生理前・生理中に眠くなるのはなぜ? 原因と対処法を医師が解説
生理前や生理中になると、夜に十分な睡眠をとっていても日中に眠くなるという女性の声をよく聞きます。なぜこの時期には、多くの女性がいつもより眠気を感じるのでしょうか? 原因と対策をお伝えします。
○主な原因はホルモン分泌による体温の変化
生理前や生理中に眠気が強くなるという現象には、ホルモンバランスの変動が関係していると考えられます。
女性の体と生理周期は、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンによってコントロールされています。生理前の約2週間にあたる時期を「黄体期」と呼びますが、この時期にはプロゲステロンの分泌が急激に増えます。プロゲステロンには体温を上昇させる働きがあるため、この時期には普段より体温が上がります。
性別にかかわらず、人間の体は体温が下がると眠くなり、逆に上がると目が覚めるようにできています。したがってプロゲステロンの分泌が多く、体温が高い黄体期には夜になっても体温が下がりにくく、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりしてしまうのです。
生理前になると日中でも眠気が出やすくなるのは、このためです。
また、そもそもプロゲステロン自体に、眠気を誘発する働きがあるといわれています。