巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作『山猫』の4Kバージョンと、『ルートヴィヒ』のデジタル修復版を上映する特集“ヴィスコンティと美しき男たち ~アラン・ドロンとヘルムート・バーガー~”の予告編映像が公開になった。痛んでいたフィルムを丁寧に修復/復元した映像で、息をのむような色彩、デティールで名作を楽しむことができそうだ。
その他の画像/復元された映像が公開
『山猫』は、シチリアの名門貴族の栄華と終焉を圧倒的なスケールで描いた作品で、2010年には、マーティン・スコセッシが設立したザ・フィルム・ファンデーションが1万2千時間をかけて褪色したフィルムを復元。今回は初の4K素材での上映になる。本作は、フェデリコ・フェリーニと繰り返しタッグを組み、『ひまわり』や『オール・ザット・ジャズ』も手がけたジュゼッペ・ロトゥンノが撮影を担当したが、このほど公開になった予告編でまず驚かされるのが、鮮やかな色彩だ。時間のかかる復元作業を経た映像は息をのむほどの美しさで、特に“赤”の表現に注目だ。さらに舞踏会のシーンの装飾やドレスなどの細部もボヤけたり、つぶれたりすることなくハッキリと描かれており、この素材がスクリーンに映し出される日を待ちわびるファンは多いのではないだろうか。