スキンケアは“装飾”じゃない。アトピーに悩んだ私が、究極のシンプルケアにたどり着くまで
浴室に持ち込んだのは、皮膚科処方のチューブ状保湿クリームと白ワセリンがたっぷり入った大きめの容器。
髪を洗った後、無添加石鹸のボディソープで顔を洗い、そのまま身体全体に泡を行き渡らせていく。「洗う」というより「滑らせた」だけの泡をザーッとシャワーで流す。そして、濡れたままの顔と首に保湿クリームを塗り、そこから下へ手のひらで温めて伸ばした白ワセリンをこれでもかと塗る。気分は、たっぷりのバターを塗られたトーストのよう。
驚かれるかもしれないが、私のナイトスキンケアはこれで終わりだ。
「え? 化粧水は? 美容液は?」「ボディクリームも塗らないの!?」。美容に精通している人たちが、軒並み揃って半ば呆れるかのように驚いている表情が脳裏に浮かぶ。
実際、端から見れば超絶ズボラスキンケアを友人に話すと、人によっては乾いた笑みを浮かべ、また別の人は心配そうな視線を送ってくる。
別に基礎化粧品を一式揃える経済力がないだとか、スキンケアに興味がないというわけではない。何なら、スキンケアデビューは小学生の頃まで遡るぐらいだ。肌と向き合い、今年で早18年。時の流れの早さに恐れ慄くと同時に、人生で一番目に見えて効果のあるスキンケアと出会うまで10年以上の時間を要したことに涙が出そうになった。