くらし情報『『ある男』『愚行録』の石川慶監督、日本映画界に新たな視点をもたらすその魅力とは』

2022年11月18日 10:00

『ある男』『愚行録』の石川慶監督、日本映画界に新たな視点をもたらすその魅力とは

妻夫木聡演じる雑誌記者の主人公が、この事件の関係者への取材を進めるうちに、事件の背後にある嫉妬や羨望、格差や虐待といった事実が浮かび上がってくる。

大手ディベロッパー男性社員による選民意識と女性差別。華やかなキャンパスライフの裏にある、格差社会やちょっとした悪意。目標のために人を利用しようとする人間の身勝手さ。家庭内にある愛憎や性的虐待。

こういった、大小の“愚行”が積み重なり、大きな事件が引き起こされていくさまを、石川慶監督はどこまでもドライに描き出して見せた。主人公を演じた妻夫木聡と妹役の満島ひかりの演技もすばらしく、人間が抱える暗部をえぐり出すような作品となっている。

『ある男』『愚行録』の石川慶監督、日本映画界に新たな視点をもたらすその魅力とは
第73回ベネチア国際映画祭にて『愚行録』フォトコールに登壇した石川慶監督、満島ひかり Photo by Andreas Rentz/Getty Images

音楽家たちの成長と音楽愛を描いた『蜜蜂と遠雷』(2019年)

長編映画2作目となった『蜜蜂と遠雷』は、直木賞と本屋大賞をダブル受賞作した恩田陸の小説を映画化した作品。
前作とは全く毛色の違う、青春群像劇となっている。

『ある男』『愚行録』の石川慶監督、日本映画界に新たな視点をもたらすその魅力とは
映画『蜜蜂と遠雷』完成披露イベント
ある国際ピアノコンクールの2週間にわたる審査を通じ、ピアニストたちの葛藤と成長を描く本作。

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