昔、久々に学生時代の友人に会ったとき。「久しぶりー!」と声をかけられても、誰だか全然わからなかったことがあります。
「このイベントに参加しそうな私の知り合いって……?」と考えて、やっと「ああ、あの子か!」とわかったのですが、明らかに私を知っている風に話しかけてくる相手に、しばらくの間、ひやひやしながら話を合わせたのを覚えています。
10年ぶりくらいだったから、彼女だとわからなかったのかと思いきや、私が気づかなかった理由はそうではありませんでした。
10年も経っていれば、老けたり、太ったり、痩せたり、髪型がガラッと変わったりしてわからない、というのはよくあること。なかには、「お直し」をしたから顔が違っている、という人もいるかもしれません。しかし、彼女の場合は、昔と同じ体形で、髪型も昔とほぼ一緒、そこまで老けたなあという印象もなかったのに、それでも気づかなかった理由――。
それは、彼女の「顔つき」が変わっていたから。
■「なんか、顔、変になってる!」
本当に失礼な話ですが、彼女だと気づいたときに私が真っ先に思ったことは、
「なんか、顔、変になってる!」
老けた、やつれた、整形した、そういうことではなく、何か言いようのない違和感のようなものを感じたのです。