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血尿か生理の出血か分からない! 見分ける方法はある?

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血尿か生理の出血か分からない! 見分ける方法はある?

●長時間トイレを我慢……働く女性は「急性膀胱炎」に注意

急性膀胱(ぼうこう)炎や尿路結石、腎臓ガンなどの病気になると、血液が混じった赤い尿が出ることがあります。これを「血尿」と言いますが、女性が生理中に尿の色の変化に気付いた場合は、それが経血なのか、病気による血尿なのか、判断がつかないこともあるでしょう。

今回は、女性の血尿の原因や病気のリスク、血尿か経血か分からない場合の対処法について解説します。

○女性は「急性膀胱炎」が多い

血尿が出るのは、尿をつくる腎臓や、尿の通り道となる尿管、膀胱、尿道のどこかに炎症や傷ができていて、そこから出血しているというサインです。肉眼で赤い尿が確認できる場合(肉眼的血尿)と、色では分からなくても尿検査で血尿と診断される場合(顕微鏡的血尿)があります。

まず考えられる原因は、急性膀胱炎や腎盂(じんう)腎炎などの尿路感染症。急性膀胱炎は、大腸菌などの細菌が膀胱に侵入して炎症を起こす病気です。トイレを長時間我慢することなどによって起こり、特に女性に多く見られます。
初期は、頻尿、残尿感、排尿時の痛みが三大症状ですが、ほかに尿のにごりや腹部膨満感があったり、悪化すると血尿が出たりすることもあります。

膀胱の細菌感染が腎臓にまで進んで炎症を起こすと、腎盂腎炎に。血尿のほかに、高熱、腰や背中の痛み、吐き気、全身のだるさなどが生じることもあります。

また、尿管に結石が詰まる尿管結石、膀胱ガンや腎ガンなどの悪性腫瘍が原因で血尿が出ている可能性もあります。尿管結石は、お腹や腰に激しい痛みが起こるのが特徴ですが、膀胱ガンや腎ガンの場合は、重度になるまで血尿以外の自覚症状はほとんど現れません。

●尿の「色」だけで判断するのは難しい
○生理の出血と勘違いする可能性も

ただし、尿が赤っぽく見えても血尿ではないこともあります。例えば、高熱や脱水によって尿が濃縮されて茶褐色になっている、薬の影響で色がついている、生理のときに出た血液が尿に混じっている、といったケースです。

実際に生理中にトイレで赤っぽい色の尿を目にして、生理の出血か、ほかの原因で血尿が出ているのかで悩む女性は多いようです。
どちらかを簡単に見分ける方法があればよいですが、実際には、見た目だけで原因を特定することはできません。○血尿以外の症状がポイントに

もし頻尿、残尿感、排尿時の痛み、腹痛など、血尿のほかにも症状があれば、生理の出血ではなく、尿路感染症や結石などによる血尿である可能性が高い、ということは言えます。しかし前述のとおり、膀胱ガンや腎ガンなどの悪性腫瘍の場合は、血尿以外にまったく初期症状がないことが多く、血尿以外に症状がないからといって生理の出血だとは言い切れません。

なおガンの場合は、血尿の症状が一時的にしか出ないこともあります。ちょうど生理中に血尿が出て、生理が終わったら見られなくなった場合、「やっぱり生理の出血だったんだ」と安心して放置している間に、腫瘍が進行する恐れもあります。

病気を見落とさないためには、「血尿かも」と思ったら自己判断せず、医療機関で尿検査と診察を受けることが重要です。そのときに生理中であれば、必ず医師にそのことを伝えてください。

※画像は本文と関係ありません

○記事監修: 善方裕美医師

日本産婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医
1993年高知医科大学を卒業。
神奈川県横浜市港北区小机にて「よしかた産婦人科・副院長」を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママでもある。
主な著書・監修書籍
『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』
『だって更年期なんだもーん―なんだ、そうだったの?この不調(主婦の友社)』
『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など

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