2022年8月1日 17:00
一葉が思い描いていた世界が今、開かれようとしている―こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』貫地谷しほり×若村麻由美 対談
24歳の若さで夭逝した明治の女流作家、樋口一葉とその家族や知人たち、6人の女性の切実な生きざまを明るく切なく描き出した井上ひさしの傑作評伝劇が再登場する。こまつ座の旗揚げ公演として1984年に初演され、幾度も再演を重ねた人気作は、2013年に栗山民也の新演出を迎えてさらにパワーアップ。栗山演出で3度目の上演となる今回は、貫地谷しほり、増子倭文江、熊谷真実、香寿たつき、瀬戸さおり、若村麻由美の、独自の個性と実力を携えた面々が結集し、あの世とこの世、その境界線の物語を鮮やかに綴る。初めて樋口一葉役に挑む貫地谷しほりと、2013年公演より一葉と心を交わす幽霊・花螢役を担っている若村麻由美に、稽古の感触、作品への思いを語ってもらった。
花螢を演じるのは今回が最後・・・?
――本作の上演は6年ぶり。夏子(樋口一葉)役の貫地谷さんは初参加、花螢役の若村さんは3回目の出演になりますね。
貫地谷井上ひさしさんの作品はこれまでに二度やらせていただいたことがありますが、こまつ座公演は初めてです。ちょうど6年前に栗山さんと別の舞台のお仕事をしていた時に、次に演出されるこの作品のことを「面白いんだぞ〜」