の言葉を重く受け止めたのでした。教育委員会の教育相談へ秋の公立中学見学から半年がたち、小学6年生になった娘は教育相談に行きました。学校の所属や進路を決める目安になるものに、教育委員会で行われる発達検査と教育相談があります。翌年の中学進学の参考にするため、数年ぶりの発達検査と教育相談を受けることにしたのです。検査後の教育相談時、私は相談員の方に「娘のようなタイプは中学卒業後、どのような進学先がありますか?」とたずねました。Upload By 荒木まち子主治医に「通級」という言葉を初めて聞いたときと同じように、私は最初「手帳」の意味がわかりませんでした。そして私の住んでいる地域では、特別支援学校は療育手帳がないと入学できない(※)ことを初めて知ったのです。※療育手帳の所持が特別支援学校入学のために必要な条件かどうかは、地域によって異なります。特別支援学校高等部は見学できず…「現時点で療育手帳は取得できないとしても、高校入学の頃は療育手帳が取れるようになっているかもしれない」そう考えた私は、相談員さんから聞いた特別支援学校高等部の見学に行こうと思いました。でも当時、特別支援学校高等部では、小学生の保護者対象の学校見学会は行っていませんでした(現在は小学校高学年の保護者向けの見学会を行っているようです)。それでも「軽度の知的障害がある生徒が対象」といっても実際はどのようなタイプの学生が通っているのか、生徒達は何を目標にしているのか、娘に合いそうな学校なのかなど、少しでも情報が欲しかった私は、その学校が「地域支援・センター校の活動」として行っている「教育相談」を受けることにしました。娘がいきいきと過ごせる場所のイメージが、まだわかない私は特別支援学校の「教育相談」で、相談担当のコーディネーターの先生に、娘の中学について迷っている旨を伝えました。「中学から特別支援学級に入級した場合、そこでリーダー性を発揮していきいきと過ごす生徒さんと、自分の居場所は特別支援学級ではないと感じて嫌がる生徒さんがいます」それは通級教室の先生と同様、多くの困り感を抱えている生徒達を見てきた先生の経験に基づいた言葉でした。娘はどちらのタイプだろう?それまで通常級で過ごしてきた娘が「周りのみんな」と一緒が良いと思っているのは確か――。でも「みんな」との違いを感じ悩んでいるのも確か――。娘がいきいきとを過ごせる場所はどこなのか、その時点ではやはりまだ判断ができませんでした。コーディネーターの先生に「この特別支援学校高等部では、小学生対象の見学会は行っていません。でも、「学校に行こう週間」であれば来場者の制限はしていませんので、ぜひお子さんと一緒に見学にいらしてくださいね」と言われた私は、それまでの半年の間に、近隣の私立中学と私立・公立の高校の見学することを決めたのでした。次回のコラムでは、私立中学や高校の見学で感じたことについて紹介したいと思います。
2019年05月09日2人目の妊娠が発覚後、病院を受診し「次回受診する時までに母子手帳を持ってきてください」と言われました。「母子手帳」こと「母子健康手帳」は妊娠中や産後の母子の状態をまとめて記録した手帳のことで、妊娠が発覚すると市役所や保健所など指定された場所で交付してもらいます。1人目の母子手帳を交付してもらった地域では、母子手帳を受け取るときに集団で講習を受けなければならず、曜日や時間が細かく指定されていました。今回もそうだと思っていたのですが産婦人科で特に日時について言われなかったので、一応自分で調べてみることにしました。■地域によって違う?!母子手帳の受け取り方検索した結果、2人目の母子手帳を受け取る市ではいつもらいに行っても大丈夫で、前回のような講習もありませんでした。受付は平日のみしかなく、つわりで体調が悪い中、当時2歳10ヶ月だった長男を連れていくのは不安だったので、講習がなかったことにホっとしました。今思い返せば長男のときの講習にも仕事を抜けてきたような方がいました。体調がすぐれない上、産休にも入っていない時期の妊婦さんにとっては、日時が指定されたり、数時間拘束されたりするのは大変だろうなぁと今更ながら思いました。■「母子手帳」検索中、思わず号泣…涙もろくなっていた私は「母子手帳」について検索時、出てきた赤ちゃんの写真や、「小さないのち」といったフレーズを見て、「妊娠した喜び」や「1人目の出産した時のこと」などを思い出し、感動なのかよくわからないのですがとにかくボロボロ泣いてしまいました。はじめはあまりの涙もろさ&泣きっぷりに自分でもびっくりしましたが、妊娠中はこの先もとても涙もろく、よその子のお遊戯会や子どもが活躍する系のテレビを見ては、ボロボロ泣いていました。■いざ! 長男を連れ母子手帳をもらいに…お盆休み明け、長男を連れて母子手帳をもらいにいきました。講習はありませんでしたが、1対1で保健師さんと思われる方から今後のスケジュールや費用についての説明がありました。説明を受けている最中、お盆休み明けでパパが出勤してしまいさみしい長男が…、座ってすぐ、ワケあり感満載のセリフ…! 思わず何か言われる前に「パパ仕事言っているだけだよ!」とツッコミをしてしまいました。そして、その時は切なげに座っていた長男でしたが、2歳児が長時間大人しくしてられるはずもなく…こうして、じっくり話を聞いた1人目に対して、ほぼ話を聞けず母子手帳を受け取ることになりました。■受け取った母子手帳を眺めていると…受け取った母子手帳と、長男のときの母子手帳を見比べていると、1人目妊娠前からプラス10kgのまま2人目を妊娠…。子どもだけではなく、私の身体も一緒に大きくなっていることを改めて実感しました。ほかにも長男の母子手帳と見比べることで、身体の事や予防接種の抗体の有無など参考にすることができました。しかし体重や血圧など病院で記入してもらえるところは良かったのですが、長男のときには母子手帳に細かく書き込みをすることがなんだか恥ずかしく、まったく書き込みをしていなかったせいで…1人目妊娠当時はあんなにネットで検索したりしていたのに、今一番役に立つはずの過去の自分の情報を書いていないなんて、とてももったいない事をしました。それ以来、1人目も、2人目も母子手帳にはできるだけ細かく記入するようにしています。
2019年04月11日認知度が上がり、世間の理解が深まりつつある、発達障害。ですが、まだまだネガティブな受け取り方をされることが多く、発達障害の子を持つ親として、ちょっとだけ残念な思いを抱いていました。そんなモヤモヤを解決してくれたのが、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授である本田秀夫先生の著書 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 でした。第2回のインタビューでは、本田先生が考える「療育の本当の意味とは?」についておうかがいします。お話をうかがったのは…本田秀夫(ほんだ・ひでお)先生信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年より現職。日本自閉症協会理事、日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本児童青年精神医学会代議員。■発達障害「早期発見・早期療育は子どもではなく親のため?」―― 前回 、親が早期に子どもの特性を知っておくことの重要性を教えてもらいましたが、早期発見は早期療育の効果へとつながるのでしょうか? よく、療育を始めるのは早ければ早いほど良いなどと言われますが…。本田秀夫先生(以下、本田先生):僕は、絶対そういうことは言わないようにしています。――なんと…(驚)。そういったお話も聞いたことがありますが、臨床の現場で約30年、幼児期から成人期まで一貫して診てきた先生がそうおっしゃるのは、また違った重みを感じます。本田先生:そもそも早期に発見される子の方が、大人になった時の障害は重いのですよ。なぜなら、症状が重い子の方が早く発見されるから。症状が軽くて、知的障害がない発達障害の場合は、就学時健診でもわからないことも多いのです。ですから、早く発見された人ほど良くなるというのは正確ではありません。――確かに…。本田先生:でも、僕は早期発見・早期療育を推進しています。理由はただ一つ、親御さんの認識を変え、親御さんが学ぶチャンスが早くなる、ということです。実は僕、子どもを療育しているフリをして、親の認識を変えることこそが療育だと思っていますから。つまり、子どもをどうこう療育するというより、親がコペルニクス的に認識を変えられるかどうかが非常に大事なのです。――深いお話…。本田先生:早期に親御さんがわが子の特性を知れば、対処法を学ぶこともできます。例えば、たびたびパニックを起こすようなお子さんだと、親御さんは疲弊してしまいますよね。でも、これを防ぐのは意外と簡単で、パニックを起こしたくなるような刺激を与えなければいいのです。例えば、子どもが好きなことをやっている最中に止めさせようとするとパニックを起こすということがわかれば、大好きなことはある程度切りのよいところまでやらせて次の活動に切り替えさせればよいわけです。ほかの子が近づくとたたいてしまう場合は、ほかの子が近くにきたら、その間に親御さんがスッと割って入って、その子の手が届かないようにすればいい。知っていれば未然に防げるけれど、知らないと結局、親子ともども嫌な思いを重ねることになってしまいます。■「療育でグレーは白にならない」子どもファーストの環境を――親への効果はよくわかりましたが、子どもにとっては本当に効果がないのでしょうか?本田先生:私たちの療育では、基本的に子どもファーストで考えてプログラムを組みます。例えば、一般の子育てなら、2歳の子どもに箸を使う練習はさせませんよね? 2歳くらいならスプーンを使ったり、大人がフォローしてあげればいいわけです。それが、成長につれて箸を使うようになったり、だんだん変わっていくのですが、そのペースが発達障害の子たちはほかの子と違います。ですから、今何を教えたらその子に身につくのかということを、一人ひとり厳密に考えていきます。そうして子どもに合った環境やプログラムを整えてあげれば、情緒的に安定して、活動に意欲的に取り組め、子どもも伸びると思いますよ。――ということは…? と、親はつい期待してしまいますが。本田先生:ただし、ここで一つ注意が必要です。親御さんは「療育で子どもが良くなった! このままいけば治るのでは…?」と思ってしまいがちですが、子どもが良い状態にあるのは、こちら側が相当に配慮した環境だからであり、環境が変われば元の木阿弥です。前回も言いましたが、「グレーとは 白ではなくて 薄い黒」ですから。特性そのものは消えません。ですから、そこまで伝えるために、僕たちの療育では親御さんにも時々参加してもらって、どういう状態だったら子どもが落ち着いた良い状態になるのかを学んでもらうようにしています。■発達障害「どのような大人になるかは、親の育て方次第」――いかに子どもを取り巻く環境が大事か、ということなのですね。本田先生:そうです。発達障害というのは、もともともの原因は育て方のせいでなるわけではないのですが、「どのような大人になるのかは、育て方次第」と僕は思っています。例えば、背が低いことで悩んでいる人がいるとして、「別にいいじゃん」と言ってもらえるのと、「このままじゃヤバいよ! 早くなんとかしないと!」と言われるのでは、本人の受け取る印象はずいぶん変わってきますよね。それと同じで、親御さんがなんとか子どもの苦手を克服させたい、平均にそろえたいと思えば思うほど、克服できない部分が残った時に、子どもは親の期待に応えられない自分を責めてしまうのです。否定的な雰囲気の中で育つと、自己肯定感も低くなりますし、さらに責めたてられるような雰囲気の中で育つと、抑うつ的になってしまったり、逆に、自己防衛する意味で攻撃的な性格になってしまう危険性があります。――確かに…。でも、親は、わが子に対して「こう育ってほしい」という理想を持ってしまうものなのかもしれません。良かれと思って、つい…(苦笑)。本田先生:申し訳ないけれど、いかに親の価値観や考え方をリセットできるかが大事なのです。難しいかもしれませんが、先に理念を変えるというより、実践しながらの方が価値観は変わりやすいと思いますよ。どんな時に子どもが情緒的に不安定になって、どんな時に落ち着いているのか、その両方の状況の違いがわかれば、だんだんと親御さんのとらわれが溶けていくと思います。そのプロセスをなるべく幼児期のうちに通過しておくと、学校に入ってからが楽になると思います。――学童期になると、別の難しさが発生するのでしょうか?本田先生:学校に入ると、親御さんだけではなく先生の中にも「学校ではこういう子どもを育てるべき」という考えを持つ人がいるので、子どもは、家でも学校でも問題児というレッテルを貼られてしまう危険性があります。子どもがトラブルを起こして、先生に怒られて、親御さんも学校から「家庭のしつけが悪い」などと責められて心が病んでしまったり…。そうなってからですと、非常に対応が難しくなります。――確かに…。自由な幼児期と違って、学校では勉強が始まるので、クラスの雰囲気を乱すような子に対して、先生だけはなく保護者の目も厳しくなるように感じます。本田先生:実際のところ、文部科学省の発表では、通常学級の生徒の中になんらかの発達障害を持つ子が6.5%いるということですからね。クラスに必ず数名はいるということになります。早いうちに子どもの特性を理解して、周囲にきちんと説明できるような親御さんが増えて、そういう子がいるのがむしろ当たり前、という雰囲気になってきたらよいですよね。そして、学校もそういう子がいるという前提で、活動内容を組み立てるのが、当たり前になってほしいと思います。社会集団には、個性の凸凹がある程度存在します。「よくある個性」と認める範囲が広い集団では、「少数派」の人がそれほど目立たなくなります。発達障害の人も、その他のさまざまな個性がある人も、それぞれが自分のことをよく理解し、それが自分の普通だと思って生きていけるような社会が、本来あるべき社会の姿だと、僕は思っています。今回のお話や本を通して、いろいろな普通があることを、多くの人に理解してもらえればと思います。もし、わが子の発達に不安を感じている方や、すでに子どもが発達障害と診断され悩んでいる方がいたら、ぜひ一度、本田先生の著書を手に取ってほしいと思います。本を読む前と読んだ後では、きっと発達障害への印象がガラリと変わることでしょう。もちろん、そんな気持ちの部分だけではなく、「発達障害とはどんな障害か」ということもわかりやすく解説し、具体的な環境設定や支援方法まで紹介してあり、発達障害への理解と対応力が一段と深まることと思います。「どのような大人になるかは育て方次第」――その言葉に改めて、発達障害児の子育てにおける、親の役割の重要さを感じた取材でした。参考図書: 『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』 (SBクリエイティブ)精神科医として30年以上、臨床経験の大半を発達障害の診療に費やし、乳幼児から成人まで、さまざまなライフステージの方たちによりそってきた、本田秀夫医師による著書。発達障害とは、なんらかの機能や能力が劣っているのではなく、「病気」というよりも、「選好性の偏り」と考えるほうが、ずっと当事者の理解に役立つ。そんな視点から発達障害を理解し、発達障害の人の行動や心理、支援の方法までをわかりやすく解説。まちとこ出版社N
2019年04月02日見知らぬ土地での、初めての子育て私は結婚してすぐに夫の転勤で引越し、実家から離れた土地で娘を育てていました。そこは社宅が多く、私のように実家が遠かったり、パパの帰りが遅かったりして、ワンオペ育児をしている家庭が多い地域でした。娘が1歳の頃、私は公園で知り合ったママ友と仲良くなり、お互いの家を行き来して過ごしていました。この頃の娘は同世代の子どもと一緒にごっこ遊びなどはせず、いつもマイペースに遊んでいました。それでも皆と同じ空間にいることを嫌がる様子はなく、気が向けば遊びに参加したりして、本人はそれなりに楽しんでいるようでした。2歳頃になると、私はママ友に誘われて、地元の子育てサークルが主催する読み聞かせの会や、自治体主催の親子体操、工作教室などに行くようになりました。お友達が楽しそうに参加する中、娘は何度通っても部屋の端っこに隠れたり、外に出ようとしたりして、活動に加わろうとしませんでした。音楽教室の無料体験レッスンに参加させてみると…?出典 : そんなある日のこと。友達に誘われて、音楽教室の無料体験レッスンに行ってみました。講師の先生は、並べられたタンバリンや鈴などの楽器を“順番に”鳴らしていくよう口頭で指示しましたが、娘にはそれが理解できませんでした。そして先生に「お嬢さんには、こちらの教室は無理のようですね」と入会を断られたのです。どうしても入会したいという気持ちはなく、友達に誘われて「無料お試しキャンペーン中だし、楽しめたら良いなぁ」くらいの軽いノリで参加したとはいえ、この言葉に私は大きなショックを受けました。親子の“居場所”を探し求めた日々その後も私は、親子で楽しめる場所はないかと児童館や保育園の園庭開放、短期保育体験、プレ幼稚園など、娘と一緒にいろいろなところに行って相談しました。ですがなかなか、居場所は見つかりませんでした。ある時、自治体の相談窓口で「子どもの発達の相談に乗ってくれるところが最近できたんですよ。よかったらそちらに電話してみてはいかがですか?」と、ある施設で行われている親子教室を紹介されました。そこは今でいういわゆる「療育センター」だったのですが、名称に「療育」の文字もなく(そもそも当時私は「療育」という言葉も知りませんでした)、私は「娘と一緒に体を動かしたり遊んだりできる場所があるなんて、ラッキー!」という気持ちで電話をしました。その親子教室に見学に行った時、娘は一瞬入室を一躊躇しましたが、実際に体験してみると、そこはやはり娘にぴったりの場所でした。嬉しいことがいっぱい。できることがいっぱい。仲間がいっぱい。私は娘が興味を持つ絵本や紙芝居、遊びや体操など、たくさんのことを知りました。毎回楽しく過ごせる上に、そこでおむつ外れもスプーンの使い方も無理なく身につけられたことを、本当に嬉しく思いました。娘と一緒に帰省した時の出来事私と娘が実家に帰省していたある時、親戚から食事に誘われました。キッズコーナーのないレストランでの食事は、娘にはまだ無理ではないかと躊躇したのですが、「せっかく久しぶりに地元に帰ってきたんだから、いらっしゃいよ。個室だし、同じくらいの年の子も来るから大丈夫。身内の集まりなんだから、もし子どもがぐずっても誰も気にしないわよ。」と言われ、私は娘を連れて行くことにしました。ところが、いざ行ってみるとそこはホテルで、個室といってもホールをパーテーションで仕切っただけの、円卓を並べた会場でした。娘が食べられるメニューも少なく、遊ぶものもほとんどありません。同じくらいの子どもといっても、年上の子どもが1人だけ。娘は徐々にむずがり始めましたが、他の利用客もいるので、ロビーに出て遊ぶこともできません。ある程度覚悟していた私は、自分の食事もそこそこに、会場の隅で娘の遊び相手に専念しました。そして食事会が終わるまでの2時間を、親子教室で身につけたスキルをフル稼働して何とか乗り切ったのでした。親戚からの電話で言われた、きつい一言実家から自宅に戻ったある日、食事会を企画した親戚から電話がありました。そしてこんなことを言われたのです。Upload By 荒木まち子私は言葉に詰まりまりながらも「娘については関係各所に相談などもしているし、やれることはやっています。」とだけ言って電話を切りました。実はこの頃、娘は医師から“自閉傾向”と言われていました。遠くに住む親戚、しかも数年に1度しか会わないその人は、普段の私たちの様子を知りません。医師でも支援者でない相手の言葉を気にする必要はなかったかもしれません。でも、私の心は深くえぐられました。それが子育ての先輩としての“親切心”で発した言葉だったとしても、私にはとてもきつい言葉でした。一人で抱えきれないショックと悲しみでいっぱいになった私は、親子教室の先生に電話をしました。「帰省した時、親戚に『あなたの子は施設に入れた方がいい』と言われました。娘はすぐにどこかの施設に入れなければならないほどなのでしょうか?」話をしている途中で何度も言葉に詰まってしまったので、私が泣いていることは気づいていたでしょう。でも、先生はじっと話を聞いてくれました。そして穏やかにこう言ったのです。「ここも“施設”なんですけどね。」私たちにとって、親子教室はどんな存在だったのか今思えば、親子教室で行っていた遊びや体操は、療育そのものでした。例えば、教室の時間中は、子どもが勝手に開けて出て行かないように、ドアには「×」マークの紙が貼られていました。口頭で「部屋の中で過ごします」「一人で外に行きません」と言うだけでなく、視覚的にも分かりやすい工夫がされていたのです。また、親子教室は、子ども達がおのおの好きなおもちゃ遊びを堪能した後に始まるのですが、そのためにおもちゃを片づける時も、次の「楽しいこと」に向けて見通しを持たせたうえで、親子で一緒に片づけをしていましたし、片づけが済んだらサッとおもちゃの棚を布で目隠しして、子ども達が次の活動に集中できるような工夫がされていました。始まりの会では、ピアノに合わせて名前を呼びます。子どもが返事をできると、自然と先生や参加している親子から拍手が沸き起こりました。昔ながらの童謡に合わせた親子体操では、普段は抱っこや手つなぎを嫌う子どもたちと自然に触れ合うことができました。紙芝居は、『じゃあじゃあびりびり』や『もこもこもこ』など、物語重視というよりも視覚優位の子どもの興味を引くものを中心に選ばれていました。先生は私が娘の行動への対応に困った時、さり気なくフォローをしてくれました。でも決して、「こうした方がいい」とか「こうしなければならない」などと言うことはありませんでした。だから私はプレッシャーを感じることなく、自分のできる範囲で先生のすることをまねたりしていました。親子教室で行われていることや工夫には、障害のある子どもとの接し方に悩む親へのヒントがたくさんありました。また、それだけでなく、教室ですごす時間は、純粋に親子で楽しく過ごせ、悩みを相談でき、元気をもらい、笑顔になれる、かけがえのないものでした。私が「療育」という言葉を知らなかったためか、はたまた大らかな土地柄のせいもあったのか、そこにはいつも穏やかな空気が流れていて、ほんわかしていました。通っている他の保護者も皆気負うことなく、お互いの子どもの成長を喜び合う優しい雰囲気がありました。子育てサークルや音楽教室、親戚との食事会…そこでは気をつかったり、落ち着かなかったりして、穏やかな気持ちで娘と接することができませんでした。ですが、親子教室では、自然と笑顔になれました。私にとって、療育センターの親子教室で過ごすひとときは、“外”の世界で傷ついた心を癒すオアシスだったのです。ひとしきり泣いたら、前へ進める親戚の言葉に傷つき「遠くの親戚よりも近くの他人」を実感した私。この経験をもとに、「障害の話はとてもデリケート。私は相手から求められない限り、自分の意見は言わないようにしよう」と心に決めました。とても辛かったけれど、そうやって気持ちを切り替えて前に進めたのは、やはり近くに「プロフェッショナルな理解者」の存在があったからだと思います。娘が小さい頃、私は本当によく泣いていました。年を重ね、心も体も(?)図太くなった今。振り返ると、あの頃は怒り、落ち込み、喜びなどのさまざまな感情すべてをひっくるめて、大きく見守られていたように思います。療育センターの親子教室で、私も娘と一緒に育ててもらったのだと感じています。
2019年03月25日小さい子どもがいると、スケジュール管理が大変…そんなお悩みありませんか?予防接種に乳幼児健康診断、さらに自治体ごとに開催している母子向けのイベントなど…。子育てをしてみると、赤ちゃんや子どもの予定管理って結構忙しい!そんな子どもに関する予定をスケジューリングしてくれるのが、電子母子手帳アプリの「母子(ぼし)モ」です。おむつをかえて、食事を作って食べさせて、遊び相手になって、寝かしつけて…。そんな細かい仕事の積み重ねが「子育て」。毎日忙しく、あっという間に1日が終わり「スケジュール管理が苦手になってしまった」というママも少なくないはず。そんな忙しいママに向けたアプリです。母子健康手帳に記録される予防接種歴などのお子さんの健康記録をつけることが可能ですが、ほかにはどんな機能があるのでしょうか?■電子母子手帳アプリ「母子モ」が便利すぎる「母子モ(ぼしも)」の主な機能は、子育て世帯の健康に関するスケジュール管理。予防接種や、妊婦健診から乳幼児健診までの情報を記録することができます。とくにうれしいのは、お子さんの誕生日を入力するだけで最適な予防接種日をスケジューリングしてくれ、日程が近づくとアラート(プッシュ通知)で事前に知らせてくれる機能。これでお子さんの予防接種の接種忘れが防げます。そして、それらの情報をお子さんの「成長のきろく」として、日記や写真とともに保存し、家族で共有することもできるのです。子育てのスケジュール管理から記録、そして子どもの年齢に応じたお役立ち読み物も揃って、さまざまな機能がぎゅっとつまっていて頼もしい限り。■自治体の子育て情報「それ知りたかった!」がすぐわかる!自治体が開催する、離乳食教室や歯みがき講座などのイベントのお知らせは、どのようにチェックしていますか?「母子モ」に自分の住んでいる自治体を登録しておけば、いつでもスマホでチェックすることができます。後から自治体のイベントを知って「行きたかったな」と後悔することが減るかもしれませんね。■便利なアプリと連携していて、いざというときも安心「母子モ」には、ほかにも便利な機能が。神奈川県の健康管理アプリ「マイME-BYO(みびょう)カルテ」と連携することで、予防接種履歴や健診記録と一緒に、普段使っているお薬やアレルギーについても一括で管理ができます。さらにお子さんが小学校にあがっても、継続して学校健診の結果を記録できます。記録したデータは生涯にわたる健康記録として保存されているので、災害時など、いざというときにも確認できて安心。ぜひ、家族みんなで登録しておきましょう。ちなみに、人間の体の状態は、「ここまでが健康、ここからが病気」と明確に区別できるものではなく、「ME-BYO=未病(みびょう)」とは、この健康と病気の間を連続的に変化する状態をいいます。高齢になっても健康的で自立した生活を送るためには、病気になってから病院に行くのではなく、未病の段階から自身の健康情報を把握し、健康な状態に近づけていくことが大切です。「マイME-BYOカルテ」では、お子さんだけでなく、体重や歩数などアプリを使うママ自身の健康の記録もできます。健康の記録をおこなうことで「未病」の改善にも役立ち、アプリを使う本人と子どもはもちろん、家族全員の健康管理にも役立つんです。■「母子モ」以外にも! 「マイME-BYOカルテ」と連携するアプリ「マイME-BYOカルテ」は、 「母子健康手帳アプリ(提供:ひまわりの会・NTTドコモ)」 や 「あやぴぃの子育てお役立ち情報(提供:綾瀬市)」 とも連携しています。「母子健康手帳アプリ」は、母子健康手帳と一緒に使えるアプリです。健診の記録をクラウドに管理したり、自治体や病院から信頼できる情報が届きます。「あやぴぃの子育てお役立ち情報」は、高機能な予防接種スケジューラー(特許取得)を搭載した日本初の自治体特化型子育て支援サービス。複雑な予防接種のスケジュールを自動調整することができます。それぞれのアプリで記録した子どもの健康記録は「マイME-BYOカルテ」に保存することができるほか、予防接種の記録やお薬情報などの共有も可能です。さらに、ストレス測定や健康年齢算出などの機能を持った西武・そごうのアプリ 「beauty24」 とも連携。 「beauty24」 は、こころと身体の健康管理をサポートしてくれるアプリです。また、そごう横浜店の最新beauty情報にもアクセスできます。■医師からのコメントも続々と届いています吉田穂波 教授(神奈川県立保健福祉大学):4女1男の母親として仕事と子育てを両立しながら、母子保健を中心とした研究などに携わる産婦人科医「胎内にいるときから生まれて以降の数年間は、一生涯の健康基盤ができる一番大事な時期。健康記録を電子化することで、そうした時期を丁寧に見ていくためのツールとして使ってください」豊島勝昭 医師(神奈川県立こども医療センター):妊娠・出産時のトラブルや早産により緊急医療を必要とする新生児の診療に長年取り組む医師「個人の健康情報を、様々な情報と一緒に電子化して残しておくことは重要です。お子さんの健全な育成に役立ちますし、さらに、支援が必要な時などに、御自身の健康情報を周りの方と共有し、スムーズな支援を受けることができます」盛一享徳 医師(国立成育医療研究センター/神奈川県立こども医療センター):国立成育医療研究センターなどで、小児慢性疾患対策などに長年取り組む医師「アプリに掲載されている、公園や小さいお子さんが遊べる情報は便利だと思います。気楽に子育てをするための一つの手段としてあると思います。アプリの家族の情報共有機能などを活用して家族みんなで子育てをするきっかけになればいいですね」■さらに利用者にうれしいキャンペーンも開催中「母子モ」「マイME-BYOカルテ」の利用者向けに、キャンペーンも実施しています!1. 「母子モ」、もしくは県の専用HP等から電子母子手帳に関するアンケートに回答すると抽選でデジタルギフト券500円分が合計で2,000名に当たる。2. 1に加えて、「母子モ」または「マイME-BYOカルテ」を利用すると、抽選でデジタルギフト券5,000円分など豪華賞品が合計で4,000名に当たる。アンケートに答えるだけ&アプリを利用するだけのキャンペーン。アプリの利用は無料なので、この機会にぜひチェックしてみては? キャンペーンの詳細はこちら 「母子モ」公式サイトはこちら 「母子モ」アプリダウンロード iPhone Android 「マイME-BYOカルテ」公式サイトはこちら 「マイME-BYOカルテ」アプリダウンロード iPhone Android PR:神奈川県
2019年02月15日ドイツDE親バカ絵日記
yopipiのプチプラコーデ〜ときどき育児日記〜
発達障害と診断された息子の中学高校生活