2021年9月30日 19:00
ムーミン誕生の陰にあった波乱の人生…親や社会との衝突、そして秘密の恋
だからこそ、彼女は一体どんな人間なのか、彼女の人生とはどういったものなのかについて考えさせられました。
そして気がついたのは、彼女を動かしているのはアートであること。芸術こそ、トーベがもっとも愛したものであり、彼女にとっては“聖なるもの”だったと思います。そしてもうひとつは、たくさんのステキな出会い。たとえ恋愛関係が終わっても友情を深めることができた彼らの姿に、私はインスピレーションをもらいました。
―当時のフィンランドは同性愛が犯罪とされていたそうですが、そんななかでも恐れることなく女性舞台演出家のヴィヴィカをまっすぐに愛する姿が印象的でした。
アルマさん私もいい意味で自分を見失うことができる愛には圧倒されますし、それこそが生きる力を与えてくれるものだと考えています。トーベは人に対しても、生きることに対しても好奇心を持っている女性ですが、それでもヴィヴィカとの恋愛は彼女にとっては驚きだったのではないかなと。
でも、彼女にとっては“ハッピーなサプライズ”だったとは思います。
戦後のフィンランドは非常に保守的だったので、同性愛は違法とされていましたが、トーベにとってはどの恋愛も自然に起きたこと。