2023年3月24日 06:00
タモリが苦言で話題の「~とか」「~になります」は若者言葉じゃない?専門家が語った驚きの歴史
『植物の実がなる』『殿様のおな~り~』というのは、この意味で使われていますね。今まで何もなかった場所にかつ丼が生じる、わけですから『かつ丼になります』という言いかたは、決して間違いではありません。
さらに言えば、すでに接客場面での専門用語、丁寧表現としてある程度確立もしているので、『使うな』とすることはもう難しいでしょう」
こうした、新たな丁寧表現が生まれて定着するという事例は、過去にもあったという。
「今われわれが日常的に使っている『です』は、江戸時代の終わりごろに生まれた言葉ですよ。当時は『美味しい』と言いたいとき、『美味しい』か『おいしゅうございます』としか言いかたがなかったんです。つまり、表現が2種類しかないと、われわれは極端だと感じてしまうんですね。
今は丁寧表現として『です』『~でございます』の2種類がありますが、ファミレスなどで『~でございます』と使うのは、なんだか丁寧すぎる。でも『です』ではぶっきらぼうに捉えられそうだ、と話し手が感じてしまうんでしょう。
ほど良い丁寧さ、を求めた結果として生まれたのが『~になります』なんだと思います」
今回のような言葉への違和感や新たに生まれる言葉への指摘は、今後も声が上がり続けるだろうと、尾谷氏は推測する。