“美容”という道具には、もう振り回されない。「キレイな女」をやめて手に入れた幸せ
物心ついた頃から自分の容姿が悪いのだという自覚があった。丸顔の大顔で目つきも鼻の形も悪く、手足は短くずんぐりむっくり。同級生と並べば私だけ横幅が倍ほどある。
「どうせ私は“綺麗”じゃない。だから何をやっても上手くいかないし、何をしても無駄」
そんな諦めに近いコンプレックスが常に付きまとった。成人する頃には私はすっかり自意識を拗らせた面倒な女になってしまっていた。
そんな私が、心の底から変わりたいと思う出来事があった。20代も後半に入った頃、趣味つながりで新しい友人たちができたのだ。
彼女たちはみんな綺麗で明るく、ひねくれた私とは対照的だった。
ある日、友人のひとりに何気なく「いつもオシャレだね」と声をかけたら、彼女から「今日はフジコさんと会うから可愛くしてきた」と返ってきた。ノーメイクどころか毛玉が浮いている服を着ている私に会うために、友人は時間と手間をかけて着飾ってきてくれた。
私はそのときはじめて、「どうせ無駄だから」と外見に一切手をかけてこなかった自分が恥ずかしくなった。そして、せめて人並みに見た目を整えて、彼女たちと堂々と並んで歩けるようになりたいと思ったのだ。
結果、私は30キロ近いダイエットに成功した。