2020年9月2日 06:00
さつまいもは冷蔵庫より常温で…“栄養ロス”を防ぐ分岐点
「ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養成分が含まれている野菜が体によいものであることはみなさんわかっていると思いますが、その栄養成分を生かしきる方法までは十分に知られていないのではないでしょうか」
こう話すのは、女子栄養大学名誉教授の吉田企世子先生だ。野菜ひとつとっても、保存方法や調理方法、ほかの食材との組み合わせなどによって、取ることのできる栄養成分の量は異なってくる。
「たとえば、にんじんに油を使って火を通すと、β-カロテンの摂取量が生で食べたときの約1.4倍程度になります。ほかにも、野菜を切るタイミングやゆでる時間なども栄養摂取量に関係しています。また、野菜の皮の部分にはポリフェノールやカロテノイドなどの機能性成分が含まれているものが多いため、皮をむかずに丸ごと食べたほうが効率よく栄養が取れるものがありますし、保存法によっても栄養が持続する期間が異なります」(吉田先生・以下同)
本来摂取できるはずの栄養成分をムダにしてしまう、食材の“栄養ロス”は避けたいところだ。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で免疫力アップが欠かせないとされるいま、野菜から摂取できるビタミン、ミネラルといった栄養成分は大いに活用したい。