2016年4月5日 20:00
「アラサー女子の名手」が描く4コママンガ『敗者復活戦!』で“良質なオチ”を堪能
小説でも短編と長編では楽しみ方が異なるように、4コママンガにはいわゆるストーリーマンガとはひと味違った楽しみ方がある。
どちらかというと男性向けのものが多いなか、辻灯子さんの『敗者復活戦!』は女性のファンも多い4コママンガとして注目したい作品だ。作者の辻さんにお話を聞いた。
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舞台は商店街の一角にある古本屋。祖父母の営むこの店を手伝っている30代の月穂さんは、外資系の優良企業に勤めていた過去を持ち、ちょっとミステリアスな雰囲気を漂わせている。
脳天気な女子高生がそこでアルバイトをすることになり、彼女の親友とともに月穂さんとのちぐはぐなやり取りが描かれていく。
「30代って、自分としてはあくまでも20代の延長なのに、世間がそれなりの扱いをしてくるので、違和感を抱きがちなんですよね。今までみたいに勢いで走れないところが、30代の女性を描く面白さだと思います」
一見クールビューティな月穂さんにも、実は子どもっぽくてわがままなところがあり、女子高生たちのイメージする大人の女性像が崩れていく過程も、なんだか妙にリアル。自らの経験に置き換えればわかることだが、それぞれの年代や立場になってみなければ見えない景色があることに、改めて気づかせてくれる。