2024年4月19日 12:00
『アストロノオト』監督インタビュー。「みんなで話のできるアニメをつくりたかった」
もちろん、コンセプトや設定に80年代アニメ的な要素は感じるんですけど、懐かしいものをやろうという気持ちはなかったですね。
往年の人気アニメの持つ”王道感”がありながら本作に新鮮さを感じるのは、“あの頃のアニメ”の味わいと、現代の観客に向けた視点や表現が両立しているからだろう。
高松いまの深夜アニメの多くはアニメーションが好きな人のための作品ですけど、そうではなくて、誰もが楽しめるものにしたかったんです。
作り手として楽しいことを楽しくやって、結果として楽しいものができた
春日森春木(監督)、高松信司(総監督)
本作は地上波放送だけでなく、配信でも楽しめるが、かつての地上波アニメや、週刊連載の漫画のように毎週1話ずつ観ていく楽しみがある。ひとつひとつのエピソードが楽しめる内容でありながら、シリーズを貫く謎や伏線、設定があり、週が進むごとに物語の熱量が上がっていく。
高松脚本が“送り書き”なんです。最初に全体の長い物語を作ってから切り分けるのではなく、まず1話を作って、「さぁ2話はどうしよう?」と考えて、2話ができたら3話を……という風に作っていきました。だから、物語の真ん中あたりまで、いくつかの設定がまだ決まってなかったりもしました(笑)。