ロングからボブへ。ヘアカットで果たした、過去との決別【猫川舐子】
人生を振り返ると、ロングヘアで生きてきた時間が圧倒的に多い私。
美容院の椅子に腰かけ、「今日はどうする?」と聞かれた瞬間こそ微妙に迷いが出たものの、「ばっさり切ってください」と一言伝え、いざ断髪。
切り落とされた髪の束を見て、いろいろなことを思い出してしまいました。毛先はおよそ5年前のもの。何かを察してか、美容師さんがそっと言葉をかけてくれました。
「髪を切ることは、過去を清算することでもあるから」
5年ぶりのボブはとにかく頭が軽く、新鮮でありながら今の気分にしっくりきて、晴れやかな気持ちで美容院を後にしたのでした。
■ロングからボブへの大胆チェンジは、過去と決別できた証拠
長年ロングヘアをキープしていた私ですが、5年前に一度、イメージチェンジのために思い切ってボブにしました。意外にも多くの方々から好評で、「ロングヘアより、絶対に短い髪の方がいい!」という意見が大多数でした。
しかしたったひとり、その時交際していた彼からは、その言葉を得ることはできませんでした。
「……髪が長い君に、もう一度会いたい」
当時の彼とは、私が背伸びして、必死に追いかけながら交際している状態でした。