【医師監修】PMS(月経前症候群)は我慢しない! 緩和・改善法を解説
○PMSの原因は「女性ホルモンの急激な変化」
生理が始まる前の約1~2週間の間に女性の体と心に起こる、肌荒れ、便秘、頭痛、イライラ、憂うつ……といったさまざまな不調のことを、PMS(月経前症候群)と言います。特に理由もなくイライラする症状に悩まされている女性は多いはず。原因として考えられているのは、排卵後の女性ホルモンの急激な変化です。
ガマンできないほどつらいときは婦人科で、漢方薬などを処方してもらうことができますが、少し生活を変えてみるだけでPMSが大きく緩和・改善する場合もあります。悩んでいる人は、以下のような対策を試してみてくださいね。
○食べ物に気をつかう
朝食をきちんととり、毎回の食事の栄養バランスに気を配りましょう。PMSを緩和してくれるのは、緑黄色野菜や果物、玄米、豆類、海草類のような、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれた食べ物です。最近は野菜がたっぷり含まれているメニューを取り扱うレストランも増えているので、リフレッシュも兼ねて友達と出掛けてみては?
○軽い運動を楽しむ
じっと動かずにいると、余計に体調や気分の悪さが気になってしまいがち。
もちろん体調の悪いときに無理は禁物ですが、大丈夫そうであれば、散歩、サイクリング、ジョギングなどの軽い運動をすると気分転換できます。血行もよくなり、むくみや便秘の改善につながることも。外に出られないときは、部屋でストレッチする程度でもかまいせん。
○とにかくリラックスする
お風呂、マッサージ、音楽鑑賞などで頭を空っぽにして、心身を解放してあげましょう。アロマテラピーにも、イライラを解消したり心を落ち着かせたりする効果があると言われています。映画やドラマ、マンガなど好きな趣味に夢中になるのもいいですね。
○仕事は無理せずマイペースで
生理前は集中力が落ちる人も多いので、無理に頑張らず、できれば定時で切り上げるなど負担を減らす工夫を。家族がいる人は、不調であることを伝えて家事などを手伝ってもらうのもアリです。
○NG行動にも注意!
おすすめ行動のほかに、「これをやるとPMSが悪化する! 」というNG行動もあります。例えば、甘いものや塩分のとりすぎには注意。生理前は甘いお菓子がほしくなるかもしれませんが、糖分をとりすぎると血糖値が急激に上下するため、かえって気分が不安定になります。どうしても間食したいときは、昆布やナッツなど、甘くないものを選ぶといいでしょう。また塩分はむくみの原因になるので、いつもより控えめに。ほかにも、ストレス、不規則な生活、睡眠不足、飲酒、喫煙もPMSを助長するので気をつけて。
イライラなどの不調を放置しておくと、仕事が手につかなかったり、パートナーや仕事仲間に当たってしまったりと、生活に影響が出ることがあります。周囲のためにも、自分自身のためにも、生理前の不調は最小限に食い止めましょう!
※画像は本文と関係ありません
○善方裕美医師
日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。
神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。
主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など
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