2024年3月12日 14:42
【『不適切にもほどがある!』感想7話】クドカンがちくりと刺すドラマと伏線
今後、テレビで放送されるドラマがどんな流行を辿るかはともかく、当面はSNSで多くの人々が感想を共有しあう流れは変わらないだろうし、作り手もそれを前提にしてドラマ制作やプロモーションをすることになるのだろう。
まるでクドカン本人が来し方行く末を棚卸したかのような今回のエピソードを見て、ドラマのファンとしては語る言葉の有無に関係なく、作品を好きだと思う純度は大切にしたいと思うのだった。そして、この20年、毀誉褒貶(きよほうへん)と視聴率の容赦ない荒波をもがきながら泳ぎ続けるクドカンという脚本家が、やっぱり好きだと思った。
令和で純子とナオキは何を見つけに行ったのか、不登校が結んだ少年二人の縁はどこに着地するのか、昭和で始まってしまいそうなサカエの恋愛はどうなるのか、そして知ってしまった娘の寿命を小川はどう見届けるのか。
伏線を回収してほしいというより、笑顔と希望のあるラストだといいなと願う。
さて、次回はここまでどんなシリアスな展開にも、その天真爛漫さで我々視聴者の笑いの癒し枠だったムッチ先輩がついに令和に降り立つ。
その無垢さゆえに、小川市郎以上に危険な不適切の嵐が吹き荒れるかもしれない。