2016年3月28日 15:07
日本のアニメのデジタル化、その最前線に迫る - ACTF2016 (3) 「フミコの告白」でネットを騒がせたスタジオコロリドが、デジタル作画を選んだ理由
自社内で完結した小規模制作で作りきった経験は大きかった。
その後もデジタル作画を続けるスタジオコロリドだが、一方で「台風のノルダ」以降はデジタル作画も課題も見えてきたという。というのも、長尺になるとどうしても他社との連携が必要不可欠であり、その際のルール決めが問題だったのだ。
Stylosでのみ見ることができるデジタルタイムシートでは、紙で制作するアニメーターや撮影担当とは連携がとれない。そこで、栗崎氏は外部との連携のためにスキャンしたアナログのタイムシートを入れたカットフォルダを作成。「台風のノルダ」以降以後もそのやり方で制作を続けているという。
講演の後半は、実際のワークフローが実演された。中でも注目はコンテから演出作監までCLIP STUDIO PAINTを使用していること。
同ソフトを選んだ最大の理由は描き味で、デジタル作画といえども「紙の感覚で描きたい」(新井氏)のだという。
社内ルールをマニュアル化しておくこともスムーズに進行するためのポイントの一つだ。カットフォルダの用紙設定の変更方法や、原画トレスの方法など、制作時の細かい部分まですべてわかりやすくマニュアルにまとめている。