鈴木砂羽 憧れすぎた宮沢りえに“ちょっと怖い”手紙を手渡した新人時代
でも、あのころ、寿司を8貫食べたという記事があったのに、今は週刊誌で激ヤセと報じられるなど、すごく心配で……。それで私の出番が終わったとき、思い切って手紙を渡したんです。ただ、その内容が“一連の報道を聞いて心配” “話を聞いてあげたい”というようなことを長々と書いた偏執的なもので、今振り返ると恥ずかしさしかありません」
’90年代はずっと風呂なしアパートで過ごすほどの貧乏生活が続いたがーー。
「お風呂屋さんのお母さんが見かねて卵やキャベツをくださったり、俳優の仲間が貧乏アパートに来て、朝まで怪談話をしたり、ボロボロの中古車でドライブしたり……。毎日が楽しくて豊かでした。そんな20代の経験が女優に生かされていると思います」
人生経験を重ね、女優として成長した砂羽さんは、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(’11年、NHK)で再び宮沢りえと共演することに。
「撮影時は、りえちゃんとごく普通にお話しすることができました。あの手紙の送り主と、私が結びつかないことを、今でも祈っています(笑)」
【PROFILE】
鈴木砂羽
’72年、静岡県生まれ。
’94年に、荒木経惟の写真集を原作とした映画『愛の新世界』で主演デビュー。