2023年12月6日 08:00
水上恒司の考える愛「愛とは決して見返りを求めないこと」
撮影:奥田耕平
『OUT』では筋肉ムキムキの男気ヤンキーを演じたかと思えば、本作では凛々しい特攻隊員に様変わり。肉体改造も含め、別人のような変貌に「さすがですね」と感想を伝えると、本人は「当たり前のことですので」と控えめに頭を下げる。
この謙虚で一本気な性格に惹かれるのだろう。俳優・水上恒司の快進撃が止まらない。12月8日公開の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で、心優しき特攻隊員・彰役に挑戦。現代の女子高生・百合(福原遥)との時を超えた恋を、一瞬の輝きのように淡く眩しく演じている。
話題作への出演が相次ぐ24歳。
なぜクリエイターは彼にオファーをしたくなるのか。水上恒司の芝居論に迫った。
水上恒司がモニターチェックをしない理由
水上恒司はモニターチェックをしないという。だから、自分の演技を確認するのは初号試写のとき。その意図を尋ねると、「まだ僕が言えた口ではないんですけど」と恐縮そうに断りを入れた上で、自らの想いを明かす。そこには、彼らしい俳優の矜持があった。
「自分の芝居を見て、『もう1回やりたいです』と言うのって、僕の中ではちょっと違う気がするんですね。映画は、監督のもの。