子育て情報『[第1回]「愛される資格なんてない」睡眠薬を手にした僕を救ったのは』

2017年3月20日 14:00

[第1回]「愛される資格なんてない」睡眠薬を手にした僕を救ったのは

と思っていた。

しばらくして、いじめを苦に自殺をした少年のニュースをテレビで観て、“自殺”に興味を持つようになる。

「もう僕は愛されていないし、愛される資格なんてないから、いなくなった方がいい、みんな喜ぶやろうな。誰か一人でも泣いてくれるんかな。」

そんな考えが生まれるぐらいに迷走してしまっていて、自殺を愛されるための方法の一つだと思うようになった。

「今日は終わりの日だ」

ある朝、ふとそう思った。

母親が飲んでいた睡眠薬をこっそり部屋に持って行き、自殺をしようとした。

全く怖さはなく、むしろ無感情だった。

睡眠薬を飲もうとしたその時、ものすごい音がして、扉が開いた。


母だった。

いつもと違うぼくの様子に、母は感づいていたのだ。

母はすぐに僕をもの凄い力で抱きしめた。

そしてボロボロに泣きながらこう言った。

「学校に行かへんて死ななあかんほど悪いことなんか?あんたが元気に生きていてくれたら、それだけで十分なんや。あんたが何をしたって、誰がどう思ったって、お母さんはあんたの味方やねんで」

そう言ってずっと僕を抱きしめてくれた。

怒られると思っていたのに、自分は愛されてないと思っていたのに、どうして……。
ボロボロと泣く母の涙に自分の背中が濡れていく。


今までほとんど感情が出てこなかったのに、気づけば僕も、止められないくらいめちゃくちゃに泣いていた。

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